月のトマ
「あーお腹いっぱい。」
ねずみのトマは満足そうにお腹をさすります。新月の夜は月を全部食べれるので一番大好きな日です。
朝になるとトマは飛行船に乗っていつものように家に帰ります。
次の夜も仕事に間に合うように飛行船に乗って月へ向かいます。今夜もまだまだたくさん食べれるので嬉しくて嬉しくてニコニコです。
月に到着すると今夜の形にナイフできれいに切りお皿にのせます。
「美味しいなぁ、本当に美味しいよ。」
トマは満足そうにお腹をさすります。
半月の夜になるとトマは少しさみしい気持ちになってきます。あんなに美味しい月をあまり食べることができなくなるからです。
満月の夜が近づくとトマはもうお腹がペコペコです。
もっと食べたいけど我慢します。
きっちりと決まった分だけ食べるのが仕事だからです。
そして満月の夜は仕事はお休みです。
トマは家の庭から月を見上げます。
「あー美味しそうだなぁ、早くたべたいなぁ。」