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プロローグ

よろしくお願いします

「此処はどこだ」


「あなたは死んだのよ」


「なんだとっ!」


「そして今生き返ったの」


「生き返った?」


「ええ、私は愛の女神ツゥアハート。あなたを異世界に招くも者よ」



 このギャグのようなやり取り。これが女神ツゥアハートとの出会いだった。








「つまり俺は死んだしまって、今あんたに生き返らせて貰って異世界に行くって事か」


「信じられないかしら」


「ああ、信じられないが本当なんだろう。確かに車に轢かれて死んだ気がするしな」


「ええ、あなたは車に轢かれて死んだわ。その魂を私がここに呼び寄せたのよ。ほら見てみなさい。あなたの顔よ」


 愛の女神ツゥアハートは長方形の鏡? みたいなのを出現させた。


 その鏡を覗き込む。


 若返ってる。


 それも15くらいか。


 俺は29だったんだが半分も若返ってしまったようだ。


「本当に俺か」


「それはそうよ。だってこっちでは長生きして貰わないと困るもの」


 長生きねぇ。何か企んでるようだなこの女神様は。そりゃそうか、善意で生き返らせた訳じゃ無いだろうしな。


「そんな事無いわよ。もしかしたらあるかもだけど」


「なんだ、心が読めるのかよ。まあ構わんがな。で何があるんだ」


「んー、その前に私達女神について説明しないとね」


「他にもいるのか」


「私は愛の女神って言ったじゃない。他にも戦いの女神や魔術の女神、知識の女神もいるわよ」


「他は」


「後は覇王の女神に魔瘴の女神ね」


「覇王に魔性か」


「ああ、魔性じゃなくて魔瘴ね。瘴気の瘴よ」


「成る程、魔性はあんただもんな」


「私は愛の女神なんだけど」


「愛って言うか美と性って感じだな。目のやり場に困るしな」


 そう思いながらも目は逸らさないんだが。ダイナマイトボディーに布を。巻いただけの格好だしな。エロいねぇちゃんにしか見えないな。


「うふふ、ありがと。間違いじゃないもの。それじゃあ私の加護を渡しておきましょうか。・・・えっ?」


「ん? 何かあったのか」


「嘘? 凄いわねあなた」


「何がだ」


「自分のステータスを見てみなさい。イメージすれば見れるわ」


 そう言われてゲームのステータス画面をイメージしてみる。


 おおっ!本当に出た。そのままゲームのステータス画面みたいだ。



 女神の加護 ツゥアハート



 ちゃんとあるな、女神の加護が。


 ん、効果も分かるみたいだ



 女神の加護 ツゥアハート


 好意 相手の愛情感情を上昇させる魅了効果


 発情 相手を発情状態にする


 効果は異性にのみ有効



 ああ、本当なんだろうありがとだったんだな。やっぱり魔性じゃねぇか。


「あなた規格外ね」


「いきなりどうした。何か悪いもんでも食ったか」


「なんでそうなるのよ。ふぅ、いいかしら。あなたに与えた加護だけど本当は効果も弱体化されるのよ。でもあなたに与えた加護は私と変わらない強力なものよ。まさか人が女神と同等の力を得るなんて」


「なんだ、返した方が良いのか」


「構わないわ、あなたにそれだけの器があったと言う事だもの」


「そうか、好意と発情ね。魅了の強化版って訳か、娼館でも開くか」


「もっとましな使い方しなさいよ、全く。これを使えば世界中の女の子があなたの虜になるのよ。王様になってハーレム位作りなさい」


「さすが愛の女神様は言う事が違うな。だが王様は結構だ。それにせっかくの異世界なんだ、ゆっくり観光でもしたいんだがな」


「構わないわよ、あなたの自由に過ごせばいいわ」


「で、結局その代わりに何をさせるんだ」


「あなたが生きてる間とは限らないけどね。堕ちてくるのよ、神が。破壊神と言ったら良いかしら。もしあなたが生きてる間にそれが現れたら倒して欲しいのよ」


「神をか?俺は神を倒せる程強くなるのか」


「ええ、私がスキルを授けるからこの世界では上位6位は確実ね」


「6位?」


「そうよ、あなたは私の使徒として世界に招かれる。故に私の加護が与えられるの。そしてそれは他の女神達もそう。彼女達は私と同じ様にそれぞれ1人、私達の力を受け入れられる器を持った人間がを世界に招くの。そしていつか来る神災に備えるのよ」


「神災か。俺以外の人間も招かれてるって訳だ」


「そうよ、彼等と共に協力しなければ神には勝てないわ。負ければ世界は滅ぶ。だからあなたをこの世界に招いたのよ。とは言え人が生まれてから2000年以上経ってるけど1度も現れた事は無いわ。だからあなたが生きてる間に戦うかはわからないわね」


「そうか、なら気が楽だな。ひょっとして王様とか魔王が使徒だったりするのか」


「そうよ王様は違うけど魔瘴の女神の使徒は代々魔王として転生するわ。瘴気を支配して魔物を生み出す彼女は魔物を管理する役割を負っているのよ。魔王は彼女の代理ね」


「それで魔瘴か。でも魔王って規格外のイメージがあるんだが俺も一緒に戦えるのか」


「あなたも充分規格外よ。あなたの器は前任者を遥かに上回ってるもの。魔王より強くなるわよ」


「ああ、そりゃ確かに規格外だな」


 どうやら俺は本当に規格外らしい。まぁいきなり異世界に行ってレベル1で放り出されて死ぬのはごめんだからな。


「いえ、あなたはレベル1で放り出されるんだけど」


「おいっ!」


 なんだと?


「だからちゃんとスキルをあげるって言ってるじゃない。じゃないと神とは到底戦えないわよ。」


「・・・因みに前任者のスキルはなんだ」


「スキルって言うか職業ね、彼は勇者だったわ。・・・3日で死んだけど」



「・・・おい、女神、ふざけるな」





 どうやら異世界行きには不安しかなさそうだ。






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