詩 冬休み 中学生
ただの詩です。ご自由にとうぞ。
『めぐる』
巡る月
巡る星
幾千万の時を得て
僕の下へと道標を送る
命は巡らない
ただ、廻るのみ
廻りたくない
この巡り合わせに僕を捧げたい
儚い夢
廻る命
踊る涙
消えゆく僕と君
廻りたくない
少しでも、君と過ごしたい
僕は、巡りたい
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『偽物』
君の気持ちなんて、わかったことなど一度もない
ただただ周りに同調して
「わかるよ」と言っているだけ
僕の気持ちなんて、気付かれたことなど一度もない
そんなことは、もうとっくに知っている
社交辞令
常識
上辺だけの取り繕い
すべてが嫌になった
青いロボットの道具を借りて
そんなものがない世界を作ると
本当のこと以外は、何も聞こえなくなった
外に出て、学校に向かう
静かだ
ああ、そうか
本当のことなど、一つも無いのか
君の愛の囁きも
鳥の奏でる声も
みんな偽物なのか
僕が口を開こうとすると
自分でも何も聞こえなかった
僕は偽物なのかもしれない
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『初秋』
風が吹けば、
少しだけ嬉しくなる。
何でかって? そんなの、決まってるじゃないか。
寒いって思ってる間だけ、悩みを忘れられるから。
寒いっていう些細なことを、君と感じられるから。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『君が』
もしも、君が天使なのならば
僕は喜んでその弓矢の矛に穿たれよう
もしも、君が悪魔なのならば
僕は喜んでその大鎌に刈り取られよう
でも
でも、もし君が
僕と同じ弱くてちっぽけな人間だったらさ
ね、
ちょっとだけでいいから
僕に肩を、預けてくれないかい?
きっと、不幸な思いにはさせないからさ
きっと、幸せに包んであげるからさ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『恋絵の具』
僕の持つ真っ白いキャンバスに
一滴の絵の具をポトリと垂らす
君の目に滲んだ一滴の水が
僕には何だかわからないけどさ
僕の心臓が脈打つ度に
一滴の絵の具は踊り狂う
絵の具が暴れるキャンバスのなか
ひとつの影が現れた
ああ、やはり君なのか
もう、出て行っておくれよ
君が現れるたび、僕の心が止まっちゃうからさ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『淡い星々』
夜空に飛び立つ君
崖に咲く一輪の花
美しい獣の遠吠え
夜を彩る小川の声
僕の背中の小さな羽は
つい最近壊れてしまった
淡い漆黒で塗りつぶされた、遠い空の彼方
引き合う星々、君は澄空となる
さようなら、君
僕はもう飛べないからさ
追いかけることすら出来やしない
さようなら、僕
僕は長い家路を急ぐ
ああ、今晩の夕食は何だろう?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『さよなら』
さよならと僕が言うと
さよならと君が言った
さよならと言った僕の胸は
ありがとうで一杯だった
さよならと返してくれてありがとう
さよならと笑ってくれてありがとう
さよならと
僕に言ってくれてありがとう
君にとっては何気ない一言
僕にとっては一生の一言
さようなら
ありがとう
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『三連休』
長い休みは、
嬉しくもあるが、寂しくもある。
会える日は残り少ないのに
アイツを目に焼き付けたいのに
ねえ君、好きな人がいるかい?
いるなら、僕の気持ちがわかるはずさ。
見ていたいだろう?
知りたいだろう?
撫でたいだろう?
抱き締めたいだろう?
アイツがいない日々なんて、
まるで道端のゴミくず同然。
アイツというスパイスが、
僕の記憶に彩りを加える。
長い休みは、
嬉しくもあるが、寂しくもある。
自分が世界にたった一人だと
錯覚してしまうから。
泣き出したくなってしまうから。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『天候』
雨だろうと
風だろうと
雪だろうと
雷だろうと
霧だろうと
雹だろうと
どんな悪天候だろうと、
あなたがいれば僕は幸せさ。
僕の隣に
君がいない日は
どんなに美しい快晴だろうと
心は大雨が降る
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『旅立ち』
どんな奴とも必ずお別れがくる
それが嬉しいか悲しいかかは
結局自分次第なのだろう
大好きな奴とは別れたくない
たとえ思いが
一方通行だとしても
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『日々許容』
朝起きたら
夜寝るまで
毎日同じことの繰り返し
変化を求めて行動しても
上手くいくことなんてありはしない
でも、こんな毎日も
君がいつまでもいてくれるのならば
許容してしまう自分がいる
君の視線は僕を向かないけどさ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『瑠璃色の炎』
瑠璃色に照らす淡い炎が、真っ直ぐに僕を映し出す。
若草色の僕の心は、瑠璃色によって侵された。
炎はいつか消えるだろう
なら、僕もいつか消えるのか
瑠璃色に染まった僕の心は、
炎への依存と、瑠璃色への執着。
ただ、それだけ
炎を消さない
炎を消させない
炎を消させたくない
燃やし続けるのさ
僕の心を燃料にして
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『要らない』
君がいないなら笑顔は要らない
君が泣くなら微笑みは要らない
僕の表情は君で決まる
君がいないなら喜びは要らない
だから
今だけでいい
笑え、笑えよ
死んでも笑え
笑顔を絶やすな
微笑みを作り出せ
君がいるなら涙は要らない
笑顔を保て
泣くな
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『風船』
風船が舞い上がる
白い糸をなびかせて
道を歩く人々は
皆、歓声を上げた
日の光を受け
空へ空へと登る風船のなんと美しいことか
薄紅色の小さな夢が
大海原へと飛び立った
道を歩く人々は
もう一度、歓声を上げた
いいものを見た
綺麗だった
皆、口々に喜び合った
それを影から見ていた少女は
泣き声をあげて去っていった
風船は戻って来なかった
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『飛翔』
空を飛びたかった
翼はあった
小さいけれど強い翼が
空を飛べなかった
君がいなかった
この地上の何処にも
君が見あたらなかった
君はもう、空へと飛んだのか
僕はもう、君と飛べないのか
僕は飛ばない
もう、飛べない
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『狐雪』
雪が降ります、
白く染まった狐
雪が降ります、
霜の降りた小川
雪が降ります、
寒がりな木々達
雪が降ります、
手をこする君
凍え死んだ狐
凍え死にそうな僕の心
寒いな、
もう帰らなきゃだ。
え、まだ帰るなって?
大丈夫、また戻ってくるよ。
今度は薪をもってさ
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
『竹刀』
竹で出来た一本の刀
君を打つのは嫌だった
だけど君と向かい合いたかった
時は止まらなかったのか
君をもう打たなくていいのが嬉しい
だけどもう君と向かい合えないのが寂しい
一足の靴下
君からのクリスマスプレゼント
今晩も、月が綺麗だ
竹でもいいから、君に触れたい
刀でもいいから、君に打たれたい
月は変わらず美しい