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青いリボンのアラン  作者: 秋成
1/1

13年後の私。

【現在のみんなの顔】

(年齢)


【金の家紋入りブローチ】

父、アルフレッド・グロウハート

【銀の家紋入りブローチ】

母、シルフィー・グロウハート

【銅の家紋入りブローチ】

兄、キースグロウハート(19)


【赤い薔薇】

侍女、ルネ(40)

【白い鈴蘭】

父の秘書兼家庭教師、ユーベルト・シュルツ


【緑のリボン】

友人、エリス・ビーツァ(18)

【黒のリボン】

友人、ウラジミール・トロント(18)




5歳の冬。

誕生日の前日だった。


その日は今年1番の寒さで、窓には前日の雨が凍りつき薄く覆っていた。


かろうじて見えていた太陽が完全に見えなくなり、時計は午後四時を指していた。

ふっと意識が遠のいた。

かすかに見えたルネの顔が私を覗き込み、抱きしめながら大きな声でお嬢様、リティシアお嬢様と呼び続けていた。


次に目が覚めたのは2日後の夜。お医者様だろうか、優しそうな白髪頭のお爺さんがベッドの中の私の頭を撫でて目が覚めたかい?いま旦那様達を呼んでくるからと、部屋を後にした。


出て行ってすぐに外が騒がしくなり厳しそうな顔をした男の人、女神かと思うほどに美しい私と同じ髪と目の女の人、厳しそうな顔の男の人とよく似た男の子。

そして使用人と思わしき人たち。


「リティ…可愛いリティっ」


厳しそうな顔の男の人が顔に似合わず泣き崩れ私をぎゅっと力強く、苦しいくらいに抱きしめた。

女神のような女の人はベットに腰掛け私の頭にキスをした。


私の周りを多くの人が囲いリティシア、リティ、お嬢様と目を潤ませて、ある者は膝をつき、またある者は横のものと抱き合い。


そして私は思ったの、


「だぁれ?」


倒れた日によく似た寒さを感じた。まさに場が凍りつくというのはこういうことなのだろう。






私は伯爵令嬢リティシア・グロウハート。

18歳で頭はそれなり。

顔は母までとはいかないがそれなりに可愛らしい。

父はアルフレッド、母はシルフィー、1つ上の兄はキース。

私をよく助けてくれるのは小さな頃から世話をしてくれてる侍女のルネ、父の秘書であり私の家庭教師のユーベルト。

友人と呼べるのは伯爵令嬢のエリス・ビーツァ、侯爵令息のウラジミール・トロントだけ。


私には呪いとも言える症状がある。

人の名前や顔や声、人を特定するものがわからない。

例えば昨日緑のリボンと名札を付けたエリスとお茶会をしたとする。

私はその日誰かとなにを食べなにを話したかを確かに覚える。でもその人が誰かは判らない。


だけどその緑のリボンで覚えられる。

いわばエリスのつける緑のリボンは私にとっての顔なのだ。


私は私のために身につけられたそれで、人を覚えられる。





あれから13年。

私は18歳になった。


タイトルのアランはもう少し先に出てくるかも。

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