6話:採取
拾いまくり取りまくりです。
〈小石〉Fランク
小さい石。
〈石〉Fランク
石。
〈岩〉Fランク
岩。
〈草〉Fランク
雑草。
説明文が雑すぎなのはこれは採取のレベルを上げることで情報が増えたりするのかな?…何となくだけどこれらはこれ以上増えない気もする。
まだ森の浅いところでモンスターも少ないこともあって、目に付くものを片っ端からアイテムボックスに入れていった結果、使えるかも分からないけど結構な量にはなった。
採取のスキルレベルも、ランクが低いアイテムでも数が多ければそれなりなのか順調に上がっていってる。
《メインスキル》
隠密Lv6
《サブスキル》
絆Lv3 採取Lv5 調合Lv1 錬金Lv1 木登りLv1 裁縫Lv1 料理Lv1 暗視Lv2 隠蔽Lv4
枝を咥えたり掴んだらして持ってきてくれるユキも撫でつつだったから絆も上がってるし良い感じだ。
そのまま採取を続けていると、木の根元にさっきまでは見えなかったアイテムが見えるようになっていた。
〈キノコ〉Fランク
暗い場所に生えているキノコ。食用。
〈毒キノコ〉Fランク
暗い場所に生えているキノコ。毒がある。
げっ、解説が無かったら毒も食べちゃいそうだ。
それにしてもさっきまでは絶対無かったよね?もしかして採取のレベルが上がれば取れるアイテムも増えるのかな?
よしっ、もっとレベル上げてくぞっ。
それから1時間ほど、森の浅いところで採取を続けた結果。
〈ベリーの実〉Fランク
ベリーになる実。食用。
〈ブラックベリーの実〉Fランク
ブラックベリーになる実。食用
〈羽〉Fランク
鳥の抜け落ちた羽。
〈薬草〉Fランク
食べることで体力が回復するが、そのままでは効果が薄い。苦い。
〈毒消し草〉Fランク
食べることで毒を治すこともあるが、そのままでは効果が薄い。苦い。
が新たに取れた。ここまでは良い。
ベリーの2種類はどちらも甘酸っぱくてとても美味しかったし、ジャムなんかを作っても良さそうだ。
羽は数は取れなかったけど、矢なんかを作るのに必要そうだ。街に養鶏場とかあったら掃除する代わりとかで貰えないかな?
ユキのおかげで薬草や毒消し草を見つけた時に、ハサミかナイフが欲しいなと考えた時に採取用の小さなナイフが出てきてびっくりするなんてこともあった。ポーションなんかの材料になりそうだし、便利な技も見つかったのでこれはいい。
問題はその他に取れたものだ。
〈タラーアイ〉Eランク
美味。
〈ネジマキ〉Eランク
美味。
〈ウード〉Eランク
美味。
〈フキタワー〉Eランク
美味。
いや、山菜って!!
嬉しいよ?美味しいよね山菜!
でもなんだよこの名前!タラの芽にこれはゼンマイにウドとフキノトウっていっそそのままでも良かっただろうに…しかも初めてのEランクで嬉しいけど説明が雑だし…これはEランクのアイテムに対して採取のレベルが足りないのか?そう考えると思えば取れたのも最後の方だったし?
《メインスキル》
隠密Lv8
《サブスキル》
絆Lv5 採取Lv8 調合Lv1 錬金Lv1 木登りLv1 裁縫Lv1 料理Lv1 暗視Lv3 隠蔽Lv5
このゲームのアイテムの豊富さに驚いたけど、せっかく取れたんだし料理スキルもあるんだし素直に喜んでおこうか。油が安いようなら天ぷらにするのも良いな…じゅるり。
少し疲れてきたので木にもたれながらユキにベリーをあげてから、自分の尻尾を毛繕いしながら休憩をする。
ちゃんと感覚があるってのも不思議だなぁ、とぼんやり考えていると。
「きゅっきゅー!きゅーきゅ?」
どう?と言いたげな声に顔を向けると、ユキがハートの形の葉っぱがついたツタを身体に絡ませていた。
「な、なかなかのファッションセンスをお持ちで…ん?ハート形の葉っぱのツタ…?それって」
慌てて立ち上がり、ユキに謝りながらツタを切らないように慎重に辿っていくと、生え始めの位置を発見したので、ユキに頼んで穴掘りスキルを使って掘ってもらう。僕もユキを邪魔しないようにサポートしつつ掘っていく。
想定よりも浅いところでソレの本体が見え始めた。その一部を見て確信した僕は、掘り続けるユキに時たまベリーをあげたり撫で回してお互いに労わりつつ、本体を傷付けないように掘りだしていく。
そこからさらにしばらく掘ったところで、明らかに感触が変わったので、軽く上に持ち上げようとしてみると、嘘のようにするりと抜け出て収穫することに成功した。
〈天然ネバッコイモ〉Cランク
発見、採取難度が高い。粘り気が強く美味。傷が付いておらず、品質が高い。
「自然薯キター!!」
「きゅきゅー!!」
名前についてはもう何も言うまい。
ゲームの中だから流石に現実ほど大変ではなかったが、それでも高ランクなものを苦労して(主にユキが)掘り出したからか一気に採取のレベルが2も上がっていた!
ユキと喜びを分かち合い、感動の抱擁を交わした後、自然薯一本に山菜は食べ切れないほど取れたので、流石にこのまま採取を続けるのは悪手であると判断して街に戻ることにする。
森から出たところでユキに感謝してから送還する。早く隠密のレベル上がって気にされなくなるか、モンスター連れてる人も増えないかなぁと考えながら歩いた。
取ったアイテムは全てアイテムボックスに入れてあるのでユキがいない寂しさと共に手ぶらで街に入りギルドを目指す。
そういえば。山菜とかって買取してもらえるのだろうか?セレさんに聞いてみよう。
街の様子は、それなりに人が多くなっていて、もうほとんどの人が装備を用意しており、中には既に露店を開いている人もいて早さに驚きつつ、周りからの妙に気になる視線からコソコソと逃げる様に商業ギルドに入った。
ギルドの中は相変わらず人が少なめだったが、依頼の貼ってあるボードの前にはそれなりの人数がいて、話し合いつつ選んでいた。
受付は割と空いていて、セレさんのところは空いてたので真っ直ぐ向かう。
「セレさーん!山菜を取ってきたんだけど、これって売れたりする?」
「えっ、何も装備せずに森に入ったの?!もう…ベル君の方針は知ってるつもりだけど、ほんとに無茶だけはしないようにね?」
セレさんは驚いた後に呆れた様に言うが、本気で心配しているのも伝わってきたので慌ててしまう。
「は、はい!な、なるべく無茶はしません!」
「なるべくって…はぁ、取り敢えず確実に安全だと思うところだけにするのよ?それと山菜だけど、なかなか取りに行ってくれる人は少なくて、需要は多いから結構いい値段買い取るわよ。ただ、料理に自信があるなら露店で自分で調理するのも手ね。あっ、そうそう、ギルドに入ってる人は自由に露店を出していいからね。でも通行妨害になってたり周りに迷惑かけていたら捕まるから気を付けてね?」
取り敢えずまともにやってたら大丈夫ってことだよね。
「なるほど…気を付けます!ちなみに油と調理用具の値段ってわかったりしますか?」
「ベル君が買えるのはギルドで売ってる初心者料理セットね、2000Gと少し高いけど、調味料やそんなに大量ではないけど油もついてるわ。もっと欲しかったり他の材料が必要なら雑貨屋に行けば一通りのものは揃うと思うわ。」
やや高い気もしたけど売れたらすぐに戻ってくると考え、思い切って購入してから雑貨屋の場所を聞いてから向かう。
視線が気になること以外は特に何事もなく、雑貨屋にたどり着いたので商品を見ていく。
スコップを発見して、今度また地面を掘るかもと買おうと思ったけど、800Gと高く、買うと他の食材が買えなさそうだったのでやめておいた。
小麦粉と片栗粉と卵を選んだところで、お皿を何枚も買う程には余裕が無いことに気が付き、100本セットの串を手に取った。最後に水汲み用の大きめの桶を取って会計をすると、950Gで残金は40Gになってしまった…ひもじい…
だがこれで必要なものは揃った!
串カツならぬ串天だけど、きっと売れると信じよう。売れなかったら自分で食べればいいしねっ!
ベル
所持金40G
絆:ユキ
《メインスキル》
隠密Lv10
《サブスキル》
絆Lv6 採取Lv10 調合Lv1 錬金Lv1 木登りLv1 裁縫Lv1 料理Lv1 暗視Lv4 隠蔽Lv7
《控え》
なし
SP:2
ベルは一応取り過ぎないよう配慮していますが、実はゲーム的なものでフィールドではすぐににょきにょきと生えてくるので問題ありません。
次回、串天の売れ行きは如何に。