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RINGING ONLINE  作者: rin_k
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4話:街とギルド登録…?

いよいよゲームもスタートです!

 移動したことに気が付き、意識を完全に覚醒させてから辺りを見回して言葉を忘れて目を光らせる。


 どうやら広場のようなのだが、自分と同じよう辺りを見回している恐らくドワーフの女性、メニューを操作しているのか何も無いところを見ながら指を動かしているエルフの青年、移動を開始している竜人族、知り合い同士で話してる普人族と獣人族の2人組、他にも沢山の人に、見ているうちからどんどん増え続けていて、中世風の街並みもあいまってこれぞファンタジーという光景に、セレさんとの別れの寂しさも一時忘れて感動しっぱなしだった。


 兎人種の女性を見かけたところで、ある事に気づく。

(あれっ?!ユキはどこ?頭の上にも居ないし近くにもいないし、まっ、まさか誘拐?!と、取り敢えずメニューに何かないか?!)


 と慌てながらメニューを開くとまた鈴の音が聞こえた。


 リンリーン《メールが一件届いています》


 メールはあとでチェックして今はユキだ!と項目をチェックすると、あの空間でメニューを開いた時には無かった、絆という項目が増えていた。

 タップすると、どうやら絆を結んでいるモンスターの状態が分かるらしく、今は送還状態であることが分かった。


 取り敢えず無事であることが分かったので落ち着きを取り戻し、ユキのステータスも見てみると、どうやらユキは逃げ足と穴掘りのスキルを覚えているようだ。


 かなり慌てて挙動不審になってたにも関わらず周りからあまり見られてないのはメインスキルにセットした隠密のおかげかもしれない。かといってここでユキを召喚するのは流石に目立ちそうだと考え、移動をしながらメールをチェックする事にした。


 メールは運営からのものだった。

[本日はRINGING ONLINEをプレイして頂きありがとうございます。プレイ開始の記念として3000Gをお送りしましたので、アイテムボックスをご確認ください。アイテムボックスはメニューからも開けますが、メニューと同じくアイテムボックスと口に出すか念じる事によっても開くことが出来ます。引き続きこの世界をお楽しみ下さい。]


 一度道の端で立ち止まってメニューを閉じてから、アイテムボックスと念じると3000Gとだけ書かれた小さめのウインドウと、大きな何もないウインドウが出てきた。


 なんだこれと大きい方をタップしようとすると、思いがけずそのまま手が入っていったのでバランスを崩しそうになった。

 横から見てみると腕が途中から無くなって見えた。

 ここで出し入れするってことかな?と思い当たったので、3000Gと思い浮かべると手に何かが当たったので掴んで出すとお金の入った袋が出てきてそのまま消えてしまった。


 一覧の方からも消えてたので慌ててメニューを開くと、所持金のところに3000Gとあった、お金は物体としては使えないのかな?支払いはどうすればいいんだろう自動的に払ってくれるなら楽だけど…


 物は試しにと屋台でうさぎの串焼きを売ってるおじさんの所に向かう。こういう時はまずは串焼きと相場が決まっているのだ。ユキを召喚してる時には流石に食べれないし。


「おじちゃん、串焼き下さい!」

「おうちびっ子!お使いか?一本10Gだぞ!」

「ち、ちびっ子?お使い?僕もう16だよ?!取り敢えず一本頂戴!あと、買い物したことなくて、お金どう払えばいいのか分からないから教えて欲しいんだけど」

「そ、そりゃあ悪かったな、お詫びに一本おまけするから許してくれ。あー、兄ちゃんもプレイヤーってやつか、ウインドウで金額を確認して支払いで自動的に払われるぞ。ほい、これ食って大きくなれよ!」

「ありがと!サービスしてくれたしまた来るね。おっと、支払いっと、おー!本当にお金が減ってる!」


 これで残りは2990Gだ、取り敢えず焼きたての一本を食べちゃおっ。

「はふっ、はふ、んっ!美味しい!タレをかけただけのシンプルなように見えて肉は丁寧に下処理されてて筋も取ってあって柔らかくジューシーで臭みも全然無いし、甘辛のタレもしっかり染み込んでて、入ってるスパイスがまた絶妙に食欲をさそって口に入れて咀嚼してるうちにまた一口とどんどん食欲が湧いて来る!こんな串焼き今まで食べたことないよ!」


 結構なボリュームだったのに勢いで二本ともペロリと平らげてしまった、それでもまだまだ食べられそうだからおじちゃん恐るべしだ!料理スキルもあるしこっちの世界ではおじちゃんを目標にしよう!ところでなんか騒がしいというかいきなりお客さん増えてない?


「おぅ!兄ちゃんが美味そうに食ってくれたおかげでそれに寄せられた客でしばらく忙しくなりそうだ!お礼したいとこだがそんな余裕ないから、そうだな、また今度来てくれ!次はもっとサービスするぜ!」

「分かったー、また来るね!ばいばいおじちゃん!」

「またな!あっ、そうだ、まだ行ってないならギルドに行っとくといいぞ!冒険者ギルドと商業ギルドでどっちも登録しとくと便利だぞ!」

「ありがとおじちゃん!」


 話してる間にも客は増えているので足早に離れる。

 おじちゃんも言ってたし取り敢えずギルドかな?登録し終えたらフィールドに出てユキと一緒に薬草とかのアイテム集めだなっ!


 住民に聞きつつ辿り着いた冒険者ギルドで、早速登録をしよう!…と思っていたのだが…


「すみません、少なくとも1つは戦闘技能を持っていないと、冒険者ギルドには登録出来ないんです…」

「アッハイ、なんかすみませんでした」


 申し訳なさそうな冒険者ギルドの受付嬢の顔と、周りの変なやつを見るような目線に耐え切れず思わず謝まる。


「あ、あのう、商業ギルドだったら僕でも登録出来るでしょうか?」

「あっ、はい!そちらは絶対に大丈夫です!元気出してください!戦えなくても商人として大成した人もいますから!」

「あ、はい、ありがとうございます。頑張ります…」


 無駄足にはならない確認は済んだので、商業ギルドに向かう、目的地は冒険者ギルドの目の前だ。

 それにしても。自分で決めたスキル構成とはいえ、流石に凹んで猫耳と尻尾がへんにょりしてしまう。


 足元を見ながら商業ギルドに入り、受付に向かう


「あらどうしたのベル君、へんにょりしてるけど、あっ、冒険者登録でも断られた?だからあんなに戦闘系取っといた方が良いよって言ったのに」

「うぅ、まさか登録すら出来ないなんて。ちゃんとセレさんの言うこと聞いとけばよかっ…た…?」


 ん?なんでこの人は僕の名前を、っていうかこの声って、そこで初めて顔を上げると


 あの白い空間で見た受付嬢のような服を着て


 いたずらが成功したような笑顔で


 セレさんが受付に座っていた。


「受付嬢のような服だと思ってたらまんま受付嬢だったの?!」

「あら?最初から気付いてたの?もう言ってよー!」


「いやいやいや、待って?!なんでセレさんがここに?えっ、だって、えっ?セレさんってキャラクター設定用のAIじゃなかったの?!」

「実はあの空間でキャラクター設定用のAIって名乗ってる人達はみんなこっちの世界の住人なのよ!あっ、これ、秘密ってわけじゃないけど内緒よ?まぁアルバイトみたいなものね!」


 聞くと、住人の中で選ばれた人達が、あの空間でプレイヤー達のキャラクター設定をお手伝いするらしい。

 その時には一時的に元々は知らなかった知識も与えられるから困ることはないし、マニュアルに従えば短い時間で結構な額のお給料がでるらしくて、選ばれた人は周りから羨ましがられるらしい。


「っていうかあんな何もない空間にしかも時間を引き延ばした状態でずっといるなんて嫌じゃない!」とはセレさんのセリフだ。


「ということで、またよろしくね?ベル君」

「はい!こちらこそよろしくお願いします!セレさん!」


このゲームの世界の住人達はAIではありますが心はあります。なんかすごい技術的なアレです。そして本人達も自分達がAIであることは理解しており、それを気にしたりはしません。…多分ね?

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