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RINGING ONLINE  作者: rin_k
31/37

31話:釣り

釣ります。

 早いような遅いようなで金曜日だ。


 明日が土曜日で休みなこともあって、どこか浮ついた雰囲気の中授業を受け、休み時間には本を読みながらRINGING ONLINEの話をこっそり聞いて情報収集をした。


 第2の街へも行けるプレイヤーも続々と出始めてきており、今度は森方面にも進んでいけば街があるのではないかと探しているプレイヤーもいるらしい。


 そしてその話の途中でさらっと言ってたのだけど、どうやら森の中には川が流れているところがあるらしく、場所もそこまで奥ではないらしい。


 今までは本当に浅いところばかり探索していたけど、スキルレベルも上がったことだしもう少し奥まで行ってもいいかもしれない。


 最近は生産ばかりしていてユキ達に退屈させてしまったかもしれないので、街で釣竿を探して3人?で釣りに行くのもいいかも。


 イベントで初めて釣りを始めるってのもなんだから、今日は畑いじりが終わったら釣竿を買ってから補充用のポーションを作って、夜になったら釣りに行こう。


 予定を立てているうちに帰りのホームルームも終わったので真っ直ぐ家へと帰る。

 ちなみに会話はほとんど無かったけど、挨拶はちゃんと出来てたしこういう日もあるだろう。


 家に帰ってやることを済ませてからログイン。


 いつも通りベッドでもふもふし始めると、もう畑とかどうでも良くなってくるけど、気合を入れて立ち上が…もう少しだけ…


 十二分に堪能したところでようやく今日の活動を開始する。


 畑に移動して薬草と魔力草を収穫していく、一緒に植えていた野菜はまだ時間がかかりそうかな?


 増えた畑の分も含めて収穫と植え直しを終わらせた頃には次の肥料が出来ていたので昨日と同じ様に材料を補充して新しい畑に肥料を撒く。


 今のところは慣れてきて作業の効率が上がったこともあってまだまだ余裕があるけど、これからも畑が増えていくなら人を雇ったりした方が良いのかもしれない。


 こんどセレさんに聞いてみようかな?


 まぁ、今のところはまだ大丈夫だからイベントが終わって次のランクアップをしたらでいいかな?

 その為にもポーションも沢山売らなきゃだよね。


 畑仕事は終わったので買い物に行く。

 今回の目的は釣竿と野菜と、売っていたら果物のなる木の苗が欲しいな。


 しかし今までゲーム内で釣竿を見たことはなかったし、どこに売っているのか検討も付かない。


 とりあえず困った時は雑貨屋さんかなと軽いノリで向かって店内を見回ったけど、残念ながら見つからなかった。


 諦めきれずに店員さんに聞いてみると、人気が無いため店には出してないが倉庫にはあるので希望があればちゃんと売ってくれるらしい。


 さっそく釣竿と予備の針と餌なんかをいくつか買って、ついでに調味料を補充しておいた。

 あんまり使ってはないけど、お金には余裕があるしイベントで沢山使う可能性だってあるのでケチらず買っておいた。


 次に八百屋さんへと向かって前回買わなかったものなんかを買い、果物屋さんで苗木を売ってないか聞いてみたところ、アップルと桃っぽい木の苗木を売ってくれた。名前は違ったけれど試しに買って食べてみたらほぼ桃だった。


 他の果実も買って、他の苗木は無いか聞いてみると、他の街の果物屋さんに行くか、森なんかで自分で取ってくるか、何かのスキルを使えば果実から苗木を生み出せるらしいという話を教えてもらった。


 その後はホームに戻りポーション作りをしていった。時間はそこまで長くはなかったが、スキルの成長と慣れによる効率アップでポーション100個とMPポーションが50個作れた。


 全部補充に回して晩御飯を食べにログアウトする。


 冷蔵庫を見ると卵がまだ沢山あったので、オムレツを作った。中にチーズを仕込んだのでオムレツにスプーンを差し込むと、中からトロッととろけたチーズが溢れ出してきてとっても良い出来だった。


 両親に1週間高校に通ってみての感想なんかを言いながら、食休みを取ってからお風呂に入り、髪をしっかり乾かしてからログインした。


 ユキとツキと軽く遊んでから体感的には久し振りに森に入る。言っても仕方ないけど、やっぱり学校があるとどうしてもログイン時間が減って、生産に偏ると街を出なくなってしまうのがなぁ。


 スキルを森用に変えてから、いつもは北か南に向かうところを今日は直進する。

 徘徊しているモンスター達とそれを狙うプレイヤーを避け、時折採取をしながら進んでいく。


 しばらく進むとクラスメイトが話してた通り川を発見した。そこそこ大きな川で、北のほうから南に向けて流れてるみたい?だった。


 ここは街から真っ直ぐ進んだところなだけあって、周囲には火を焚いて休憩するプレイヤーなんかも多かったので、気付かれないように上流の方へと川沿いに進んでいくことにした。


 周りに明かりが無くなったところで、ふと気になったので暗視を一度外して見ると辺りは真っ暗で何も見えなくなったので慌てて付け直した。


 川の流れもそこまで急では無さそうなので釣りを始めることにした。途中から抱えていたユキを下ろすとツキと一緒に河原を駆け回っているので、放っておく。


 雑貨屋さんで教えてもらった通りに針に餌を付け、釣りを開始したのはいいものの、全然釣れる感じがしない。


 いや、釣りは忍耐っていうし、と考えながら投げ直そうと引っ張るとやけに重く感じた。


 こっ、これは気付かないうちに食いついてたパターンなのかな?!と勢いよく竿を立て引っ張る。


 その瞬間水面から勢い良く飛び出す細長い物体、月の光をバックに宙を舞ったそれはその勢いを無くすことなくベルの立つすぐ横に突き刺さった。


 どうしたどうしたと戻ってきたユキ達に声をかけられてからようやく硬直が解けたので、改めて数センチ横に突き立つ物体を見てみると


 幾つもの宝石が付いた煌びやかな宝剣、とかではなく、それはただの木の枝にしか見えなかった。


「ぷっ、ぷふふっ…やったじゃないベル、大物よ」

「きゅっ、きゅきゅきゅ?」

「うん…大きい物だね、うん、枝だけどね…」

「きゅ…きゅーきゅー」

 とツキには笑いながらからかわれ、ユキからは慰められて、悲しくなりながらもせっかくだからとアイテムボックスに入れると…


 リンリーン《これまでの行動により《釣り》スキルが解放されます。》


 鈴の音が頭に響いたと思ったら、どうやら一度何かを釣り上げることが解放の条件だったみたい。


 SPの消費は1だったので、すぐに取ってから釣りを再開した。

 今度はユキ達も見ているみたいだったので、お腹にユキを抱えて一緒に竿を持って釣りをすることにした。

 ツキは僕の頭に顔を乗っけてしがみついてる。


 さっきほど待つことなく、竿に振動が来たので、グッと引っ張られたところで引き上げると今度こそ魚が釣れた。


 大きさはそこまででもなかったけれど、初めて魚を釣ったことが嬉しくて、ユキも興奮していて、ツキだけは普通に褒めてくれるだけだったけど、塩焼きにしても天ぷらにしても美味しいことを伝えると打って変わって大はしゃぎだった。


 それからも釣りを続けて、10数匹も釣ることが出来た。これなら明日のお昼からのイベントでも大丈夫だろう。


 一度川に沿って人が多いところを経由してから、街に戻ってホームに帰宅した。

 魚をすぐ食べたいか聞いたけど、すぐでは無くても良いという返事だったので、明日の朝に回してポーションを作ってから11時にはログアウトした。


 さて、明日はいよいよイベントだ!




ベル《新月の加護》

所持金:190000G

絆:ユキ ツキ

ついに明日からイベントですねっ!

といってもスキル確認と午前中の活動があるので次回にイベントが開始されるかは…

まぁいつも通りゆるーくお待ち下さい!


いつも読んで下さって感謝感謝です。

評価も付けてくださる方が多くてびっくりです。

本当に皆様には感謝感激雨霰が降って日本中の気温が下がってくれたらいいのにと思う日々です。

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