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RINGING ONLINE  作者: rin_k
3/37

3話:スキル設定と絆?

怒涛の1日3回目投稿です。多分すぐバテます。ま、まぁ不定期なので。ねっ?

「えーっと…そのう…」

「………」


 セレさんが気まずげに話しかけて来るが僕は何も答えられない。

 まさか、まさかここまで自分に戦う才能が無いとは夢にも思ってなかった。


 いや、そりゃあね、平和な世界で暮らしていた普通の男子高校生にいきなり戦えっていっても無理があるとは思うよ?

 ただ、ただね?


 現在進行形でうつ伏せに倒れる僕の上で飛び跳ね遊んでいるラビットに、ウルフに噛まれて殺されたので難易度を下げて用意してもらった、このゲーム最弱のラビットに、剣を当てられないどころか、遊んでいるんだと思われてじゃれつかれるプレイヤーは他にいるのだろうか。


 そうか、君にとって僕は格下の敵ですらないんだね。セレさんももう何も言ってくれないし…


(小さくてもふもふなうさぎと子猫、こっ、これはもう保護してここで飼うべきなんじゃないでしょうか!いやそうするべきですよね!GMに相談してみましょうか…)


 ゾクっと背筋に悪寒が走ったけど、なんだろうか?はっ!まさかダメージが蓄積してっ?と慌てて視界に映る自分の体力バーを見るが全く減ってない、そもそも攻撃ですらないんだなぁ…


 剣を振り回した時の疲れは取れてきたので起き上がると背中で遊んでたラビットはバランスを崩してころんと転がった、起き上がってきゅっきゅと鳴きながらその短い手をぺしぺしと当ててきた、抗議したいのはこっちだよ全く…なんかこう見ると丸っこくてもふもふしてて可愛いな君、と持ち上げると抵抗もなく腕の中で落ち着いている。


 しばらくもふもふしてると急に指を噛んできた、甘噛みだったから痛くもないしダメージももちろん無いのだけど、もしかしてお腹が空いたのかな?

 でも食べるものとか持ってないしなぁ、セレさんに言ったらくれたりするのかな、とセレさんの方を向くとじっとこちらを見つめて何かを考え込んでいる。


「セレさん、何かラビットが好きそうなものとか貰えたりしませんか?お腹が空いてるみたいで…」

「もふも…」

「えっ?」

「いっ、1もふもふでアップル一個でどうでしょう!ベル様とラビットを一緒に1回もふもふさせてくれたら1つアップルを渡します!」


 やや血走った目でセレさんが取引を持ちかけてきた。目が本気で若干怖いけど、でもラビットももう我慢出来なさそうだし…


「…分かりました、なら3もふもふしていいのでアップルを3個下さい」

「さっ、3もふもふもいいんですかっ?!いえっ!もう契約は成立ですもふもふしますからねっ!なに、痛くはしないので安心してくださいねぇー」


 数分後、ぐったりした僕の腕の中で、ラビットはアップルをきゅっきゅきゅっきゅと美味しそうに食べていた。既に最後の1個である。余ったら貰っていこうと思ってたのになぁなんて考えているとラビットが最後の一口を食べ終わると同時に頭の中にリンリーンと鈴の音が聞こえた。


 《スキル:絆が解放されました》


 突然の事に驚き、なんだろうとセレさんに聞こうと思ったら、驚いた顔でこちらを見てきていた。えっ、なんだろう?実はこれめちゃくちゃレアで強いスキルとか?!


「セレさん!今解放された絆ってスキルは珍しかったりするんですか?それともとっても強かったりとか」

「いえ、珍しいは珍しいんですけど…それはモンスター側から、友好度によって、認められることで解放されるスキルです。いわゆるテイマーのようなことが出来なくはないのですが…召喚と送還は行えても、行動を強制出来なくて、簡単に言うとあんまり言うこと聞いてくれないんです。」


 それってつまり、あんまり使えないってことだよなぁと落ち込んでいるとセレさんが慌てて

「あっでも、実力で認めさせる方の従魔契約ですと、行動を強制させるためにモンスターの自我が薄めになってしまうため、のびのびとしたモンスター達と触れ合いたいと言う方達からしたら垂涎のスキルかもですよ!」


 要は戦闘には使えない代わりに、仲良く遊んだり出来るスキルってことか…元々マイペースに楽しんでいこうと決めてたのだし、むしろこっちのが良かったのかもしれないねっとラビットを撫でると嬉しそうにきゅーきゅー鳴きながら擦り寄ってくる。


 最弱のモンスター、ラビットとそのラビットにすら勝てない最弱のプレイヤーの夢のタッグだね!

 薬草取ってポーション作るくらいは出来るだろう。ラビットと遊びながらの生産職だな!

 そうと決まれば…


「セレさん!決めました!」

「はっ、はいっ!?えっと、一体何を決めたんです?」

「僕らは一切戦闘を行わない、完全な生産専門になろうと思います!」「キュキュッ!」


 そうかそうかラビットも同意してくれるか!セレさんはぽかんとした感じだが、自分なりに楽しむと決めたんだし、暴力反対でいこうと思う。


「まっ、ちょっと待ってください!無理ですよ!薬草拾いに行く間にモンスターに襲われたらどうするんですか!せめてほら魔法とか覚えましょ?ね?」

「その時は全力で逃げます!んー、なら生産スキルとか入れてサブスキルに余りがあれば取ろうと思います」

「ラビットに追いつかれる貴方が誰から逃げられるんですか!素早さ向上のスキルを取ってもレベルを上げるまでは絶対食べられちゃいますよ?!」


 むっ、たしかにウルフなんかに追われた日には簡単にむしゃごくぺろりされてしまう…何か他にないかなこう…


「セレさん!なんかこう隠れたり、見つからなくなるようなスキルってあったりしますか?」

「どこまでも戦わない気なんですね…それなら最初から解放されているスキルに隠密っていうものがありますよ、認識されずらくなるスキルですね、斥候職なんかの方がよく取ってます。そうだ!隠密で隠れて背後から魔法を撃てば序盤はきっと安全に戦えますよそうしましょう?!」

「はいはい、枠が余ってたらそうしますよ」

「なっ?!なんでこちらがわがまま言ってるみたいになってるんですか?!もふりますよ?!」


 もふられながらスキル設定の時間です、興奮していたセレさんの膝の上に乗ったら大人しくなったのでメニューと念じてウインドウのスキル一覧を見ながら集中して考えよう。


 まず、見つかったら終わりであることから、メインスキルには隠密をセットして、ラビットのために絆も取ろう。

 後ろからまたブツブツ言う声がきこえるけど、深く座り直して尻尾でビンタすると静まった。


 後はポーションのために薬草とかの品質や獲得量が上がる採取と、作るための調合と錬金ってのも関係してそうだから取っておこう。

 ラビットのために木ノ実とかフルーツも取りたいから木登りは欲しいな、あと服とか自作したいから裁縫も取ってと。


 あと忘れちゃいけないのが料理だね!んー、後は何かあるかなぁ?あっ!夜に明かりなんか無かったら大変だから暗視はとっておいて、あとはー…この隠蔽っての隠密とは違うのかな?相乗効果とかあるかもだし、取っとこ!


 よし!これで10個埋まったぞ!最初の10個まではポイント要らずでサービスいいねっ!これでスキルが


 メインスキル

 《隠密》

 サブスキル

 《絆》《採取》《調合》《錬金》《木登り》《裁縫》《料理》《暗視》《隠蔽》

 控え

 無し


 うん、よきかなよきかな

 ところですごい静かだけどセレさん大丈夫かな?いつのまにかお腹に腕回してきてるし大丈夫だとは思うけど。


「セレさんセレさん、大丈夫?設定終わったよ」

「……えぇ、大丈夫です、堪能しました…ってこのスキル構成なんですか?!魔法入ってないし!」

「だって枠余ったらってちゃんと言ってたじゃない。そんなに魔法取って欲しかったの?」

「別に魔法に拘ってたわけじゃないですけど、何も戦う手段が無いってのは…」


 うーん、でももう決めたしな。


「まぁいいじゃない!たまにはそんな人もいても!それにほら、もしかしたら魔法覚えてないから起こるクエストとかもあるかもだし!」

「それはたしかに…私はクエストなどの情報は教えられてないのでなんとも言えませんがもしかしたらベル様がそれをクリアなさるかもですね」

「その時はセレさんに伝えに来なきゃだね!」

 2人で笑い合う


「そうだ、せっかくですしそのラビットと絆契約を結ばれて行ってはどうですか?するならちゃんとした名前も付けてあげてくださいね」

「んっ、分かった!そうだな、君の名前は…ユキだな!」「キュキュー!」


 リンリーン

 《ラビット:ユキと絆契約を結びました》

 《スキル:絆のアーツが解放されました》


 安直かなと思ったけど、鳴きながらすりすりしてくるから喜んでるのかな?ういやつめ!僕の方が弱いけど!解放されたアーツは召喚と送還だった、セレさんが言ってたやつだね。


「それではこれでキャラクター設定を終わります。かなり時間がかかったように思うかもしれませんが、この空間では時間をかなり早めているので、実際には10分程度しか経っていないのでご安心下さい。」


 1時間以上は確実に居たはずだからこれにはびっくりだ。でもそうか、セレさんともお別れなんだなぁと思うと少し寂しくなる。

 短い時間ではあったものの、家族以外とこんなにたくさん話すことが無かったから、ついこんな事を言ってしまう。


「セレさん、セレさんとはまたどこかで会えたりするの?」

 セレさんはちょっと驚いた顔をした後嬉しそうに笑って答えてくれた。

「そうですね、きっとまた会える、そんな感じがします。だから、行ってらっしゃい、またお会いしましょうね」


 この空間に来た時のようにぼんやりとしてきて、それでもなんとかこれだけは言うことができた。

「またね、セレさん!」











 ベルとユキが光になって消えた空間で、()()()()()()()()()()()()女性、セレは1人、いたずらっぽい笑みを浮かべていた

()()お会いしましょうね、ベル()


本編に加えて説明すると、絆契約の場合従魔契約と違いあくまでも対等なので、食べ物を用意しなかったり、無理やり戦闘させたり、嫌がる事をしたりするとすぐに契約を破棄され逃げられます。

ショタ猫とうさぎ、もふもふしたいよもふもふ

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