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RINGING ONLINE  作者: rin_k
22/37

22話:逃走

スキル確認もあります。

 ギアを外し、スマートフォンを確認すると、10分前に今から帰るとメールが届いていた。ベッドから降りてお手洗いに寄ってからキッチンへ向かう。


 少ししたら両親も帰ってくるだろうから、作って待っておいた方が良さそうだなと判断し、調理を始める。


 今日のメニューは手軽で美味しいポークピカタだ。薄く切った豚肉に塩こしょうで下味を付けて、小麦粉と粉チーズを混ぜた卵で焼くだけのシンプルさだ。

 これだけだと栄養が偏るということで、野菜スティックも少し用意している途中で玄関が開く音がした。


 そこから出迎えをした後にお母さんが合流して、一緒に残りを焼いていった。スープ系が欲しいかなとも思ったけど、お腹が空いているようだったのでやめておいた。


 全て焼き上げてから、一緒に机に座りいただきますをした。シンプルではあるものの普通に美味しくてすぐに食べ終わり、食器の片付けをしながら今日あったことなんかをお互いに話していた。


「へー、大変だったんだねぇ、ほんとお仕事お疲れ様だよ」

「んーありがとー、鈴は本当癒し度が高いわぁ、回復魔法とか無意識に放ってない?」

「あはは、ヒール!なでなでーって感じ?」

「あーこれはお母さんのHPも全回復しちゃうー!」

「じゃあ父さんにはポーションくれポーション」

「はいはい、あったかいお茶でポーションとか?」

「ふぅ…確かに癒しだな!」


 なんて取り留めもない話をしてからお風呂に入り、上がってから寝る準備をすませ、おやすみの挨拶をしてから再度ログインした。


 広場からスタートしたので、ユキとツキを召喚して挨拶を済ませる。広場だけあって多少の注目はあったが我慢して声をかけられる前に移動を開始した。


 ログアウト前に登録した図書館へと向かう。今日の残りの時間はスキルの確認と図書館で調べ物なんかに費やそう。


 と、思っていたが少し計画に変更が必要みたいだ。何人か付けてきてるのが気配察知に引っかかっている。人混みを利用して撒こうとしてもなかなか減らない上、むしろ距離を詰めてきている。


 別に特に急いでるってわけでも、悪い事をしているわけじゃないのだから対応すればいいだけなのだが、なんとなく何人かで追いかけてきてる感じといい、しつこさと言いあんまり仲良く出来そうな人じゃない気がする。


 そもそもリアルでも他人と絡む経験がほとんど無いのだからゲームだからって急に誰とでも話せるようになる訳でも無いし、逃げる相手を追いかけて来るようなプレイヤー達と仲良くお話なんて出来る気がしない。


 ツキにはポケットに入ってもらって、ユキは謝ってから送還して走り出す。こっちも走り出した事で差は縮まっては無いけど、このまま街の中だけで走り回るのも時間の無駄だし、一度西門から街の外へ向かい森に入って撒こう。


 西門が近くなってきたあたりで、人が少なくなったところで隠れる気もないのかスキルが無いのか普通に追いかけてきたので全力で逃げる。後ろから何か大声で叫んでいるが無視する。


 森に入り、隠密を強く意識しながら木々の間を駆け抜けていく。その際には、わざとモンスターの近く、こちらが見つからないギリギリを通っていく。


 これはこちらがモンスターを押し付けている訳じゃ無いし、相手が勝手にモンスターに遭遇してるだけだからMPK、モンスターを利用したプレイヤーキルにも入らないよね、と少し自分に言い訳しながらも走り続ける。


 大体は引き剥がせたのだが、最後の1人がなかなか手強い、かなり高レベルの気配察知かその上位スキルを持っているのだろう。


 だがこちらにもまだ使ってない力はある。まず自分の影を薄く薄くなるようにイメージする、土壇場の影魔法でどうなるか不安だったが、動揺する気配があったので多少は効果があったようだ。


 しかしまだ見失い切っては無いようなので、丁度よくいたモンスターの小さな群れのすぐそばの木の陰で、ツキにお願いして影魔法の重ねがけをしてもらう。


 流石に暗い夜の森の中、さらに影の妖精の使う影魔法なだけあって、相手は完全にこちらを見失ったようだ。モンスターの群れに1人で戦う気は無いのか、そのまま仲間?のいる方へ戻っていった。


 緊張の糸を切らさないまま、モンスターから離れ、周りに気配が無くなったところで、深く息を吐いた。

 正直かなり危なかった、ツキが居なかったら見つかって居たかもしれない。


「ありがとうツキ、お陰で助かったよ」

「そうね、あの人間かなり察知能力が高かったもの、見つからずに済んでよかったわ」


 最後まで追いかけてきた1人は多分斥候メインの人だろう、いや、だとしてもメインスキル隠密で新月の加護まで受けてさらに影魔法を使ってなお見つけてくるとは思わなかった。


 もしかしたら気配察知系スキルに関係する加護を受けているのかもしれない。あと考えられるのは…やはり気配察知系の上位スキルが相当高レベルかメインにセットしていたかくらいだろう。


 とりあえず僕も隠密スキルと隠密術スキルを入れ替えよう。スキル一覧を開く。


 《メインスキル》

 隠密Lv36(↑5)

 《サブスキル》

 絆Lv17(↑2)採取Lv27(↑3)料理Lv22(↑2)

 暗視Lv17(↑2)隠蔽Lv28(↑5) 気配察知Lv17(↑3)素早さ上昇Lv19(↑3) 隠密術Lv7(↑6)採掘Lv7(↑4)

 《控え》

 錬金Lv1 裁縫Lv1 木登りLv1 調合Lv10(↑1)農業Lv5 伐採Lv9(↑7)

 SP:2


 おお、なんかすごい上がってる気がする。これはさっきの追いかけっこもあるけど、伐採が本当は音が出て難易度高かったりするのもあるのかな?

 隠密と隠密術を入れ替えて、変化を見てみよう。


 《メインスキル》

 隠密術Lv7

 《サブスキル》

 絆Lv17 採取Lv27 料理Lv22

 暗視Lv17 隠蔽Lv28 気配察知Lv17 素早さ上昇Lv19 隠密術Lv7 採掘Lv7 隠密Lv36

 《控え》

 錬金Lv1 裁縫Lv1 木登りLv1 調合Lv10 農業Lv5 伐採Lv9

 SP:2


 これで良し!


「それにしても、ちょっとベル過剰過ぎない?さっきの人達はしつこ過ぎるしアレだったけど、しつこいって分かる前にもう逃げてたし、広場でも周りの人が話しかけようとする前に逃げてるでしょ?」

「うっ…で、でもほら、昔から言うじゃない?知らない人に話しかけられても付いていっちゃダメですよって」

「何才までの話なの!何か隠しているでしょ!仲間なんだから教えなさいよ!」


 ぐぬぬ、仲間を持ち出されると弱い…でもなぁ…


「ほら、言ってみなさい」

「…しり」

「え?」

「だから、人見知りして話しかけようとしてくる人からはつい逃げちゃうの!!」

「えぇ…?人見知りって…今までに自分から話しかけた人とか居ないの?」

「セレさんと女神様は一応自分からだったけど…ツキの時もそうだけど、状況に流されて勝手にっていうかね。あとは屋台のおじちゃんとかお店の人は、お店の人って分かってるから話しかけたり出来るし、その後でなら普通に話せるよ」


 今まではそんな感じでやってこれたけど、顔も知らないプレイヤーと話すとかハードルが高過ぎるよ!


「…なんだろう、仕方ないと言えば仕方ないんでしょうけど、もう少しなんとかした方が良いと思うわよ?」

「うん…ちょっとずつでも、最初は気の合う人とかから、なんとか喋れる様になりたい所存だと思ってるかもしれないです…はい」


 うぅ、分かってる、分かってるんだよ?!お店とかの接客でなら割り切れるし、そういうところから頑張りますよ、だからツキ、そんな目で見ないでよっ!


 ツキからの冷たい目線に耐えながら移動を開始し、森を抜け草原を駆け抜け、東門へと向かった。


 やっと街についた。余計な時間を取ったけど、スキルの確認は出来たし図書館へいk…


「こっちから入ってくると思ってたよ、さぁさっきの飛んでた方をどこで捕まえ「送還、ログアウト」たか、えっ?」


 3日目最後に見たものは追いかけてきていた斥候職の人の呆けた顔だった。


ベル《新月の加護》

所持金:12440G

絆:ユキ ツキ

あれなんです、知らない人から急に声かけられるとかきつい子なんです。でも知り合ったらベタベタになるタイプでもあります。

知らない人からの電話とかも基本出ません。

きっと共感してくれる人も多い…はず?

追ってきた人に関しては後でちゃんと触れるのでご安心を

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