18話:相談とスキル
展開遅くてすみませんですのん。
しばらく動けずにいると、セレさんが起きたのか拘束が解けたので、少しホッとする。
体が自由になったのもあるし、流石に抱きつかれたりすると僕だってドキドキしてしまうのだ。
まだ意識が覚醒しきってない様だったので、泉の水を出して少し飲ませてあげる。
「あっ、おいしい…ありがとうベル君、ごめんね。寝てる間ずっと抱きついちゃってたみたいで」
「いっ、いえ、大丈夫です?」
焦って疑問形になってしまったけど、一旦寝たことで疲れもそこそこは取れた様で良かった。
「あの、セレさん、早速相談してもいいですか?」
「はい!任せて!お姉さんなんでも答えちゃうよ!」
やけに気合の入ったセレさんに、そんなに相談とか続けて欲しかったのかと少し照れてしまう。い、いけないいけない、変に意識してしまうからダメなのだ。
「えっと、昨日畑を買ったじゃないですか、それで、様子も見に行ったことだし、家の方もせめて何がどれくらい必要なのかは知っておこうと思って」
「あぁ、そうね。少し待ってね?資料を持ってくるから個室で待っててくれる?」
「はい、分かりました。先に向かってますね」
徹夜明けに仕事させるのもとも思ったけど、本人がやる気を出していることだし、あまり気にせず接した方が良いだろうな。
部屋に入って座って待つとすぐにセレさんが入ってきた。
「えっと、どれくらいの広さの家にする予定なの?」
「その前に、生産の設備って個人の家の中にも付けられますか?」
「それは大丈夫よ、もちろんその分場所とお金はかかるけどね」
なるほど、それなら広めにしといた方が良いのかな?
「やっぱり設備を揃えようと思ったら結構場所取っちゃいますか?」
「んー、全部揃えてもそこまででも無いかな?一部屋大きめの部屋を用意出来れば十分だと思うよ」
「なら、リビングと寝室とキッチンとトイレとお風呂に生産部屋と持ち物の整理に倉庫代わりに出来る部屋が欲しいです。」
「ふむふむ、それくらいなら畑の周りの土地だけ余裕そうだね。」
「?てっきり畑の一つに家を建てるのかと思ってたんですけど違うんですか?」
「あー、前に説明が足りなかったかな?ベル君が買った畑の近くの土地も、ベル君のものになってるからそこは自由に使って良いんだよ。それに畑に直接家は建てられないし」
よく考えたら畑にする様な柔らかい土のところに家を建てるのは危ないよね。
「それで、どれくらいのかかるか分かりますか?」
「ちょっと待ってね…えーっと、広さが大体このくらいで…うん!さっき言ってた内容だと、ざっくりとだけど安ければ20万Gくらいかな、そこに生産設備は別にお金を払わないとだから結構しちゃうねぇ」
「うん?なんか意外に安い様な気がするんですけど」
正直数倍は来るかと思ってたから拍子抜けした感じがする。
「あはは、これから説明しようと思ってたんだけど、知り合いの大工さんのところでお弟子さんを取っていて、今育ててるお弟子さん達の卒業試験として家を建てるってことがあるんだけど、タイミングが良かったからベル君の家を建ててもらおうかなって、もちろん卒業に足る実力はあるし、試験としてる分値段も抑えられているしね?どうかな」
これは、悪くないんじゃないかな、お金にそんなに余裕があるわけじゃないし、実力はあるって言うなら問題無しだ。ただ、あと約8万Gがすぐに稼げるかどうかが…
「あの、それってお金は一括ですか?それとどれくらいまで待ってくれるのかとかも教えて下さい。」
「ふふん、そこらへんもちゃんと考えてるわよ。実は、使う木材と釘の分の鉄を持ってきたら半額にしてくれるって言ってたの!木材と釘は加工も試験のうちって、原木と鉄鉱石のままでも良いみたいね。期限は他のプレイヤーの方が依頼するまで、でしょうけど、言っちゃうけど今の段階で土地持ちってベル君だけだから、しばらくは大丈夫でしょうね」
なんかこうトントン拍子というか、都合よくいき過ぎてて怖くなるな…ほとんどがあの天ぷらのおかげだし、あの時自分で売ることを提案してくれたのはセレさんだし本当感謝が尽きないなぁ。
おっと
「分かりました。じゃあ具体的にどれくらい必要なのかを聞いてから、雑貨屋で斧を買って伐採してきますね。あ、そうだ、木って勝手に切っても良いんですかね?」
「それは大丈夫よ、切っても切っても次の日には何故かにょきにょき生えてきてるしね。ただ、切ってる音でモンスターが寄ってきたりはするからそれは気を付けてね」
そうか、音にも注意が必要なのか、思ったよりも大変そうだな…まぁ、やれるだけやってみるか!
セレさんに大工さんの場所を聞いてから早速向かおうと受付の方へ向かうとなにやらざわざわといつもより賑わっている。
気になったので少し聞き耳を立てていたところ、どうやらとあるパーティが平原の先にある街に辿り着いたらしい。その街には神殿があり、好きな神様の加護を受けられ、戦闘力のアップにも繋がるという話が広まり、平原を進むプレイヤーが急増しているらしい。
僕はもう違う方法で加護を得てしまったから新たに加護は貰えないけど、一応加護を受けたからには1度は神殿に行くべきだろう。
ただ行くとしてもしばらく経ってからスキルレベルを上げてからだろうなと思う。
そんなことより今は家の方が大事だと、教えてもらった場所に向かい、必要な材料を聞くと、思ったよりも多くはなかった。鉄鉱石の方は元々必要数が少ないし、これなら頑張ればお昼を挟んで夕方にログアウトするまでに間に合うかもしれない。
そうと決まれば急いで向かおうと、雑貨屋に寄って斧と一応無くなっていたので天ぷらの材料を購入した。合わせて2000Gだったので残金は122440Gだ、この中から10万Gは家の代金で無くなるので案外余裕はないかもな、無駄遣いはしないようにしなきゃ。
買い物は済んだので西門から街を出て森へ向かう。
レベルが上がって対応出来る人が増えたのか森にも人が大分増えてきたみたいだ、人がいない方がいいし途中で休憩もしたいし、また北側に進んで泉の近くに行って伐採しよう。
スピード優先でもの拾いをしながら移動を続け、ある程度行ったところで周りに気配はなくなったのでユキを召喚する。
「《召喚》「きゅきゅー!」おっと、危ない危ない、やっと捕まえたぞ!おはようユキうりうり」
初めてタックルを捕まえられた嬉しさで、朝の挨拶がわりのもふもふもいつもより激しめだ。
挨拶が終わったところでスキル確認だ。
実際には女神様と出会ってセレさんに謝られたくらいなのに不思議とかなり久しぶりな気がする。
覚悟は出来たのでスキルの項目をタップすると
《メインスキル》
隠密Lv31
《サブスキル》
絆Lv15 採取Lv24 料理Lv20 暗視Lv15 隠蔽Lv23 気配察知Lv14 素早さ上昇Lv16 農業Lv5 伐採Lv2
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1 木登りLv1 採掘Lv3 調合Lv9
SP:4
リンリーン《スキル:隠密のスキルレベル30を達成したためスキル《隠密術》が解放されます》
まぁそんなに上がるようなことしてないし、こんなものなのかな?しかし、隠密術か…術って付いてるくらいだしアーツが増えたりするのかな、消費SPは3かぁ…重たい気がするけど、僕には必要なものだし取得しよう。
あとはスキルを入れ替えて、採掘もちゃんと入れてと
《メインスキル》
隠密Lv31
《サブスキル》
絆Lv15 採取Lv24 料理Lv20 暗視Lv15 隠蔽Lv23 気配察知Lv14 素早さ上昇Lv16 採掘Lv3 隠密術Lv1
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1 木登りLv1 調合Lv9 農業Lv5 伐採Lv2
SP:1
ちょっと迷ったけど、どうせ移動中には木は伐採出来ないのでスキルは外して、隠密術の方を入れておいた。隠密系だから隠れてるだけでレベルは上がってくれるだろう。
アーツがあったので見てみるとパッシブで、行動によって出る音が小さくなるらしい。確かに心なし足音とかも小さくなったかな?レベルが上がればもっと劇的なのかもしれない。
その後も隠れながら採取を続け、結構な量の鉄鉱石を拾ってから泉へ到着した。
するとそこには先客がいて
「来たわね人間!ルナ様とどういう関係なのか白状してもらうわ!!」
羽根の生えた小さな女の子が宙に浮きながらこちらを睨みつけていた。
女神の次は妖精か…
ベル《新月の加護》
所持金:122440G
絆:ユキ 残り契約可能数:1
《メインスキル》
隠密Lv31
《サブスキル》
絆Lv15 採取Lv24 料理Lv20 暗視Lv15 隠蔽Lv23 気配察知Lv14 素早さ上昇Lv16 採掘Lv3 隠密術Lv1
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1 木登りLv1 調合Lv9 農業Lv5 伐採Lv2
SP:1
妖精さんいいですよね、人間呼びも定番といえば定番ですけど、早くデレて欲しいものです。