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RINGING ONLINE  作者: rin_k
17/37

17話:反省と解決?

先に言っておきます。茶番乙とか言わんで下さい!

 いつも通りに起きると、両親はもう会社に行く準備を整えてご飯を食べていた。


「おはよー、昨日も思ったけど日曜日なのに大変だね」

「まぁ、忙しいのは今だけでしばらくしたら落ち着くと思うわ」

「というより絶対にそうしないとやってられんしな、鈴は今日はどうするんだ?」

「んー、特にやることもないしまたRINGING ONLINEかな」

「そうか、気に入ったならお父さん達も嬉しいが、鈴のことだし大丈夫だとは思うけどお昼ご飯はちゃんと食べて明日からの学校の準備とか忘れないようにな」

「はーい」


 そう言って顔を洗ってから、僕もシャキシャキしたレタスとミニトマトのサラダと、バターを塗ったトーストを食べる。これぞ朝食って感じのメニューだ。


 食べ終わって、これから会社で大変そうなので皿洗いは僕がやっておくと伝えて2人を送り出す。


 皿洗いを終わらせて一通りの家事をこなした後でベッドに横になってログインする。


 いつもの広場に出たので、歩きながら今日の予定を確認する。まず、一晩経って落ち着いたので、セレさんのところに顔を出そう。それから大工さんを紹介してもらって、必要なお金とか素材が必要なら必要なものの確認で、その後のことはその時考えよう。


 昨日は無理矢理もふられて、それがしかし気持ちよかったことの恥ずかしさと、子猫のような扱いへのショックと可愛い発言への反発が混ざり合ってつい怒って飛び出してきちゃったけど、僕が子猫みたいってのは客観的に見たら事実でしかないし、可愛いというのも残念ながら、非常に遺憾ながら事実なんだろう。


 思い返すとあのもふりテクにもあれだけ興奮しつつも優しさがあって、それはまるで母猫が我が子をブラッシングするかのような…ハッ!だっ、だからって無罪放免とはいかないんですからねっ!僕はそこまでチョロくないですからねっ!


 頭をブンブン振ってチョロくないチョロくないのだと自分に言い聞かせていると、ゴルのおじちゃんの屋台が見えてきたので挨拶をしておく。


「おじちゃん、おはようございます」

「お、おうベルか、例の件は俺もあいつが悪いとは思うんだが、そろそろ許してやってくれねぇか?悪気があった訳ではないにしても暴走し過ぎたんだから反省は必要ってのも分かる、だけどさっきギルドに寄った時の様子なんて見てられなくてな…」

「え、えぇ…?僕まだ何も言ってないんだけど?」

「あれ?そうなのか?聞いた話によると、その話を聞いた月の女神様がギルドに降臨して、ベルから許しを貰えるまで反省するように命じたって話なんだが…」


 あの女神なにしてるの?!昨日別れ際に言ってたのはそういうことか!くっ、ドヤ顔でサムズアップするルナ様の幻覚が見えて少々うっとおしい。

 そんなことより今はどんな状況なんだろうか…


「多分、女神様が勝手にやってくれたんだと思います…それで、具体的にはセレさんはどうなってるんですか?」

「口で説明するのもなんだし、そこまで怒ってるわけじゃないのなら直接見に行って許してやってくれ。最悪ベルとは一生会わせないと言われたのがかなり応えたのか酷い状態になってたからな」

「は、はい!急いで行ってきます!」


 なんか僕が思ってた反省よりも重いものになってそうで若干脚が重いが行くしかないだろう。人混みを抜け商業ギルドに入ると、受付の横にセレさんを見つけた。


 見つけたのはいいのだけど…これはどうしたものか…


 セレさんは今、受付の横で、地面に正座で座っており。首には板がかけられ、大きな文字で


「私はいたいけな少年に貴重なアイテムのありかを尋問し、その実尋問と称して身体をもふり尽くし、その心までも弄びました。」


 と書かれており、その隣に立つルナ様に反省文を音読させられていた。見るからに憔悴したその様子を見ると、もしかしたら昨日ルナ様が帰ってからずっとやっていたのかもしれない…


 これ、話しかけなきゃ…ダメ、だよねぇ。

 周りも若干引きながら気付いてないようなふりをしているし、やだなぁ、他人のふりしたいなぁ、でも流石にこれ以上はセレさんが可哀想になってくるしなぁ、と眺めていると、ルナ様がこちらに気がついた。

 手招きされたので仕方ないので近づいて行く。


「あの、一応確認なんですけど、これは一体?」

「昨日ちゃんと言っておいたでしょ?私が直接加護を授けた者が辱められていたのだから、犯人に反省させるのは当たり前でしょう?」

「やり過ぎな気もするんですけど、あの、僕もうそんなに気にしてませんから許してあげて下さい」

「まぁ、被害者がそう言うなら私としてもこれ以上何かをさせるつもりはないけど、ほら、ベル君が来てるわよ」

「ベル…くん?」


 セレさんはそこで初めて僕の存在に気が付いた様で、ゆっくりと僕の方を向いてからまじまじと顔を見つめ、眼の焦点があい始めたところで勢いよく頭を下げ、土下座の姿勢を取っえええええ?!?!


「この度は、本来秘匿すべき高価なアイテムの場所を聞き出そうとし、あまつさえベル様の身体を無理矢理もふり、また怒る男性に対して可愛いと言うなど失礼なことをしてしまい誠に申し訳ございませんでした!深く反省しており2度と暴走しないように誓いますのでどうか、どうかこれからもお話をして下さいお願いじまずぅぅぅぅ!反省が足りないというなら私の身体を好きなだけもふってくれていいですから絶交だけはゆるじでぐだざいいぃぃぃぃ!!」


 お、おぅ。1日無視して許すくらいに思っていたのに想像以上に重い話になっていて正直追いつけてないというかなんというか、ギルドの中にいる人も僕に同情の目線を送ってくれてる人もいるけど違うんです!僕そこまで気にしてるわけじゃないんです!

 と、取り敢えず何か言ってもう大丈夫って伝えないと


「せ、セレさん!僕はもう気にしてませんから!許しますし、まだまだセレさんには相談したいことも沢山あるし僕の方こそお話をしたいので大丈夫です!あ、あと、若い女性が好きなだけとかあんまりそういうことを言うのは…ぼ、僕もそれこそ男なんですしっ」

「本当に許してくれるの…?もう話すことも出来ないのかもしれないと思うと不安で不安で、もふりも辞めるので、どうか相談に乗らせて下さい…」

「もちろんです、それに、た、たまになら、暴走したりしないなら、も、もふりもいいです、しっ?」

「べるくぅぅぅぅぅん!!」


 突然抱き着いてくるセレさんに驚くけど、受け止めて頭を撫でてあげる。セレさんが落ち着いてきた辺りでふと周りを見ると、ギルドに居た人から騒ぎを聞いて来た人達までいて、生暖かい視線が集中していた。


 視線を意識したら一層恥ずかしさが増してきたけど、逃げる訳にもいかずに思考を放棄してセレさんを慰め続けた。


 しばらくすると野次馬も減って、セレさんはいつのまにか寝てしまっているようだ、徹夜で反省してたみたいだし仕方ないのかな。


 ただ、この状況は少々困る、セレさんの両腕は僕の身体をガッチリとホールドしているし、頭を肩に乗せられていて、あんまり動くと起こしてしまいそうだし…


 途中から黙って見守ってくれていたルナ様も、解決したからなのか既にいないし、他のギルド員なんかも生温い目で見てくるだけで助けてくれないし。


 結局僕は1時間ほど経って、セレさんが眼を覚ますまでその体勢のまま動けずにいたのでした。


 めでたしめでたし?なのかな?




ベル《新月の加護》

所持金:124440G

絆:ユキ 残り契約可能数:1

スキル未確認


今回セレさんへの罰が重い様に見えるかもですが、ギルド登録者が秘匿する情報を無理矢理聞き出そうとしたことに加え、セクハラに侮辱なんかも混ざってこうなっています。

ベル君からしたらまず松キノコの情報をそこまで大事だと思っておらず、セクハラはセクハラだと思ってなく、侮辱も事実だと認められているのでそこまで気にしてないのです。


あと次回から不定期更新らしくなるかも…?出来るだけ早く更新出来るよう努めます。

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