10話:夜の森
夜の森です、なんだかやっとゲームらしくなってきたかな?
お風呂から上がり、髪が乾いたところで再度ログインする。
今度は白い空間に行くこともなく。気が付いたら広場に立っていた。
広場にある露店の数が前に見にきた時よりも倍以上に増えていて、プレイヤーの数も多く初心者装備の人も多かった。
買い物はログアウト前に済ませていたので、早速森へ行くため東門に向かう。
街中は明るかったが、すこし門から出るとすぐに真っ暗で、暗視スキルのおかげでなんとなく見えているが、無ければランタンか何かは必要だろうなと思う。
森に近づくにつれて、何個か森に行ったであろうプレイヤーが使う明かりが見えたので、わざと少ない方に向かう。
周りに人の気配もなくなったので、ユキを召喚する。
「《召喚》「きゅきゅっきゅー!!」あぶっ、ないっ!」
またしても突撃しようとしてきたユキをなんとか受け止め、わしわしと全身をもふなでつつ挨拶を交わす。
「よしっ、ユキ!今日は前よりたくさん取るぞっ!あ、ちなみにユキって暗くても見えるか?」「きゅーきゅきゅっ!」
うさぎは夜目がきくと聞いた覚えがあったが一応聞くと、大丈夫と自信満々に答えている。
夜でも山菜は多く、周りを確認しながらも夢中になって採取を続けていると、突然後頭部に攻撃を受けた。削られてる体力を気にしながら振り向くと、モモンガが羽ばたいて滞空してこちらを見てきていた。
「モモンガって滑空するものであって、飛ぶものじゃないだろっ?!?!」
ゲームだからってなんでも有りかと愚痴りつつユキに逃げるよう伝えようと思ったらもう既に逃げ始めている。慌てて僕も追いかけるが、モモンガは僕よりも早く、木を利用してもなかなか離れない。
その間にも何回か攻撃を受けており、体力が僅かになったところで森を抜け出した。どうやらモンスター達は森からは出てこないようで、なんとか助かったと大の字で寝転び息を整える。
夜の森とモンスター達を完全に甘く見過ぎていた、空中から攻撃してくるやつはいないと勝手に高を括って不意打ちされてしまった。
それに隠密があろうと見つかる時は見つかるのだから、もっと早く走れないといけないだろう。
反省を元に新しくスキルを取り、今必要ないスキルを外す。基本的に見つかりずらい夜の森でウルフやラビット、それからプレイヤーを避けて活動していたからか隠密スキルがまた上がっていた。
《メインスキル》
隠密Lv13
《サブスキル》
絆Lv6 採取Lv11 調合Lv2 木登りLv1 料理Lv7 暗視Lv4 隠蔽Lv11 気配察知Lv1 素早さ上昇Lv1
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1
SP:1
気配察知と素早さ上昇はどちらも1ポイントだったので両方取得してサブスキルの使っていない錬金と裁縫と入れ替える。
気配察知のレベルを上げることで不意打ちを防ぎ、万が一見つかっても逃げられるよう素早さも上げていく。
まだレベル1なので大した効果は無いだろうが、ここからレベルを上げるとともに僕にとって必須のスキルになるだろう。
幸い、気配察知はこの森の中でモンスターとプレイヤーの気配を探っていればすぐに上がるだろうし、素早さ上昇は移動時にも経験が溜まることだろう。
スキルをいじって、ユキと慰め合っていると減った体力も自然回復で全快に戻っていた。
今度は頭上にも注意しながら、十分に注意して採取を続けていく。
石や木の枝から山菜に至るまで確認も後回しにして周囲警戒しながらアイテムボックスに放り込んでいく。
森の奥まで行かないように常に森の外縁部を沿うように移動しながらの採取を2時間ほど続けた結果、前回よりも遥かに多い量の山菜を入手できた。
これだけあれば明日の屋台の分も足りるかもしれない。…一応セレさん効果も怖いので明日の朝も採取に来るつもりだけど。
常に警戒しながら静かに速やかに、を意識しながら移動したので、スキルレベルもきっと大幅成長していることだろう、数字を見なくても分かる。
特に気配察知はすごい。なんとなくぼんやりとだが、確かにそこに何かがいるのが分かるのだ。
最初はまた近付かれて急いで逃げ出してを繰り返していたが、途中からは近付かれる前に分かるようになったし、速さも、同じくらいのスピードにはなったと思う。
今ならユキと同じくらいかもしかしたらユキよりも早く走れるかもしれない。とユキを見るが、きゅうきゅうと首を振られた。
ぐぬぬ、すぐに追い越して抱えて逃げてやるんだからなっ!と宣言すると今度はかかって来いとばかりに腕を組んで片目をつぶられた。
暗視も性能が上がってより見やすくなったが、そのせいでユキが少し挑発するような顔をしているのも分かってしまい、なんとも言えない気持ちになる。
ユキとのじゃれあいも済んだところで実際にレベルのチェックをしようかと思ったが、楽しみは後という事で街に戻ることにする。
現在街のちょうど真南の森と平原の境目あたりにいるので、せっかくなのでこのまま街が見える位置をキープしながら、平原を進んで西門から帰ることにする。
念のためユキを送還してから移動を開始する。
油断は禁物だが、明かりを持って狩をしてるプレイヤーが結構いるので比較的安全に帰れそうだ。
暗闇の中というのもあって隠密がよく効いているのか、ラビットやたまにいるウルフにも、プレイヤーにもバレることなく歩けている。
せっかくなので歩きながらいろいろ拾っていく。石っぽいものから薬草まで適当に拾い集めながらしばらく歩くと、無事一度も戦闘になることなく、逃げる事もなく西門に到着した。
アイテムも嬉しいけど、戦闘なしっていうのが、自分が考えたスタイルでやっていけてる様に感じられてとても嬉しかった。
それでも約3時間もの間、周りを警戒しながら採取のためアイテムにも目を光らせているのはかなり疲れてしまった。
最後にスキルの確認だけしてログアウトしようと、スキル欄を開くと、そこに表示されたレベルと連続して鳴り響く鈴の音に思考が止まった。
《メインスキル》
隠密Lv26
《サブスキル》
絆Lv10 採取Lv20 調合Lv2 木登りLv1 料理Lv7 暗視Lv11 隠蔽Lv15 気配察知Lv10 素早さ上昇Lv8
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1
SP:6
リンリーン《スキル:絆のスキルレベル10を達成したため絆契約数上限が1上昇します》
リンリーン《スキル:採取のスキルレベル20を達成したためスキル《農業》《伐採》《採掘》が解放されます。》
……ハッ!なななっ何この上がり方?!バッ、バグか何か?!気配察知なんて取ったばかりなのに10もいってるし、レベルが上がるほど上がり難くなるはずなのに隠密なんてなんだこれ?!
いっ、いや、そうか、あんな暗い森の中で明かりも持たずに警戒し続けながら3時間も採取を続けていれば、こうもなるの、か?特に隠密はメインに付けてるだけはあるだろう。
調子良く上がり過ぎて疑いたくなるのを何とか無理やり納得して飲み込む。
そして次は鈴の音がした方だ。
絆契約ってそもそも上限とかあったんだなぁと初めて知った事実に驚きつつ、また増やせるのであればそれは嬉しく思う。
…ただ、絆契約結ぶにもあんまり強いのだと餌をあげたりしても対等まですら行けなさそうだよなぁと思う。
しばらくはユキとだけで頑張っていこうと思う。友達になってくれるモンスターが来た時に枠が埋まっていても悲しいしね。
そして採取の派生?の方だ。
派生先に必要なSPはそれぞれ2ポイントずつか。
採取のレベルが上がる事で取れるものが増えた様に、スキルをセットすることでも新しく取れるものがあるかもしれない。
どうせ他には取りたいスキルはないしSPならすぐ溜まるだろうと新しく解放された3つのスキルを全部取得する、SPは綺麗に0である。
これでスキルは15個か、次にログインした時に少し整理しないとなと考えながらログアウトした。
ベル
所持金440G
絆契約ユキ、残り契約可能数:1
《メインスキル》
隠密Lv26
《サブスキル》
絆Lv10 採取Lv20 調合Lv2 木登りLv1 料理Lv7 暗視Lv11 隠蔽Lv15 気配察知Lv10 素早さ上昇Lv8
《控え》
錬金Lv1 裁縫Lv1 農業Lv1 伐採Lv1 採掘Lv1
SP:0
採取レベルの向上により取れるものもまた増えていたりします。詳しくは次回やります、多分。




