スレイの華麗なるダンジョン探索の日々

第一幕

007 幕間 執念の追走

－スレイがダンジョンから帰還してから数時間後－

　「……ふ、ふふふふふ。反応が強くなって来たぞ」

　夜の暗がりの中を一人の商人風の男が歩いていた。その手には数日前にマジックショップで買った「探し人Ａ（エース）」がキリキリと音を立ててある人物の行方を指し示していた。

　空が少しづつ明るくなって来たころ、男は小高い丘から、一つの町を見下ろしていた。口元に不気味な笑みがこぼれる。

　「くくく、うまく逃げたつもりだろうが……。そうはいかんぞ、スレイ！このマサキ、全国武器屋連盟副会長の名に掛けてお前をにがさん！」