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第二十一話「地図の在処」

「何コイツ、恐い」

 

 突如として現れた包帯男を見て、思わず俺は口からそう零していた。

 双眸以外の全ての体の部位を包帯で隠していて、さらにその上から白衣を羽織るという意味不明なファッション。両手には何やら黒い液体の入った試験管を持っていて、謎キャラ的オーラを醸し出している。

 

 そして俺達を見て不機嫌そうにしているという事は、多分コイツにはブレイズの街の奴らの様な朗らかさはないのだろう。


「……外に看板を置いておいたはずなんですけどねぇ。効果なしでしたか」

 

 ……アレ書いたのってコイツだったんだ。

 異世界人だから魔法で入口塞いだりするかと思ったんだけど、意外と安易で原始的。いやまあ、解錠スキルやら侵入スキルやらと使い勝手のいいスキルを沢山持っている俺には無駄だと思うが。


『蓮さん蓮さん、何かあの人気持ち悪いです。ヒョロッとしてますし、隙を突けば私達でサクッと退治できるんじゃないですか? 絶対悪い人ですよ、あの人』


『まあ待て、気持ちは分からんでもないが。取りあえず、地図の在処を聞き出すぞ』


 俺とイーリアがヒソヒソと話し合っていると、包帯男はちょいおこを通りこして激おこ状態になり、俺達に言ってきた。


「……私もあまり我慢ができる人間ではないので、何か用があるなら早く言ってくれませんかねぇ! 忙しいんですよ、こっちも」


「お前、人間だったのか……。まあそれはさておき。俺達が聞き出したい事はただ一つ。邪神の居場所が書いてある地図の在処についてだ」


 俺がそう言うと、包帯男は何を言ってるんだとばかりに首を傾げた。


「そんな質問に答えられるワケがないじゃないですか。こっちにも色々と都合ってもんがあるんです。大体、この城は宝物庫でもあるんですよ? それ、宝よこせって言ってるようなもんです」


「宝物庫? それにしちゃあ、宝っぽい物が道中になかったが」


「そりゃあ、大概の宝はこの壁の奥に隠されてますしねぇ……。でも、祭壇にはちゃんと宝を祀っておいたはずですよ? 古から伝わる、邪神団自慢の宝を」


 包帯男は、何でもなさそうにそんな事を口にし……。


「……えっ? 秘宝? アレが?」


「ええ。見慣れぬ格好をした、常人とは異なる人物が残していったと言われている伝説の宝です。まあ、中身の文章は解読不可能なのですが」


「…………」


 それ、絶対日本人じゃん。

 あんな萌え漫画を気に入るという事は、邪神団も思いの他性欲に飢えた男性が多いのかもしれない。

 ……うん?


「ちょっと待て、邪神団? なんでそこで邪神団が出てくるんだ?」


「……そんなの、自分で少し考えれば分かる事でしょう。私が幹部だからですよ、邪神団の、幹部」


 …………えっ?

 

                ■


 ―――この状況はどうしたものか。


 俺達は包帯男と向かい合った状態のまま、身をたじろがせている。


「……レン、これはどうするんだ? あんなヒョロヒョロ男なら、私達でも倒せるかもしれないぞ」


「いや待て、ああいう雑魚っぽい奴って意外と強いアンデッド系のモンスターだったりするんだよ。どんだけ火力のあるお前でも、不死身相手なら意味がない」


「う、うーん……? あの人が幹部? 私、あんな人見た事ないけどなあ……。ベルゼルグとは違う邪神に仕えてる人なのかな」


 俺達がコソコソと言い合って怯えていると、包帯男は安心しろ、とでもいうかの様に鼻を鳴らした。


「私とて、人間という同族に力を振るう様な不埒者ではありませんよ。……それに、幹部と言っても、私は邪神ダークアポロの手助けを行っているだけで、戦線に出る事はまずありません。そうですね、一介の薬剤師とでもいいましょうか」


「……薬剤師? なんで薬なんてもんをお前が作ってんだよ」


「回復薬を作って、ダークアポロの元へ届け、手助けをする。それと、邪神ダークアポロ団が集めている宝の管理をする。それだけです。それだけで、結構な額の報酬が貰えるので。私は自分の生活のために、ダークアポロに協力してやってるだけですよ」


 ……なんだ、じゃあコイツ別に根は悪い奴じゃないのか。

 ダークアポロとやらは知らんが。


「……まあ、そっちの事情は何にせよ、俺達は邪神の居場所が書いてある地図が欲しいんだ。どうしても駄目か?」


「……めんっどくさいですねぇ、もう。分かりましたよ、渡しますから、さっさと出ていってくれませんかねぇ。ただし、自己責任でお願いしますよ。もし私が地図の在処をダークアポロに聞かれたら、貴方達が持って行ったって言いますから」


 ……それはそれで困るけど、まあもうこの際いいか。

 俺が渡された紙きれには、確かに地図らしきものがきちんと描かれてある。

 三大邪神の名は、ベルゼルグ、ダークアポロ、サタン。

 いかにも悪魔っぽい名前の奴らが勢ぞろいである。


 ……さて……。


「なんかもう疲れたし、帰って寝ようか」


「……どんだけ体力ないの? レンは」


 そんな事言われても。


 

                   


新人賞に出す別の小説の方が忙しいので、若干更新が遅れております。ご了承ください。

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