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第12話

あれからさらに2週間が経ち、今日は学園の入学式だ。この2週間は特に何もなかった。しいてあげるとすれば、『ケルベロス』の情報をすこし入手した程度だ。


「さて、今日は学園の入学式だけど、2人とも準備はできてる?」

「もちろん!」

「できてます!」


今3人は、学園への道を歩いている最中だ。


「キャーーーーーーーーーッ!」


突然叫び声が聞こえた。すぐさま3人はそちらへ向かうと、数人の男が1人の少女を囲っていた。少女の格好をよく見れば、学園の制服を着ていた。


「学園に入れたってことはそこそこの実力はあるはずなんだけどな〜」


そう言いながら弘一郎は男と少女の間に入った。


「なんだテメェ‼︎」

「痛い目見たくなけりゃさっさとどけ!」


そうした自分への罵倒を聞き、馬鹿にされたもんだなと思いつつ弘一郎はハルバートを抜いた。


「な、なんだそれは⁉︎」

「ん?これか?これはハルバートって言ってな?斧と槍を混ぜたような武器だ。……さて、この武器をお前達に振り下ろしたらどうなるかな?」


そう言いつつ弘一郎は、ハルバートを持ち上げた。


「ひ、ひひひひ。やれる訳がねえ。やれるもんならやってみろ‼︎」

「そうか?じゃ、遠慮なく」


そう言って弘一郎はハルバートを振り下ろす。


「クッ!」


男達は辛うじて剣を抜きハルバートを防いだ。


(お、重え)


男達が驚くのも無理はないだろう。何故なら、男達は数人が全力で力を込めているのに対し、目の前の少年は片手でしかも欠伸しながら、力を込めているのだから。


「「「「「「ッ!」」」」」」


そして、次の瞬間、少年の姿が消えた。

気づいた時には首にハルバートを当てられていた。


「そ、そうか。お前が、あの『天才』か‼︎」

「?何のことだ?」

「黒髪黒眼の少年は圧倒的な戦闘センスで一瞬にしてランクを上げていると噂になってんだよ‼︎」


男は叫びながらも頭では違うことを考えていた。


(噂は間違っていた。こんなのは『天才』じゃない!『天災』だ!)


男はすでに目の前の少年を自然災害と同一視していた。


「死にたくなければ今すぐ去れ!」

「こ、殺さないのか?」

「殺してほしいのか?」


その時弘一郎が浮かべていた笑みは、残酷な本性と狂気が見え隠れしていた。だが、そのことに気付きながらもこの少女たちは気にしない。


「は〜やっぱりかっこいいなー」

「そうですね〜」


「おい二人とも、少女の無事を確かめるぞ」

「あ、はい」

「わかりました〜」


そう言って3人は少女の方へ歩いて行った。

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