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第8話

「それで、シャルはどうしてあんな所にいたんだ?」

「そ、それは……」

「ああ、いや。話したくないならいいけどな」

「いえ、話します。私達の村は、小さいながらも幸せに暮らしていました。でも、そこに奴らがきました」

「奴らって?」

「盗賊団『ケルベロス』です」

「それって、どんな奴なの?」


聞いたことのない言葉について乃愛は尋ねる。


「『ケルベロス』は欲しいものは手に入れ、気に入らない奴らは殺して、気に入った奴は犯す。そんな奴らです」

「…で?それとお前がここにいることに何の関係があるんだ?」

「それは……、両親が私を逃がしてくれて、だから、私は、必死に走ってっ!……後は知っての通りです」


その時のシャルの瞳には、後悔に『ケルベロス』に対する憎悪が垣間見えていた。


「……そうか。なら、一緒に来ないか?」

「え?い、良いんですか?」

「ああ、どちらにしろ、この世界についての知識を知る必要があったからな」

「この世界?」

「ああ、まだ話してなかったか」


そう言って弘一郎と乃愛はシャルに事情を話す。


「そうだったんですか……。わかりました。私の知っていることなら話しましょう」

「そうか、ありがとう」

「ありがとね!」


そんなやり取りをしていると村が見えてきた。

そして、村長の家に向かった。

家に着くと大きな声で言った。


「村長、依頼を完了しました!」


すると、慌てて出てくる音が聞こえた。


「それは誠か⁉︎」

「ええ」

「すまんが、少し待ってくれ。確認を送る」

「構いません」


それから、村長の家でしばらく話していると、


「村長!確認出来ました!確かに殲滅されています!」

「ふむ、改めてこの度は本当にありがとうございました」

「いえいえ、仕事ですから」


そこで、仕事についての話は終わった。

そして、


「ところで、その獣人は?」


どうやら、この世界でシャルのような者は獣人と呼ばれているようだ。


「偶然見つけましてね。保護したんですよ」


その言葉を聞き、村長はめを見開いた。


「ふむ、お主のような者もいるのじゃな。儂らの世代は皆そのような考え方だったが、今の若者は教会の影響で獣人を差別しておるからな」


その言葉を聞き、弘一郎は驚き、そして怒りを露わにした。弘一郎は自らの敵には容姿しないが、普段は優しい少年なのだ。


「ふざけるなよ。教会は正しく導く立場にあるんだろうが!」


弘一郎が発した殺気に、慣れている乃愛以外が震え、呼吸すら忘れてしまう。


「弘一郎君。だめだよ」


乃愛に宥められようやく殺気を戻す。

村長たちに謝る。


「すいません。取り乱しました」

「いやはや、これほどの殺気を出すとは。この短時間でゴブリンの巣を潰すだけはありますな」


そんなこともありながら、3人は村を出て、ギルドへ向かう。その後、予想以上のスピードに驚かれたが、特に何事もなく、報酬を得て、宿屋に戻った。


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