ばとるなの
適当な階に特別会場を設置し、ここで俺とパーシャちゃんは勝負をする。そう、パーシャちゃんの指技と俺の整体マナちゃんが火花を散らすべく、三体のドッペルクウ娘が全裸で台にうつ伏せで待機していた。
(ユーミ)「夢じゃないのよね? まさかクウちゃんにマッサージしてもらえるなんて」
(レイナ)「良かった。うん。パパを騙して良かった」
(カミラ)「ヨダレが、うへへへへ」
このドッペルクウ娘の三体はどうもおかしい。スタッフが暴走して作ったせいか人間味は増したのだが、下品な方に進化したように思えた。凄~~~~く、自分の嫌な一面を見せつけられているようで俺は、とても複雑であった。
(パーシャ)「人形と言うか、これは最早人と変わらないわね。ふふふ。しかもクウ娘ちゃんとか……やる気が出て来たわ!」
「おおー! パーシャちゃんのおめめにほのおがやどってますの!? むむむ。これははげしいたたかいになりそうなの」
互いにに台の横に立つ。三体いるが勝負に使うのは二体のみ。ただし三体目は勝負の決着が着いたあとに、互いの技を検討しあう為、今は待機させている。
そして、エステルームには大量のスタッフに撮影機材が持ち込まれていた。フーコがこのイベントを取り仕切りたいと言うので任せた結果、こういう形となった……
(フーコ)「クウ様はパーシャ様の技術を漏らさず盗まれるようですね~。あっ? 名乗り遅れました! 実況中継役のフーコと、特別解説ゲストに猫庭の楽園最大の変態紳士こと、模手内氏を迎えて実況致します。さあ、この世紀の一戦どう思われますか? 模手内さん」
これは料理番組の対決か何かか? いや、既にそのノリであることは間違いない。ドッペルクウ娘と言う食材をいかに鳴かせるか。実況席が用意され、こちらの一挙手一投足を漏らさずその目に納めようとギラギラとした熱い視線を感じる。
何故こうなったと俺とパーシャちゃんはしみじみ感じるが、この張り詰めた空気の中、勝負をするのは嫌じゃなかった。そう。これはこれで彼等を労わないといけないと思う。遊びも真剣に! うん。悪くない。
(模手内)「フーコたんが拙者のことをブタ野郎と呼ばないとは意気消沈でござる……」
(フーコ)「あとでタップリと罵ってあげるからちゃんと解説しなさい! これ撮りなんだから」
前世の記憶にあった大型撮影機材をこちらに向けられ、それは言葉通りであった。
(模手内)「アメとムチでござるね! 承知致した! この戦いを制するのはズバリっ! 女体をどれだけ理解しているか……ここが勝敗を決めるポイントではないかと拙者は感じているでござる。それを考慮すると……この勝負……九条たんが厳しいと予想するのら」
いつになく真剣な顔とコメントする模手内先輩。そのの内容は、俺の苦戦をていしていた。
(フーコ)「ですが模手内さん。女体に関して言えばクウ様は性の垣根を越えられた方ですよ? それを踏まえるとそこまで差のある勝負になりますでしょうか?」
(模手内)「プロフィールを見るのら……あのパーシャたんの経歴……九条たんには悪いけど女としての経験値が段違い……」
(フーコ)「ほほぉう……それは一体どういったことで?」
(模手内)「よく考えてほしいのら……生まれたときから女性であり、百合道を歩んで来たパーシャたんと、男の娘になったばかりの九条たんではその差は歴然なのら」
(フーコ)「意外と辛口コメントでビックリです。模手内さんのことだから、同郷のよしみでクウ様よりの意見が出ると思いきや……それでは解説もこれくらいにして開始させたいと思います! 制限時間は5分。機器の使用は一切なし。ローズオイルをタップリかけた状態で先方はパーシャ様、その後にクウ様の順で開始し致します! それではよろしいでしょうか? フィンガーファイト! レディ——」
(クウ・パーシャ)「「ごーなの!・ゴー!」」
………………
…………
……
…
勝負の幕は切って落とされた! この勝負、確かに一見私が有利に見える。だけど、クウちゃんはそんなに甘くない。彼の凄いところはどこに触れてももふもふでぽかぽかで……ただ抱きしめているだけでも癒しの極地。
そんな彼だからこそ敏感な神経が通う場所に大胆に触れても、それが極上のタッチへと変換されてしまう。ここが彼の凄いところだ。本来、その匙加減を誤れば、すぐに痛みや激しい嫌悪感。さらに言うなら自己防衛を伴う人本来が持つ拒否感が呼び起こされてしまい、体は相手を受け入れなくなってしまう。それは対象の経験の浅さや年齢に比例して高まる。
だが彼の場合、それが反転してしまう。つまり全てがクリティカル……いや、相反する2つの属性を兼ね備えたものに変換される。実際は強く乱暴に責めて荒々しいタッチなのに、受け手側はその粗雑な責めと同時に、極上でソフトなタッチと言う卑怯極まりない責めの快楽を味わう。普通有り得ないことなのだが、現実として存在してしまっている。だがら私は王道の責めでいく! 今まで私が培って来た技術を駆使してな責める。
(ユーミ)「あ!? あ!? なにこれ!? んッッ。くふっんっ」
男の人はすぐに刺激を与えようと躍起になり、集中的に感度の高いところばかりを狙う。それはそれで間違いではないのだが、肉体にはあらゆるところに神経が通り血も流れている。
このドッペルクウ娘ちゃんにしてもそれは忠実に再現されている。とんでもない高水準の人形である。もし肉体が滅んだとしても魂と言うものを移し代えすることができたのなら、このドッペルクウ娘ちゃんはまさに女神様が降臨するほどの器。
だから、その事実を知った者はクウちゃんにお願いするであろう。老いた体を捨て、新たな肉体を欲する者が次々と……
いけない……話がそれたが神経があると言うことは、刺激を感受することができると言うことだ。男の人はこれらを放棄して、特定の場所ばかりを集中して責める。だから甘いのだ。
(パーシャ)「ふふふ~~肩に優しく触れているだけなのに、ふふふ、どうしたのかな~?」
肩周りと言うのは神経がかなり集まっている。首、肩、股、足の裏も同様だが、最初に責めるのならまずここからだ。ポイントは感度を全体的にあげていくこと。即物的に終わらせない。これが男の人と百合道を歩んで来た者の違いだろう。
(ユーミ)「なんでこんなことにぃぃぃ!? んッひゃぁ!? ら、らめぇえええ!」
そっと触れるか触れないかのタッチでゆっくりとなぞり、それから手のひらをピッタリと隙間なく肌に合わせたら奥の手を出す。私の全にして一。一にして全の技。修行で編み出したある技が、飛躍的に私の百合道の道を進化をさせた。
(パーシャ)「行くわよ~♡ 浸透勁の改良版。開華昇天」
自分の体を使い何度も試したからわかる。まるで見えない手が体の中の神経をソフトタッチでなぞり困惑させる。私も当初コレを見つけた時は、その甘美な調べに朝チュンを経験してしまった程だ。ふふふふ。ドッペルクウ娘ちゃんは戸惑っているだろう。未知への愛撫に——
(ユーミ)「んひゃぁあああ!? んあ゛~♡ しゅごいの゛お~!!!!」
(フーコ)「模手内さん! コレはのっけから凄い奥義が出ましたね。ドッペルクウ娘ちゃんのデーターは常にこちらで把握していますが、なんと250ニャンをマークしてますよ!」
(模手内)「なんと!? 某がミロたんをフルボッコに責めて300ニャンを出すのがやっとだったのに……あの者に弟子入りを申込みたいでござる!」
ニャンって何?……恐らく感度の単位のことだろうけど。うわぁ~・・ミロってあれに無茶苦茶されたんだ……毎日が地獄だったろうな……っていけない!? 集中集中……
私の開華昇天は右手を上半身へ、左手を下半身へと伸ばす。ドッペルクウ娘ちゃんはもう目をチカチカさせて頭を真っ白にしている。そう、この技は凄いところはこれだけの快感が出ているのに関わらず、本来は責められるところを責めないという、生殺しの状態に近いのだ。
その為に体全体が有り得ないほど、快感が高まり、そして、その熱が静まることが決してない。もうここまで上がると、自然にこの熱は止まらない。止めれない。極端な事を言えば、一度大きく爆発をしないと収まりがつかないのである。自分の体を幾度と使い確めたことだから間違いない。
(ユーミ)「あ! はああ♡ あああ♡ パーシャおねえしゃま♡ 切ないの~しゅきいっ♡ もっと~♡ あ~♡」
蕩けたドッペルクウ娘ちゃんがうつ伏せから仰向けに自分からなる。力が入らないだろうに無理をして、切なくて仕方がないんだろう。普段ならここでキスとアソコを可愛く責めてあげるんだけど、今回はあくまでも指技勝負と言うマッサージ。ただ……ふふふ。女性はね。間接的でも人体の構造を知れば、外からでも大事な所に触れることができる場所があるのよ。
(パーシャ)「可愛いことを言ってくれるわね。時間もそろそろだから、止めを刺してあげる♡」
(ユーミ)「んあ!? ~~~♡~~~♡♡~~~~~っ♡♡♡」
もう声も出せずに飛んでいる。右手はおへその下から手のひらを合わせ、開華昇天で、その奥に潜んでいる女性の大事なアソコを包むように刺激する。
本来は男性のアレで突いて刺激するしかないところを、私の見えざる手で優しく包んで愛してあげるのだ。その快感はまさに至高の快楽。そして追随の手を緩めない。左手はお尻から太股へ。そして、太股から足の裏ので這わせるようになぞる。そう、手は決して休ませない。
常に神経をなぞり全体の感度を高めるのだ。その証拠に永続的に訪れる快感にドッペルクウ娘ちゃんの体はびくっ♡ びくうっ♡ と弓なりに反り。体を震わせている。私は勝ちを確信した。この反応を見る限り、私の腕は錆び付いていなかった。
(フーコ)「そこまで! タイムアップ!」
(模手内)「お、恐ろしい手練れなのら……拙者が震えているだと!?」
(フーコ)「えー……となりのデブは放っておいて数値を発表したいと思います……な、な、なんと!? 最高数値は……な、な、なんと!? 520ニャンをマークしました! これはとんでもない数値です……後半戦のクウ様はコレをいかに越すか! 我等の主に期待が高まります!」
クウちゃんの反応はと言うと……ふふふ。男の子だな~♡ メラメラと瞳を燃やしているのがわかる。どんな技を見せてくれるか楽しみだわ。
………………
…………
……
…
パーシャちゃんにあんな恐るべき力が備わっていたとは……。正直舐めていたかもしれない。何よりも驚いたのはあの浸透勁だ。マナちゃんの動きでわかったが、振動の手を作り出し、内部をその見えざる手で愛撫していた。
コレには目から鱗が落ちる想いである。素晴らしい発想だ。手を使うと言う点において、俺は皮膚の上をいかに優しく触ると言うことはしても、その奥を刺激するの言うのはマナちゃんにお願いする整体マナちゃんと言う発想が限界であった。
それを振動というもので……パーシャちゃんには恐れ入る。凄い人を妻にしたとも思う。なるほど。人間の体内には数えきれないほどの神経があり、それを網羅することで快感を高めるとは……あの自信も納得だ。
例えるなら、男性が女性の弱点ばかりを責めて、快感を必死に与えようとするのを一撃必殺の火力重視タイプに例えるとするならば。
パーシャちゃんのアレは、絶え間なく続き、細かい打撃を積みに積み重ねてコンボする終わりのない連撃。結果を見ればそれは大きく一撃を喰らわしたそれよりも遥かに高い火力を伴い、完膚なきまでに堕とされたドッペルクウ娘の姿が物語っていた。
「いきますなの! まずはあんよから~、ぬ~りぬり~なの」
まずは足の爪先から丁寧にオイルを塗っていく。本当は仰向けになってもらい、胸から責めていく予定だったが止めた。それはパーシャちゃんのマッサージを見て俺も試してみたくなったからだ。あの技は見えざる手を作り出し、神経を内部から刺激するものだった。
発勁と言う高等武技は俺には使えない。だけど、俺にはマナちゃんがいる。だからお願いをしてみよう。
『げったんだんすなの。こう、うにょうにょなの』
脳内のイメージを想い浮かべて操作、いや、お願いをする。
(カミラ)「ふわぁ~♪ クウちゃんのお手手がもふもふしてて気持ちいいな~……ん!?……な、な、あはははははははっ」
むむむ。ちょい失敗か? マナちゃんに足の中でゲッタンダンスを踊ってもらったが、どうやら滅茶苦茶くすぐったいのか、ドッペルクウ娘は暴れている。
(フーコ)「おーっと、クウ様は何やら新たなる技を試しておられるのか? ただ、私には足の裏を優しく揉みほぐしていただけのように見えたのですが……これは一体?」
(模手内)「ぬぬぬ!? いや、あれは……どういう方法かはわからぬが、パーシャ殿の奥義を模倣しているのでは?」
(パーシャ)(正解ね。ただ、本当にどうやっているのかしら? オーラが妙に歪んだように見えたけど……早速取り入れてくれるなんて。くすっ。負けず嫌いなんだから♡)
『マナちゃんすとっぷですの』
いきなりゲッタンはなかったな……反省。だけど内部で刺激することは成功した。次はもっと真面目にイメージしよう。
しかし、改めて思うが……何故マナちゃんがあらゆる物質の中に存在しているか……そもそも大気中に漂っている方がマナちゃんは窮屈な体内より解放されていいだろうに……
ふむ。マナちゃんはそもそもどうやって生まれたんだろう?……意思はある。あらゆるところにいる。では何故?……もっと声が聞こえるようになったら教えてくれるのかもしれない。……いかんいかん……脱線してしまった……今は勝負に集中しなくては……マナちゃんに内部で動いてもらうのに最適なもの……ワルツなんてどうだ?
俺の送り込んだマナちゃんと手を繋ぐようなイメージで……
(カミラ)「ははははっ!? ん!? んんッ? ふぁ~♪ ふにゃ~~~。なんか~~~~ぽかぽかするよ~~~~」
ありゃありゃ……うまくはいったけどこれは、目がとろ~んとして、凄~く心地よいと言う感じだな。やっぱり振動がないとダメなのか? 何度も言うが、俺に発勁という高度な技術はない。振動かー……振動……ん?……じーーーーーーーー
(パーシャ)「な、何? 私の顔になんかついてる?」
(フーコ)「おやっ!? クウ様はどうしたのでしょう? 太股をちっちゃなお手手で揉み揉みしながらパーシャ様を見ておられますが……これは一体?」
(模手内)「九条たんはのあの顔は……そう! 被害者の顔……イジられ続けた者達が何かを悟る顔!? 経験則から何かを……あれは!?」
ふふふ。その通り。ここ数日俺はパーシャちゃんの発勁とは違う振動を受け続けてきたのだよ。そのおかげで俺は閃いた。そう、振動を起こすのに発勁と言う高度な技術が無くてもある程度は起こせる。喰らえ! 零距離バイブレーション。
「ぶっーっぶっーぶつーー! ぷはっ! すぅ~~~!! ぶっーーぶっーーぶっぶぶっーぶぶっー!」
俺はドッペルクウ娘のお尻に口をつけて零距離で息を吐く。その時に大量のマナちゃんをドッペルクウ娘の中へと同時に送り、リズムに合わせて踊らせる。そんなイメージを描きながらすると……
(カユラ)「ぬあ゛♡!? ふにゃ♡あ゛♡あ゛♡あ゛♡あ゛♡」
ついでにマナポイントに寸分違わずに口をつけて……マナちゃんを大量に吐くから【マナブレス】とでも命名するか? ぶはぁーっと吐くと、暴れまくったドッペルクウ娘は俺ごと台の下へと落ちそうになる。が……
(パーシャ)「セーフね……うわぁ~・・・・」
咄嗟に瞬地を使い落ちないようにパーシャちゃんが台の横で受け止めてくれると、控えていたスタッフ達も僅かに遅れてだが、台の周りに集まりフォローに入る。
(カユラ)「ん゛♡あ゛♡む゛♡びぃ♡ぬ゛♡ほぉ゛♡お゛♡お゛♡お゛♡ーぐひぃ♡◇〒▼▲☆☆●〒〒◆□□■〒▽▲○」
ヨダレ、鼻水、失禁と……色々お見せできない光景が……綺麗に例えるのなら、全身を生きの良い魚の様にビチビチと跳ねまくるドッペルクウ娘。ここ、完全にボカシ入れないとダメだ。うん。あとでフーコに言わなくては……もうその様は一堂を引かさせるのに十分であった。
(フーコ)「きゃあ!? いや~~・・・・……あぁ……まさかこの私が漏らすなんて……」
フーコの椅子は失禁によりビチョビチョになっていた。それはモニタリングをする為に極僅かだが、ドッペルクウ娘とリンクしていたことに関係していた。つまり、快感の一部が彼女に逆流し、その影響を受けてしまったためである。
(模手内)「フーコたん!? 大丈夫でこざるか!? な、何が!?」
そんなことは模手内にはわからないだが、元は天才の模手内はおおよその見当がついていた。それはほぼ当たりであったが、その規模については彼であっても信じられない結果となる。
(フーコ)「も、模手内さん……凄い数値がでました……8……で……す……」
(模手内)「よく聞こえなかったでこざる……もう一度言ってほしいのら……」
(フーコ)「瞬間最高数値……8000ニャンをマークしました……一般女性が達すると得られる数値が150ニャンです……それを考えると今回は行幸でした……ドッペルクウ娘様であることと、事前報告によると中に入っていらっしゃるのが女神様だとか……一般女性なら大変なことに……」
女神様!? ……どういうこと? 深く追求しようと移動しようとしたら、先輩がとんでもないことを言い出す。
(模手内)「何を言うでこざるか! あれなら男でも喰らうことのできる技でござるよ! 九条たん! それがしに熱いぶーを!」
誰が好き好んで、男の尻に口を付けなきゃならんのじゃ! 絶対に嫌だよ。だから当然無視をする。それよりもふふふふ。勝った~~~♪
「ふふふふ。パーシャちゃん。クウちゃんのかちなの」
ぷくっとした顔で俺を抱き抱えると、最後のドッペルクウ娘の台へと移動する。が……
(パーシャ)「そこのドッペルクウ娘ちゃん。どこに行くの?」
再度、縮地を使い出口の扉の前へと移動するパーシャちゃん。この勝負の最後は残り一体で互いの技を行い、検討会が執り行われる予定である。だが、このドッペルクウ娘は逃げようとしていた。
(レイナ)「……こ、壊れちゃう……あ、あんなカミラを見たら……ク、クウちゃん……お願い…………」
ガクブルしている。フーコの実況で女神様の三柱が入っていると言っていたな。ミーちゃんが何も言ってこないところをみると……好きにしろってことなんだろう。
「そんなにおびえないでなの。なるべくてかげんしてあげるの。 それと……おねがいだから、そのかっこうでおそとをあるかないでほしいの……」
全裸の俺の女の娘が、廊下を闊歩する姿は勘弁願いたい……
(パーシャ)「ミー様から遠慮するなって聞いてるから諦めなさい……それにこの勝負は今後私達妻の夜の宴に役に立つ! 私達の明るい未来のために……ぐすん……女神様、お許しを! スタッフさん掛かれ!」
(レイナ)「いやぁぁあああああ! パパごめんなッ!? むーーーーー!」
スタッフ数十名に拘束されて台の上に戻されたドッペルクウ娘イン女神様は、しくしくと涙を流しながら己の運命を呪うのであった。だけど、ちょっと嬉しそうなのは気のせいか……開けちゃいけない扉をこじ開けているようで、罪悪感が少し生まれる。なんかこういうのは俺はしたくない……ポリシーにも関わるからだ。
「どこのめがみさまかしらないけど、ごめんなさいなの。できるだけやさしくしてあげるからがまんしてなの。なんだかはんざいをしているようでいやなの……」
(フーコ)「えー、クウ様に耳よりな情報が。どぞ、このマイクに向かってしゃっべって下さい」
突然の報告に俺は目をパチクリさせる。実況席にパーシャちゃんに愛でられたドッペルクウ娘が上がりマイクを手に取る。その顔はハッキリと怒りに染まっていた。
(ユーミ)「クウちゃん安心して! その気になれば私達、この人形からいつでも抜け出してあの世に帰れるの。レイナ~……あんたの考えていることはバレバレよ! これを理由にクウちゃんに貸しを作ってハーレム入りを目論でいるんでしょ! 裏切り行為は禁止ってあれほど言ったのに!」
ギクッと反応する女神様……おうふ……ん?……どこかで……
(レイナ)「・・・・」
あっ!? レイナってまさか!
「カリウスさんのむすめさんですの!?」
コクコクと頷くドッペルクウ娘。おうふ……いくらなんでもカリウスさんの娘さんに手は出せないよ。凄くお世話になっているし、カリウスさんの娘に対する愛情は理解しているつもりだ。
その愛娘のお嬢さんに手を出したらカリウスさんに俺、殺されるよ……それにいつでも抜け出せたのなら、この状況になってないわけだ。うん。気にすることなかったね。罪悪感は完全に無散した。
(パーシャ)「クウちゃんの知り合いなの?」
「なの。ミーちゃんのそっきんのひとのおじょうさんなの……もしてをだしていたらクウちゃん……やつざきにされていたの……みんな、そのドッペルクウ娘はかいほうなの。クウちゃんのげんめいなの。レイナちゃんはカリウスさんのことがあるからだれもてをだしちゃめっ!なの」
困ったな。こうなると検討を予定していたが中止にするか? うーん・・・・正直に言えば時間をあまり開けたくない。パーシャちゃんのあの技を見た今と、俺のマナブレスを覚えた今だからこそ意味があるわけだし。ふと実況席を見るといた。元気はドッペルクウ娘イン女神様が……
「…………そこのめがみさま……むちゃをしょうちで——」
今もお見せすることのできないドッペルクウ娘イン女神様を見た後じゃ流石に……!?
(ユーミ)「いいわよ! お姉様とクウちゃんの両方に同時に愛でてもらえるなら、このユーミはもう! はぁ~はぁ~♡」
俺が言い終わる前に向こうから同意の許可が出た。うん。合意出しいいよね。でもこの女神様……うん、パンドラ扉が開きかけているよね? 俺はパーシャちゃんに半目で避難の目を向ける。
「パーシャちゃんやりすぎなの……」
(パーシャ)「クウちゃんがそれを言う? まぁいいわ。クウちゃんの技を間近で盗んじゃうんだから!」
ツンとオデコに指をつきつけられる。
「ずるいの! クウちゃんにもはっけいをおしえてなの!」
と、レイナちゃんには悪いが放置することにして俺とパーシャちゃんは女神様と一緒に台へと移動した。背後から聞こえる避難の声が罪悪感をより打ち消してくれる。平和だな~。
(レイナ)「むーーーーーーー! むぅむ! はんふぁ! ほぉひぃほぉこぉを! むーー! ふぁふぁぬふぁほぉー! (ユーミ! あんた! もーー! 美味しいとこを! パパのアホー!)」
いつも負けばかりの勝負に勝った。そして、俺の純潔は守られた。……うん……いいんだこれで……いやいや、アスカくんを元気づけると言っても俺のじゃね……
なんかモヤモヤする気持ちを誤魔化したながら、俺は更なる技術を磨く為にパーシャちゃんと検討を開始するのであった。
………………
…………
……
…
男は愛する妻と共に神の聖域へと足を運んでいた。磨き抜かれた一面の床に一目で高級とわかる敷かれた絨毯。首を上げれば螺旋の如く何処までも伸び、その先へと導く様に動く階段と宙に浮かぶ照明の魔道具。まるで遥か彼方まで高くそびえる塔を連想する。
首を下げ視界に入る調度品の数々や、この聖域に仕える使徒の質の高さ。その身に纏う服ですら、貴族が湯水の如く金を使い、貴重な絹をあしらったかの様に格調高い服に、知性と教養の高さを窺える品のある佇まい。案内されるがままフロントで記帳を済ませた私達は軽く呆けてしまう。
何か説明されるが全く言葉が頭に入ってこない。そんな呆けている私と妻を察してくれ、すぐ近くにあった豪華な背もたれ付きの椅子へと案内してくれる。
そこで用意されたきらびやかな茶菓子。それは生まれて初めて口にする次元の違う旨さの紅茶と焼き菓子だった。驚きの連続である。五感の全てが、世の理を見つめ悟ったと感じていたこの心が年甲斐もなく踊っていた。
挨拶をしなければいけない。アスカのことを聞かねばならない。クウ様にお目通りを願うように言わねばならない。ならない。ならな……な……
ダメだ。思考がまとまらない。私でこれなのだ。妻はもっと呆けてお茶を飲んでいる。気づくと猫舌の彼女に合わせて温度まで合わせてくれている。私と妻に出されたお茶1つにしてもこの気配り。アスカは最後に楽園に来られた。私達の想いが精霊様に通じたのだろうか。
どれくらいボーっとしていたのだろう? そろそろ落ち着いてきた。だから声を掛けようと思って腰を上げようとした時だった。
(アスカ)「あっ! お父さんだ。お母さんもいる。テーママさん、あそこまでお願い致します」
(テーママ)「あら~♪ むふふ。アスカくんのお父さんはイケメンね~」
(サーヤ)「確かに。そして、状況が手に取るようにわかるわね」
(トーヤ)「文化レベルの差が外とは別世界だからな……無理もない……」
(アルテイシア)「ドナドナドーナドーナー……えぐっ」
(クリス)「おーよしよし。部屋はお兄ちゃんにお願いしてまた作ってもらおうね。おーよしよし」
息子がキラキラした瞳をしている。そして、巨人族の女性に抱えられている。さらに……私の目はおかしくなったのだろうか? クウ様によく似た者が5人もいる。しかも息子を抱えている女性……いや、他の者もそうだ……私の培ってきたものが、警告に近いものを強く訴えかけている。
かつて冒険者としてこの警告に何度救われたか。アスカを取り囲む集団の誰もが恐ろしいほどの使い手であると私は察する。もちろん殺気等微塵も孕んでいない。アスカを優しく扱ってくれている。だが、何か逆鱗に触れたら人の手には余るほどの力を感じた。正直に言えば恐ろしかった。
ここは神様の園……そう。猫神様、クウ様の聖域。つまりはそこにいる住人はそれだけの者達ばかりである。私は一気に冷水をかけられたような錯覚を覚える。
妻の手を取り立ち上がり、粗そうがないよう心掛けて動こうとすると、向こうから手で静止された。
(テーママ)「あ~ごめんなさい。貴方はハイ・エルフよね。それじゃあ~その汗も仕方がないわ。でも安心して、ここにいる者はアスカくんのことが大好きだから。ウリウリウリ。何だったらドナちゃんみたいにチューチューしてもいいのよ?」
アスカの初な反応に悦る巨人族の女性……何者なんだろうか? 一目私を見ただけでハイ・エルフと見抜くとは……アスカから聞いたのか? それもあるだろうが、一瞬で全てを見抜かれた気がした。そのことからも相手はただ者じゃないとわかる。
(アスカ)「むっ、むっ、胸を押し付けるのはダメだよ! それにボクはチューチューしないもん……はぅ~」
(ドッペルクウ娘(成人))「マスターにご報告する件が一件できたの……罰としてらぶらぶ一回禁止にしてもらいますの」
クウ様?……いや、違う? ・・・・まさかゴーレムなのか!? なんと精巧な……
(テーママ)「ちょ!? き、汚いわよ!」
(ドッペルクウ(成人))「だったら卑猥なことをしないの! 全くテーママはこれだからアイシアちゃんに嫌われるの」
あれは男性のクウ様。あーいかん……目眩が……
(テーママ)「ぐはっ!」
(ドッペルクウ(赤子))「そのうえ、セーラちゃんにもがちできらわれているの。そういうとこはミーちゃんとかぶっているの」
こちらは赤子のクウ様。はははは……
(テーママ)「あんなのと一緒にしないで……」
(ドッペルクウ娘(赤子))「あー・・・・テーママどんまいなの……ぐすっ……」
これは本当にゴーレムなのか? それともクウ様は分身できるのか? お、お茶を飲もう……
(テーママ)「……お、お願いよ……そういう攻撃が一番効果的なのよ……」
(クリス)「あ、初めまして! クウちゃんの妹のクリスと言います。えーと……アスカくんのお父さん大丈夫ですか? その今、どういう心境かみんな理解してますので…………でも、すぐに慣れますから!」
クウ様の妹様? すぐになれる? アスカに色々聞きたい。ダメだ。挨拶を返さないといけないのに、口が固く閉じたように……
(アルテイシア)「(こう言うところは流石、クウちゃんの妹だな~。慣れますからって……アスカくんのお父さん……あーあー・・カップを持つ手が震えているし……)」
(アスカ)「お父さん紹介するね。この……エッチなお姉さんが破壊神様の身分け様で、あちらの御二方は創造神様の従者のサーヤ神様とトーヤ神様。あと、元牛さんで今は女神様のドナさんにクウちゃんの妹さんのクリスさん。そして、ここの責任者のロジャーさんだよ」
・・・・・・破壊神様? 見分け様?・・創造神様の従者?・・元牛の女神様? クウ様に似ていない妹様? 更に格上の使徒?・・息子よ。父は少しだけ……すこ……
テーブルに突っ伏した形に倒れ、気絶した私。自分と言う存在がこれほど小さく、この世には次元の違う世界があまたに存在することを知り……私は限界の末に落ちた。
(アスカ)「わーーーー! お父さ~~~~ん!」
アスカくんはクウちゃんにやっぱり似ていた。それが一堂が口に出さないで思ったことであった。
ふつおたコーナー(MC:たまご丼)
ペンネーム「UR当たりました!! でも、本命が来ません……」さんより頂きました
Q:仲間がみんな遊びに出掛けてしまい俺だけになってしまいました。このやるせない気持ち、どうすればいいでしょうか?
A:挫けちゃちゃダメダメ! 最後に笑う者は運を掴み、努力をした者だけ! 諦めずに頑張って美味しいところをさらっちゃえ! UR当たりました!! でも、本命が来ません……さんならいけるいける! というわけでシーユー♪
テ:キタァーーー! ドッペルクウちゃん! カワユス!
ド:マスターすりすりなの。みんなひどいの! マスターひとりおいてさぼるなんて! クウちゃんぷんすこなの!
テ:そうだよな~……俺の辛さをわかってくれるのはクウちゃんだけだよ……ん? なんか慌ただしいね……
ス:すみませんテツ様。クウ様がキングカイザーを調理する為に、ここから何名か応援に向かいますので、何か御用があるときはカウンターの者に申し付け下さい。では……
ド:……じゅるり……みんなをさがしにいってくるの~♪
テ:……しくしくしく……ソロプレイしてやる……ガチャ!!……




