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はんぶんこなの

 ふわふわと雪が舞う景色が窓に(うつ)る中、少年は葛藤(かっとう)していた。そう、女神様が向かいで無防備に寝ているのだ。

 それはボクのために宝石の付いたネックレスを作った影響で力を使い果たしてしまい疲れたせいだ。キラキラと胸に輝くぽかぽかとした宝石。

 とても優しい不思議な宝石。そう、クウちゃんは猫神と言う猫人族から生まれた神様らしい。

 

 このボクの(やまい)を癒してくれるネックレスのおかげで本当に苦しくない。10分ほどですぐに目を覚まして回復すると言っていたが、ボクの頭の中はクウちゃんのおっぱいでいっぱいだった。


 凄くもふもふでふわふわなのに、おっぱいはさらにむにゅむにゅで柔らかかった。優しく頭を撫でられる度にボクの体はおかしくなったみたいに電気が走り痺れた。

 あれがなんなのかわからない。だけど凄くエッチなことをするとああなるんだとボクは知ってしまった。


 クウちゃんの顔がボクの前にある。綺麗な黒髪。整った端正で綺麗な顔。愛らしい耳。小さくてぷるぷるな唇。たまに漏れる声が透き通り、耳にすら優しく癒しを与えてくれる。


(アスカ)「あ、クウちゃん!?」


「ん、ん~Zzzzz」


 クウちゃんが寝ぼけてボクに抱きつく! その瞬間、心臓がドキドキからバクバクへと変わる。クウちゃんの髪からいい匂いがする。『ずっとこうしていた』……な、な、何を言ってるんだボク!

 クウちゃんは優しい女神様。優しい笑顔でボクを包んでくれ……『キスしたい』……『おもっいきり抱きしめろ』……『おっぱいを触れ』……


 お願いだボク! (ささや)かないでくれ! ボクはもう間違いなくクウちゃんに一目惚れしてしまっている。

 お父さんが言ってた。男は紳士であれ! 誠実な男は決して自分に絶望しない! だから強くあり、憧れるんだと……


 クウちゃんを離さないと!?


「にゃんまげなの~♪ もう離さないの」


 ちょ!? クウちゃん! 離そうとしてたから両手に胸が! あぁ~お胸がもふむにゅで凄く気持ちいい。 


(悪魔アスカ)『オラオラ! アスカ、揉んじゃえ! 揉んじゃえ!』


(天使アスカ)『ダメだよボク! クウちゃんに嫌われてもいいのかい?』


 そうだ。今なら間に合う……ゆっくりと……


(悪魔アスカ)『いいのかボク? 残り少なく、この中でしか生きられないボクが、こんな女神様クラスの生おっぱいを揉む機会なんて二度とないんだぜ?』


 ピタッと止まる手。自分の意思の弱さを呪うのと同時に今、両手には至高の至福が詰まっている。これから手を離すのにどれだけ精神を削られることか……


(天使アスカ)『だからなんだって言うんだ! 生き神であるクウちゃんがボクの為に胸を自由に触らせてくれた恩をボクは忘れたのか? それはクウちゃんに対する裏切りだ!』


 …………ありがとうボク。


 そっと胸から手を離すと、ボクはしくしくと声を殺して泣いた。


 ………………

 …………

 ……

 …



 アスカくんの心の葛藤がありありとわかってしまう……なんて罪作りな私。にゃんまげに抱きついた瞬間、あまりにも華奢な体つきだったので驚いて目を覚ましたら、アスカくんに抱きついている私がいた。

 あちゃー。そこから寝た振りを続けて様子を窺っていたのだが、彼の百面相は心情を吐露(とろ)していて実に丸わかりだった。私ってばいけないお姉さんだと反省しつつも、アスカくんを結構好きになっていた。


 クウ娘ちゃんが介入することで私の視野は実に広がっていた。つまり、女性の立場で物事を見れるようになった影響でアスカくん(男の子)もありだと認識してしまっているのである。

 そっちの趣味はなかった筈なんだけど……アスカくんが愛しくなってきてるのは事実だ。


(悪魔クウ娘)『食っちゃっえなの! 食っちゃっえなの! 胸まで揉ませてお預けなんて可哀想じゃないの? 男の気持ちもわかるなららぶらぶしちゃいなYO☆ミ なの』


(天使クウ娘)『バカなことを言うんじゃないの! たまたま出会った子。しかも病弱な子を食べるなんて恥を知りなさいなの! ここは慈愛を持って接するべきなの!』


(悪魔クウ娘)『天使はいい子ちゃんぶらないの! らぶらぶすれば免疫力が上がるし! 今の私なら、らぶらぶとマナ整体を合わせた房中術ぼうちゅうじゅつでアスカくんを治してあげられるかもしれないの!』


(天使クウ娘)『おバカ悪魔! あんたはただ単に槍でスブっと往くのなら、美少女みたいなアスカくんで済ませたいって思ってるんでしょなの?』


(悪魔クウ娘)『でも槍はいくらなんでも嫌なの……天使は嫌じゃないの?』


(天使クウ娘)『う……とりあえずつばをつけとく意味でもキスぐらいまでなら……』


*並列思考LV1を創造しました。


 (おまえらいい加減にしろなの!)


(悪魔クウ娘)『オリジナルがぷんすこだから消えるの』


(天使クウ娘)『天使失格だわ……はぅ~。オリジナル頑張ってなの。消えますなの』


 ……変なスキルも……創造? 取得じゃない……ん? 知らない間にシステムがバージョンアップしたのか?


(アスカ)「『……いいんだこれで……しくしくしく』」


 アスカくんの呟きを猫耳が捉える。罪悪感がパナイ。ク、クウ娘ちゃんは今は寝ているの………………チュ…………だ、だから、こ、これは事故なの。


(アスカ)「!!!!!!!!!!!!!!」


 うわぁ~。スチームばりに熱波が顔に届いてくる。アスカくんったらいつぞやの私ばりに顔を赤くして固まっちゃってるし……これもまた罪悪感が半端ない。元男の私がファーストキスだったのかな? 

 あぁ~、凄いイケナイことをしてしまった気がする。その後、私は寝た振りを続け、いつ目を覚まそうか悩んでいると、アスカくんのお母さんが部屋にやって来て私はやっと起こされた。



 ………………

 …………

 ……

 …



 事情をかいつまんで話した私はアスカくんのお母さんと一階にあるお店に降りる。アスカくんとはここでバイバイする。「また絶対に会いに来てね」と泣きそうな顔をしてお願いされた。もちろん約束をしてから部屋を出た。


(?)「あの子があんな顔をするなんて、ふふふ。クウ様は凄く美人ですものね(でも、なんでこんな変な服を着ているのかしら? 神様の趣味はわからないわね)」


「あははは、とても素直ないい子でつい可愛がってしまいましたの。それと美人だなんてとんでもないですの!? (おたくの息子さんに初キッスと初おっぱいしてたとは言えないの……)」


 一階に降りると店内が目に写る。何かの植物で編んだバスケットに様々なパンが入れられており、更にプレート状の平皿の上にも乗せられパンが所狭しと陳列していた。細長いフランスパン、四角い食パン、コッペパン、クロワッサン、ねじりパン、俺の知っていて似てると思ったパンはこれくらいだったが他にも面白いのがあった。


「これはなんと言うパンですの? えーと……」


 お母さんのお名前なんて言いますの?


(ミカ)「ミカと申しますわクウ様。名乗り遅れましてすみません。これはマスクパン。我が国の女王陛下に感謝を捧げる意味でお作りしているパンなのです」


 確かに仮面(マスク)のパンなのはわかったが、なんでだろうと思ったらそういうことだったのか。


「エヴァちゃんが知ったらきっと喜ぶの。これ2つ下さいなの」


(ミカ)「クウ様。いくら神様とは言え、女王陛下のことをちゃん付けはいけませんよ!」


 ミカさんは30歳前後の可愛い系のお母さんだ。アホ毛を二本ピョコンと生やし、茶髪の髪を後ろにまとめている。身長は150cmのほっそりとした体つき。【ホカホカベーカリー・エリオット】と書かれたエプロンを掛けている。そんなミカさんは頬を膨らませて両手をあげて怒っている。

 私の奥さんなんですって言っても信じてくれないだろうな……


「あははは、ごめんなさいなの。親しみを込めて言ってるあまりについ、ちゃん付けにしてしまいましたの。今後は気をつけますの」


 確かに事情を知らない人からすれば不敬極まりない発言だからね。要らぬ誤解も生まれるだろうし、公表されるまでは伏せとく方がいいか。


(ミカ)「私以外の人だともっと怒る人がいるから気をつけて下さいね。貴方、こちら神様のクウ様よ」


 奥から出てきたご主人は奥さんより一回りは若い20歳前後くらいの男性で髪はエメラルドグリーンのショートヘアー。目は髪と同じく透き通ったエメラルドグリーン。そして、よく見ると長い耳が尖っている……男性はたまにしか見なかったけど、身長180cmにもなる旦那さんイケメンエルフであった。


 アスカくんが美形すぎるのに納得してしまった私である。このお父さんとお母さんの間に生まれたのなら、彼のような美形の子が生まれる訳だ。だけど種族の特徴をついで無いことからお母さんの血のほうが強かったんだね。


(エリオット)「初めてまして、この家の主人のエリオットと申します。まさか生き神様にお会いできるなんて! 今日はどのようなご用件で?」


 右手を差し出されたので私は両手で包んで握手し返す。彼は私の着ぐるみを多少好奇な目で見たが、嫌な目はしなかった。

 むしろ、着ぐるみの力を無意識に感じとるように真剣な眼差しで見ていたようにも見える。そのせいか見た目と中身の年齢がイコールでないのがすぐにわかった。

 一言で言えばできた人であると言うことだ。


「いえ、たまたま散歩をしていたらアスカくんとばったり会いまして」


(ミカ)「それ気になっていたんですがどういうことですか? アスカは二階にいましたし……」


 大雑把にしか説明してなかったのでまずは私を知ってもらおうと元の姿に戻る。


「こういう事です! なの」


 ポンッと、クウ娘からクウちゃんに変身した瞬間、ミカさんに捕らえられもふられていた。そして、エリオットさんはこの姿になったことで頭の中で組んでいたパズルが組上がった。


(エリオット)「…………思い出した! クウちゃん! 東の大陸で奇跡の数々を起こし、サウザンドスネークを討伐した希代の子って言われてる……」


(ミカ)「いや~~~~♪ 可愛いよ~♪ すっごいもふもふよ貴方」


「そのクウちゃんですの。いまみたいにおそらをとんでたらアスカくんとめがあって、ふふふ、ようせいさんとかんちがいされたの」


(エリオット)「あぁ~、それは私の教えのせいですね。世界には数えきれないほどの精霊が宿り、あらゆるところにいらっしゃいますからね。それでクウ様のことを精霊様と勘違いしたんでしょう」


 エルフ特有の宗教なのかな? なんとなく八百万神【やおよろずのかみ】を連想してしまう。俺からしてみるとマナちゃんは奇跡の力そのものなので神様と同格、いや、それ以上の存在と言われても納得してしまう。アイナママに精霊の話を聞いてみよう。同じエルフだから知っているかもしれない。


「なるほどなの。そういえばアスカくんはあまりおからだがよくなさそうなの……むかしからずっとわずらっていますの?」


 アスカくんのことを知りたかったので、失礼とは思ったが尋ねてしまった。


(ミカ)「はい……産まれた時からずっとでして……私がもっと丈夫な子に生んであげればあの子も……」


(エリオット)「悲観しちゃダメだよミカ。あの子はそれでも精一杯生きているんだから。・・・・そのクウ様。会ったばかりでこんなことを言うのは失礼にあたりますが」


 その続きは聞くまでもなかったし、既に手は打ってある。


「すでにひとつだけど、てはうったの。エリオットさん。クウちゃんはアスカくんともうおともだちなの」


 お願いは既に聞き届けられたものと知って多少ぽかんとする二人。俺は知らなかったが、生き神に出会える確率。

 しかも願いを聞き届けてもらうことなど王族や大貴族クラスでもそうそうあることじゃない。しかも、生き神様が現在確認されているのは西と南の大陸のみ。

 ここ北の大陸でそもそも俺と言う存在がいること事態、行幸(ぎょうこう)以外の何者でもなかった。


(ミカ)「アスカに何かなして下さったんですか?」


 いやそんな……信じられないって顔をされてもね……お友達だし。クウ娘の時の気持ちがえらい流れてきてる今じゃアスカくんは特別だった。


「ミカさん。クウちゃんをだっこしてるときもちいいですの?」


(ミカ)「ええ、信じられないくらいに気持ちよくて、疲れが消えてくみたいに」


 突然質問以外のことを振られ戸惑うミカさん。だけど、エリオットさんは流石は歳の甲か。俺の言いたいことをすぐに察してくれたようだ。


(エリオット)「本当か? 私もよろしいですか?」


「はぁいですの。クウちゃんはじしょう(自称)いやしのかみさまですの。このちからのさんわりていどですが、ちからのやどったねっくれすをぷれぜんとしたの。めのみえないこや、みみのきこえなかったこ、さんぞくにらんぼうをされてこころをくだかれたこにもきいて、かんちしたこもいるからきいてくれるとおもうの。それにアスカくんのせきがすぐおさまったっていってたからこうかはあるとおもうの」


 それを聞いてエリオットさんは目を見開き固まっている。


(エリオット)「なんと!!! つまり神具……アーティファクトをアスカに授けて下さったんですか!?」


 あー・・・・神が作ったアイテムだから一応そうなるのかな?


(ミカ)「あ、貴方? それって凄いの? って貴方!?」


 高貴な気品溢れるエリオットさんが全力の土下座を展開する。そして、既にエメラルドグリーンの瞳からは涙が溢れていた。


「あぅ!? エリオットさんおかおあげてくださいなの……あわわ、おとこのこがないちゃめっ!ですの」


 狼狽(うろ)える俺とミカさんを余所にエリオットさんは話し出す。


(エリオット)「ミカよ、よく聞くんだ。アーティファクトとは国を左右するほどのアイテム。いわゆる神具と呼ばれる物だ。それは白金貨を100枚積んだって買える物ではない……かつて神具を巡って戦争があった位のアイテム……クウ様……会ったばかりの息子のために……ぐすっ……」


 ミカさんはここに至って主人が土下座をして泣いているかを理解した。つまり、奇跡を愛する息子のために……慈悲が与えられたことを。その価値をお金と言う物に置き換えたことでおおよそのことが普通である彼女にも理解できた。そして、ミカさんはゆっくりと膝を折り曲げ床に伏して行く。


(ミカ)「白金貨100枚・・・・クウ様」


 だーーーーー! 二人揃って床に頭をつけて泣いている。


「そんなにしなくてもいいの! あんなの20ぷんもあればいくらでもつくれるし、それにほんとうにすごいのはマナちゃんのおかげなの。ほら、ね? なの」


 パン屋の中に漂っていたマナちゃんが俺の周りに集まりピカピカと光る。二人はそれを見上げて驚き、エリオットさんは呟く。


(エリオット)「精霊様がこんな人前にお姿を現すとは・・・・貴方様は神・・いえ、ただの神様なのですか?」


(ミカ)「綺麗・・」


 俺はただの神。本当の神様はこのマナちゃんだよ。宙に浮かんでいるマナちゃんにキスをする。すると照れたように一際目映(ひときわまばゆ)い光を(はな)つ。


「ただのねこかみなの。めにうつるひとをちょこっとしかたすけられない、そんなちっちゃなかみさまなの。あ、ふたりともおきゃくさまがきたの! ほらほら、なみだをふいてしょうばいなの。ふふふ」


 二人には微笑んだ俺の顔を見て何か胸に思うものがあったのか。夫婦は顔合わせ、何か意思疎通した後に立ち上がる。そして、やっと笑顔を見せてくれるのであった。


(エリオット)「もうしばらくしたらお昼にしますので、是非クウ様も一緒にどうでしょうか?」


(ミカ)「ええ、クウ様! ぜひ、食べていって下さい」


 実を言うと……視界の端に写るコッペパンが気になって仕方がなかった。他のパンも美味しそうで素直に頷いた。でも、どうせならお手伝いをしてから食べた方が美味しいので、お手伝いを申し出る。


「なら、それまでみててもたいくつだからせっきゃくをおてつだいするのののののののの!?」


(客娘)「おかあさーーーん! ぬいぐるみが浮かんでる。きゃは♪ もふもふ~♪」


 おうふ……お客様の存在を忘れてた。幼女の腕の中に収まった俺を見て二人と幼女のお母さんは笑っていた。


(ミカ)「じゃあ、お願いしますわね。くすくすくす。いらっしゃっいませ~!」


 この親子を皮切りにお客様が次々に店内に入って来る。お昼前になるから忙しくなるみたいだ。


(エリオット)「よし! 焼くぞ!」


 こういう人もいることに嬉しくなる俺。アスカくんのご両親は見た目だけじゃなくて中身も綺麗な方だった。俺はこの一家に出会えたことに感謝するのであった。


(幼女)「ミカさ~~~ん。これいくら~?」


 ドナちゃんの気持ちを知る第二段である。ミカさんが幼女の頭を撫でてクスクス笑っている。ちなみに俺は高いよ!


(ミカ)「あはははは、その子は売り物じゃないのよモアちゃん。神様だから離してあげてね……」


(幼女母)「こら、モアちゃんダメよ。ほら神様にごめんなさいしようね」


(モア)「えー……ぐすっ……もふもふでかわいいの……モア……ぐすっ……」


 ぐずる子にスター【にゃんこ】消費MP100をプレゼントしてあげると離してくれた。それから何故か他のお客様も欲しがるのでせっせかと量産することになった。

 ただキラキラしてるだけなんだけどな。珍しい物には目がないこの世界の人達と言うことである。後日、星を売るパン屋さんと言うことで話題になったエリオットベーカリーでは、星の形をしたパンが店頭に並ぶことになるのであった。


 ………………

 …………

 ……

 …



 お昼休みになり、アスカくんの部屋に上がり四人で食事することになった俺は、エリオットさんとミカさんの焼いてくれたコッペパンを頬張っていた。


「美味しいの~♪」


 ライネスさんの作るパンとはまた違う味。作る人によって味が変わるのは当然だが、色々と秘密の技や製法があるんだろう。


 俺もお返しにうな丼を三人に振る舞った。エリオットさん一家はうな丼の名前を知っていた。ただ、どんな物かは伝聞(でんぶん)だけではわからなかったので、目の前に出すと大喜びで食べてくれた。


(アスカ)「~~~~~~! 美味しすぎるよクウちゃん!」


 ご飯粒が口の横に。ふふふふ。ミカさんが取ってあげてる。


(ミカ)「ママ、美味しすぎて鳥肌が立っちゃった」


 と言って腕を見せてくれると本当にぷつぷつと立っていた。嬉しいな~♪


(エリオット)「凄い! これがあのヌルヌルだなんて……大陸を越えて貴族様や商人達が騒ぐ筈だ……」


 まずヌルヌルの画期的な調理方。未知のソースである醤油。米と言う類をみない主食の穀物。エリオットさんは調理人としてうな丼の希少性や味の高さを理解していた。

 お客様の中にこのうな丼を食べたことのある商人がいたのだが、そこまで言うものなのかと半信半疑だったそうだ。


「ありがとうなの。でも、エリオットさんとミカさんのパンおいしいの~♪ クウちゃんはこのそぼくでなつかしいあじにうっとりなの」


 肉や魚などを使ったパンはほとんどない。つまり、誤魔化しが効かないパン本来の味が楽しめる。それは最高のホカホカご飯におかずは不要と言うのと似ていた。


(アスカ)「ね? お父さんとお母さんのパンは世界一でしょ?」


 もぐもぐとコッペパンを頬張りながら頷く俺。ニコニコな俺を見てアスカくんも笑顔が絶えない。


(エリオット)「ありがとうアスカ。でもね、一番上だと思った時点でもう一番じゃなくなるから気をつけなきゃダメだぞ」


(ミカ)「そうよアスカ。一番って言うのはその時点でいつかは追い越されてしまうし、努力をするのが大変なの」


 が。


「コッペパンさいこうなの~♪」


(アスカ)「クウちゃんには世界一みたいだよ? あははは」


 いや~本当に美味しいです。


(エリオット)「こんなパンで良ければいつでも食べに来て下さい。アスカのネックレスのお礼にいつでも出来立てをご用意しますよ」


(ミカ)「ええ~。そのついでにクウ様の星を作っていただければ売り上げも伸びますわ」


(アスカ)「じゃあ、ボクはクウちゃんに会えるから嬉しいな」


(ミカ)「あら? クウお姉ちゃんにアスカは会いたいんじゃいないの? ふふふ」


 ニンマリとした顔でアスカくんをからかうミカさん。出た……小悪魔フェイス・・あの顔が出るとき人はいじられる運命なのだ。


(アスカ)「お、お、お、お母さんなななな何言ってるの! もー!」


(エリオット・ミカ・クウ)「「「あははは」」」


 楽しいな。絵に書いたような一家団欒(だんらん)。俺、この家族がいつまでも幸せになってほしいと、そう思わずにはいられなかった。だから俺はアスカくん一家を猫庭の楽園に招待したくなり、アスカくんの部屋の隅に【にゃんこ】ゲートを設置しておいとましようとした。


(ミカ)「アスカ。クウ様のお家に遊びに行ってきてもいいわよ」


(エリオット)「ああ、クウ様の話を聞くとアスカのことをお願いできますし、もしよろしければお願いしてもよろしいでしょうか?」


 もちろん俺に断る理由なんてない。アスカくんだけでなく。二人にも今すぐに来てほしいくらいだ。


「もちろんですの! おふたりもおしごとがおわったらきてくださいですの。すたっふにはちゃんとつたえておきますので、てぶらできてくださいなの。・・・・あ、やっぱりコッペパンをしょもうしたいですの。てへ」


 食欲の誘惑に負けた俺は少し照れながら言う。もちろんミカさんに即効もふられた。


(エリオット)「あははは、その程度でよろしけば焼きたてを持って参りますよ」


(ミカ)「仮面(マスク)パンも持参しますわ」


(アスカ)「やったーーー! クウちゃんと一緒! クウちゃんと一緒!」


 俺の手を取って上下にブンブン振るアスカくん。大興奮である。うん。この笑顔を守りたくなるね。


「ふふふ、アスカくん、あまりむりしちゃめっ!なの。ではアスカくんをおあずかりしますなの」


 俺はクウ娘ちゃんに変身して彼をお姫様抱っこするとゲートの光に包まれて消えた。その姿を見送った夫婦はしばらくポケーとする。そして、床に膝を着き、手を合わせて祈り感謝するのであった。


(エリオット)「精霊様……神が見捨てたあの子に最後の慈悲を与えて下さりありがとうございます」


(ミカ)「貴方……アスカ……ごめんなさい……いっぱい、いっぱい楽しんで来てねアスカ……クウ様、ありがとう……ぐすっ……貴方と言う精霊様に私達夫婦は……うぅ……」


 妻を抱きしめた旦那は、妻が壊れないように守るべく、強く、強く、抱きしめるのであった。妻と己の仮面がその時が来るまで割れぬように……ただただ耐えるのであった。



 ………………

 …………

 ……

 …



 お昼を過ぎて私はアスカくんをお姫様抱っこしたまま猫庭のロビーへと帰る。そこにはメイドと執事のスタッフがズラッと並び、俺達を出迎えてくれた。

 早速、後でご両親が来る事とアスカくん用の車椅子を用意させるが、アスカくんの百面相は本当に分かりやすく。車椅子はなしで抱えることにした。


(アスカ)「ごめんなさい……クウちゃん」


 考えていることがバレバレなので恥ずかしがり、顔を赤くするアスカくんをメイドの何人かはヨダレを垂らして見つめていた。手を出さないか心配である。


「全然へっちゃらなの。それよりも猫庭の楽園はどうですかなの?」


(アスカ)「凄い! 凄い! 凄いよクウちゃん! まるでお城のようだよ! 本の中でしか知らなかった世界が……クウちゃんに会えてよかった。うん……神様がくれたプレゼントだね」


 感極まって泣くには早いよ。だけど、これは猫庭の楽園に対する最大の賛辞である。スタッフ達が彼の涙を見て顔を緩めないよう必死に勤めているのがよくわかる。ふふふふ。嬉しくてニヤニヤするくらいいいんだけどな。だらしないから平静を装っているんだろう。


「まだ入り口に入ったばかりなの。ここで泣いてちゃミイラになっちゃうの。ペロペロ」


 涙をペロペロして舐めてあげるとスチームが再び発生した。


(アスカ)「だだだだダメだよクウちゃん!!」


(スタッフPO)「『昔のクウ様だ……』」


(スタッフHY)「『昔のクウ様ね……』」


(スタッフIK)「『あれは絶対楽しんでいらっしゃる……』」


(スタッフVL)「『いい……凄くいい』」


 最近思うが……スタッフの感情が前より豊かになってきてる気がする。まあ、悪いことではないが、そのうち俺の純潔を狙いに来ないか心配である……


「聞こえてるの……一言言っておくけど……つまみ食いとかしたらクウちゃん怒るから気をつけるように」


 『お客様の為にご奉仕いたしました』とか言いかねないからね。


(スタッフ一堂)「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ははっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


 何名か考えていたな……勘が働いて良かった……


(アスカ)「お父さんのパンならたくさんあるから大丈夫だよ?」


 私を含めてスタッフ全員微笑んだ。うん。汚れを知らないっていいね。


「アスカくんはそのままでいて下さいなの」


 思わず頭をナデナデすると彼はハテナマークを頭の上にたくさん浮かべていた。


(アスカ)「? うん、このままだよボクは。だから忘れないでね」


 曇りなき笑顔でそう言うことを言う。にゃん鉱を与えたし、コレから元気になるんだからいかんよ!


「まーたそういう事を言う子にはお仕置きですの……ニヤニヤなの」


 過去の私に似ているアスカくんなら何が効果的かわかる。だから用意しましょ! 猫庭の楽園に控える精鋭を!


(アスカ)「クウちゃんごめんなさい。その顔は意地悪しようとしてるよね?」


 怯える子羊のように震えても出遅れなの!


「ミルクを飲ませてあげるの! ドナちゃんのお部屋に行くからスタッフさん、連絡お願いなの」


(スタッフPO)「畏まりました(見学したーーーーーーい!)」


 スタッフの顔が少しヒクついていたので考えていることがわかったがスルーした。そして、フロントで記帳を済ませたアスカくんと、ドナちゃんの部屋へと向かうのであった。


 ………………

 …………

 ……

 …



 牛専用部屋で待つこと10分。ドナちゃんはやって来たのだが……


「なんでビキニなの?」


(アルテイシア)「えへへ、牛の姿から女神の姿に戻れたから嬉しくて、ずっとプールで泳いでたの。どうかなクウちゃん? この水着、可愛い?」


 リディアちゃんが着けていた黒の三角ビキニに身を包んだドナちゃんはセクシーだった。改めて見ると女神様だけあってこれまたレベルが高い。アスカくんなんて視線のやり場がなくて、顔を下に(うつむ)いてしまっている。


「とっても綺麗ですの。ドナちゃんはやっぱり元女神様だけあってキラキラですの」


(アルテイシア)「いや、もう元を付けなくていいんじゃないクウちゃん……ところでそちらの子はクウちゃんのお友達?」


 抱えたアスカくんを見てキラキラしているドナちゃん。おしゃべりしたいのかな? 今の彼女は抑圧から解放されたことで凄くエネルギッシュに見えた。


「クウちゃんとお友達になった、男の子のアスカくんなの」


 またまた~と俺にそんな顔を向けるが、私はマジですとアイコンタクトを返すとクンクンとアスカくんの匂いを嗅ぎ……


(アルテイシア)「ぶっ! 同じ男の娘だ! 嘘~!? 本当に男の子なの?」


 いや、その前にその判別法は何? 牛さんの名残なの?……


(アスカ)「初めてましてドナさん。アクアパレスでパン屋をやってます、エリオットベーカリーの長男のアスカです。病弱な体なのでこのような体勢ですみません」


 礼儀をわきまえた彼にますますドナちゃんの中で好感度が上がっていった。それが手に現れたのか……手をワキワキと掲げながらにじる寄る。


「ドナちゃん。アスカくんはピュアな子なの。変な事をしちゃめっ!なの」


 まったくしょうがないなと見ていると、急にヨダレを垂らしていた顔からキリッとした顔に移り変わるドナちゃん。その変わり様に私もアスカくんも戸惑う


(アルテイシア)「……君……ちょっとじっとしててね……………………!!!」


 アスカくんの頬に手を添え、息がかかるまで接近すると顔が(こわ)ばるドナちゃん。


(アスカ)「あぅ! お姉さま、息が……あぅ!」


 俺の方に顔を向けるドナちゃんの様子がおかしい……


「ドナちゃんどうしたの? まだ女の子と疑っているの?」


(アルテイシア)「え、ええ。だって女の子にしか見えないんですもん(アスカくん……)」


 どこまで(うたぐ)り深いだか……なら身をもって知っていただきましょう!


「なら証拠を見せるの! ドナちゃん! ここでクウちゃんとアスカくんにミルクを半分子で飲ませて下さいなの!」


(アスカ)「・・・・・・? ま、ま、まさか!? クウちゃん。ミルクってドナお姉さんの!!!!!」


 スチームフェイスが発動したこのアワアワしたお顔。ふふふふ。お仕置き成功なり!


(アルテイシア)「(・・・・・・腐って堕ちても私は女神。慈悲を与え救う者。クウちゃんは気づいていない……クリスさんに報告しなきゃ……)」


「信じられないかも知れないけど。ドナちゃんは今朝まで牛さんの姿で封印されていたの。その辺りの細かい事情を(はぶ)くけど、クウちゃん専用のミルクなの。左側をクウちゃんが飲むからアスカくんは右側を飲むの。それにドナちゃんもいっぱい飲まないと辛いの」


 本当にドナちゃんの胸はパンパンにミルクが詰まり張っていた。これはそうなるように創られたせいでもあるのだが、そのボリュームは改めて見ると凄いものだった。


(アルテイシア)「ええ。アスカくん、ほらっ。遠慮しないでいいのよ。クウちゃんの言った通り、ホントに吸い出さないとパンパンに張ってて痛くて辛いの。たがら、ね?」


 ビキニの紐を取るとあらわになるメロンが2つ、重力に従いポロンとこぼれ落ちる。ピュアな彼にとってそのメロンはあまりにも破壊力があって、ハートを貫いていた。……アスカくんの反応は予想通りだった。


「さあ、これは女神助けなの! アスカくんのお手手をこうしてなの」


 私はアスカくんの手を取るとドナちゃんのメロンを下から支えるようにセッティングする。彼の手のひらにのしかかる感触に目をぐるぐるにしてテンパっていた。


(アスカ)「ククククククウちゃん!!! うひゃあ~~!! もうボクお婿にいけないよ!」


 どこまでも可愛いボクっ子なのである。私とドナちゃんの見えないスイッチが入ってしまった瞬間でもあった。


(アルテイシア)「(あっ! ヤバイ……アスカくん可愛いすぎ! しかもクウちゃんとダブルで、興奮してきちゃったよ)」


 ドナちゃんのメロンは既に臨戦態勢(りんせんたいせい)である。あ、ドナちゃんもやっぱりスイッチ入ったんだ。ならこのまま行こう。


「その時にはクウちゃんがもらってあげるからパクッといくの! ほら、ドナちゃんが辛そうなの。男の子ならパクッといくの」


 お口を波のようにうにうにとさせ躊躇(ためら)っているアスカくんに止めの一撃が掛かる。


(アルテイシア)「お願い……焦らさないで~。もう、溢れて来てるから、早く吸って~」


 ピュ~~~っとアスカくんの顔にドナちゃんのミルクがほど走り顔に掛か。そのミルクが垂れていき彼の唇に到達するとアスカくんはうるんだ瞳でそれを舐める。

 ガコン! アスカくんの中で長年入れられることのなかったスイッチがとうとう入る。まるで熱にうなされたようにトロンとうるんだ瞳で口をゆっくり開けると、やっとドナちゃんのメロンに口をつけた。


(アスカ)「はむっ」


 ちゅーちゅーこねこねと舌を転がし刺激を与える。すると芳醇なミルクが次から次へと口の中に溢れる。


「クウちゃんもいただきますなの! はむっ」


 ドナちゃんの胸に吸い付く二人の男の娘。このシチュエーションプラス俺の吸い方が3日前と段違いでドナちゃんは面喰らっていた。

 そのおかげてアスカくんのぎこちない手つきがかえって左右のギャップをつけることになり、ドナちゃんは悶えていた。

 アスカくんにとっては夢のような時間であり、口に溢れるミルクがこれまた絶品で彼はそれだけでも充分に喜んでいた。だが、胸のボリュームは指が埋もれるほどあり、その張りと艶。更に弾力は彼を更なる至福へと連れ去るには充分だった。


 そして、アスカくんはこれは本当に夢なんじゃないだろうかと思い始める。現実として感じる味に温もり。匂い。手に広がる柔らかな感触。お姉さんの(あえ)ぐ声。

 それらがかえって非現実的に思えて彼の行動もだんだんと大胆になる。それもその筈、1日に二度も美人のお姉さんの胸を好きにできるなど、夢の世界の住人にでもならなければ無理だろうと考えていた。

 ならせめて……夢ならいつまでも覚めないでこの時間を味わいたいとアスカくんは夢中にしゃぶるのであった。


(アルテイシア)「——あ゛う゛う゛う゛ぅ゛♡♡♡ ア゛ス゛カ゛く゛ん゛もっと●☆△▼◎♂♀〒◎▽▽▼♥」


(アスカ)「ほうほうふぁ♥(こうですか♥)」


 口に含みながらアスカくんが喋ると、ドナちゃんは俺とアスカくんに回した腕に力を入れて耐える。ヨダレを垂らしているのに美しいから女神様って凄い。それはアスカくんも同じだったようで顔を見てすぐにわかった。


 5分くらい経つと両方のミルクの出がだんだんおちてきたので、私がドナちゃんのミルク搾りの先輩としてコツを教えてあげる。


「ぷはっ。こうしてあげるの。親指と人差し指で下からこう挟んで、中指から小指でここをスリスリと……ほらなの♥」


(アスカ)「ん~~~~!? ふうはんふほい!(クウちゃん凄い!)」


(ドナ)「ん゛~~~~~~~~ッッ♥」


「一気に搾って飲むの! はむっ」


(アスカ)「(夢なら覚めないで……いや、こんな夢を見せてくれた神様に感謝します。この場合の神様って、やっぱりクウちゃんなのかな? ひょっとしたらボクは最後の夢の中の世界でクウちゃんと会っているのかもしれない)」


(ドナ)「●○○▽◇◆□♂◇◇◎◎▼○○★▼▼♀◆」


 ミルクも出し終わり、白目を剥いたドナちゃんを見て一気に引くアスカくん。そうそう。ここで彼の性欲を落ち着かせるためにもドナちゃんには悪いけど、最後に例のポイント……命名【マナポイント】をつつかせてもらった。


(アスカ)「ドナさん……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」


 まあ、誰しも経験するこの終わった後の気まずさ。私の場合、相手が白目を剥いて大抵こうだから、らぶらぶしたあとのイチャイチャがないのよね。それは自業自得だから仕方がないけど、もっと大切に女性を扱わないと罰が当たるとも考えていた。


「愛とは残酷なの……さぁ、アスカちゃん。次はゲームセンターに行こうなの」


(ドナ)「——あ゛あ゛あ゛あ゛」


 余韻が尾を引きビクンビクンとのけぞるドナちゃん。私が手を出すと余計にのけぞるから手を出せない。


(アスカ)「クウちゃん!? ドナさんをこのままにして行くの!?」


 可哀想だよと訴えてくるアスカくん。うん。アスカくんならそう言うと思ったよ。だから私は言う。


「アスカくん、良く考えなの……おっぱい丸出しで失禁して……白目にヨダレがドバーな状態から目が覚めた時にドナちゃんは一人の方がいいか。それともクウちゃん達に哀れな目で見られるか……どうしますかなの?」


 瞬間訪れる静寂。アスカくんが出した結論は……


(アスカ)「ドナさんごめんなさい……」


「よろしいの。これでアスカくんも紳士の仲間入りなの。」


(アスカ)「絶対違うよ~……しくしくしく……」


 うん。私も違うと思う。だけど流石にこのまま置いて行くのは良くない。だから、このいけない人達に任せることにした。


「あーあー。業務連絡、業務連絡。今覗いている姉妹及び双子はスタッフに連絡してなの」


 絶対覗いてたのはわかってるんだから……ついでに言うなら……


「みんなも二人と仲良くしてるようだから怒らないけど……猫庭以外の人を覗いたら……『100%の刑なの』……」


 ギロリと視線の感じた方を振り向き宣言する。アイナママ達の視線も感じたからね……私の第6感も強くなったもんだ。


(アスカ)「クウちゃんは誰とお話してるの?」


「うーん……あとで紹介してあげるの。流石に今すぐ来れるような猛者(もさ)はいないからお夕飯の時に紹介するの」


 アスカくんは俺とこう話している間も結局、近くに置いてあったタオルでドナちゃんの顔や胸を綺麗に拭いてあげている。

 根が優しすぎる性格なんだな……ふふふ、やっぱり可愛いな。だけど少し成長したね。照れながらもおっぱいを念入りに拭いてあげれるところまで出来るようになるとは。

 ふふふ。名残惜しいのかおっぱいを念入りに拭いてあげている。ドナちゃんごめんね。アスカくんの優しさに免じて少し触らせてあげてね。なので俺はあえて手を出さずに待っててあげた。


「ドナちゃんお疲れ様なの。お口にペロをぽいっなの」


 口の中に人差し指を入れてペロを精製すると、モグモグとペロを甘噛みしてきたので引き抜く。それを見ていたアスカくんはハテナマークをたくさん浮かべていたので、私はそのままお口に指を入れてあげた。


(アスカ)「!?…………!!!!!」


 とろーんっとペロの味にうっとりしてるアスカくんをお姫様だっこすると私は部屋を跡にするのだった。


ふつおたコーナー(MC:たまご丼)


ペンネーム「今すぐ飛んで行きたい」さんより頂きました


Q:愛する彼の元に行きたいのですが、主様から土下座されやむやむ(とど)まることにしました。私のこのモヤモヤはどうしたらいいでしょうか。


A:我慢しちゃダメダメ! いずれ限界が来るのならこっちから行ってしまえ! それが無理なら彼の方から来てもらうように差し向けしちゃえ! 今すぐ飛んで行きたいさんならいけるいける! というわけでシーユー♪


マ:クウ様に来てもらうようにお魚フェアーを開催するわよ! ミレーヌ! 今日から私達は跳び魚よ!


ミ:クウちゃんの居城にはマーメイドがいるとの情報か……マム。私もクウ様にお会いしたいですが……どちらに行かれるので?


マ:ふふふふ・・・・機械人形(マシンドール)のドッグで全身お魚に改造してもらえば・・・・


ミ:マムやめてぇーーーー! みんなマムを押さえて!!! あ、エルメダ様!


エ:チョップ! 縄で縛って閉じ込めておきなさい。うぅ……破壊神様だけズルい……

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