はかいしんなの
次元の破れ目から突入し辿り着いた場所、いや、空間とでも言えばいいのか。次元の隙間とも言うべき空間はどこまでも暗くで光も届かない世界であった。
そんな上も下もわからなくなるような空間の中に巨大なガチャガチャのカプセルをイメージさせたような、ゴツゴツしたクリスタルで出来た球状のカプセルがあった。
「おっきいの~……みんなのおうちなの?」
(?)「えぇ、水晶宮よ。絶対不可進の巨城。その周りにすら破壊神様の許可がなくば近寄ることすら叶わない、例え……創造神の奴でもね」
説明してくれるのはありがたいけど、このダークエルフのお姉さんの名前って聞いてたっけ?
「えっと、いまさらですが、おねえさんのおなまえはなんていうのですの?」
(?)「…………好きに呼べばいいわ」
なんだ? みんなの反応が急に変わって空気もなんだか変だ……こう……俺が地雷を踏んだような。ダークエルフのお姉さんは何故が遠い目をしている。エンビィさんなんて顔を反らしているし。
つまり、変な名前で仲間内では禁句ってわけか……ふむ、名前か、ならダークエルフの肌を見て、いつも連想してしまうあの食べ物にしよう。
「……それじゃあ——」
(ブラムート)「ヌルコだぞ! ちびネコ。だけど、その名で呼んじゃあ~ヌルコは怒るからな。内緒だぞ。ぐへへへへ」
脳筋決定。しかも達の悪い……
(ヌルコ)「こ、こ、殺す!! 邪華風心——」
よほど言われたくなかったのか。殺気を全開にした彼女の右手に漆黒の一輪の華が現れて、徐々にそのつぼみが開きそうになる。わかる……アレが開いたら何かよくないことが起こる。直感で感じ、鳥肌が立った。
(イレーヌ)「バカ!? こんなとこで!」
「ショコラおねえちゃん! きれいなおかおがめっ!ですの」
俺の言葉を聞いてみんな俺に視線を集める。そして、当のヌルコお姉さん改め、ショコラお姉さんはポカンとする。
(ショコラ)「・・・・私の・・こと?」
「しょこらけーきっていう、あまくてふわふわで、きれいでおちゃとすごくあうおかしなの。だからクウちゃん、おねえちゃんにぴったりだとおもったの。すりすりしちゃうですの」
エルメダさんの腕から離れヌル……ショコラお姉さんの頬にスリスリをする。すると、名前が気に入ったのか、それともスリスリが効いたのか、怒りが収まり俺を抱っこして、スリスリを楽しんでいる。
(エルメダ)「・・・・・・」
結果的に俺を取られたエルメダお姉さんが不機嫌になり、少女であるエルメダお姉さんが、巨体のブラムートの大きな足をゲシゲシと蹴っていた。だが、ブラムートは何も感じていないのか、ケロッとしている。
(ショコラ)「クウちゃんはスベスベでもふもふでしゅね~♪」
「ショコラおねえちゃんもましゅまろみたいですの」
普段からお肌の手入れを念入りにしているのがわかる。そして、若干だが、疲れが貯まっているのもわかってしまった。……おうふ……俺ってばそんな機微な差までわかるようになってしまうとは……
(リオン)「流石、場慣れしてるなクウちゃんは……」
どうやらここにもクウネルを見てる神が……やっぱり邪神サイドも見れるのね……
(エンビィ)「ふふふ、我らの同士となってくれると私としては非常に楽になるんですけどね」
いや、仮面の下からそんな熱い視線送られても……俺と皆さん一応敵対関係ですからね?
(シア)「……ショコラ、私にも抱かせて」
(ショコラ)「嫌」
シアさんの伸ばした手が空しく写り、即答で断ったせいで空気がピリッとする。あー……邪神サイドはチームワーク悪すぎだ……エンビィさんの苦労の一端を垣間見た。
「エンビィさん……」
(エンビィ)「察してくれてありがとう……もうすぐ着くからそれまでヘイト管理よろしく」
ちょ!? 仮面の下でアンタ今、それならそれでラッキーってな顔をしただろ! そういう空気を読むのって元日本人は強いからね!
「しょくむほうきはめっ!ですの」
(エンビィ)「………………」
——無視しやがる……自由過ぎるぞ邪神サイド……
(エルメダ)「クウ返せ」
(ショコラ)「嫌」
(イレーヌ)「つうかあたしにも触らせろ、お~~! すっげ!?」
なんだかな~……こんなに呑気に相手をしていい連中じゃないんだけどな……
戦う時に殺りにくくなると思いつつも、上手く四人をなだめ、ブラムートにはリュックの中にいつまでも入れておいた、食べてない食べ物をあげて余計なことを言わないように黙らせた。そうこうしてるうちに俺は水晶宮の中へと入城した。
………………
…………
……
…
中は外から見た以上に広かった。わかりやすく言えば、セイギフトと同じ位の敷地面積があるのではないだろうか……そして、空には太陽まである。
ここがとても次元の狭間にある異空間とは、目隠しでもされて連れて来られたのならとても信じられなかっただろう。そう、ここは猫庭の楽園と同じで常識が通用しない場所だと俺は感じた。
ふと、上空を飛ぶ俺達の眼下に広がる都市を見下ろすと、様々なことが推測できた。一目でその進んだ独自の文明レベルは、前世の世界レベルよりも進んでいるよう見えた。そのせいだろうか……ここがSF等で出てくる宇宙都市型のコロニーに俺はイメージを固定してしまう。
(エンビィ)「驚いた顔をしていますね。もっと邪神らしく鬱蒼とした森の中で生活してると思いました?」
顔に出ていたのか、内心少し思っていたことを見抜かれてバツが悪い。
「それもあるの……でも、なんでふつうにかみいがいのひとや、それにちかいひとまでいるのかふしぎにおもったの……」
そう、眼下に広がる都市に邪神以外の存在が多く……邪神以上に存在していた。そして、その者達は普通に日々を謳歌してる風にしか見えない。決して何かを強要されていたり、奴隷のように扱われてはいなかった。
(リオン)「俺達が口であれこれ言ってもクウちゃんは信じないだろうからな……でも、これが俺達の目指している世界の1つだ」
まるで真の平和のために活動していると聞こえた。彼らにとってこれが真実であり、詳しい事情を知らない俺は誤解をしている……まるでそんなことを言いたげなようだ。
——が、俺にも言いたいことがあるので言わせてもらう。
「そのいっぽうでクウちゃんみたいにじんせいをめちゃくちゃにされたそんざいもいることをわすれちゃめっ!なの」
(リオン)「……ゼスレッタ達のやったことは済まないの一言どころじゃないもんな……」
あの兄貴分の名前はゼスレッタって言う名だったのか。
「まあ、いまはそのぴんちをはっぴーにかえたからいいの」
(リオン)「ハーレム状態だもんな。あの仮面を着けた女王様の扱いは凄かったよ! あれで3%って凄いよ……俺なんて自信をなくしそうになりかけたし。あと、風俗エリアに駆け込むように駆け足が凄かったってマムが言ってたな」
とんでもない発言をするリオンさん。やっばり見られてたし……
「ぶはっ!? ちょ!? リオンさんのへんたいって! みんなおかおをそらすってことはのぞきみしてたのね! じゃしんさいどもやっぱりへんたいさんいっぱいなの!」
エヴァちゃん、ごめんなさい……
(リオン)「そりゃ、クウ娘ちゃんと仮面をつけた女王様との絡みなんて一大イベントを無料チャンネルで見れたら——見ちゃうだろ! それに怒り狂う女王様をクウちゃんが堕とし様はもう! 師匠っ呼びたいくらいだ!」
見んなし!!!! あと、師匠言うなし!
「リオンさんにクウちゃんはけんかをうろうかなの……ごごごごごなの!」
(イレーヌ)「自分でゴゴゴゴゴって言っても可愛いだけよ。ウリウリ」
「だからSEいれたの! このからだでまじめなことをいってもたいていしまらないの……しくしくしく……」
俺は構えをとり、猫パンチをやる仕草をするが——
(リオン)「クウ娘ちゃんならいつでもバッチ来ーい! むしろ今夜、俺とどうだい?」
(ブラムート)「俺もちび猫とぬこぬこしたい!」
確かに女の子にもなれるから出来なくはないけど、流石にイケメンのリオンお兄さんに言われても、同姓から誘われる……いや、求められるのは抵抗があった。しかもブラムートに至っては俺が物理的な意味で壊れてしまう。
「エンビィさん!」
(エンビィ)「あー今日もいい天気だなー……」
「こらっ! そこのちゅうかんかんりしょく、おしごとしろなの!」
(ショコラ)「ブラムートとリオンに手を出させるもんですか!」
「ショコラおねえちゃん!」
(ショコラ)「クウちゃんの処女は私のものよ!」
「だーーー! ショコラおねえちゃんのおばかぁー!」
蛇神サイドの連中を少しでも凄いクールな宿敵と感じてた俺はバカらしくなった。
(リオン)「ざけんな! この両刀エルフが! お前こないだもそんなことを言って、俺の口説いた娘を喰ったろ!」
(ショコラ)「あら? プププ。アミナったら言ってたわよ。リオンって先にへばるから、余計に不満が貯まるって。やーねー、女を満たすことも出来ないヘタレは、プププ」
(リオン)「ざけんなよ! おーし! じゃあ、クウ娘ちゃんをどっちが「らめぇぇ!」って言わせるか勝負だ! 逃げんなよヌル娘、プププ」
(ショコラ)「死にたいらしいなピー♪チン野郎が! その勝負受けてやろうじゃないのさ!」
誰かまとめろ! その思いで責任者の名を呼ぶ。
「エンビィさん!!!!!」
(エンビィ)「アーアーキコエナイ」
この年齢不詳の魔術師が! しっかりと耳に手を当ててやがるし……
(ブラムート)「俺もぬこぬこしたいぞ」
ぶっ壊れるから!!!
(シア)「私とイレーヌとショコラとエルメダを相手してくれるなら守ってあげるわよクウちゃん。ふふふ」
…………はっ!? 俺は何を考えているんだ!?
(エルメダ)「共闘了承」
(イレーヌ)「乗った!」
(リオン)「お前らきたねぇぞ! なら俺も加えろよ!」
(エンビィ)「俺、転職しようかな……」
フラグ立てんなし!
(シア)「リオンのアレなんて……フッ」
(リオン)「おーし、お前ら全員鳴かせてやる!」
(ブラムート)「ぬこぬこ!」
(ショコラ)「クウちゃん、楽しみに待っててね」
「クウちゃんおうちかえる~!」
ショコラお姉さんの腕の中から逃亡すれど——
(エルメダ)「逃亡禁止」
あっさりとエルメダお姉さんに俺は捕まりもふられた。そんな感じのやり取りを繰り返し、10分ほど進んだところで目的の場所に辿り着いた。
(エンビィ)「いや~楽だ。一度もケンカなく着いたよ」
ぐったりとエルメダお姉さんの腕の中でしなだれる俺は、彼の日々の苦労を感じることができた。
「じゃしんをやめるなら、ねこにわにいれてあげるの」
(エンビィ)「逆スカウトかい? 魅力的な相談だね。ふふふ、考えておくよ。……じゃあ、我等が共にできるのはここまでだ。ここから先はクウちゃん一人で進んでくれ……無事、生きて帰っておいで」
声のトーンと七人の空気がガラッと変わる。なんだかな……ついさっきまでは死を覚悟して対峙しそうな相手に心配されるとは……
「……しぬつもりはないの。おはなしをきくだけなの。それにミーちゃんのいもうとさんなの。どんなひとなのか、たのしみなの。……またねなの」
手を振り俺は進む。この先に待っている人はどんな思いでこの場所を作ったのか。破壊神とはいかなる人物か。虎児を得る心境で俺は気を引きしめた。
………………
…………
……
…
俺が進む先には一直線にいくつも並ぶ、巨大な鳥居が立てられ、その両サイドに林が密集し、その中を潜って行くしかなかった。
これがただの鳥居なら良いのだが、呪符や鳥居の柱に刻まれた幾何学模様が常に、立ち込める黒い濃霧をパチパチと弾き、まるで外に逃がさぬように抑え込んでいるかのように俺の目に写った。
恐らく破壊神の発する物をこの鳥居や呪符等が浄化しているのかもしれない。どんどん奥へと進み黒い濃霧の中、なんとか目にすることが出来たのは、ここが大社であると言うことだ。
そして、その大社の中央にある社へと俺が進むと、自然と戸が開かれた。中に入れ。そう言われていると解釈し、中で見たものに絶句する。
「・・・・・・・・!」
そこにいたのはミーちゃんどころか、誰かもわからない……包帯を全身に巻き、何枚もの呪符を貼り、両目と口だけは辛うじて覗くことの出来た少女だった。
包帯や貼られた呪符が血だろうか? どす黒く滲んで痛々しく見える。さらに彼女のいる場所の柱の4つを荒縄のような物とさらに大きな呪符が幾重にも貼られており、まるで妖怪か何かを封印するような物に見えた。
(破壊神)「いらっしゃい。欺かれし哀れな私の子よ。もっと近寄れるならおいで……」
板の間の床に座布団が二つ用意してあり、丁度荒縄を境にして両側に置いてある。俺は言われたままにその空いている座布団へとちょこんと座る。俺にはとても大きな座布団で布団位に感じてしまった。
「はじめましてですの。クウちゃんともうしますの。はかいしんさまとおはなしがしたくてやってまいりましたの」
澄んだ瞳、落ち着いた佇まい。何もかもが格の高さを表している。この人は父と同じ……いや、下手をしたらそれ以上の何かを心の内に宿しているのかも知れない。その異姿な見た目と反して俺が抱いたものは180度、真逆なものであった。
(破壊神)「初めまして、破壊神ミラ・アスリオン……あの創造神の妹にして、貴方が最も憎むべき存在よ」
……なんと言ったらいいのだろう。もっと傍若無人な悪の親玉を想像してただけにやりずらい……
「そのけんにかんしてはもういいですの。クウちゃんはそのおかげでいまのしあわせをきずきましたの。それとせんえつながら、おなまえがながいので、アーちゃんとよばせてもらってもいいですかなの?」
(アー)「では、私もクウちゃんと呼ばせてもらうわ」
優しく微笑んだのが包帯の下からでもわかった。……なんて優しい目をするんだろう。本当にこの人が破壊神なのか?
(アー)「私とお話をしたいと言うことだけど、何を聞きたいのかしら……」
世間話をしに来た訳じゃない。だから俺は躊躇なく聞く。
「……なんでミーちゃんを、おねえさんをうらんでいるのですか……なの」
まだ会って数分しか経ってないが、とてもそんな人に思えなかった。この澄んだ目を見る度に俺は何かに惹きつけられていく。
(アー)「それを答えたらクウちゃんは、私と共に手を結んでくれる?」
そっと差し出される手……細く包帯が巻き付き、どす黒く。そして、呪符が貼られた手。痛々しいその手を取ろうか悩むが……
「ミーちゃんはクウちゃんのだいじなひとなの。もし、アーちゃんのいうつみというのがあるのなら、ミーちゃんをささえ、ともにつみをつぐない、かえていくのがクウちゃんのこたえなの」
差し出された手を俺は受け取らなかった。ポツンと差し出された手が虚しく写り、アーちゃんは正座している膝の上に手を戻す。
(アー)「……クウちゃん………………理由は教えてあげない。いえ、何も教えたくなくなったわ」
彼女が何を考えているのかはわからないが、ミーちゃんを擁護したことに腹を立てたのか? だが、激昂したり、声を荒げる等といった事はしない代わりに、彼女の瞳の奥に底冷えするような冷たい光を感じた。
それは怒りと言うものを通り越して……もっと冷淡に凝縮したような、そんな悲しい光だ。俺を見つめてはいるが、その向こう側にいる姉のミーちゃんを居殺そうとしてる風に思えた。
「クウちゃんがミーちゃんのことを——」
——続きは遮られる。
(アー)「クウちゃん」
ふっと、彼女は一旦抱えていた感情を捨てたかのように優しく俺の名を呼ぶ。その変化に戸惑いながらも俺は俺は視線を反らさなかった。
「はい、なんですかなの」
(アー)「答えを聞きたかったら私を妻になさい。そしてとことん愛し尽くしてくれたら、いつか答えてあげる。包み隠さず全てを貴方に」
・・・・・・・・・・?
「…………えっと……すみませんなの……あたまのかいてんがおいつきませんの……」
ポカーンとする俺。この展開は予想の斜め上過ぎて意味がわからなかった。いやいやいや!
(アー)「どうしたの? 私を娶るのは嫌かしら? 傷つきますわ……」
わざとらしくしなだれるアーちゃんは、いつかの父と同じような演技をする。
「いやいやいや! そういうことじゃありませんの! なんでいきなりそうなったのかがわかりませんの!」
(アー)「ずっとクウちゃんを見てきた……そして、奴への復讐というか、腹いせもあるし、私もクウネルは視聴してるのですよ。もちろん、にゃみんぐは全部外して見てますから……女として何度も慰めるのにもう、ここ数日は大変——」
いくら肉食系になったとは言え、俺の基本はそれでも紳士だからね。こんな話を聞かされて平然としてられる訳がない!
「わーーーー! アーちゃんダメですの! れでぃーがそんなことをいっちゃっめっ!なの!」
(アー)「まあ!? あんなにエッチなのに、そういうところはクウちゃんらしいですわ。ふふふ。」
「そういうのはあいしあってないとめっ!ですの!」
からかわれているのかな? 少しそう思う俺であった。
(アー)「なら平気よ。私、クウちゃんのこと好きを通り越して愛しているわよ。それに正直言うと、さっき手を取ってくれなかったから天界に……奴の首を引き千切りに行きたかったくらいよ。でもね、出来ないのよ……私はここから動けない……」
ぐるっとこの社を囲む呪符や掘られた文字。それは彼女の言葉で確信に変わった。
「いろいろいっぺんにいわれてこんらんしますの。とりあえず、うごけないのはこのふういんのせいですの?」
(アー)「これは私から溢れる物をなるべく外に出さない為の処置。……クウちゃん、この指先の黒いシミってなんだと思う?」
指先だけじゃない。アーちゃんの包帯には何ヵ所も同じような黒ずみがあった。
「ちじゃないですの?」
(アー)「……瘴気よ」
俺は立ち上がる。そして、アーちゃんが差し出した指先に触れると……
「じょうかしたの……なんでなの……アーちゃんがどくのおおもとだったの?」
幾重にも張られた結界。動けぬアーちゃん。何故? どうして?
(アー)「私から溢れる気……それが瘴気。元々こんな物を私は出してはいなかったわ……姉との戦いで負った傷と消えぬ思いが瘴気を生み出すの」
目の前に父を苦しめた元凶がいる。これはチャンスだ! もしアーちゃんから瘴気をなくすことが出来ればモンスター問題も無くなる。
「なら! クウちゃんがなおしますの!」
(アー)「私は仮にも世界で二番目に生まれた神にして破壊を司る古の神。おいそれと他人に肌を見せません。」
凄い笑顔なのがわかるよ……ようは……
「まってくださいなのアーちゃん……」
それはマズイ……確かに俺はたくさん奥さんを増やすことを覚悟している。でも、自分の分はわきまえているつもりだ。ミーちゃんだって彼女の方から強くアタックがなければ俺から手を出すことはまずない。
そう、現状ミーちゃんのことを考えればマズイのだ。敵対する同士の姉妹、しかも、とんでもない永い時を争ったであろう二人を妻にしたら予想されるのは戦争? のイメージしかなかった。
(アー)「クウちゃんが私を妻として奴よりも会う度にらぶらぶでしたっけ? してくれれば全て万々歳よ。子供だって私が面倒を見るし、迷惑はかけないわ。」
流石に姉妹の因縁があっても、これはもはやプライドにも関わってくると予想した。うん、ミーちゃんは今頃……
「ミーちゃんにころされちゃいますの! というか、いまもおそらくみてるよねなの? ミーちゃん、みてたらわかるとおもうけど——」
(アー)「奴の話をするのなら、もう会うの止めようかしら、ふぅ……瘴気がますます溢れそうだわ……」
と言うか本当に黒い濃霧のような瘴気が包帯の隙間から溢れ出てくる。
「だーーーー! それはいちばんめっ!なの!」
根が深すぎる。詳しい事情はわからないけど、アーちゃんが本気なのがよくわかった。ここで断ったら二度とこんな行幸な機会は訪れない。
(アー)「どうします? もちろん今夜は泊まってくれますよね? クウちゃん」
ごめんなさい、ミーちゃん。もはやこれは俺とミーちゃんの関係だけでは断れない話になっている。父の恩に報いること。モンスターによって苦しむ人々の救済。あらゆる世界を蝕む瘴気。それはミリオンバッタで生きる希望を失った人々……クライムさん達に初めて会った時の事を思い起こした。
「毒まで喰らわば皿までも」と言うことわざが頭によぎり、今頃ミーちゃんはご乱心なのは見えなくてもわかった……ミーちゃん、ごめんなさいなの……父の為、世界と平和を望む人々のため。そして、全ての謎を明かし、解決するために俺は!
「もう! かくごしてなの! らめぇぇ! をこえるこえをださせちゃうくらいにらぶらぶしちゃうの! ほんとうにアーちゃんこうかいないですねなの? クウちゃんのらぶらぶはぱないですの!」
顔を上気させ宣言する俺をアーちゃんは胸の前で腕を組み、喜びを表現している。
(アー)「むしろ、その為に使いを出したくらいよ。ミーちゃんよりアーちゃんを選んでくれたのねクウちゃん。大事なことだからもう一度言うわ!! ミーちゃんよりアーちゃんを選んでくれたのねクウちゃん!!!!」
「……わざとミーちゃんをあおるためにいってますねなの……」
(アー)「それもあるけど、素直にそう呼びたいからよクウちゃん。ふふふ。じゃあ、クウちゃんとご飯を食べて、湯編みをして、その後はずっと離さないでね」
俺を掬い上げて胸の中に埋めるように抱くと甘えてきたので俺はスリスリして来た頭に手を伸ばして撫でてあげた。
「いいこ~いいこ~なの~」
(アー)「うふふふ、しゃーわせ♪」
アーちゃんはもふもふを堪能している。ナデナデしてあげるほどに赤ちゃん言葉になって甘える。そんな彼女を見て俺はふと思う。
ここ数日で俺は凄いメンツを嫁にしている。レギュラーメンバーはもとより、エヴァちゃんにパーシャちゃんにヴェラちゃん……一国の女王陛下にその国を中央戦力の大将軍二人……さらに破壊神のアーちゃんまで……
戻ったらみんなに…………あっ!
「アーちゃんきいてなの! みんなしんぱいしているかられんらくをいれたいの。だから、いっかいおうちにかえらせてほしいの」
(アー)「その必要はないわ。クウちゃんのお義父様が既にこちらに向かっているから、だから今ね、ここに案内させているわ。まさかね……次元を破って水晶宮の位置を掴むなんて。私にそうね、かすり傷くらいなら付けれるかもしれないわね」
耳を疑うことをサラッと言うアーちゃん。俺は父とタメを張れるのはミーちゃんくらいと思っていたがとんでもないらしい。
「なっ!? おとうさんとけんかをしてアーちゃんはかてるの!?」
(アー)「あらっ? クウちゃん、いいことを教えてあげる。悔しいけど私よりあの憎たらしい奴の方が元々1.5倍くらいは強かったんだけど……誰かさんがもっと強くしちゃったから、今じゃ見当もつかないわ……」
俺の頬を手のひらで挟んでうにうにとするアーちゃんはとんでもないことを言う。同格くらいに思っていたのにそんなに開きがあったなんて……
「・・・・・・」
(アー)「流石に言葉を失っちゃうよね。奴はね、それほどの強者であり、絶対的な支配者なのよ」
それがもし真実ならば、ミーちゃんがもし最悪な人だったら世界はおもちゃのように扱われていたかもしれない……この事実に少し背筋が冷たく感じた。
「せんとうりょくのいんふれなの」
(アー)「だから私もパワーアップしたいの。奴の進化させたペロ揚げを私にも作ってくれないかしら? それと出来ればお義父様には……たくさん謝罪をしなければならないから、そうね……一緒にお食事もしたいわ」
俺はできれば二人には争ってほしくない。だから——
「……けんかしないと、クウちゃんのあいにかけてやくそくしてくれるいならいいですの」
つまり裏切ったら俺はアーちゃんから離れると言う意味合いで言う。
(アー)「奴から手を出して来なければ、私が直接相手することはないわ。だけど、クウちゃんのことで奴が堪えられるかまでは保証出来ないわよ?」
煽る気満々なのね……
「できればなかよくしてほしいの……」
(アー)「ふふふ、こーんなことや。ウリウリなことをすると奴はプププ」
恐らくミーちゃんが怒っている姿をここから眺めているのかもしれない。俺の大事なところをナデリナデリする手に若干反応してしまう。
「おいたはめっ!ですの。それにこのじょうたいでもへんなきぶんになっちゃうからって!? むぅ~」
と言ってるそばから軽くキスをされてしまった。少しスイッチが入っているアーちゃんの目は少しトロンとしている。
(アー)「ごめんなさい……でも、想像以上にいいわクウちゃん。……ングッ……食べていい?」
喉を鳴らすアーちゃん……躾よう!
「おあずけなの。おて」
(アー)「うーワン! いきなり犬扱いするとは、クウちゃんの度胸も大したものね」
ちゃんとするし……言うことは聞いてくれるのね……
「もうアーちゃんはしょただいすきおねえさんにしかみえないの……」
(アー)「ふふふふ、クウちゃんだから萌えるんじゃないの」
「おすわりですの。よしよしよしですの」
こうして、アーちゃんを犬扱いして可愛がっていると、エンビィさんに案内されて来た父が到着した。俺の元気な姿を見ると軽く安堵のため息をつき、俺とアーちゃんの様子を見て簡潔に言った。
(アトラス)「クウヤよ。100文字以内で頼む」
「クウちゃんのおよめさんにすることにしましたの。きゃっきゃっうふふでおとうさんのむすめになりましたなの」
(アー)「ふつつか者でございますが、よろしくお願い致します。アースお義父様。クスッ」
父が絶句している。今、アーちゃん。父のことをアースって……
(アトラス)「(なんだ!? ふ、震えている? コレは一体……)……破壊神と言うだけあって見事な力。だが貴様は………………一体何者だ……」
あの父が震えている!? ん? なんだこの空気……ゆる~~い……そう! みんなが俺に意地悪するときのあの空気じゃん!?
(アー)「立派になったわね、アース。またお世話をしてくれないの?」
(アトラス)「……世話?………………なっ!?……バ、バカな!!!」
「おとうさんががんめんそうはくなの!? アーちゃんおとうさんになにしたの! もしもおとうさんにてをだしたらアーちゃんでもゆるさないの!」
(アー)「なにもしてないわよ? ねぇ、アース?」
(アトラス)「バ、バカな! 絶対にありえん!」
(アー)「あら、薄情ね……クウちゃん、いいこと教えてあげる。アースの筆降ろしの相手はね、テイレイアなのよ」
(アトラス)「それはあの御方しか!? 本当に貴女様なのですか!?」
「えーーーーー!? なんでなの!? だってアーちゃんは……」
(アー)「ご飯を食べながら話をしましょうか。アース、逃げたらクウちゃんに——」
(アトラス)「クウヤよ!!!! 食事の支度だ!!! 我も手伝おう!!!」
訳がわからないよ!? 誰か説明してーーー!
………………
…………
……
…
社の奥にあるカウンター式のキッチンに案内されて、俺は即興の鍋を作っていた。材料はシンプルにプラチナクラブとペロ。
そして、鉱物創造で作った金鍋に材料を入れてコトコトと弱火で煮る。椅子に座りカウンターに肘をかけて楽しそうに俺を見つめるアーちゃん……似ている。
口に出すと怒るだろうから言わないが、待っている間の仕草の全てがミーちゃんに重なって見える。
そして、父と言えばアーちゃんの横に座り、神酒と桜神酒を次々とお酌している……一発で上下関係がわかる絵である。若干震えている手が哀愁を誘う……父……
いかんいかん、俺は前にアイナママと作ったラーメンの麺をほぐしサッと茹でてから別の容器に入れ、キッチンに置いてあった柑橘類の果汁を搾り、醤油とお酢をさらに混ぜ合わせてポン酢を作る。そして、茶碗蒸しに使った器を並べ、鍋をカウンターに置いて蓋を開ける。
フワッと湯気が立ち上がり、中を覗く二人が目にしたものは、プラチナクラブの爪の身をすりつぶした物を、まん丸の飴玉サイズの形を整え、それをペロの膜で包んだ【かにペロ】に、かにみそを溶かしたダシの張ったスープ……シンプルだけど美味しい一品に仕上がったと思う。このかに鍋を見た二人は喉を鳴らしていた。
「おまたせしましたなの。そのままでもおいしいの。だけど、すこしおなじあじにあきましたらおこのみでぽんずにつけてたべてくださいなの」
ポン酢を入れた容器も二人の前に置き、全ての準備が終了した。
(アー)「うわぁ~! テンション上がるわぁ~♪ そう思わない? アース」
でしょでしょ? アーちゃんは今、包帯を全て取り、代わりに手首にゴツい腕輪をはめている。なんでもお風呂に入る時などはこれを使うらしい。ただし、長時間使えないので不便らしい。瘴気を抑えるのはそれほど大変ということなのか。
(アトラス)「いや、確かにそうですが、そろそろ教えて下さい……何故テイレイア様が破壊神なんですか?」
父はアーちゃんの正体が気がかりで鍋に集中してくれない。……それにほんの少しだけ凹む俺……
(アー)「うんまいわ!!!!!! ん~~~~~~~ッッ! 最高!! おいで~クウちゃん」
ミーちゃんを銀髪にしたらアーちゃんになる。もう姉妹と言うよりは双子だね。そのアーちゃんの側に行くともふられた。で、父……
「は~いなの。で、おとうさんもたべてなの……さめちゃうの……」
(アトラス)「す、済まないクウヤよ…………!? ………………」
美味しくて声が出ないのがわかった。おっしゃー! それから二人はパクパクと食べいき半分ほど無くなった時点で俺は麺をそっと投入し、二人に聞く。
「アーちゃん、おとうさん……このなべをきゅうきょくのものにしたいですか?」
(アー)「ペロ揚げを入れるの?」
(アトラス)「い…………んっんん。いや、テイレイア様。クウヤは何か別の事をするようですぞ」
(アー)「なんだとアース!? だがな、奴に食べさせたペロ揚げ以上のものにするなら他に手が……」
(アトラス)「そうですかな? クウヤよ。我もテイレイア様もペロで壊れる事はあるまい。さぁ、来るが良い」
やっと食事に100%集中してくれた父を見て俺は〆に入る。
(アー)「アースも食いしん坊さんになったのね。私の料理は一度しか食べてくれなかったのに……」
例のダークマターのことか……まさに破壊神の名にふさわしい一品だよな……
(アトラス)「それを貴女が言いますか……ここにカロン様がいらしたらキレてますぞ……」
「まあまあですの。……ではとりだしますはクウちゃんがひまをみてのうしゅくさせたペロって、ふたりともどうしたの?」
リュックから濃縮ペロの入った丼を取り出した途端に手を伸ばそうとし、もう片手でそれを止めようとしている二人がいる。二人は真剣な顔でやっているのだが、俺から見ると凄くおかしかった。
「あはははは、ふたりともどうしたの?」
(アー)「クウちゃんは何で平気なの!?」
(アトラス)「早くするんだクウヤよ!!! 猛烈にいい匂い過ぎてが、が、我慢が」
どうやら調子に乗ってペロを濃縮させ過ぎたみたいだ。丼の蓋を開けてもないのにここまでとは……
「これをけずってめんの上に振りかけますので、いっしょにめしあがってくださいなの」
パカッと開いた丼の中に入っていたペロ。まん丸でキラキラなペロをカツオ節のように出来ないかと前々から思ってはいたのだ。だからこれで全部使いきるのではなく、削った分だけ、また少しずつ暇な時に足していき、旨味を足していきたいと思っている。
二人はあらわになったペロを前にして、ますますもがいているので、麺をサッと金鍋に投入し、九重彩焔でサッと沸騰させて煮たせたら、お椀に麺とスープを盛り、そこにペロ節をバンパイアニードルで薄くスライスをしてかけていく。
二人はそれを見るとかっこみ口にする。一口食べては出される碗。そして、またペロ節を掛けては繰り返す食事。鍋が空になるのに5分も掛からなかった。
(アー)「——————アース生きてる?」
(アトラス)「・・・・・・な、なん、なんとか。ん? テイレイア様、少し大きく成られていませんか?」
(アー)「ほんの少しね。いや凄いわ。そういうアースはかなり進化してるわよ」
(アトラス)「ぬぅ!? 聖邪龍皇になりましたよ……あの時の邪の力も使えるようになるとは……」
「ご、ごめんなさいなの!!!」
(アー)「大丈夫よ。逆にアースは瘴気すら力として取り込めるようになったわ。つまり、これから私の側で世話できるわね」
(アトラス)「なっ!? そうだ! そろそろ本当に教えてくれませんかテイレイア様。何故貴女様が破壊神……しかも瘴気を放っているのですか……」
父にしてみればかなりショックだろうな。自分を苦しめていた瘴気の元凶がまさか自分の愛した人だったなんて……
(アー)「瘴気の事は悪いけど言えないわ……私の怪我と想いから吐き出しているとしか……そして、アース……貴方に甘えて私はあの地に垂れ流した……そのことも謝るわ……ごめんなさい。そして、何故私がテイレイアかと言うと……魂の一部を分けて落としたのよ……地上に……」
「じゃあ、テイレイアさまはアーちゃんのいちぶということなの?」
(アー)「ええ、ここから出ることの叶わない私は……ごめんなさい……寂しかったのよ……だから、魂の一部を切り離しては人生を経験し、死後回収して追体験するの。そうすることで私はなんとか寂しさを誤魔化すことが出来た……私の忠臣のエンビィ達ですら、ここには10分もいられないわ……だから、二人は本当に凄いのよ……」
ポタポタとお椀に溢れ落ちる滴。それを父は優しくハンカチを取り出し拭いてあげる。
(アトラス)「貴女って方は……何でもっと早く呼んで下さらなかったのですか……ホントに……皆様が呼べば我は……遥か彼方の地にだって馳せ参じますのに……グスッ……」
「おとうさん……いいこ~いいこ~なの……」
あの父が泣いている。初めて見た……やっぱり好きなんだね。テイレイア様のことが——
(アトラス)「これからは我が貴女の側にいます。だから——」
おおー! 父の思いよ! と、届……け。アーちゃんその顔は……
(アー)「アース、ごめんなさい。貴方の気持ちは嬉しいけど、今の私はテイレイアだけじゃないの……それに私はもう既にクウちゃんの妻となった。だから、貴方を受け入れられないわ」
「あ、あの、アーちゃん?」
(アトラス)「……今の貴女はテイレイア様であるけど違うと言うことですか……そんな顔をなさらないで下さい。もう一度逢えたことですら行幸。それに貴女の幸せが我の幸せ……破壊神様、わかっております。我とて空気の読めぬ龍ではありません。我の代わりに頼……グスッ……」
ちょ!? ガァーーー! 俺はなんてことを!!!! まさか父の想い人を取っちゃったって事になるのか!? いやいやいや!
「おとうさん! はぅ!? ちがったいみのなみだをながさないでなの!! アーちゃんむりですの! いくらなんでもおとうさんをきずつけるのことはクウちゃんのなかではたいざいですの!」
(アー)「だから、クウちゃんに相談があるのよ。この状況を解決するための方法が1つあるわ! それは私の魂の一部を切り離すこと。そうすればテイレイアを私と切り離して生み出せるわ。そう、かつてアース、貴方が愛した一番強き者にのみ身も心も許したテイレイアに」
(アトラス)「なんですと!? それは真なんですかテイレイア様」
ガバッと立ち上がると、どうしたらいいのかわからなく狼狽える父。想いが溢れてどうしようもないのが見てとれた。
(アー)「落ち着きなさいアース。お座り!」
(アトラス)「ハッ!」
「おとうさんがふっかつしてくれて、ほっなの」
(アー)「そこで話を戻すけど、クウちゃんには私をパワーアップさせてもらう必要があります。もし、私を奴の以前くらいの力まで押し上げれたら、完全版のテイレイアを復活できるし、100年どころか、アース。貴方が遥か彼方の死を迎える刻まで側にいてあげることが出来るわ。それにね、私の中のテイレイアがうるさいのよ。貴方の元に行かせろってね」
つまり相思相愛なわけだ。あとは俺次第。この機会がとうとう——
(アトラス)「クウヤよ。頼む、この通りだ! 我はこの御方、いや、テイレイア様を愛している。忘れた時など片時もない。お願いだ。父の願いを叶えてくれ!」
俺を抱きしめ懇願する父をその身に感じて俺は運命に感謝する。
「…………やっとなの……おとうさん……」
隠す必要もない。そして、俺の見た目は見た目のように泣いてしまっているだろう。この涙は父への想いの現れ。
(アー)「クウちゃん……」
(アース)「クウヤよ……」
「貴方に拾われて……いつか恩返しをしたいと思っていました。心の底から……本当に心の底から。俺とクウヤの全てを貴方に……俺の憧れる父、龍の皇帝アドアトラスにお返しします。……クウヤがクウちゃんをおさえてむりやりその……グスッ……でてきちゃったの……おとうさん、まかせてなの」
(アトラス)「クウヤ!」
「なの」
俺やるよ!! だから、そんなに泣かないでお父さん。
(アー)「(二人とも愛したいと言うの? テイレイア……それはダメよ……アトラスには私の毒を永い間、受け皿としてしまったこと……そして、貴女を最後まで愛を持って看取ったこと……借りが大きすぎるわ。だから、ケジメをつけるためにも私達は別れましょう。それにこの二人を同時に愛するには、私一人じゃ無理よ、テイレイア。)」
父へ恩返しをする機会がとうとう訪れた。全身全霊を掛けて俺は料理を作る。俺の料理への積み重ねは、この瞬間のためにあったと言っても過言じゃないほどに——
ふつおたコーナー(MC:たまご丼)
ペンネーム「発狂する腐女子」さんより頂きました
Q:ここ数日寝不足続きで死にそうです…… 私はどうしたらいでしょうか。
A:詳しいことはわからないけど、ちゃんと寝なきゃダメダメ!! 少しでも時間があれば寝る! そして、体力をつけてから夜更かしちゃえ!発狂する腐女子さんならいけるいける! というわけでシーユー♪
レ:パパに借りたこのクウちゃんの癒しのネックレスで今夜はぐっすり寝よう……Zzzzzzz
………………
…………
……
…
男ク:レイナちゃん。夢の中に会いに来たの。クウちゃんとらぶらぶしましょ!
女ク:待ったぁー!! レイナちゃんとらぶらぶすのは私よ! どっちがいいレイナちゃん?
レ:大人クウちゃんにクウ娘ちゃんも! 夢最高ー! 二人ともいただきま——
カ:カリウスパパも参戦だよ。さぁレイナ……夢の中ならいいよね? さぁ、パパも一緒に——
………………
…………
……
…
レ:誰かぁ~……助けて~……パパなんて大——Zzzzzz




