ざっぱ~んなの
ガイさんは一旦戻り、漁港のみんなとデンポポを持って来ると言い残し帰って行った。
ちなみにお寿司は奥さんにとお持ち帰りようのパックに入れてお土産として持って行ってもらった。
なんだかんだと言いつつも、愛妻家なガイさんである。それか…そういう風に教育?されてるか……前者だと信じたいが…
さて、俺は事情を聞いてもらう為にレストランホールの厨房へとぷかぷかと漂い足を運んだ。
中にはライネスさんとコックさんやスタッフのみんなが昼食の後片付けをしている真っ最中であった。
「おつかれさまですの~♪みんなにきいてほしいことがあってきましたなの。」
みんなは一旦手を止めると俺の所に集まってくれて、話を聞いてくれる体制を整えてくれた。
ライネスさんはじっと待ってる俺を優しく掴まえると、椅子に腰をかけ、膝の上に俺をちょこんと置きニコニコしている。
あの日からここで働きだしたライネスさんは生き生きとしてる。そんなライネスさんが俺にお願いをしてくる。
「クウちゃん♪話を聞く前にちょっといいかな?頼み事があるんだが、アイナ先生に見せて頂いたにゃん鉱をいくつか調理場に頂けないかな?」(ライネス)
突然のお願いに多少面を喰らったが、何にあの石を使うか気になった。
「もちろんおっけーなの♪だけど、なににつかうの?」
「ふふふ♪それはね…クウちゃんが先日狩りで解体したアグリーダックの肝の無毒化をする為にあの石で漬け込みたいんだよ♪」(ライネス)
膝の上に置いた俺の頭を優しく撫でながらそう答えてくれるライネスさん。
究極の抱き心地を宿したにゃん鉱を治療目的以外に使うと言う発想がなかった俺は眼から鱗が落ちる思いだった。
「そのはっそうはなかったの!……………………………はっ!なの!おじいちゃんないすたいみんぐなの!」
そうだよ!アグリーダックの肝をにゃん鉱で漬け込んで無毒化するならデンポポだって…
「クウちゃんもさっそくアイデアが閃いたのかな♪」(ライネス)
「みんなにきいてほしかったのはそのことなの!ひょっとしておじいちゃんもでんぽぽたんのことでなやんでたの?」
あの肝は俺が後日、時間の空いている時にやろうとリュックにしまっていた物である。
ここに置いてあればライネスさんがそういった事を言い出してもおかしくはないが、目の前に置いてないのにそういったアイデアまで考えるとは、デンポポの問題を見据えていたとしか考えられない。
「おお~クウちゃん知っていたのかい……漁港の方でね大変な騒ぎになっていてね…儂も色々と手を尽くしたんだが…」(ライネス)
やはり……マリアちゃんも水臭いな…言ってくれれば協力するのに…
「さっきガイさんとあってそうだんをうけてたの…そこでクウちゃんがでんぽぽたんのさばきかたをでんじゅしたいとおもいますなの!クウちゃんがしってるやつのでんぽぽたんはかわときもにどくがあるの…」
だが、それにストップが掛かる…
「それなんじゃが…全部のデンポポが同じ箇所に毒があるとは限らないんからの~…クウちゃんの知っているデンポポとは恐らく違うと思うよ…」(ライネス)
俺の知ってる河豚とこの世界のデンポポがイコールとならない以上思い込みは危険だ……やっぱり…
「かくじつなのはにゃんこうのつけこみなの…」
「儂もその方が良いと思う。毒が取り残されていたら一大事だからな…」(ライネス)
にゃん鉱は主に究極の抱き心地と食の経験を宿らせた2つをみんなに配布している。猫ちゃまふぁみりーのレギュラーメンバーのアイナママ達7名に13個。
クリスちゃんは1つだけにしている…食の経験の持ち主だからね。エーコちゃん達6名に12個。お姉さん達に30名に60個。
アスモデウスに究極の抱き心地を宿したのを40個。アスモデウスは病気予防や体力を維持させる為につけさしている。
計125個……俺が3日間で作ったにゃん鉱の総数が200個で残りストックがあと75個。杖に使うにゃん鉱は後でまた作ればいい。
今はお世話になったガイさん初め、あの独房に入れられた時に駆けつけて来てくれた人達の為に報いねば……
「にゃんこうのすとっくは75こあるの。これをぜんぶつかってなの!」
リュックからにゃん鉱の入った袋をテーブルの上に置く。
直ぐにそれを受け取ってガイさん達の所へ向かうと俺は思っていたのだが、目を瞑り何か瞑想してるよう佇むライネスさん。
ゆっくりと目を開くとまた俺を優しく撫でり始める。
「……………すまない……国から追い出しておいて…あまつさえ、こうやってなんの見返りも求める事もなく……クウちゃんは何故そこまでセイギフトの為に尽くしてくれるんじゃ?…」(ライネス)
考えるまでもない!
「みんなおともだちなの!こまったらたすけてあげたいの!むずかしくかんがえちゃめっ!なの♪」
素直にそう答える俺にライネスさんの気持ちはまた穏やかになっていくのであった。
結局戻って来たガイさん達、漁港の皆さんに俺は頭を下げて捌きは中止となったが、漬け込みの件を話すとみんなから胴上げされた。
なので俺はセイギフト側には行けないので残りストックのにゃん鉱75個に究極の抱き心地を宿し、ライネスさんに託してお願いをした。
それとせっかく来たみんなに泊まっていくよう誘ったのだが、今はデンポポ問題を解決しないことにはゆっくりと出来ないらしく、残念だがまた来てくれる日を楽しみにしたい。
こうして一応、無事に解決したかに見えるが俺は頭を痛める件があった……それは……
「わーーーーーーー!クウ樣!!!!!止めて下さい!!なんか絵面もそうですが共食いはいけません!!!」(コックA)
「おっ恐れながらクウ樣!!!私も……その………見ていられません!!!」(ロジャー)
「いやぁ~!!!!!今夜絶対夢で出てくる!!!!!!」(メイドCK)
みんなが止めるのはまな板の上でピチピチと活きのいい猫面魚を捌こうとする俺である。
見かねて必死に止めるのだが、この猫面魚とはデホォルメした二頭身サイズの顔は円らな瞳で愛らしいにゃんこに下半身というか頭から下は魚……
簡単に言うと、たい焼きの頭の部分にデホォルメした可愛いにゃんこの顔がある、そんな姿の鯛と想像してほしい。
「にゃ~♪しくしくしくしく♪ピチピチ♪」(猫面魚)
助けて~!まだ死にたくないよ~とでも言わんばかりに逃れようとする猫面魚。
この魚は俺の生き恥(ミーナちゃんの脅しに屈した)によって生まれた存在……俺は食っちゃえ♪位の勢いだったんだが………
「……………はぁ~なの…わかったの…おまえをたべるのはやめるの。」
「それがよろしいですよクウ樣………そのチャレンジ精神はお見事です…」(コックA)
「わたくしも安心致しました。流石に目覚めが悪いかと…」(ロジャー)
「良かったね~お前♪ちゃんとクウ樣の言うことを聞くんだよ♪」(メイドCK)
「にゃ~♪」(猫面魚)
デンポポの入っている小さな桶から首だけを出して鳴く猫面魚……同族嫌悪って奴なのか…どうも俺はこの猫面魚を好きになれない。
だけど、性格は大人しく言うことにも素直なので飼う事に決めた。
「おまえはきょうから【にゃーめいど】とよぶの。まーめいどのおねえさんにめんどうをみてもらうからちゃんということをきくの。」
「にゃ~♪」(にゃーめいど)
俺は桶を持って【にゃん♪にゃん♪】へと再び足を運びにゃーめいどとデンポポをマーメイドのみんなにお願いすると部屋に戻ってベットに突っ伏した。
「どっとつかれがでたの………………Zzzzzzz♪」
ふかふかのベッドが心地よく自然とそのまま寝てしまう。
ふわふわ~うふふ~夢の中の俺は真っ白な雲の上をふわふわと漂いながら遊んでいる……そこに羽の生えた女神様がやって来る……
「ぱたぱたけいのきれいなおねえさんなの♪」
「こんにちわ♪クウちゃんとやっとお話が出来た♪ドナよ♪分かる?それとぱたぱた系って何?………」(ドナ)
目の前のお姉さんの名前もドナと言うらしい…ツッコミもちゃんと入れてくれるお姉さんだ…
「おともだちのドナちゃんといっしょのなまえなの。おねえさんもうられてきたの?」
夢の中とは言え失礼な俺である…
「ええ…しくしくしく♪現在進行形で売られてしまってるわ……私の名前を聞いても動揺しないと言うことは、私がそのドナだって認識出来てないのよね………夢の中じゃ、やっぱりクウちゃんの思考力は落ちちゃうか……」(ドナ)
肩を落としガックリと項垂れるお姉さん…テンションだだ下がりだ…そんな時にはやっぱり…
「ドナおねえさん…げんきだしてなの~…これをきればげんきになるの!みてみて~これきぐるみなの~♪」
俺は自分の着ている着ぐるみをクルクル回りながらドナお姉さんに見せてあげる。
「夢の中でもクウちゃんは変わらないわね♪お姉さんにはどんな着ぐるみをプレゼントしてくれるかしら?」(ドナ)
ドナお姉さんは雲の上に仰向けに寝転がるとおいでおいでと手招きをする。
そして、誘われるままにお姉さんのお胸の谷間に俺は顔を埋める。ふわふわだ♪
「うしさんのきぐるみなの♪ドナちゃんとおなまえがおなじだからうしさんにするの♪」
「グハッ!…なんで夢の中までなんで牛じゃなきゃいけないの!?クウちゃんやっぱり本性はドSでしょ!!!おっぱいを吸われた時からヒシヒシ感じてたよ!!!」(ドナ)
ふふふ♪なんか激怒だけど気にしない♪夢だもん♪
「ふはははなの♪じゃあ~クウちゃんはどSだから、ぜがひでもうしさんのきぐるみをつくるの!だけど、うしさんのませきがないないの……」
「ホッ♪……クウちゃんって無茶苦茶する時があるから不安なのよね……」(ドナ)
「……ふっふっふ~なの♪」
「……何…嫌な予感が…」(ドナ)
出来ない?諦める?俺はルカちゃんから教わった……だから!
「しあいはこれからなの!!!うりゃ♪ロジャーさ~~~~~~ん!おーくのませきをもってきてなのーーーーー!」
「あっ!?待ってクウちゃん!!」(ドナ)
サウザンドスネークの着ぐるみの一部を破き再生して元の綺麗な着ぐるみに戻すと俺はロジャーさんを呼ぶ!すると…
*正夢クリエイトを取得しました
*クロスリペアLV1を取得しました。
「夢の中でもお待たせしました♪こちらがオークの魔石で御座います♪では失礼いたします♪」(ロジャー)
そっと俺の側にオークの魔石を置くと笑顔を向けながらお辞儀をして何処かへと行ってしまう…
「ちょ!!!ロジャーさん!?貴方本物じゃない!?今精神体なの!?普通そこまでやる!?」(ドナ)
何かドナお姉さんが騒いでいるけどロジャーさんは俺が呼べば地の果てだって来てくれると俺は信じてる!
そして、その間に俺はオークの着ぐるみを作り作業を進める。
「この2つのきぐるみをちくちくとさいほうしてがったいなの!ゆめのなかだからなんでもありのおりじなるすきる!………そのなもきぐるみぱっちわーく!あんど!きぐるみふゅーじょんでゆうごうなの!」
*裁縫LV5を取得しました。
*着ぐるみパッチワークLV1を取得しました。
*着ぐるみフュージョンLV1を取得しました。
「ちょ~~~~~~!クウちゃんの無茶がやっぱり発動したし!」(ドナ)
「ぱんぱかぱ~んなの♪このなんちゃってうしさんのきぐるみをドナおねえさんにきさせてあげるの♪」
その瞬間ドナお姉さんは乗っかっている俺を掴んで遠くに放り投げると一言を放つ…
「強制覚醒!!目を覚ましなさいクウちゃん!!!」(ドナ)
「あ~~~~~~~れ~~~~~~~~~なの・・・・」
世界がブラックアウトし、落下する感じが体を襲い………………現実世界のベッドから転げ落ちた俺は目が覚めた………………ん?
「…………ドナちゃんおはようなの♪」
「もっ♪」(ドナ)
何か夢を見たような気がするのだが忘れてしまった………う~~ん…靄が掛かったみたいに思い出せない。
モヤモヤとしたまま俺はアイナママを探しに闘技エリアへと足を運んでいた。杖作りをまた手伝ってほしいのだ。
俺一人じゃ作れないし、あのアイナママと二人でで黙々とやっている穏やかな時間が何故か今はほしかった。
初めて足を踏み入れる闘技エリアは他のエリアとはまた違った空気である。各部屋の扉に剣術の間とか槍術の間といった物が書かれていて、更にアンデッドモンスターLV1~10の間といったモンスターの種とレベルに分けた部屋がずらっと用意されていた。
しかし、疑問に思う…俺の知識にそんなものがあっただろうか?ここ猫庭の楽園に来てそう思う事がちょくちょくとあったので、このエリアの入り口に立っていた騎士のお兄さんに聞いてみる事にした。
「ようこそおいで下さいましたクウ様♪こちらには訓練で御座いましょうか?」(騎士A)
俺が近寄ると笑顔で迎え入れ会釈をする騎士のお兄さん。強そうだな。
「おしごとおつかれさまですの♪ここのえりあのことでおききしたいの。えっと……クウちゃんのちしきのなかにぶきのつかいかたやまほうのつかいかたのちしきがあまりないのに、どうやっておしえてあげているかおしえてほしいの。」
えっ!?っと驚いた顔をする騎士のお兄さんは次にあちゃ~という仕草をする。
「あぁ~それはですね。クウ様にはそうですね……これもロジャー様に報告せねば……クウ様♪ここはそのホテルとして機能してる訳ですが、クウ様は別として皆様には何を対価にして宿泊されているか、ご存知であらせられますか?」(騎士A)
対価ですと!?初耳だよ……タダじゃなかったの!?
「ちょっとまつの!!なにかみんなからしゅくはくひをとっているのなら、クウちゃんにほうこくがないとこまるの!」
俺は叱るつもりはないが、みんなの事なので多少きつめに言ってしまったみたいだ。騎士のお兄さんは恐縮してしまっている。
「しっ失礼いたしました………皆様にはフロントのチェックインの時に御説明を差し上げたのですが、宿泊費の代わりに任意で知識を分けて頂けるかをご確認の上で使わせて頂いているのです………」(騎士A)
そこに騎士の助け船を出すが如く…
「その通りよクウちゃん♪プライベートな記憶は覗かれていないし、クウちゃんが生み出した彼等ですもの。大丈夫よ♪」(アイナ)
アイナママにオデコをツンと軽くつつかれ俺は微妙な顔をする。
「そのおかおはなんなのアイナママ……」
ミーナちゃんみたいな小悪魔フェイスをしてニンマリと嬉しそうにしてる。
「だって~♪クウちゃんがママ達の事を本気で心配してくれたんでしょ♪可愛いな~もう♪」(アイナママ)
なっ!?そういう事を本人の前で言わないでよ!あ~何…その顔は更に……
「いいのよ!そろそろ……その…クウちゃんの口から聞きたいな……」(アイナママ)
「んっんん♪……私はそろそろ見回りに…」(騎士A)
ちょ!?何…空気読んで移動しますから見たいな気の使い方してるの!俺は有無を言わさず騎士のお兄さん腕を掴もうとするが、アイナママはそれよりも俺を早く抱きしめ逃がさない。
「ちょ!?アイナママまつの!あっ!いかないでなの!」
ここの主を見捨てるって…やっぱり俺が生み出した者ってわけか!アイナママには勝てないよね……
「そうなの!アイナママつえつくりしようなの!」
そうそう、目的を忘れちゃいかんよね。その為にここに来たんだよ。何がアイナママの心を刺激したのか分からんが、ここは話を反らしたい。
「えっ!?アイナママこづくりしようなの!ですって!?」(アイナママ)
俺のスキルで治してやる!そんな気持ちを込めてアイナママの耳を塞ぐもニコニコして喜んでいるし!
「いってないの!つごうのいいへんかんめっ!なの!」
「じゃあ♪クウちゃんの口からアイナ愛してるよ♪言ってくれたらいいわよ♪」(アイナママ)
「じゃあのいみがわからないの!」
「クウちゃんはママの事を愛していないの?」(アイナ)
そんな風に聞くのはズルいよ!
「そっそんなことはないの………」
何でこんな事になっているの?俺、追い込まれてないか?
「うふふふふ♪じゃあ、そろそろクウちゃんの口からママを……アイナを愛してるって言ってほしいな……」(アイナ)
震えている?テンションの高い感じでいつも通りに見えたけどアイナママ……北の大陸の国境警備隊の時もそうだし、さっきの些細な事ですら俺は……いつもみんなから愛を受け取ってるけど俺からまともに言った事がないよな……素直にならなければ!
クリスちゃんも言っていた…アイナママは誰よりも俺を愛してくれているって……そして、恥ずかしい姿を見せ合えるから愛は素晴らしいと…………
「アイナママ………アイナ!クウちゃんはアイナのことを…」
そこに空気を読まない猛者が突如現れた!
「クウちゃ~~~~~~~~~ん!!!!!会いたかったよ~~~~!!!!!バカバカバカ!黙ってカーラに金貨渡してお肉代払ってくれるなんて………ありがとう~~~~しくしくしくしく♪ずっとお礼言いたかったんだよ!お母さんも後少しでまた赤ちゃん産むし、クウちゃんのおかげで赤ちゃんの出産費用も今年は問題なく出せるし、お母さんも内職しなくていいから!グスッグスッ♪もうバカ~~~~~♪」(ヒナ)
「バカはおまえだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」(アイナ)
ひぃぃぃ!!!アイナママがヒナちゃんを倒してマウントポジションでもうぼっこぼこに!!!!ししししんじゃうよ!!!!
「アイナママやめるの!!!!!あぁ~~ヒナちゃんが!!!すこいことになってるの!!アイナママって!!!そのおかおこわすぎるの!!【にゃんこ】こうそくいぜんかい!!!!」
死んでないよねヒナちゃん?これは神薬を使用するレベルだ!!!あわわわわ!
「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!ロッロッロジャー様をお呼びしろ!!!それと至急衛生兵と一個師団でアイナ様を!あと!クウ様のお仲間にもご連絡を!!!!アスモデウスも出せ!!!!」(騎士A)
「離せぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ」(アイナ)
俺はたっぷりと知りました……アイナママの愛の深さを……俺の事をいかに大事に思ってくれているかを…これ以上ない位に確認しました……だけど…こんな形では知りたくなかった………
「痛かったよ~~~怖かったよ~~~本当にあの世が見えたよ~~~!えぐっ!うっ!うぅ~…」(ヒナ)
「よしよしなの~♪ヒナちゃんはもうすこしくうきをよもうねなの…」
あの場で神薬をかぶ飲みした俺はヒナちゃんを回復させてアイナママから引き離した。出ないとこの猫庭の楽園で殺人が起こるのが確実だからだ。
えぐえぐ♪と子供のように泣くヒナちゃんを今は慰め落ち着かせる。
ところでヒナちゃんは何をしにここに来たんだろう?にゃんこゲートは設置されたばかりで理由がないと今はそうそう来られないと思うが…
「アイナ様!訴えてやる!いくら…えぐっ…元上司だからってこれは…えぐっ…殺人未遂よ!立派な犯罪よ!」(ヒナ)
あ~多少冷静になって頭が回ってきたのか、ヒナちゃんはプリプリと怒る。冷静に考えればヒナちゃんは不可抗力であり、アイナママは疑い用もなく一方的にヒナちゃんに手を掛けてしまった……
「ヒナちゃんきいてなの。」
「いくら…えぐっ…クウちゃんの頼みでも…」(ヒナ)
可哀想だけど、大事な事を言わねば……
「ここにほうはないの。しいていえばクウちゃんがほうなの?」
「だったらクウちゃんがアイナ様……いや!アイナを捕まえて牢屋に入れてよ!!ヒナはこの件を持ち帰って絶対抗議するからね!」(ヒナ)
ですよね……流石に今回のはシャレにならない。ネイさんなんてアイナママにガチでキレていたもんな……ここの責任者は俺だ…なら交渉で事態が収まらないかやって見なくては…
「さすがにこんかいのさつじんみすいはヒナちゃんのいうとおりしゃれにならないの……でも、はずかしいからいちどしかいわないの。」
俺の顔は多分みるみるうちに赤く染まっている事だろう。
「何を言っても無駄よクウちゃん!」(ヒナ)
「アイナママにあいのこくはくをするとちゅうだったの。」
ボンッ♪と頭から湯気が噴き出しているでしょうとも……
「ん!?……………えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」(ヒナ)
口をパクパクしながら真っ赤にならないで!恥ずかしいのはこっちだから!
「そうなの……ヒナちゃんはいいおとなだからわかるとおもうけど。もし、すきなおとこのひとから……あいのこくはくをうけるしゅんかんにじゃまされたらどうおもうの?」
凄く納得のいかない顔をしているが、自分のやった事がやっと理解出来たと思う。だが…
「クウちゃんの言うことは分かるけど!それで殺されちゃ騎士団は要らないわ!」(ヒナ)
「そういうとおもったの。でも!ヒナちゃんもはなしかけていいたいみんぐか、おとなならちゃんとたしかめるの!これはじょうしきのおはなしなの!」
一歳児に言われて凹む20歳位のお姉さん。。端から見たらどうなのよ…
「うぅ~~でも~でも~………」(ヒナ)
俺だって、もし、ヒナちゃんの立場なら納得がいく筈がない。そこで交渉だ。
「ここのばしょでおきたことはクウちゃんのせきにんなの……だから、クウちゃんがかわりにヒナちゃんにまいにちここで……どうせならヒナちゃんいっかぜんいんここにすんでいいの。ごはんとおふろにしゅくはくをむりょうにするの。ほかのしせつはいずれゆうりょうになるからむりだけど……そのみっつはクウちゃんがやくそくするの!このとおりなの………」
困った時の土下座。必殺技風に言うならドゥゲェザァー!ヒナちゃんの足下に寄り、小さな体で全力の土下座を展開………効果は……
「止めてよクウちゃん!いくらクウちゃんの王国だからってそれは違うわ!お願い!顔を上げて!ねぇ!ねぇってば!」(ヒナ)
「………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………」
「分かったわよ!!!!それでいいわよ!!グスン♪許せばいいんでしょ!アイナ様のいきおくれーーーーーーーー!」(ヒナ)
何とか折れてくれた。面倒にならなくて良かった。だけど、もし…この一件で来年ヒナちゃんがギルドに居づらくなったら職は俺がなんとかしよう。それ位しないと折れてくれたヒナちゃんに悪い。
「ありがとうなのヒナちゃん♪それでこそクウちゃんのみこんだおねえさんなの♪」
「調子いい事言って……乗り物にした事忘れてないんだからね!もう!」(ヒナ)
「ふふふ♪そんなことあったっけなの?クウちゃんあかちゃんだからわからないの♪」
わざとらしく可愛く振る舞う俺。それを見てわなわな震えるヒナちゃん。殴りたいんだろうな♪
「最悪だわクウちゃん!地獄に落ちろ~!」(ヒナ)
「あるいみではたいけんずみなの。ばぶ~♪」
「くっ!この見た目でなければ殴っているところだわ!」(ヒナ)
「ようじぎゃくたいはめっ!なの♪」
「赤ちゃん詐欺よ!家族みんなでこれからここで豪遊してやるんだから、覚悟してね!」(ヒナ)
念を押して止め♪
「ごらくしせつはゆうりょうなの♪でも、ヒナちゃんだし………まあ~ただでいいの♪ただし、アイナママのことほんとうにゆるしてなの。」
「うぅ~更にアメを使って来るだなんて!クウちゃんってば少し会わないうちに逞しくなったね…」(ヒナ)
「すくすくそだってますの♪」
「早く大人になりなさい!殴れないから♪」(ヒナ)
殴れない変わりにほっぺをむにむに♪する。優しくそれでも扱う辺り、ヒナちゃんの性格が現れている。
「ふふふふふ♪やっぱり、このままあかちゃんでいいの♪ばぶ~♪」
「可愛い方がなんか特でいいな~………はぁ~何か疲れた………これ手紙ね…ちゃんと読んでね…家族を連れてくるから後よろしくね~クウちゃん…………」(ヒナ)
項垂れたまま足を引きずる様子はヒナちゃんらしかった。
「いってらっしゃっいなの~♪おねえさんおおくりしてさしあげてなの♪あと、いまのけんでよういとロジャーさんにほうこくしてなの♪」
「承知致しました♪」(メイドFF)
複数の尾がユラユラと揺れながら部屋から出て行くのを俺は目でずっと追っていた。
ヒナちゃんが俺に渡した手紙は新しく冒険者ギルドのギルドマスターになったヒースさんからの手紙であった。
このヒースさんとはよくアイナママの暴走をいつも止めていた職員さんだ。俺も臨時職員の時にお世話になった人である。
そんな彼が寄越した手紙には二件の事について書かれていた。1つはデンポポの無毒化についての感謝の言葉か綴られていた。
そして、もう1つはにゃんこゲートの設置の件についての運用とギルドマスター自らが後日、ここ猫庭の楽園を視察させてほしいとの要望が書かれていた。
そこで俺はメイドさんを呼び、手紙を認めてからアイナママの所へ向かった。部屋の前にはアスモデウスを待機させており、アイナママを出さないように言いつけていた。
俺が部屋に近づくとミロがこちらに気がつき会釈をする。
「ごくろうさまなの。みんなはなかなの?」
「ネイ様、ミーナ様、セーラ様、リディア様、アイシア様、クリス様の計六名がアイナ様のお側についております。」(ミロ)
「わかったの………ここはもういいからみんなはもどるの。」
その言葉に項垂れるアスモデウスの面々……分かりやすいな。なので思わず声を掛けた。
「まつの…」
全員その場で待機する。そして、俺の顔を見て佇む。
「エーコちゃんたちのきもちがすこしはわかったの?ミロ…おまえだけはつげんをゆるすの……だだし、よけいなことはいわなくていいの…」
「………申し訳ありませんでした……如何に自分達が愚かで身勝手だったかを身を持って知りました。」(ミロ)
奴の瞳は他にも言いたい事が目を通して訴えている。一言で言えば楽になりたい…殺してくれと…
「……………クウちゃんはまわりにめぐまれたからミロたちのいきかたをひていできないの……でも……今だけ…もう一人の俺で答えてやるよ。」
俺の中身がいきなり入れ替わったようにアスモデウスの連中には写ったんだろうな…顔を見れば分かる。
「お前らを痛めつけた処で現実としてはエーコちゃん達の思いが晴れるだけで何も変わりはしないがな………お前らはまだまだ認識が甘い…」
キッと俺は連中を睨みつける。小刻みに震えるアスモデウス…
「その目だ………どうせ楽にしてくれとか身勝手な事を考えているんだろ?慈悲をくれとか……………………………一言お前らに言っておくぞ……………あの子達のおかげでお前らはその程度で済んでると認識を改めろ…俺がその気になれば永遠に…死すらも叶わない中で苦しみを与え続けていた事を理解しろよ……お前らは今その程度で済んでいるんだ……あの六人がもしいなくなったらどうなるかよ~~~く考えるんだな………あぁ~~~へやのまえはおといれじゃないの……ちゃんとあとかたづけをしてからまたくんれんにもどるの。ミロ、おまえがせきにんをもってきれいにするようになの。」
俺の言った言葉を理解したのか、失禁した奴が何人かいる。考えていた通りに甘い奴等だ……それは実際にそうしない俺にも言える事だが…
…アスモデウスの連中に…もし救いを与えるとしたらそれは何だろう……死か?エーコちゃん達からの許しを貰う事か?
アスモデウスの連中がどんな答えをいずれ見せてくれるか…俺は今のコイツらを少し憐れだと感じていた…
「畏まりました…」(ミロ)
ミロの返事を聞いてから部屋のチャイムを押す。するとセーラちゃんが開けてくれた。
「あっ!クウちゃん!さあ!中に入って…」(セーラ)
「アイナママのようすはどうなの?」
「今は落ち着いてるけど、ネイさんにこってりと絞られているわ……」(セーラ)
今も奥の部屋からネイちゃんの怒鳴り声が聞こえていた。どうやらこってりと絞られているようだ。
「りょうかいなの。ネイちゃんをとめてクウちゃんがかわるの。」
「だね♪クウちゃんが行かないと多分落ち着かないと思う…」(セーラ)
部屋の中では床に正座させられたアイナママと仁王立ちでアイナママを見下ろしながらガミガミ言っているネイちゃんがいた。
そして、リディアちゃんやアイシアちゃんはまあまあと宥め、クリスちゃんはアイナママを優しく撫でていた。
「姐さんはすぐに手を上げるその癖をいい加減になんとかしろ!!!ここがクウのホームで法の無い大陸だから助かったし、クウのことだ…なんとかヒナに頼み込んで押さえくれると思うけどな!一歩間違えれば猫ちゃまふぁみりーは解散!ギルドから永久登録抹消でクウの夢も潰すとこだったんだぞ姐さん!」(ネイ)
後で聞いた話だが、パーティーメンバーが不祥事を起こした場合、パーティーリーダーは責任を取り登録を抹消されるらしい。監督責任って奴だな。
「はい………反省してます………グスン♪」(アイナ)
こちらは肩まで縮こまり小さく見える。相当この調子で言われ続けて凹んでいるらしい。
「みんなありがとうなの。ネイちゃんはそこまでなの。ヒナちゃんとはクウちゃんがはなしをつけたからとりあえずもんだいないの。それにアイナママもはんせいしてるからそこまでなの。」
監督責任は俺にある以上区切りは俺に任せてほしかった。だから、ネイちゃんを制止する。口調からネイちゃんなら読み取ってくれる筈である。
「……………姐さん。あたいの言った事を守って下さいよ。クウの事になると見境なさすぎです。気持ちは分かりますが、限度って物がありますから…」(ネイ)
「分かっているわよ………」(アイナ)
そうアイナママが軽く、そっぽを向いてボソッといじけた感じで呟いた瞬間、ネイちゃんは軽くキレた。ヤバッ!!!みんなもそれに気づいたみたいだ。
「ネイちゃんストップ!!!ほら、師匠も十分反省したから!」(ミーナ)
「そうですわネイお姉さま!ここは落ち着いて下さい!」(セーラ)
「仲間内で本気はダメだ!ネイ!」(リディア)
「ダメだってネイさん!!リディアさんの言う通りだって!!!!」(アイシア)
「アイナったらダメでしょ!!!ネイを煽ってどうするの!!」(クリス)
「けんかはめっ!なの!!!おちついてなのネイちゃん!!!!」
俺はネイちゃんの首に抱きつき取り押さえる。みんなも今いる位置から掴めそうな所を押さえて掴む。
出ないとアイナママに飛び掛かりそうだからだ。
「本当に分かってんのか?姐さん………」(ネイ)
目が据わっているネイちゃんは鋭い視線でアイナママを見下ろす。
「もちろん理解しているわ……………何よネイ…………やる気なの?………」(アイナ)
ちょ!!!この二人がケンカしたら互いに無事じゃ済まないよ!神薬も今日はもう使えないし!!!
「試してもいいか?みんなも協力してくれるよな…」(ネイ)
相変わらず目が据わったままで怖いネイちゃんだが、手は出さないみたいだ。ホッとしたのもつかぬ間にネイちゃんはとんでもない事を言い出す。
「クウ、姐さん以外のみんなと本気のキスしろ。おでこや頬とかボケはなしだ……姐さんが理解してるのなら、我慢出来るよな……」(ネイ)
キレたままで飛んでもない事を言い出すネイちゃん!
「クウちやんのいしは!」
「クウ…これは大事な事だ。姐さんの言葉に二言はないのなら問題はないだろ?それにいずれはあたいらはクウに子供を授けて貰うんだ……嫉妬でいちいちキレてたら、それこそやっていけないだろ?あたいの言ってる事はおかしいか?」(ネイ)
怒りが強すぎてより冷静になったネイちゃんの言葉にみんな反論出来ない。それに目が据わっているネイちゃんは本気で怖かった。
「待ってネイ!!!それはずるいわ!」(アイナ)
「ずるくねえよ!あたいは姐さんを試して言ってるんだ…まさかさっきの言葉………あたいをたばかって言ってないよな……」(ネイ)
「そんな事ないわ!」(アイナ)
ここで返答に悩んだり、遅れたりしたら…血の雨が降っていただろう。今やネイちゃんに逆らえる者はいなかった。
「だったらそこで見てな……クウ、はむっ♪」(ネイ)
突然の事で俺は反応出来なかった!ネイちゃんの唇が俺の唇を塞ぎ、舌が俺の中で絡みつく。優しくも激しい愛撫に俺は蕩ける。
「あーーーーーーーーーーーーーー!」(ミーナ)
「ネイお姉さま!!!!!!!!!!」(セーラ)
「今回はネイが正しい……我は止めない。」(リディア)
「うっわぁ~凄いよ!凄いよ!大人のキスだ♪♪♪♪♪♪きゃ~~~~~♪」(アイシア)
「あっ!お兄ちゃん蕩けてる!ふふふ~♪ああ~やって…ふむふむ…おお~♪」(クリス)
「んっ♪………ふむ♪…………んっ♪………ぷはっ♪…………………はぁ~はぁ~♪…………………………………………………」
「……………っはぁ~♪姐さんはみんなのキスが終わるまでそこで見てろ!最後に姐さんもしてこの件は終わりだ!いいなみんな!」(ネイ)
「いただきます♪」(ミーナ)
「歯を磨いて来ますわ!!!!!!」(セーラ)
「我も行くぞセーラ!!!!!!!」(リディア)
「あっ!あたしも!!!!!!!!」(アイシア)
「ここをああして………それでこうよね…………イメトレおっけー♪」(クリス)
「うううううううううう…分かったわ……だから早くして……ぐすん♪」(アイナ)
究極の拷問?に耐える為にアイナママは俺をなるべく見ないようにするが、俺の桃色吐息に長い耳はいつも以上に音を拾うのを恨めしく感じてた。
「クウそういうわけだ。拒否権はないしまさかあたい達のキスが嫌だとか言ったら………聞こえてないか♪クウ……その…そんなに良かったのか?………………ミーナ達が戻って来るまで可愛がってやる♪はむ♪」(ネイ)
その後はぽけーと夢心地の俺はなされるがまま愛されてしまった………異世界に来て最高の日であった。
ふつおたコーナー(MC:たまご丼)
ペンネーム「海の男」さんより頂きました
Q:またまた俺はある子の世話になってしまった。何としても恩を返したい!俺はどうしたら良いだろうか。
A:その気持ちを大事にしなちゃダメダメ!借りた恩も倍返し!ここは奮発してプレゼントしちゃえ!海の男さんならいけるいける!というわけでシーユー♪
ガ:旨いデンポポ料理をクウに食べさせるぞ!ライネス様……漬けこみ…まだですかい?もう、いいんじゃねぇですかい?
ラ:ばかもん!毒がそう簡単に消える筈なかろう。
ガ:なら!俺が身を持って証明を!バクッ♪上手いじゃないか!やったたたたたたたたたたたたた…
ラ:このばかもんが……誰かこのばかもんも一緒に漬けとけ……




