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つれてっちゃっうの

タマちゃんの中に入った面々は呆然とするが、その中でも流石はマリアちゃんだけは状況分析をするだけの余裕があったのか…少しの長考の後、俺に詰め寄る。


「移動要塞じゃない!!!!クウちゃん!一体何がしたいの!!!」(マリア)


襟元を掴んで前後に軽く揺すられる俺。あれ?なんかどこかで似たような事があったような……


「なにがしたいといわれてもこまるの……セーラちゃんとルカちゃんがかぜをひいたらこまるからつくったの♪」


「作ったの♪じゃないわよ!!!!!!雨宿りレベルでこんなもんを作られたらね!!!こっちは色々と苦労しないといけないのよ!!!」(マリア)


「ママ!ネコちゃんいじめたらダメ!」(ミイ)


「お母さま!落ち着いて下さい!」(ミズチ)


ガクガク揺られる俺を見かねてミイちゃんとミズチちゃんの二人が止めに入るがマリアちゃんは止まらない。無理もない。

国を預かる身としてこんな存在がある事自体が脅威なんだろうな……まあ、マリアちゃんの言い分も分かる。このタマちゃんはまさに移動要塞としても使える。

移動には俺のマナを仕様しているから燃料切れを起こす事もない上に悪路もスイスイで速度だって馬よりも速い。

しかも、猫庭の楽園に大量の兵士を乗せる事も可能。さらにここで物資を量産出来る施設がごまんとあり、宿泊も出来るのだからたまったもんじゃない。


「陛下その辺りで!クウ殿の首がもぎ取れてしまいますぞ!」(バーミリオン)


「防衛大臣の貴方が私を止めてどうするの!!」(マリア)


「いやいや!逆ですよ!陛下は悪い方へ考えられてますが私はクウ殿を支援したいかと…」(バーミリオン)


好好爺な印象を受けるこの俺の擁護に回ってくれる老人は防衛大臣のバーミリオンさん。試食会の時に見掛けた事がある。

後で知ったことなのだが、ニコニコした笑顔は本当に笑っているのではなく、モンスターによって村ごと襲われた時のトラウマから自然といつも笑顔になってしまうそうだ。

そして、槍術の使い手としてもさる事ながら軍略に置いて右に出るもの無しとまで言われている。


「おじいちゃん!ありがとうなの♪」


「何を考えているかおおよそは分かるけど聞こうじゃないの…」(マリア)


膝を折り曲げて宙に浮いてる俺の目線に合わせてくれるバーミリオンさん。そして、その姿勢のまま意見を述べる。


「はっ!……まず他国もこの存在を知れば陛下と同じ様に狼狽なされる事でしょう。だがご安心されて良いかと♪クウ殿の性格は私の知る限りでは純然足る悪は決して許さないかと存じあげます。」(バーミリオン)


そう言われると誉められた気がして少し照れる。頭を照れて掻いてるとマリアちゃんがじっと睨む。


「そのクウ殿の納めるこの移動要塞と言っても過言ではない物がここ不可侵の死の森にあると言うことで他の国が侵略成される憂いもなくなると言う事です。つまり、この存在自体が抑止力となるのです。また、クウ殿は政治には興味のない御方。儂は好きですよ……」(バーミリオン)


俺の頭を優しく撫でながら笑顔を解くバーミリオンさん。その表情にセイギフトの面々は驚く。


「正しき事の為に力を使い、常に周りに笑顔を生み出すクウ殿が…ふふふ♪雨宿りの為に生み出した奇跡、誠に良いではありませんか陛下…」(バーミリオン)


「バーミリオン………」(マリア)


「儂に…もしクウ殿のような御力があれば助けたかった家族が…友が…国の為に犠牲になった者が多くおりました…しかし、クウ殿とこの場所があるならば…儂らの世代は(のち)の憂いを残す事なく逝けそうです。そう思われませんかライネス様。」(バーミリオン)


バーミリオンさんは先代であるライネスさんが王である頃から仕えている。心に期す物をライネスさんと同意したかったのだろう。そんなバーミリオンさんの思いを知ってか笑顔で返す。


「自慢の孫になってもらうんだ。当然だろバーミリオン♪」(ライネス)


「まあ、と言う訳ですよ陛下。いつまでもこのままの貴殿でいて下されクウ殿♪」(バーミリオン)


そう言ったバーミリオンさんの笑顔は先程までとは違った笑顔に見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。そっと俺の襟元から手を離したマリアちゃんはバツが悪そうにフロントへ向かうのだった。












みんなを部屋へ案内してもらっている間に俺は父の所に来ていた。


「おとうさん、その…ひゅどらさん、ごめんなさいなの…」


情のない同族とは言え、殺されていい気分ではないだろう。そう思い俺は父に頭を下げるは父は穏やかないつもの表情である。あれ?


「気にするなクウヤよ。あの龍はクウヤの力を見て更に闘志を燃やした。つまり強者に挑みし勇猛果敢な龍であったのだ。それに対してクウヤも真っ向から力を尽くして戦ったのだ。誉れはあれど謝る事など何もない。奴の事を思うのなら胸を張るんだ♪」(アストラ)


強者に挑む勇気か。やはり龍と言う存在は至高の生物と改めて思い知らされる。その尊ぶべき精神性もだ。とりあえず1つ問題は解決したが、父に一言言わねばならぬ事があった。


「わかったの。それでひゅどらさんをりょうりにだすんだけど…おとうさんはやめ…」


だが父は俺の言葉を遮るように慌てふためく。


「食べるぞ!クウヤよ………まさか同じ龍だからって父には振る舞ってくれないのか!!!」(アストラ)


ガッチリと俺の肩を掴み離してくれない。今日は本当に忙しい日だな………


「クウちゃんはおとうさんにきをつかったの!だってともぐいになっちゃうからなの!」


だって、一応確認取らないとまずいでしょ?


「問題ない。力無き龍は他者の生きる糧のなり世に尽くす定めだ。それが龍族に生まれし者の定めよ!だから!我は食す!それで今度はどんな料理に…………いやいや、ここで聞いては興がないな。楽しみにしてるぞクウヤ♪」(アストラ)


前半は凄く良いことを言ってるのに後半が絞まりませんよ父。でも、こうやって気を許してくれるのも親孝行になるしいいか♪

このニコニコ♪とご飯を楽しみに待っている人が世界で一番恐れられた存在だなんて、この姿を見れば誤解も解けるのにな。


「おたのしみなの♪ロジャーさんきてなの~♪」


フロントで仕事をしている彼には悪いが俺は呼びつける。至急やってほしい事があるからだ。てきぱきと他の者と入れ替わるとそそくさとこちらにやって来る。

う~む、俺なら忙しいのになんだよ!位の反応をしそうなものだが彼は…


「お待たせしました♪」(ロジャー)


犬人族なら尻尾をフリフリと振ってそうだ。


「リュックのなかにつりでかいしゅうしたもんすたーさんがはいっているからおねがいなの♪あと……これにーどるでちぬきもおねがいなの♪」


流石にみんなを部屋に置いたまま俺が解体作業に行くわけには行かないからね。


「畏まりました。一時間か二時間あれば解体作業は完了いたしますので、そしたらお呼びに参ります♪」(ロジャー)


「それなら我も手伝おう♪ヒュドラは皆でも多少骨が折れるだろう。それにクウヤの成果を見て見たいしな♪」(アストラ)


こんな風に言っているが父は多分は遠慮してくれているのかも知れない。父の正体はこの森の主と言われた龍。

その長年培って来た畏怖のイメージはそうそう拭えない上に父が放つオーラもまた、その畏怖を増長させていた。

いつか必ずそのイメージもぶち壊したいものである。


「じゃあ、おとうさんおねがいなの♪クウちゃんはおきゃくさまとおはなししてくるの♪」


「それではアストラ様。こちらへご案内致します♪」(ロジャー)


「ああ頼む♪貴殿ともいい機会だ。少々語り合おうではないか♪」(アストラ)


「光栄で御座います♪ではクウ様後程に♪」(ロジャー)


あの二人は馬が合うのかな?父の友人になってくれないかなと思い手を振る。


「ロジャーさんまたあとでなの♪」


みんなの後を追い、俺は用意された一室に入る。部屋割りは例の如く広すぎなのと落ち着かないとの事でマリアちゃん一家とミズチちゃんに一室。

大臣さん達に2部屋。第1騎士団とたまたま城に立ち寄って拉致されたゼンガーさんと三名の第2騎士団さんを合わせた両名で3部屋。

ミーティアさんも同室で構わないと言ったがせっかくなので俺達の部屋に来てもらう事に決めた。そして、今は全員が(くつろ)げる部屋を用意してもらい集まっていた。

そして、一通り落ち着いてから代表として俺がマリアちゃんの向かいのソワァーにルカちゃんと座る。もちろん俺はルカちゃんのお膝に乗っている。その後ろにアイナママが控えるように近くに立っていてくれた。

メイドさんが用意してくれたお茶に一口つけてからマリアちゃんから切り出して来た。


「部屋に案内される間に色々聞いたわ。さっそくお城と冒険者ギルドと商人ギルドに三ヶ所に移動扉を用意して欲しいわ。」(マリア)


表情がお仕事モードに入っているマリアちゃんは新鮮だ。いつもこうならいいのにと思ってしまう。


「りょうかいなの。みんなとはなしあってきめたの。ここをみんなのこうりゅうできるばにしたいのと、できればおそとにちりょういんとほうけんしゃぎるどをつくりたいの。」


こちらからも希望を出す。互いにメリットになる話だがいくつか言われる事も予想して俺も話す。


「それについてなんだかクウ殿よろしいですかな?」(ミルコ)


やはり、すんなりはいかないと思っていたので促す。


「えんりょなくいってほしいの。」


「では……移動扉の設置については問題ないのだが、出来れば入場制限をかけて頂きたい。ここの施設のレベルは我々の想像を遥かに越えております。そのまま解放すればセイギフト以外の都と町や村も衰退してしまうでしょう。そこで役職や身分や仕様目的に応じて制限をかけてほしいのです。」(ミルコ)


なるほど、言われて見ればその通りである。人は常に流行に流され易い者である。この猫庭の楽園は他の地の文化を潰す場所にも成りうる。つまり、この世界にはまだ早すぎるのだ。

そうなればセイギフトとしては制限をかけて折り合いを計るのは当然である。


「そのあたりのことをだれよりもしってるミルコさんにおしえてほしいの!ぐたいてきにどうすればうまくいくかなの?」


「まず私が考えるのは一般の者には10日に一度の1泊2日の憩いの場にしてはどうでしょうか?そして、就業や森での狩り等は目的に応じた周期や滞在期間にすれば互いに均等がとれるかと。そして、ここで使われた物にセイギフトへの税をかけて頂ければセイギフトとしては民に解放するのも可能かと…それとこれは希望なのですが利益からスラム等で住む者や弱者層の雇用をして発展して行って下されば互いに上手くいくかと……少し厳しく思われるかも知れませんがそうでもしないと多くの者がこの地に雪崩れ込むかと…」(ミルコ)


俺にとってセイギフトは第二の故郷だ。互いの発展を望む。これでいいと思うがアイナママの方を向き同意を求める。


「ミルコの案でいいと思うわ…ただそうね……最初は人数制限も掛けて試験して報告書を互いに提出しましょ。それにここは法も実際にはない所だから、それらは私とバーミリオンとで話も詰めましょ。細かい話は全部私に任せて♪大まかな事はクウちゃんがここの主だから決めてね。私達は問題があったら言うから♪」(アイナ)


頼もしいアイナママである。丸投げですみません。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「それでは我等一堂もお手伝いをさせて頂きます」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


部屋にずらっといる執事さんとメイドさんが同時にハモル。ちょっと感動だ。


「みんなありがとうなの♪」


「儂からも先に一言。その移動扉は誰でも通れるのなら警備を強化具合が変わるのでね。実際どうなるのかのうクウちゃんや♪」(バーミリオン)


「えっと、にゃんこげーとはクウちゃんのしじをきいてくれるの。あくにんさんはとおしちゃめっ!とか。せいぎふとのひといがいはとおしちゃめっ!とかできるの。」


「なるほど………一応安心はしましたが抜け道がないとは限らないのでいくつか試験させてもらいますよ♪」(バーミリオン)


これも恐らく分かってはいたが念のために聞いたという感じがする。しかし、俺はバーミリオンさんにやたら気に入られていないか?しかし、あっさりと決まってしまった。もっとあれこれ条件を言われるかと思ったがそれだけいい話と受け取ってもらえたのかもしれない。


「おねがいしますなの♪」


「話は大まかまとまったわね♪ふふふ♪まさかこうやってクウちゃんと国とのお付き合いが始まるとはね♪…………さて、ちょっといいかしら?」(マリア)


急にキリッとした顔になり、俺を乗せているルカちゃんに後ろで控えてたエーコちゃん達5名とオークに囚われていたお姉さん達30名の方を見回す。


「貴方たちを守るのが私達の役目なのに果たせなくて申し訳なかった……」(マリア)


椅子から立ち上がると腰を曲げ頭を下げる。それを契機にあわてふためくエーコちゃん達にお姉さん達。貴族ですら頭を下げる事などそうそうないのに相手は女王陛下。

その重さを理解出来ぬ彼女達ではなかった。


「おっお止めください!!!女王陛下!!」(エーコ)


「どどどっどうしよう!!!陛下頭をお上げ下さい!!!」(シエナ)


「あわわわわ!陛下のせいじゃありません!!!」(リア)


「そうです!!レアどうしよう!!!」(ニア)


「分からないよニア!!!!」(レア)


「・・・・・・・・・・・・・・・・!」(ルカ)


「我等の為に!!!!陛下!!!クウ様!!!」(お姉さんA)


もう見てられない。それは両者に対して言えた。マリアちゃんのマナちゃんが内部で激しく揺れている。外からじゃ分からないけど俺には感じる分、その変化にマリアちゃんの気持ちを押し図れた。


「マリアちゃんそのへんにしといてあげてなの………」


他の大臣や騎士団の面々も頭を下げる。主がこうして頭を下げるのは我等不祥の部下のせいであると彼等は思っている。それなのにただ座っている事など出来る訳がない。


「…………分かったわ。貴方たちも顔をあげなさい…」(マリア)


そんな部下達の思いもマリアちゃんはもちろん分かっていた。一枚岩とはこういう事かな。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「はっ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


救いたい!助けてあげたい!そう願い行動しても叶わぬ事がある事を互いに分かっている。だが、女王が仮にも民に頭を下げる事の重さを重々に承知しているからこそ臣家である彼等はより辛かった。


「クウちゃん、生き残ってる罪人はいなかったの?もしくは逃亡した…」(マリア)


あれ!?その質問をすると言うことは…


「いるの。だけど、その………アイナママ?ほうこくしてないの?」


「忘れてたわ!と言うか信じてもらえるかしら……」(アイナ)


微妙な空気が部屋を支配する。マリアちゃん達も当然それに気がつき怪訝な顔をする。


「見てもらうしかないだろ……」(ネイ)


「見てもらうしかないよね……」(ミーナ)


なんと言えばいいか困った二人は誰に言うわけでもなく淡々と口に出す。


「レクドナルドの領主の孫として誓います陛下……今から目にしてクウちゃんから聞くことは真実であります。」(セーラ)


恭しくマリアちゃんに頭を下げ伝えるが、セーラちゃんをよく見ると額に汗が滲み出てる。


「クウ様は神で在らせられる。この空間を見た貴方達なら受け入れられよう。」(リディア)


いつも通りのリディアちゃんは素直に受け止めろとストレートに言い放つ。


「陛下………たばかったり馬鹿にしてないので冷静に受け止めて下さいね………」(アイシア)


最悪の事態を想像したのか。恐れ多い感じで語りかける。


「お初に御目に掛かりまして♪クウお兄ちゃんの第2の従魔のクリスです♪兄の名に誓って目にする者は真実と誓います。」(クリス)


あれま!?クリスちゃんって子供っぽい時もあるけど、こうした顔も見せる時があるんだよね。セーラちゃんを見て覚えたのか恭しく挨拶をするクリスちゃんにマリアちゃんはへぇ~♪と感嘆を漏らす。


「クウちゃんは罰を与えてくれました♪」(エーコ)


「毎日苦しめられてますし、スッキリしてます♪」(シエナ)


「陛下のお目汚しになられますよ…」(リア)


「真実って残酷です陛下……」(ニア)


「あっ騎士団の人達に協力してもらったらどうかな?」(レア)


「・・・・・・・・・・・・・・・♪」(ルカ)


これまでの発言を聞き、ある程度情報をまとめても要領を得ない不穏な空気が部屋を満たし、嫌な汗が出るのをマリアちゃん初めみんなは感じていた。


「ロジャーさん…みんなをよんできてなの……それとドナちゃんとミイちゃんはつまんないだろうからドナちゃんのうしさんせんようのおへやであそんでてほしいの♪」


聞かせたくない類いの話がこれから始まる。ミイちゃんには絶対に聞かせたくない。だから、俺はミズチちゃんや執事やメイドさんに目で合図する。


「もっ♪パクッ♪もっもっ♪」(ドナ)


GJドナちゃん。空気を読める子牛たんである。


「えっ!?ドナちゃん行きたいの?あむあむしてる♪う~~~~~~ん………………ネコちゃんごめんね。ドナちゃんの相手をしてくる。行こっ!ミズチちゃん♪」(ミイ)


「はい♪お母さん♪」(ミズチ)


ミイちゃんがお部屋を出るまで手を振り笑顔を作り維持をした。そして、居なくなったのを確認するとホッとする。


「ありがとうなの~♪………………………しょうじきみせたくないのでたすかったの……」


俺が嫌悪感を思いっきり全面に出していたので面々驚いていた。


「そういった顔もするのね♪へぇ~♪」(マリア)


意外な一面を見せたかも知れないが…


「クウちゃんだってかみになっても、こころはひととかわらないの……………みんなつらければミイちゃんといっしょに…」


余計な事を思い出させるのは忍びないと思い6人を見回すが…


「ここに居させて!みんなも同じだから!」(エーコ)


意識の強い目が全てを教えてくれた。


「わかったの………」


それから程なくしてアスモデウスの面々が部屋に入る。マリアちゃんの前に出すのでドレスを着させて正装させている。見た目はホントに綺麗で可憐なんだけどね…


「お待たせいたしました。アスモデウスの全員を連れて参りました。」(執事R)


ちゃんと躾が効いているのかマリアちゃんや大臣の面々に向かって腰を曲げ会釈をするアスモデウス達。それを見てマリアちゃん達は罪人が来る筈なのにこれは?と戸惑う。落ち着こうとしたのかマリアちゃん達はお茶に手をつけて俺の言葉を待つ。ネタバラシに行くか………あぁ~気が重い…


「ごくろうさまなの………おっほんなの。もとさんぞくのおとこたちなの。クウちゃんのちからでおんなにかいぞうしたの。」


「ブーーーーーーーーーー♪」(マリア)


「ブーーーーーーーーーー♪」(セバス)


「ブーーーーーーーーーー♪」(ミルコ)


「ブーーーーーーーーーー♪」(バーミリオン)


「ブーーーーーーーーーー♪」(ゼル)


「ブーーーーーーーーーー♪」(ミーティア)


「ブーーーーーーーーーー♪」(ゼンガー)


「ブーーーーーーーーーー♪」(ライネス)


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ブーーーーーーーーーー♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」(他の面々)


口に含んでいたお茶をそりゃ見事に吹き出し虹を作った面々はむせている。綺麗な虹だな~と俺が呆けているとテーブルを乗り越え、ガシッとまた俺の襟元を掴むマリアちゃんの顔が間近にあった。


「だから何してるのよクウちゃん!!!移動中に本当にもう!!!先生も止めて下さいよ!!!!」(マリア)


口周りにお茶をダラダラ溢しているが気にもとめていないマリアちゃんである。


「この子達を解放しに行ってる間にクウちゃんがしたのよ!無理言わないで!」(アイナ)


抗議されても困るわと言わんばかりにアイナママも言い返す。ですよね~…


「冗談じゃないんだな………しかしなんでまた?………」(セバス)


目を白黒させて問い掛けてくるが当然である。だって普通に考えて意味不明だから。


「かんたんなりゆうなの…………ひらきなおっているばかがいたからおんなにかえておなじばつをあたえようとおもったの…いまはとってもこうかいしてるみたいなの。」


グルッとアスモデウスを見回し、感情を乗せて俺は言った。


「ざまあ見ろ!これからも私達にした事以上に犯されて苦しめばいいのよ!陛下!こいつらを死刑にしてはダメです!こうやって苦しめるのが私達にとっては救いなんです……だから!今こうして生きていられるんです!」(エーコ)


六人を代表して代弁するエーコちゃんをマリアちゃんは見つめる。エーコちゃんの瞳に宿る負の部分を感じなからアスモデウスを再度見回す。嘘ではないと判断する。それはエーコちゃんの瞳が真実を語っていたからだ。


「ここまで容姿が変わると……と言うか性別まで違うともう本人確認も出来ないからクウちゃんに任せるわ………しかし、みんな物凄い美人ね~♪ふふふ♪クウちゃんの趣味?」(マリア)


意地悪な顔を覗き出したマリアちゃんだが、俺はいつものように返す気が乗らない。それは俺を乗せているルカちゃんが若干震えているからだ。…………騎士団の人達が大勢この目に写る。

あれからアスモデウスの様子も一度見に行き、それなりに成果は出ているんではないかと俺は考える。偽持手内先輩の指導の元だ。直ぐに投入してもいける筈。……………よし!


「ぜったいにいうとおもったの。ちがうの…てきとうにかえただけなの……あっ!そうなの!!マリアちゃんおねがいがあるの!いや、きしだんのひとたちにおねがいなの…だいじんのみなさんでもおっけーなの♪」


「あははははははははははははははは♪クウちゃん♪♪♪何を言いたいか分かっ………ぷぷぷ♪あはははは♪」(マリア)


早いな~まあ察しのいいマリアちゃんは当然としても他の人達はマリアちゃんの笑いが何を示しているか分かってなかった。


「陛下?クウちゃん?」(ゼル)


「あの陛下の笑い方……ヤバイぞ…」(ゼンガー)


「団長………何ですかこの空気……」(団員W)


そこに勘のいいセバスさんが一遅れて気がつく。


「………クウちゃん、まさかあれか?この子達の相手をお願いしているのかい!?」(セバス)


「セバスさんせいかいなの♪もとさんぞくのおっさんたちだったけど、いまはぜんいん16~20さいのきれいなおねえさんなの♪もちろんいうことはなんでもきくし、かいぞうしたときにあかちゃんはぜったいできないようにしたから、ひにんのしんぱいもいらないの♪いずれここでしょうふるーむをつくってあいてをばんばんさせるからいろいろいけんをききたいの♪それでまたかいぞうするの♪」


俺の言った内容に様々な顔を見せる面々。いきなり言われても直ぐに答えは出せないよね。だから、待つことにする。そして、俺の襟から手を話したマリアちゃんは床にうずくまっているし……


「やめてーーーーーーお腹が♪♪♪♪痛たたたたた♪苦しい♪♪いいわね♪クウちゃんのその罰し方…私は………ぷぷぷ……」(マリア)


「こらっ!よさんかマリア……しかし…究極の選択だな……」


中身も女性で見目麗しい容姿。だが!元おっさん!セバスさんが言ってる究極の選択とはこの事だろう。


「騎士団の皆さんに大臣の皆さん!私達は親兄弟の見てる前で…………汚され………殺されました……マリア女王陛下のように笑って下さい!そして!気兼ねなく遊んで下さい!私達はそれで報われます!!!」(エーコ)


エーコちゃんの言葉は戸惑う騎士団や大臣の面々に免罪符を与えてくれた。建て前とも言えるかもしれないがこの際どうでもいい。


「既婚者以外は行きなさい♪彼女が居てどうしても無理ならいいけど……それ以外は女王陛下の厳命である♪ぷぷぷ♪あ~最高♪これでいい?」(マリア)


エーコちゃん達六人にウインクして笑顔を送るマリアちゃん。


「「「「「陛下♪」」」」」(エーコ・シエナ・リア・ニア・レア)


パッ♪とした表情をする五人は互いに抱き合う。


「・・・・・・・・・・・・・・♪」(ルカ)


あっ!?震えが止まった。お腹にスリスリ♪する。良かったね♪


「一堂!クウちゃんを乗せている子をよく見なさい………外道に遠慮はいらないわ!女として子を持つ一人として許せないわ!!いいわね!」(マリア)


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ハッ!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


とキリッとした顔で締めるマリアちゃん。これで多くの者は今夜桃源郷に(いざな)われる。


「ぷぷぷ♪みんな後で元男と寝た感想聞かせてね♪」(ミーティア)


口許に手を当てながらゲスい顔をする彼女を見て目を反らす騎士団のみんな。特にゼルさんは団長の威厳を保つのに苦労しそうだとミーティアさんの視線を受けながら考えている。


「言えるか!!俺も一応行かないとダメだよな………でも凄い美人ばかり………ゴクリ♪……」(ゼル)


「今は女性なんだから問題ないです!!くぅ~ついて来て良かった♪」(団員G)


もっと拒否されるかもと思ったがみんな正直である。


「ゼンガーさん?どうしたの?」


ロダンの考える人のようなポーズで葛藤してるゼンガーさんがそこにいた。


「はっ!?………なっ何でもないよ!あはははははは♪」(ゼンガー)


そうか!!奥さんいたよね。………男ですもんね。センガーさんの中で天使と悪魔がせめぎあっているのが分かる。


「奥さんに内緒にしとくわよゼンガー♪」(マリア)


120%楽しんでるマリアちゃんは実にいい笑顔だ。いや最悪だ…


「恐れながら陛下、貴女が陛下でなければ今すぐに!!!!ぐぬぬぬぬ!」(ゼンガー)


今すぐの続きを聞きたいな…


「あっははは♪そうよね~♪こんなレベルの娼婦をもし一晩買ったらいくらになるのかしらね?ねっ?貴方………………」(マリア)


ふと、旦那様を見て何かを感じ取ったのか目が据わるマリアちゃん。


「何だ?………その目は!?お前まさか儂が行くと?あははははは♪馬鹿を言うでない!あはははは♪」(セバス)


あなたもですかセバスさん。ここにも男の性に翻弄される人がいた。そんなセバスさんをさらに冷たい視線を送る人がいた。


「クウちゃんがミイちゃんを追い出すわけね………」(ミーナ)


「仕方ないだろ……男の下半身は別の生き物だ」(ネイ)


そんな事ないよ!!暴走しないようにしてる人だっているよ!………多分。このままでは怪我人が出そうだからしめよう。


「じゃあ、そういうことでよろしくおねがいしますなの♪」


万事オッケーと言った処に爆弾が投入される。


「クウちゃんは来ないのかい?」(ゼル)


ちょ!?ゼルさんまずいって!!それが出来たなら皆さんにお願いしないよ?


「それ以上一言でもしゃっべったら容赦しないわよゼル!!!!!!!!!」(アイナ)


魔闘気を纏いバキバキ拳を鳴らして殺気を撒き散らすアイナママ。怖いです。


「あたいと今すぐに試合するかゼル……全力出してやるよ!!!!!!」(ネイ)


目が笑ってないよネイちゃん!!!


「じゃあ、私も加勢しちゃおうかな!!!団長さんだもんね!!!!」(ミーナ)


魔闘気を右拳に一点集中!?あんなので殴ったら人の頭なんて!!!


「・・・・・・・・・・・・」(セーラ)


黙って無表情でゼルさんを注視してる。あっ!?ゼルさんが目を反らした。


「猛毒と細菌どちらがいい?選べ…」(リディア)


だーーーーーーーーーーー!その選択はダメ!!


「陛下~♪肋の4~5本良ろしいですよね?」(アイシア)


こら!!良くないでしょ!!


「いいわよ~♪遅れをとるような者なら降格にするから♪」(マリア)


鬼だ……アイシアちゃん強いよ?ゼルさんには悪いけどアイシアちゃんを倒すのは厳しいと思う。しかも今は尚更…


「食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?食べていい?」(クリス)


こら!!!!!寝る前にお説教決定!


「・・・・・・・・・・・」(ゼル)


目で訴えてくる。分からないけど俺は頷く。すみません。血の雨が降るので………


「……そういうわけなの。それじゃあ~そろそろクウちゃんはおゆうはんのじゅんびがあるのでごゆっくりとしてなの♪それか、たくさんあそべるところもあるのでこじゆうにたのしんでくださいなの♪ではではなの♪」












ロジャーさんが呼びに来る前に俺は解体場に案内されてやって来た。


「ごくろうさまですの♪」


「いらっしゃっいませ♪」(ロジャー)


数十名のスタッフと共に見事に解体されたモンスターの前に父とロジャーさんは佇んでいた。


「おお~クウヤよタイミングかいいな♪丁度今、解体が終わった処だ。魔石も全て無事だ♪どれも状態が良いしな………ゴクリ♪……いかんな、我は最近クウヤを見るとどうもご馳走を連想してしまうな♪」(アストラ)


グルメに成りつつあるのは父も一緒なのですね。喜ぶ父を見ると遣り甲斐が出てくる。


「あはははは♪おやこうこうができてなによりなの♪こんやもがんばっちゃうの♪」


宙に漂いながらガッツポーズをして気合いを入れちゃいます。


「ではクウ様。こちらのリュックに詰めて厨房へと参りましょう♪あと、ニードルをお返し致します♪」(ロジャー)


リュックとニードルを受け取り、素材をしまっていくとプラチナビッグクラブが綺麗に解体して置いてあった。俺はひょっとしたら例の着ぐるみの一件のせいで父がバラバラにするか食べちゃうかなと考えていたが要らぬ心配であった。


「なの♪あっ!かにさんがちゃんとかいたいされているの。おとうさんがむしゃむしゃたべちゃうとおもったの♪」


「リディアさんに謝るんだ!」(アストラ)


開口一番に謝罪ですか♪そこでリディアちゃんの名前が出てくるんだから…


「ふふふ♪なかよしさんなの♪」


「リディアさん…すまん…」(アストラ)


肩を落とし呟く父。すっかり同士として通じ合っている二人である。そうしてる間にも素材を全て入れた俺は父を放って置くのであった。


「ふふふなの♪ぜんぶいれたの♪ちゅうぼうにごーなの♪おとうさんまたね~なの♪」


父の首元によりスリスリ♪とした後に手を振る。ちょっと名残惜しそうにした父だけど、美味しい料理を用意するからごめんねと俺は思い離れる。


「失礼致しますアストラ様♪」(ロジャー)


恭しく頭を下げてから俺の前に進むロジャーさん。


「刃物に気を付けるんだぞ!」(アストラ)


「はぁ~~~い♪」


何だかんだ言って最後は甘い父であった。そんな父に見送られながら廊下に出て厨房を目指し進みながら俺は考える。

ドナちゃんのリクエストで肉料理を用意する。しかし、肉料理と言っても様々な料理がある。ここはシンプルに焼肉かステーキ?それもありだな…

ネイちゃんやゼンガーさんなんてワイルドな料理が好きかも知れない…だか…今日はマリアちゃん一家に大臣の年配の方々がいらっしゃる…

ステーキや簡単な焼肉等は社交会でそれなりに食べているだろうし……目新しい料理じゃない……何も奇を狙った物ばかり作ればいいわけではないが……

一堂、俺の出す料理の未知な部分も楽しみにしている筈だ……なら、この世界では作られてない肉料理を作るべきだ……じゃあ、それはなんだ?

……焼き物は既に多くある…

…蒸し焼きは岩塩包み等バンダムさんのお店で魚だったが見たことはある。揚げ物は唐揚げが唯一あった……唯一……そうだな……揚げ物が極端にこの世界にはない……

…白米もなかったし……代わりにパンはあった……ライネスさんのコッペパンは最高だったな……………ん?………!?………あれだ!!!

あれしかない!!!…………そうなるとソースとあの野菜も必要だ!!急がねば間に合わない!!


「ロジャーさん!おおいそぎで700かいのしょくりょうえりあにむかうの!」


「畏まりました♪」(ロジャー)


廊下に出て瞬間エレベータに乗った俺とロジャーさんは三部屋を使ってあるものを生み出した。俺はそれらをリュックに詰め込み厨房に向かうのであった。











「ミイちゃん楽しかったね♪ママと一緒に綺麗な肖像画が撮れたわね♪凄い精度の絵画よね………」(マリア)


「ネコちゃんの王国だもん♪当然よママ♪パパもニッコリ笑ってるよ♪」(ミイ)


「おお~~家族の絵画がこんなに手軽に♪ミイちゃんの笑顔も素敵だよ♪」(セバス)


三人が言ってるのはプリクラである。写真なんて物が無いから画期的な物に見えただろう。そのプリクラにはカラフルなパターンの図柄に三人の笑顔が写った微笑ましい貴重な物に仕上がっていた。

もちろん固定化機能付きで外界に持って行ける仕様にはなっている。そして、騎士団の面々は…


「これは仮想訓練魔術か!?凄い!!本当にモンスターがいるみたいだ!」(ゼル)


「団長がエルフの女性剣士になれるなんて不思議です……私はドワーフになれたし……この被り物はどうなってるのかしら?」(ミーティア)


二人が体験したのはVRヘッドギアの搭載されたバーチャル対戦型格闘ゲームである。これを数台設置してあるので団員達は交代して楽しんでいた。

そして、大臣一行は意外な事に漫画喫茶で俺の世界の再現された漫画に夢中になりながらドリンクバーの飲み物を楽しんでいた。


「まだこんなに続きがあるのか!!城に戻る前に読みたいが………」(ミルコ)


リラックスソファーでくつろぎなから演劇少女の漫画を制覇したがってる姿はなかなかクールである。


「ならば借りれば如何かな?」(バーミリオン)


こちらはヒャッハーな世界を舞台にした漫画を手に取りながら何故か天に向かって拳を掲げるクール具合である。


「それがここは魔術で構成された空間故に外に持ち運び出来んそうだ……」(ミルコ)


「クウちゃんにお願いする事が隠居後も皆増えそうですな♪」(バーミリオン)


「「「「「「「「「「「「「「「「あははははははは♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


「いやはや♪バーミリオン殿のおっしゃっる通りですな♪」(ミルコ)


こちらもこちらで和やかな時を過ごしていた。


「しかし…ライネス様はこんな時でもぶれませんな。」(バーミリオン)


「厨房に向かわれたとか♪クウ殿とライネス様が組まれるとは楽しみですな♪」(ミルコ)


そう、丁度その頃、厨房で俺を待っていたライネスさんは準備万端であった。自前の包丁に真っ白なコック衣装を纏い、まさに料理人その者である!


「クウちゃん待っていたよ♪あのウナドンや届けてくれたテンドン…あれを食べて私は君と一緒に料理したいと何度も思ったよ♪今日は私にも手伝わせてはくれないか?」(ライネス)


そういいながら差し出された手を取り握手をする。


「きょうしゅくですの。むしろクウちゃんがあたまをさげるくらいですの。おじいちゃんいっしょにおねがいしますの♪」


しわしわの手を俺のちっちゃな両手で上下に揺すりながら俺は何度も頭をさげる。そこにもう1つの手が重なる。


「我等もライネス様と調理出来る事を光栄に思います♪」(コックA)


俺が手を離すと二人は握手する。わくわくしてくる。ふふふ♪スタッフのみんなとその後一通り握手し終わると開始する。


「ありがとうみなさん♪今日のメニューは何にするのかな?」(ライネス)


俺は用意した材料をキッチンに並べ説明する。


「それはなの………をこうして………これをこなにしたの…………を………であげちゃうの…………」


生き生きとした表情で聞くライネスさんはあるものに気がつく。


「なんと!!!テンドンからこの発想に繋がったのかい!?見事だ!!………この2つの鍋は?」(ライネス)


2つ用意したお鍋。中身はごま油。これが重要なのだ。


「おんどがちがうのをふたつよういするの…………で………というわけなの♪」


ヒュドラのお肉を大胆に食べたいので俺はこの方法を採った。


「なるほど……それならばこの厚さでもいける訳ですな♪」(コックA)


「ふはははは♪楽しいのう♪胸が踊る♪じゃあ~私はクウちゃんの言うパンを焼こう♪そうだ!ペロをいくつかお願いするよ♪」(ライネス)


「ふふふ♪おじいちゃんのくふうがたのしみなの♪このうつわに100こいれておくの♪」


大きな蓋付きお鍋にポコポコ作り入れておく。その間も各々動き出す。


「では私はこのソースを更に改良してみます♪」(コックA)


俺は頷いてお任せする。俺は俺で野菜を切る用意をする。


「やさいはクウちゃんがきったほうがあびりてぃーのおんけいでおいしくなるからいっぱいきるの♪」


「じゃあ、やりますか♪」(ライネス)


「頑張りましょう♪」(コックA)


「では我等は皆さんの補助を♪」(ロジャー)


試作品が次々と出来上がり、どれもこれも美味しいが色々意見を出し合い完成する頃にはあっと言う間に時間が過ぎていた。

ライネスさんの参戦は大きかった!いや!流石の一言である。おかげで三種類のメニューが完成した。早速おぼんで増やしリュックに保存用として大事にしまっておく。

これはもう宝だ!みんなの感想が早く聞きたい!見たいの衝動が駆け巡っていた。
















レストランホールに集まる一堂。思い思いの席に座っていただく。マリアちゃん用に専用のテーブルも用意したのだがみんなと同じがいいと言うことで無礼講にさせてもらった。

そして、レギュラーメンバーは気がつく。バイキング形式で無いことに。つまりのっけから俺の料理が出てくる事を。


「お父さんがクウちゃんの厨房に足を運んだみたいだけど♪ふふふ♪どんな料理が出てくるのかしらね♪」(マリア)


ワクワク、ソワソワして落ち着かない様子である。俺の料理の腕を知っているからね。


「ウナドンやテンドンも旨かったがアイナさんが持ってきたあのお土産のおすしなるもの……………………はっ!?いかんいかん、クウちゃんの料理の腕は更に進化してるからな………想像できん…」(セバス)


二人と一緒にご飯を食べると思っていたのだがミイちゃんはドナちゃんと一緒に食べたいと専用スペースにてドナちゃんと一緒だった。更に言うならミーティアさんも同席してた。


「どんなご馳走が出て来るんだろうね~♪あはっ♪ドナちゃんヨダレ出てるよ♪」(ミイ)


「ももっ!?も~♪ももっも~♪」(ドナ)


「王女もドナちゃんも可愛い♪」(ミーティア)


「あらら♪ミーティアお姉さまメロメロですね♪」(ミズチ)


ざっと説明するとマリアちゃんとセバスさんの夫婦の1テーブル、大臣さんが集まってる2テーブル、騎士団の面々が座ってる4テーブル、レギュラーメンバーにお姉さん達が座ってる5テーブルに別れていた。

そして、たいりょうのカートと共に俺とライネスさんはロジャーさんやコックさん達を引き連れて登場した。


「おまたせしましたなの♪こんやはクウちゃんのおともだちのドナちゃんのりくえすとで、にくりょうりにちょうせんさせてもらいましたなの♪そして、おじいちゃんのおかげでにしゅるいのめにゅーがさんしゅるいにふえましたなの♪ではつづきはおじいちゃんにおねがいするの♪」


「んっんん♪……クウちゃんの用意した料理は2つ。一つは得意のドン料理。カツドンと言います。最高品質の〆たばかりのヒュドラの肉を菌を使い、旨味を限界以上に進化させた極厚の肉を……なんと!パンを粉にしたパン粉と言う物でくるみ、2つの温度の違うごま油で揚げる事によって信じられない程に、ジューシーで柔らかく中まで火が通っている最高の物が!…………はっ!?失礼した………思い出してつい…それを玉子で醤油の甘辛いタレで包みこみドンにした一品がまず1つ!!」(ライネス)


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ゴクリ♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


唾を飲む音が聞こえた。みんなの (ハート) を完全に捕らえている。


「次はこの揚げた物をカツとクウちゃんが呼ぶが、これはサクサクとした食感もまた味の1つ!それをドンではいささか殺してしまうので米を炊いた物を別の皿によそり、こちらのコックさんが丹精込めて改良した極上ソースをつけて召し上がって頂く!そして、クウちゃんがこの組み合わせに赤い木の実なるトマトと言う芳醇な実と刻んだキャベツと言う葉ものと一緒に食べて頂きたい!最高の組み合わせを保証しよう!」(ライネス)


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ゴクリ♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


またもや唾を飲む音が聞こえる。ふふふ♪


「最後に私が作るパンにペロと極微量の火と光のマナを混ぜたペロパンにこのカツと先程紹介に有った特製ソースにスライスしたトマトにシャキシャキのキャベツを挟んだカツサンドなるものを御賞味下さい!選べるのはこの3つ!お腹を壊さない程度で食べて下され♪では最後にクウちゃんから♪」(ライネス)


立ち位置を入れ替わると俺はみんなを見回して、後ろに佇むスタッフさんに腕で注目してもらう仕草をする。


「うしろにいるすたっふさんにたべたいものをちゅもんしてくださいなの♪そしたら、いちにんまえをおだしします♪あと、おさけやおみずもすたっふさんになの♪あっ!でざーとにいちごあらもーどとペロいちごねじりぱんをごよういしてあるのでほどほどになの♪ではごちゅうもんかいしなの♪」


説明が終わるとスタッフの皆さんが各々の場所に移動し注文の嵐になる。俺はおぼんと湯飲みをセットし構える。ここからは戦場だ!


「カツドンとカツサンドを至急よろしくね!!」(マリア)


「儂はカツにカツサンドを頼む!!」(セバス)


二人がカツサンドを必ず頼んだ処に俺は愛を感じる。


「どれも食べたいけどそんなに入らないよ………」(ミイ)


「も~!もっもっ!!」(ドナ)


しょんぼりするミイちゃんにドナちゃんは牛語で訴える。本来は解読不可能な筈だがここにそれを察する者がいた。


「ドナちゃんが言いたいこと分かっちゃった♪みんなそれぞれ1つずつ頼んでわけましょう♪」(ミーティア)


首を上下に振り肯定するドナちゃん。


「賛成です♪お母さん良かったですわね♪」(ミズチ)


「わ~い♪おねえさん3つ持ってきて下さい♪」(ミイ)


喜ぶミイちゃんを愛でながら微笑ましい一画であった。そして、騎士団のテーブルはテンションの温度差が激しかった。


「3つ全部頼む!それと酒をそうだな………取り合えず三本程!」(ゼル)


今夜の事を考えると顔がゆるむゼルさんを見てやってられない人が約一名いた。


「今日の夜の為に精気をつける気か………チッ♪………」(ゼンガー)


心底面白くないとテーブルに肘を着け頭を支えると平団員から誘惑が掛かる。


「団長も行きましょうよ♪あんな美女高級娼婦二度と拝めませんよ!タダでしかも避妊の心配も要らないんですから♪」(団員B)


甘い誘惑に妻の顔が、娘の顔を思い出すセンガーさん。思いの丈を声に出す。


「妻にばれたら洒落にならん!!!娘にだって………ちくしょ~~3つ共持って来てくれ!!酒もドンドン持って来てくれ!!飲まなきゃやってられん!!!クウちゃんすまん!!俺は一夜の女より!家庭が大事なんだ!!しくしくしくしくしく♪」(ゼンガー)


遂にテーブルに突っ伏して漢泣きをする声と姿に遠くにいたが俺はバッチリ見えて聞こえてしまった。ゼンガーさん、俺もアイナママ達の事があるから気持ちは分かるよ。ごめんね……ホロリ♪

そんな若人の盛り上がりを肴に盛り上がる大臣グループは淡々としていた。


「若い人達は羨ましいですな♪私はカツサンドで♪」(ミルコ)


「何をおっしゃっいます♪我等も一献(いっこん)浴びればまだまだ~♪儂はカツを頼む♪」(バーミリオン)


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「うはははははは♪」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


そんな勇ましい大臣達も中身は枯れていないようである。そして、猫ちゃまふぁみりーとその面々は…


「私はカツドンで!クウちゃんの原点はやっぱりこれよ♪」(アイナ)


流石アイナママ♪分かっているね♪迷うことなく即決してくれていた。


「3つ全部だ!それを更に3つ持ってきてくれ!」(ネイ)


あれだけ食べているのにホントよく肥らないものだ。何かこっそり運動してるのかな?


「迷うけどカツをお願い♪クウちゃんがドン以外で出すなんて珍しいからこれにする♪」(ミーナ)


それはそれで嬉しい俺である♪楽しみにしててね♪


「私はカツサンドで♪ご飯もいいですけどやっぱりパンが好きですわ♪」(セーラ)


あぁ~おじいちゃんに負けてしまった♪だけど、あれを食べたら悔しくはなくなる旨さだ♪俺はライネスさんから学ぶ事はたくさんありすぎる。


「悩むが一つ一つ我は食べていこう!まずはカツドンを頼む!」(リディア)


多分、一辺に頼むと1つに集中して食べれないから嫌なんだろう。彼女は確かによく食べる方だが食べ方はとても綺麗なのだ。


「あたしもリディアさんと同じ作戦でいく!同じカツドンをよろしく♪」(アイシア)


アイシアちゃんはお腹の限界を見極めての注文みたいだ。後、これ以上大きく成りたくない彼女はご飯をおかわりする時に悩む事がしばしばあった。


「3つ全部下さい♪ふふふ♪ドラゴンのお肉か~どんな変化が起きるかな♪」(クリス)


………………首か9つあってニュルニュルが………食べさせるのよそうかな。一瞬本気で考えてしまった。


「クウ様と言ったらドン!カツドンをお願いします!」(エーコ)


ここにも俺の丼信者がいた♪近くにいたらいいこいいこ~♪してた♪


「私はじゃあ~カツで!みんな少し交換して食べよ~♪」(シエナ)


ここもミイちゃん達のテーブルと同じ様相になるか?


「オッケ~♪じゃあ、お姉さん三つ子にはそれぞれ一つ一つ持ってきて下さい♪」(リア)


「お願いします♪」(ニア・レア)


やはり考える事は一緒のようだ。


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪」(ルカ)


「ルカちゃんも全部食べたいよね♪なら私がカツドンでシエナちゃんがカツだから、ルカちゃんはカツサンドにしよ♪お姉さん、ルカちゃんにはカツサンドをお願いします♪」(エーコ)


その光景を見てたお姉さん達も真似をする。


「私達もそうしましょうか♪3つの10セットお願いします♪」(お姉さんA)


せっせとおぼんで増やしたのをまたおぼんで出来立てに戻し、次々と消えていくカートに俺の笑みは溢れる♪ふふふ、どれが一番売れるかな♪そんな事を考えてたその頃、マリアちゃんはカツ丼に酔いしれていた。


「(声が出せない程に美味しいなんて!!あぁ~~先生達は毎日こんな贅沢を!?ゆっ許せないわ!って今はこの舌に感じる味で恨みが薄れていく~♪あぁ~♪この分厚くてジューシーな肉汁溢れるお肉のなんと旨いことか♪ドラゴンの肉ってこんなに油がサラサラとして濃いのにしつこくないの♪しかもこのパン粉がシットリとタレを包み込んでいてご飯と混じると♪♪♪♪旨いわぁ~♪あぁ~~ここに何しに来たんだっけ~~あ~~~~~幸せ~♪)」(マリア)


中々見れないアホなマリアちゃんがそこにはいた。頭にお花を付けたらさぞ似合っただろう。


「サクッ♪(旨い♪なんと言う噛み心地に溢れる肉汁♪そこにこのキャベツとソースを掛けたのを一緒に食べると♪)シャキ♪サクッ♪(堪らん!!肉汁がシャキシャキなこの葉の刻んだ物と一緒になりコッテリ&あっさりが舌をとろけさす♪♪あぁ~~♪ご飯をそこへ更に一口♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪至福だ♪)」(セバス)


今だけはしがらみを忘れ料理に没頭する夫婦………だが、そんな時間も料理が尽きると元に戻るが目の前には父と義父が作ってくれたカツサンドがホカホカとまるで冷めた様子もなく、しかもほんのりと輝きながら佇んでいる。


「ゴクリ♪…………」(マリア)


「ゴクリ♪…………」(セバス)


夫婦は互いを見つめ合い頷くとカツサンドへと手を運ぶ。茶色く香ばしい父の得意のパンも今度のこれは何時ものと違っていた。

そう、いつまでも温かいのだ……手に伝わる温かさはまるで今焼き立てのパンを掴むが如くホカホカで、そこから覗くカツサンドの肉汁をしっかりパンは受け止めているが、パンはいつまでもぱりっとしている。

我慢出来ずにかぶりつく。ジューシーな肉汁と共に衣のサクサクが!パンの初めはサクッ!の中がふわふわ感が襲い!そこにトマトのスライスがほんのりと酸味と甘味を伝えキャベツのシャキシャキが噛めば噛む程に押し寄せる♪もう夫婦の五感の全てはこのカツサンドに注がれていた。

それを一人の老人が頭に被っていたコック帽を取り、力強くクシャクャにしていた。まるで抑えられぬ感情をどうしていいか分からぬように。


「クウちゃん、ありがとう!あのマリアが…セバスが…孫のミイが……長年の友が……グスッ♪…我を忘れて貪り食っておる。私は王として私欲を捨て民の為に人生を費やして来た…」(ライネス)


その顔に浮かぶ様々な思いは長き勤めを果たして来た者だからこそ、普段は決して見せぬ顔なんだろう。


「・・・・・・・・・・・」


ライネスさん…


「それに自分と言う者を殺して生きてきた事に後悔はないと信じていたが……やはり何か好きな事で達成感を味わいたかったんだ……そう!これだ!この感動を味わいたかった!儂の作った一品を時すら忘れて没頭する姿が見たかった!儂の人生はもう戻らぬが、今ここでこの光景を焼き付けて逝ければ儂は報われる………ありがとうクウちゃん♪」(ライネス)


ガバッ♪と俺を抱き締めるライネスさん。この人だけが決して特別じゃない。世の中の男は家族の為、立場が違えば社員の為、患者の為、国民の為、様々な立場で人の為に自分を殺しても支えてくれる人が必ずいる。

ライネスさんはそれが余りにも大きすぎた。自分を殺すことは辛い……俺は転生でその辛さを知ったが、この人はもっとだ!だから、俺は言う。


「ライネスおじいちゃん、ながいきするの!クウちゃんまだおじいちゃんといっしょにつくりたいの!それにげんかいなんてないの!おとうさんがいってたの…たましいをやどすかぎり、せいはつねにげんかいはないの!そのさきにめざせるしんかのりょういきがあるの!」


この人はまだ本当は納得していない。何故なら報われると言った。救われるじゃない!無意識に言ったんだろうが意味が全然違う。報われるだけじゃダメなんだ!なら、おれが救ってやる!


「クウちゃん…」(ライネス)


「クウちゃんだってはじめからかみさまじゃなかったの!それにおとうさんにはじめてひろわれたときだってあきらめなかったの!これからなの!おじいちゃんのなかにいるマナちゃんもはげしくいきづいているの!ねっ?だから…がんばろうなの♪」


そう!ここでこの英雄を終わらせてはいけない!後悔を残して逝くには早すぎる!それを決める俺は傲慢かも知れないが俺の中の心がそう訴え掛けるのだから仕方がない!


「あの邪龍皇の前にその身で………そうじゃな…ああ……そうだとも!!こんな物で満足するか!クウちゃん!!!儂をここで働かせてくれ!!!ここならいずれ東西南北の全ての人が来る!!!なら儂はその人達にもこの料理を振る舞いたい!そして、この手に取り戻したい!やり残した事を!」(ライネス)


本来なら歳の近い者同士。応援させて下さい。俺はライネスさんの手を取り両手で強く包み握手をする。


「にゃんこゲートでいつでもこれるようにするの♪でないとミイちゃんにめっ!されちゃうの♪」


「ありがとう♪ありがとう♪」(ライネス)


ライネスさんに抱きつかれている俺の頭上に歓喜の涙が掛かるが俺はじっとして受けた。













食べた後に横になると牛になると言うがまさに目の前には言葉通りに体現しているドナちゃんがいた。そして、他にもネイちゃんやクリスちゃん等も妊婦さんのようにポンポコ状態になっていた。


「ドナちゃん♪クウちゃんのおにくりょうりどうだったの?」


「も~~~~♪ケプッ♪」(ドナ)


「あははは♪いっぱいたべてくれたの♪またおいしいものつくるからたのしみにしてなの♪」


「も~♪………!もっ!もっ!もっ!も~♪」(ドナ)


仕草でミルクを吸っていいサインが出た!俺はこのミルクには目がない♪みんなが見ているが俺はドナちゃんのおっぱいにしゃぶりついた。


「はむ♪ちゅぱちゅぱ♪ちゅ~ちゅ~♪こねこね♪あむあむ♪ちゅぱちゅぱ♪ペロペロ♪はむはむ♪ちゅ~ちゅ~♪くにゅくにゅ♪」


「€○▼仝□□※ゝゝ¢☆▲〒◎%◆〃仝▼▼●◎▽®♂♂%€○▼ゝ□■ゝ〒£★▼♀◆」(ドナ)


ビクンビクン反応する子牛たんのミルクを飲む俺を見て過剰に反応する外野がやかましい。


「ミイ!!!見てはダメっ!!!!!ちょ!!クウちゃん!!!!」(マリア)


「ぶはっ!!!ミイいかん!!いかんぞ!!!」(セバス)


急いでマリアちゃんはミイちゃんの目を両手で塞ぎ、セバスさんが更に体でミイちゃんを抱きしめ見られない様にする。


「ママ!パパ!ネコちゃんとドナちゃんが見えない!!」(ミイ)


二人が遊んでいると勘違いしたミイちゃんは駄々をこね始める。


「お母さん!!!今だけはお願いです!!!お母さまとお父さまの言うことを聞いて!!!」(ミズチ)


もし、これが俺以外の者なら多少手荒にもミズチちゃんは止めさせたろうが、相手が俺れではどうしようもなかった。


「すげぇ!!クウちゃんのテクが!これで一歳児とは………」(ゼル)


「うわぁ~~ドナちゃんが激しく!!!いやぁ!!クウちゃんのエッチ!!!」(ミーティア)


と言いながらも顔を覆っている指の隙間からちゃっかり覗いているのはバレバレである。


「そうかクウちゃん……そうやって欲求を牛にぶつけているんだな……」(ゼンガー)


欲求?食欲ですよセンガーさん。


「クウちゃんに教わりたいな……うわぁ!!!この牛さん!!!クウちゃんマジパねえ!!!」(団員U)


俺は無視する。今はミルクの時間なのだ!


「むむむ!その若さでその域に!いや!そこはもっとこう!」(ミルコ)


「いやはや♪将来ミイ様は苦労成されそうですな……♪」(バーミリオン)


何故にミイちゃんが?


「なんて羨ましいのってクウちゃん!!!ママはいつでもいいのよ!!!牛よりママにその欲求をぶつけて!!!」(アイナ)


だから!!!食欲!!!それにアイナママの………って今はミルクミルク♪


「ククククククウ!!!!!おまえ!そんな風にせめるのか?あああああ!」(ネイ)


この手探りの事を言ってるのかな?こうしないとたくさん出ないのです。


「これよ!!!クウちゃんが垣間見せる本性!!!絶対に滅茶苦茶にされるんだわ!!!」(ミーナ)


訳の分からん事を………無視無視。


「見てられませんわ!!!クウちゃん嫌々!!!」(セーラ)


セーラちゃんまで何?赤ちゃんが子牛たんのミルクを飲む。微笑ましい光景じゃないか!


「我の全てはクウ様の物だが………あぁ~あの攻めに我は我は!!!」(リディア)


………考えるのも面倒になってきた……


「…………あの時のクウちゃんがまた!!!エッチ!!!!!」(アイシア)


どの時の事?それと何故エッチなの!!!言いがかりだ!


「うっはぁ~………やっぱりお兄ちゃん最強だ♪」(クリス)


最強の定義がよく分からないけどありがとう♪


「みんな!!顔を反らしちゃダメよ!!これに耐えられないようなら私達は諦めるしかないわ!!!」(エーコ)


何を諦めるの?


「うん!!!でもクウ様いゃん!!激しいよ!!」(シエナ)


いや、だから、こうしないと出ないんだって!


「壊れるよ!!!私達違った意味で壊れちゃう」(リア)


「まだあそこまでいってないのに!!!うわぁ~」(ニア)


「三人で同時に行きましょ!!!一人じゃ無理無理!!!」(レア)


…………意味が分からない。


「・・・・・え・・・・・・・・・・・・ち・・」(ルカ)


ん!?ルカちゃん?


「私達が奉仕しないとアイナさんやエーコちゃん達が壊れるわ………みんないざと言う時は犠牲になりに行くわよ………」(お姉さんA)


何かみんな勘違いしてないか?……あっ!なくなっちゃった………


「ぷはぁ~………ごちそうさまでしたの♪ん?………またドナちゃんしあわせなかおしてねちゃってるの♪ロジャーさん♪ドナちゃんをおへやまではこんであげてなの♪」


小刻みに痙攣しながらだらしない顔をして寝ているドナちゃんに手を合わせてごちそうさまをする。


「畏まりました♪お仕事ご苦労様ですドナさん♪」(ロジャー)


ロジャーさんは何名かに指示を出すとドナちゃん専用の担架に乗せて行ってしまった。しかし、お腹が若干タプタプである……2日……いや、3日に一回位にしとこう。何でも取りすぎは良くない。さて、打ち合わせするかな…


「おねえさん♪クイクイ♪」


近くにメイドさんの袖を引っ張る。するとこちらに気がつきすぐに笑顔を向けてくれる。


「クウ様?如何なされました?」(メイドFD)


「きしだんのみなさんによるのえんせいにいってもらうおへやをこれからつくりにいきたいの♪ゼルさんやきしだんのみなさんきてくださいなの!」


その言葉に反応したのはずっと目を塞がれて退屈してたミイちゃんだった。


「ネコちゃんミイも行く!」(ミイ)


もちろん、それをマリアちゃんやセバスさんが許す筈もなく立ち塞がる。


「ダメよミイ!!!ゼル達は遠征に行くの!!!ある意味…ぷっ…男を試される訓練が待ってるの!!しかも!ママの密偵の情報によれば今日が初陣なのが約三名…ぷぷぷ…いるのよ!!!虚勢張ってるけど初めてが元おと………あっははははははは♪」(マリア)


「……ぷっ…………ぷ…ぷぷ………ぷ…………陛下……言っちゃっダメですよ……ぷぷ……」(ミーティア)


最悪な上司と裏切り者がいる。容赦無しだな…二人はもう人目を気にしてなかった。


「あんたね……いつか寝首かかれても知らないからね……」(アイナ)


「密偵ってミーティアお前かミーティア………プルプル♪」(ゼル)


軽くキレてるゼルさん。やっていいと思う。これに関しては…


「なっ!なんのことやら!!!なぁ?」(団員C)


「何人でも掛かって来いですよ!なぁ?」(団員P)


「へっへっ陛下ななな何をおっしゃっるやら!あはははははは♪」(団員Q)


白々しく棒読みな三名がいる。よく見ればまだ20歳前じゃん。まさかの違った意味の新人騎士がいようとは…俺も人の事を言えた義理じゃないが……

しかしマリアちゃんとミーティアさんは最悪だ……なんだろうこのもやもや……あぁ……同士ってこういう事か…


「ミイちゃん♪」


仇はうってあげるよ同士よ!


「行きたい!!ネコちゃん!行きたー…」(ミイ)


「いこうなの♪おへやをつくるところをばっちりみてなの♪」


おててを繋ぎ俺は固まっているみんなを他所にミイちゃんと移動し始める。


「ーーーーーーーーい?……………へっ?いいの?てっきりネコちゃんはダメって言うと思ったのに…」(ミイ)


ポカンとした表情で俺を見るミイちゃんは目が点になっている。その頃になって慌てて動き出すが止まらない俺。


「ちょ!!!クウちゃん何考えてるのよ!!ミイダメよ!!」(マリア)


「いかんぞ!!!クウちゃん気が狂ったか!!!」(セバス)


二人して瞬間エレベータの前に手をひろげとうせんぼをする。その間もみんな思い思いの感想をのべる。


「孫の顔を見たいが早すぎるぞ!!!」(ライネス)


「何を考えているんだクウちゃん!!」(ゼル)


「クウちゃんが今どういう気持ちか俺には良く分かるよ………(あいつらの為にも一矢報いてくれ!)」(ゼンガー)


「クウちゃん君って奴は……ホロリ♪」(団員C)


「俺らの屍を拾ってくれるんだな……」(団員P)


「逆らえない俺らの為に……うぅ♪…」(団員Q)


「あ~ちょっとあれね………」(アイナ)


「軽く切れてるなクウ……」(ネイ)


「陛下やり過ぎです…………」(ミーナ)


「クウちゃんって前世も含めてまだ……ですもんね…」(セーラ)


「お優しいのですが……少々下らなく感じるのは何故でしょう………」(リディア)


「クウちゃん!今日しちゃおうよ!そうすればそっちの枠組みから変わるよ♪」(アイシア)


「アイシアの言う通りよ♪お兄ちゃんおいでおいで~♪」(クリス)


なんか外野がうるさいな。とにかく部屋を作るだけだしお灸を据える意味でも行きますか♪


「さぁ~ミイちゃん♪あいのせんじょうべやをつくりにいこうなの~~~~~♪」


「なんだかわからないけど?うん♪ねっこちゃんと~愛のおっ~へっ~や~♪」(ミイ)


ぎゃあぎゃあと騒ぐ夫婦と周りを無視して俺とミイちゃんは仲良く手を繋ぎ空いてるお部屋へと進むであった。

ふつおたコーナー(MC:たまご丼)


ペンネーム「やり過ぎてしまった王族」さんより頂きました


Q:調子に乗って部下をイジリ過ぎたら地雷を踏んで娘を人質に捕らえられてしまいました。私はどうしたら良いでしょうか。


A:調子に乗っちゃダメダメ!過ぎた事を諦めて今はダメージコントロール!娘さんの為にもここは土下座しちゃえ!やり過ぎてしまった王族さんならいけるいける!というわけでシーユー♪


マ:この通りよクウちゃん!!土下座して謝るわ!だからミイを連れて行かないで!


ミ:ママ……仲間ハズレにしないよ♪ママも一緒に愛のおっ~へっ~や~♪


ク:ちょ!?それだとクウちゃんがひとじちになっちゃうの!


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