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おともだちはたいせつになの

今日も楽園で快適な一日が始まる。引きこもりじゃないが本当にこの猫庭の楽園は快適だ。アーキムさんが言っていたようにこの場を開放出来ればどれだけの人が訪れるか予想がつかないと思う。

そこで俺は朝食の後、会議でアイナママと父にセイギフトへの特使として上手く話を打診してもらえないかお願いをした。まずはこの死の森を起点にして一年と言う期間に何をして何を作り何を楽しむか…

様々な意見を出してもらったが最初はこの猫庭の楽園と東の大陸を繋げようと言う試みであった。ここ猫庭の楽園に東西南北の四つの大陸の人が集う事が出来る場に出来れば面白いと俺は考えている。まず初めの一歩としてセイギフトから交渉を行ってみたい。その為にも俺は双聖神魔法で常時具現化タイプのにゃんこゲートなる物を作ってみた。ただし、この移動扉なんだけど難点があり…半年に一度、俺のフルパワーのマナちゃんを注がないと維持が出来ないと言う点だった。今の所大した問題ではないが設置数が増えると今後面倒になるのではと不安になってしまう…


「死の森の周辺に橋を掛けるのではなく、クウちゃんが用意したゲートを通って出入りを管理が出来るのならマリアも考えるんじゃないかしら…」(アイナ)


「出ないと行きなり王都のど真ん中に他国の暗殺部隊とか送られて来るかも知れないからな…」(ネイ)


物騒な話だが国と言うのは自国の利益に繋がれば道徳など二の次と言うのは当たり前の事だ。二人がそこを懸念するのも無理はなかった。


「じゃあ~アイナママとおとうさんはにゃんこわーぷでおくるからマリアちゃんにおはなしよろしくなの。あと、これをみんなのおみやげによういしたの。それでこっちのふくろはミイちゃんとミズチちゃんにわたしてほしいの。」


お土産に握り寿司を詰めた重箱とアレキサンドライトのネックレスが入った可愛いにゃんこがプリントされている小袋をの2つを父が受け取り亜空間にしまう。


「しっかりと渡そう。帰りはアイナさんを乗せて帰って来るので心配無用だ。」(アストラ)


「それじゃあ~行ってくるわね。クウちゃんよろしく♪」(アイナ)


「いってらっしゃっいなの♪【にゃんこ】わーぷ!」


二人はセイギフト王都の外の門前に瞬時に現れた。その事で王族や貴族などの重役のみが通る門で守衛任務をしていた数名が武器の槍を構えるがアイナママの顔を見るなり警戒を解く。


「今度は旅人風情扱いじゃないのね♪」(アイナ)


「ほぅ♪随分と面白い扱いをなされたようですな…」(アストラ)


守衛の人達は前任者が行った事を把握してるのだろう…苦虫を噛み潰した表情をする。その反応を見て内心安堵するアイナママである。父が万が一でもキレる事があれば交渉どころではなくなるからだ。


「前回は大変失礼を致しました!あの時に就いていた者達全てを死の森の最前線の砦勤務に送りましたのでご容赦願います!」(守衛A)


失礼のないよう畏まり直立したままピシッと報告をする守衛。前回との対応の違いに相当上から言われてるなと想像し前任者一堂を気の毒に思うアイナママである。


「まあ…巻き込まれた他の人は気の毒ね…………用件を言うわね。女王陛下に直接お話したい事があって来たわ。ここを通してくれるかしら?」(アイナ)


普通の者がこんな風に言えば門前払いだがそこはアイナママ。ある意味では女王陛下以上の存在であり、国の礎を築いて来た彼女だからこそ許される態度と言動なのである。


「畏まりました!女王陛下よりアイナ様が来られた際は必ずお通しするようかたく命令されております。至急馬車を御用意いたしますのでお待ち頂けないでしょうか!」(守衛B)


チラッと父を見てからアイナママは判断する。馬車よりも正直二人が軽く駆けた方が何倍も早い。それにあまり待たせて父の機嫌を損ねるのも避けたい。


「5分以上待つなら行くわ。ごめんなさいね。その方が早いから。」(アイナ)


そういう訳ですのでお義父様といった感じで会釈するアイナママに父は軽く手で構わないと手で答える。二人はいちいち言葉に出さなくとも通じあっていた。


「了解いたしました!……………それとこれはあくまで個人的な事なのですが質問宜しいでしょうか!」(守衛A)


突然守衛の男が柔和な態度になったので何か余計な事を言い出さないか心配にはなったが待つ間無視をし続ける訳にもいかずやむ無く答えた。


「…………一応聞いてあげるわ…何かしら?」(アイナ)


「クウ殿は元気で居られるますでしょうか!」(守衛A)


守衛の男の表情はただ気になるとか聞けと上から命令されたと言った顔ではなかった。その顔は友や家族の安否を心配するものに見えた。そのことにアイナママはもちろん父も面を喰らっていた。


「!」(アイナ)


「!」(アストラ)


「ここだけの話ですが我ら騎士団の中にもあの判決に納得のいってない者が多数おります……それに我が妻はクウ殿のおかげで過去に負った怪我で失った髪を戻し…今ては見違えるように心の底から笑顔を取り戻しました。このご恩!いずれ直接会ってお礼を申し上げたいです。ですが……国を守る身で離れる事も出来ず伝える事もままなりません…もし、伝えて頂けるならばデモルとその妻のメルシャが感謝を伝えるその日まで決して忘れぬと伝えて頂きたいのです。」(守衛A)


目の前にいる守衛の言葉を聞き、胸に広がる温かさをアイナママは感じてる。あのサウザンドスネークの肉はいち早くネイの冒険者仲間にも届けられている。

恐らく髪を失って嘆いている者がいるとネイが以前から言っていた者の誰かがこの男の妻なのかも知れない。同じ女性として笑顔を取り戻したこの人の事を考えると気持ちが痛いほど理解出来た。


「分かったわ♪………お義父様?…」(アイナ)


ずっと控えていたお義父様が前に一歩出るので少し驚いたがその顔を見て安心した。


「デモル殿よ。詳しい事はまだ言えぬが近いうちに我が息子と会う機会があるやも知れぬ。我らが伝えるのも良いが出来ればその時に伝える方が良かろう…クウヤは特に頭を撫でられながら誉められるのに弱いからな♪」(アストラ)


父の胸中は晴れやかである。いつの世も人は嫌な一面も持つがこういった瞬間を垣間見せる人を父は愛していた。


「なんと!?クウ殿のお父様でしたか!女王陛下への閲覧と関係ありそうですが……分かりました。その時には妻と共に参らせて頂きます♪」(守衛A)


「馬車の支度が整いました。こちらへどうぞ!」(守衛C)


そんなやり取りをしてたせいか時間に気を取られることなく馬車は用意された。


「出来れば近いうちに会いましょう♪」(アイナ)


「世話になる。」(アストラ)


気持ちよく乗車出来る事に互いに安堵し無事に通り過ぎる。


「開門!!」(守衛A)


「開門!!」(守衛B)


以前の検問とは違い、この国に愛する者と我が子が積み重ねてきたものの片鱗を感じる事の出来た二人であった。









思いきって俺は提案をする。目の前の死の森に狩りに行くことを…ここで旅立ったあの時に比べ俺は成長したと思う。特にサンザンドスネークの着ぐるみ、双聖神魔法、双身魔闘気の三つは俺の主戦力になるスキルと装備だ。このスキルを上手く併用しみんなと力を合わせればいける筈だ…なのでネイちゃんに相談する。


「…………正直…今のクウならこの死の森でも十分にやってけるだろうな……だけどな…」(ネイ)


いつものネイちゃんではない。冒険者のネイちゃんと俺は相対してる。


「えんりょなくいってなの…」


「………実戦経験の無さがクウの弱点でもある。いくらクウのスペックが人のそれを越えてるからって状況によっては対応出来ない事だってある。だから、狩りに出るなら条件がある。」(ネイ)


パーティーを組む以上ごり押しだけではやっていけない。その瞬間に求められる判断がある………その積み重ねて来た経験が俺にはない…これは冒険者には致命的と考える…駆け出しなのだ俺は…いくらスペックが良くても効率を考えなければ…


「おしえてほしいの…」


「パーティーリーダーはあたいにする事。メンバーはあたい、クウ、リディア、クリスの四名。あたいとクリスが前衛、リディアが中央でフォローと回復、クウが後衛で支援。狩りの範囲は石碑から10キロ圏内。あたいが撤退を命じたらどんな場面でも逃げる事。これを飲むならあたいはいいぜ…」(ネイ)


この場合の撤退命令とは仲間を見捨てても逃げろとネイちゃんは示唆(しさ)している。冒険者は常に死と隣合わせ……守れるだろうか…もし三人のうち…誰かを置いて行くことになったとしたらその時に俺は………………無理だ………


「ごめんなさいなの………てったいだけはやくそくできないの………かりはやめるの……」


この差が駆け出しとベテランの差なのかも知れない。俺は答えにすら時間が掛かった。これがモンスターとの戦闘中なら終わっている。ガックリと意気消沈する俺である。


「そうか……それも正しい判断だクウ。一番最悪なのが出来もしない事を言ってピンチの時に周りの足を引っ張る事だ。ここは死の森だ。その報告に偽りがあれば仲間を殺す。だから、クウの決断をあたいは尊重するぜ。」(ネイ)


そんな顔をするな!とでも言った感じで俺の頭を優しく撫でてくれるネイちゃん。いつもの顔に戻ってしまっている。


「りょうかいなの♪クウちゃんここにしばらくいるの……」


ほんの少しでもいいから一人で考えたかった。


「そうか……あんまり自分を責めるなよ。じゃあ、あたいはアイシアの所に行くからまたな♪」(ネイ)


「またね~なの………」


数多くの冒険を経験をして来たネイちゃんの判断は事実のみを突き詰めたドライな考え方ではあるが俺にとっては説得力のある言葉だった。

この後…俺が一人で森に入ったらみんなから大目玉を喰らう処では済まないだろう……なら…せめてイメージトレーニングでもしてみよう………

一階のロビーにいた俺はそのまま外に出る。ここはミーちゃんが作ってくれた石碑が置いてあるせいでモンスターが近寄って来ない。父の臭いが残っているせいもあるが…

タマちゃんのボンネットの上にちょこんと座り索敵を発動させる………いた!………!?………………これって………も~も~♪の小牛たん?あのよく牛乳のパッケージに描かれている絵のような真ん丸な可愛らしいシルエットが見える…………なんでこの森にこんな小牛たんが生息してるんだ?

索敵で捉えた小牛たんは小型でママチャリ位の大きさでここから5キロ先の森の中でポツンと呑気に草を食べていた。

ここに12年も住んでいたけど見た事がなかった。父が月に一度狩りに行くが持ち帰って来たモンスターにもあんな小牛たんを見掛けた事は一度も見なかった……では……たまたま父の狩りから逃れてた?いやいやいや有り得ない………この森に最近捨てられた?結界が張られていて侵入出来ないのに?……………気になる………そもそもどうしてこの森であの小牛たんが無事に生きていられるんだ?

更に30キロ先に進んだ場所では巨大グリフォンらしきモンスターや強そうな龍までいる。そう、この森ならこのレベルの生物じゃないと生き残れないはずなのに……俺の興味は完全にこの小牛たんを捉えていた。

さて………どうしたものか……倒すのは恐らく簡単だろう……だけど、俺はこの牛さんを生け捕りにしたくなっていた。どうやって生け捕りにするか…ペロの罠だと他のモンスターも呼んでしまうからパス……なら、こっそりと近寄る?いや、石碑から100メートル以上は単独では行かないようにと会議で決まっている。なら、ここになんとか誘き寄せるしかない。釣りだ!単純な方法だがそれしか思いつかなかった。俺は早速植物想造スキルで強靭な竹竿を一本作る。クジラでも釣れる強度の竹竿だ!そして、釣糸だが俺はクリスちゃんを宛にして探す為にタマちゃんの中へと再び入る。そして、ロジャーさんを呼びお願いする事10分程でクリスちゃんは俺の所に来てくれた。


「わがいもうとよ~♪おにいちゃんをおねがいをきいてほしいの~!ヒシッ♪」


クリスちゃんの腕にコアラのように張り付く俺はお願いする。


「何々?お兄ちゃんが私にお願いなんて?いつも美味しいご飯にもふもふさせてくれるからいいよ♪」(クリス)


「ありがとうなの♪いいこ~いいこ~なの♪」


腕を木登りのように上がり肩に着くとそこから頭をナデナデする。少し耳に触れたせいかくすぐったそうにする。ふー♪とかしたくなるけど自重自重。


「きゃっ♪♪えへへへ♪」(クリス)


「まえにクリスちゃん、くもさんになっていたことがあったの!だから!いとをだしてほしいの♪」


クリスちゃんの肩の上で両手を合わせて目を瞑りお願い!のポーズをして頼み込む。


「いろんな場所から出せるよ♪口からでも指先からでもお尻からでも♪ふふふ♪お兄ちゃんならお尻から出す所を見せて上げてもいいよ♪」(クリス)


舌を出してペロリとする。顔が間近にもあり、そんな事を急に言うなんて反則なのだ!


「きょうだいでそういうことはめっ!なの!」


ペチッ♪とめっ!をするとクリスちゃんは頬を膨らます。


「ずるいよお兄ちゃん!」(クリス)


「ずるくないの?………ん?…なんのことなの?………」


急に話を切り替えられた上に俺は心当たりがなくキョトンとする。


「リディアお姉ちゃんから聞いたんだから!お兄ちゃん、お姉ちゃんやアイナ達とは子供作るのを約束してるのにクリスは仲間はずれなの?……ねえ…お兄ちゃんはクリスじゃ嫌なの……」(クリス)


半泣きで訴えてくるクリスちゃんにまたまた子犬の幻影が……


「きらいじゃないの!ただ…あれは………あぅ~」


「じゃあ、クリスとも約束ね♪」(クリス)


正直……もう一人や二人…いや…多分何人増えた所で既に現状は変わらない……なら……


「わかったの。ただ……その……おにいちゃんのつごうがあるから…いつつくるかはわからないからまっててほしいの……」


もじもじしなから顔を反らす俺だがクリスちゃんはその一言が聞ければ十分みたいだ……


「お姉ちゃんやアイナ達の後でいいよ♪順番があるみたいだから♪」(クリス)


予約制なの?………


「あっ!?はなしをもどすの。クリスちゃんにつりにつかういとをだしてほしいの。」


「釣りならクリス得意だよ♪お兄ちゃんもクリスと契約したなら糸をもう出せる筈だけどいいよ♪だけど、何を釣るの?あの池で釣りをするの?」(クリス)


「ちがうの。ここから5きろちてんになぞのうしさんをはっけんしたの!そのうしさんをいけどりにしたいから、おにいちゃんはつりでここまでひきよせたいの!」


提案に対しクリスちゃんもほんの少し間を開けて考える。それに対する答えは至極当然の問いだった。


「直接捕獲しに行ったら駄目なの?……あっ!会議でも言ってたね…」(クリス)


「ここはきけんなもりだからめっ!なの……ほんとうにすごいもんすたーばかりだからクリスちゃんもひとりでいっちゃめっ!なの。」


再度クリスの頭をペチッ♪とする。実際はもふっ♪と感じるらしいが…


「う~~ん…(なら、みんなを集めて行けばいいだけだと思うけど……むふ♪お兄ちゃんを教育したいし、いい機会だから黙っておこう♪)…分かったよお兄ちゃん♪それで糸なんだけど、そんなに大きなものを釣るならお尻から出す糸じゃないと無理だよ♪………うふふふ♪…」(クリス)


クリスちゃんのする笑顔を俺はこれまでに何度も見てきてる。危険だ!こういう経験だけは冒険者としての経験より貯まっている事に俺は何か釈然としないものを感じる…


「…なんなんのクリスちゃん…クウちゃんのだいろっかんが……」


「一人じゃ糸を巻けないからお兄ちゃんに手伝って欲しいな♪」(クリス)


お尻から糸を!?それを俺が!?


「ぶはっ!!!それならおねえさんたちに!」


「ならクリスは帰る!それにお兄ちゃん!これ位でおたおたしてたらいつまで経ってもお兄ちゃんと子供作る順番が回って来ないよ!みんなが言う通り耐性付けなきゃめっ!」(クリス)


ツンと人指し指で優しくおでこをつつかれた。


「ぬぅ~……わかったの。おふろにいこうなの。」


「そうよお兄ちゃん♪その一歩が大事よ♪」(クリス)


とんでもない事になってしまったがクリスちゃんの言う通り!こんな風に経験出来るだけ有難いと思わなきゃ世の男に呪い殺されるよ。肩に乗っている俺をクリスちゃんは抱っこし直すと大浴場へと足を運ぶのだった。









念の為にメイドさん数名にも来てもらい脱衣所で待機してもらっていた。そう、俺とクリスちゃんは大浴場で糸巻きを開始する。


「お兄ちゃん、このマイクロビキニどう♪」(クリス)


リディアちゃんが着てた色違いのマイクロビキニに着替えたクリスちゃんはその場でクルッと一回転して見せてくれるが俺は面を喰らう。


「ぐはっ♪…なっ!?なんでクリスちゃんびきにきてるの!!」


「だって~♪お兄ちゃん裸だと逃げちゃうだろうし、この水着って言うのお兄ちゃん大好きなんでしょ?アイナ達が言ってたよ♪」(クリス)


猫ちゃまふぁみりーの間では俺は水着フェチになっているようだ……反論したいが俺自信…何故水着に対してこんなに胸が高鳴ってしまうのか理解出来ないのだ。


「それにかんしてはクウちゃんもじぶんのことながらよくわからないの!……いまはとりあえず、いとをまきまきするの!」


別の意味でも恥ずかしい……何せ…みんなの間では水着フェチとして認知されてしまったんだから…


「お兄ちゃん顔が真っ赤で可愛い♪じゃあ、お兄ちゃんのリクエストの丈夫で細長い特製の糸を出すから優しく引っ張ってね♪」(クリス)


クリスちゃんは立ったままやや腰を落とし両手を浴場の壁につく。その後ろ姿は凄くセクシーでクラクラする!俺がもし普通の大人だったらヤバかったかも知れない……そして、クリスちゃんの力む声が艶かしくてますます俺の中で何かが高まってくる……


「ふっ……ん~~~~~~んっ♪あっ~~~!…そろそろ出るよ……あっ!出る出る出る♪…」(クリス)


ちょっと待って!!!!クリスちゃんはお尻から糸を出すと言ってたけど、下にパンツを履いたままでこのままじゃ糸を出せない!切羽つまる声に俺は自分でも信じられない行動に出る!


「ごめんなさいなのクリスちゃん!えいっ!!€○▼♀□°〒®▲▲○▼々仝ゝ°€◎@〒♀!!!」


クリスちゃんの履いている面積の少ないパンツを横にずらす。もうこの時点で俺は声にならない呻き声を出していた。目の前にはあられもない姿のクリスちゃんが艶かしい声を出している。俺も一応は男子だ!!!この状況で反応しないほど鈍感ではない………


「お兄ちゃん……糸を優しく引っ張って……ん♪」(クリス)


お尻から透明な糸が少し出ていたのでそれをゆっくりと引っ張る。染み一つない綺麗で張りのあるお尻。俺は多分どうかしてたんだろう………真ん丸のお尻間近で見ていて…つい……


「€○▽仝♂◎€○!?お兄ちゃん!?」(クリス)


「…………………………はっ!?クウちゃん!?いったいなにをしてるの!!!!!ごっ!ごめっ!ごめんなさいなの!!!!!」


はい………思わず空いてる片手でクリスちゃんのお尻を鷲掴みしてしまいました。その柔らかな弾力と得も言えぬ感触と余韻に我を一瞬忘れかけた…


「いいよ♪お兄ちゃん♪ん~~♪………だけど……ん~~~♪糸を出してる………最中だから……ふぅふぅ~~……優しく触ってね♪」(クリス)


「ちがっ!!ちがうの!!つい!」


「ダメだよお兄ちゃん……アイナ達……ん♪………真剣だよ………ん♪」(クリス)


その一言が混乱してる俺を一気に冷まし響く…そして、心の何かが変化を起こす…


「アイナは特に………お兄ちゃんへの愛と………ん~~~♪……赤ちゃんへの渇望が……凄いんだよ………後もうすこ~~し……」(クリス)


艶かしい声を出しながらも頑張って糸を出すクリスちゃんは俺に諭すよう言う…


「逃げちゃダメだよ……お兄ちゃん♪……いや、メイ♪……生まれ変わった………貴女なら命の素晴らしさが分かる筈よ♪……ふっふ~…ん~…」(クリス)


こんな状況にも関わらずその一言一句が俺の頭に直接響く…


「命は奇跡なんだよ………その命は愛を重ねて生まれてくるの♪………ん~~………その時に自分の恥ずかしいところや弱い自分だって見せるよ……でも…だから素晴らしいのよ…お兄ちゃん♪」(クリス)


汗だくになってこちらを振り替えるクリスちゃんの笑顔に俺は心打たれる…


「お父さんのような紳士を目指すなら尚更逃げちゃダメ……その心の内にしまいこんだものに向き合って………ん~~~~~~~~~~~~~~♪ふぅ~…お仕舞い♪これだけあれば糸、大丈夫だよね♪」(クリス)


……………言葉が出ない…俺には勿体な過ぎる妹だ。俺の中にある前世も含めれば64年間で培った貞操観念が変化し始め出したのは今日この日のこの時の出来事が切っ掛けであると後の俺は知る。














「うりゃ~なの♪………………よ~し……こいこいなの♪」


俺とクリスちゃんは外に出て一緒に釣りをしている。そう、クリスちゃんのおかげで見事な糸を完成させた俺は竹竿に具現化で出したクジラでも釣るの?とでも言わんばかりのリールを固定化し組み込み一本の見事な釣り竿を完成させた。そして、植物想造で生み出した最高品質の干し草を糸に巻き付けて小牛さんのそばに投げ飛ばした。


「様子はどう?」(クリス)


「むむむなの………けいかいしてか…ほしくさのまわりをうろうろしてるの………だけど、はなれないから…たべたくてがまんしてるとおもうの♪」


「我慢比べだね!」(クリス)


「なの♪すこしちかづいてきたらいとをまいてこちらにおびきよせるの♪」


「そしたら、私の影縫いで捕らえちゃおうよ♪」(クリス)


「むむむなの!!うしさんがだんだんちかよってきたの♪い~と~まきまき♪い~と~まきまき♪ひ~て~ひ~て~とんとんとんなの♪」


「何その歌♪あははは♪い~と~まきまき♪い~と~まきまき♪ひ~て~ひ~て~とんとんとん♪」(クリス)


二人で仲良く歌いながらも徐々に小牛との距離を縮める。そうして永遠と繰り返し距離を詰め……後800………………600………………400………………200………………100!見えた


「お兄ちゃんはそのまま引き付けて!回りをこんで影縫いで捕らえる!」(クリス)


俺の横で座っていたクリスちゃんは颯爽と駆け出して行く。そして、俺は慎重に糸を巻く…


「おねがいなの!い~と~まきまき♪…」


目視出来る距離まで近づいて来た小牛たんは可愛いかった。デホォルメした白と黒の模様を持った牛のぬいぐるみのような容姿に愛らしくつぶらな瞳。真ん丸で短い足にお腹には大きなお乳を付けていた。クリスちゃんも小牛たんをチラッと見て瞳がハートマークに変わっていた。


「あはは♪抱きつきたいよ~♪……………今だ!!影縫い♪………成功よブイ♪」(クリス)


小牛たんの後ろを取ったクリスちゃんは口から毛針らしき物を小牛たんの影に放つと小牛たんはピタッと身動きが取れずに立ち止まる。ドヤ顔でピースをするクリスちゃん。お手柄である。


「【にゃんこ】こうそくい!これでほかくかんりょうなの♪」


未知の生き物故に見た目に油断されずに拘束する。念の為である。


「も~!?もももも!?も~も~も~!!!…………も~!!!!!!………もっもっもっ!?……………も~…………………ウルウル♪………ブルブルブル♪」(小牛たん)


小牛たんは自分の置かれた状態に気がつき逃れようとするが鳴き声しか上げられず段々と大人しくなると同時に円らな瞳に涙を貯めて小刻みに震えるのであった。


「りあるどなどなをまさかみるとはなの……………」


「どなどなって何お兄ちゃん?」(クリス)


「おにいちゃんのしってるうたのなかにうられていくこうしたんのうたがあるの。それがどなどななの。」


「じゃあ………あんたの名前はドナドナね♪」(クリス)


「もも!?も~………しくしくしく♪」(小牛さん)


ちょ!!待って!って顔に俺は見えた……捕まえておいてなんだが哀れである。


「ながいからドナちゃんにしようなの♪」


「お兄ちゃんのペットだし、クリスは構わないよ♪良かったねドナ♪少なくとも食べられる心配はないみたいよ♪お兄ちゃんが見つける前だったらクリスが食べてたかも…………ジュルリ♪………」(クリス)


「もも!?も~も~も~も~!!」(小牛たん)


俺の方を見ながら「うそ!?た~す~け~て~!」って言ってるように見える……しかし、見れば見るほど変わった牛さんだ。絵本や漫画の中から出てきたと言っても過言じゃない容姿に人語を理解しているようにも思える………


「いじめちゃめっ!なの。とりあえずタマちゃんのなかにはこぶの♪【にゃんこ】わーぷ♪」


「やだな~お兄ちゃん♪クリスつまみ食い…ギュルルルル~♪なんて…ギュル♪するわけ…ギュルギュル♪ないじゃない♪」(クリス)


………………さっきまで好感度ウナギ登りだったクリスちゃんに俺は白い視線を送っている…


「もし…ドナちゃんにてをだしたらクウちゃんいえでするからめっ!なの。」


「あはははは♪我慢出来なくなった時はお兄ちゃんに言うから美味しいご飯頂戴♪」(クリス)


目覚めが悪いからもちろんご飯を出すよ…ただ…今夜はレストランホールで牛のお肉は食えないな…


「それならまかせてなの♪いいこ~いいこ~なの♪」


「えへへ~♪じゃあ~中に戻ろ♪」(クリス)


「なの♪やることいっぱいなの♪」


本当の意味で可愛いペットをゲットした俺はウキウキな気分でタマちゃんの中に入るのであった。














ペットと仲良くするにはまずは餌付け。釣り餌にしてた干し草を無駄にするのも惜しいのでドナちゃんに与えてた。もぐもぐする子牛たんってなんてらぶり~なんだろ♪


「かわいいの~♪よくかんでおたべなの~♪」


「むぅ~お兄ちゃん!クリスにもご褒美に何か頂戴!」(クリス)


いや…ペットに嫉妬しないでよクリスちゃん。だけど、今日はクリスちゃんには大事な事を教わったし、ドナちゃんの捕獲にも手伝ってくれた。ならば少しはご褒美を与えないとね♪


「いちごあらもーどなんてどうですかなの?」


「あれ出してくれるの!!!!うんうんうん♪♪♪♪やった~~♪♪♪」(クリス)


病み付きになるから毎回出さないようにしてるせいなのか、クリスちゃんが飛び跳ねながら大量のハートを撒き散らす幻視が俺には見えた。こうまで喜ばれると俺もついつい甘やかしてしまい2つリュックから取り出した。


「うんしょなの………せんようのおさらのうえにおいて………おねえさん、ひをつけるどうぐをもってきてなの。」


「畏まりました。」(メイドF)


「もっ!!!!も~も~も~♪」(ドナ)


目をキラキラと輝かせてこっちに何かを訴える………まさか食べたいの?牛って苺を食べるっけ?スリスリ♪と甘えておねだりをする様子を見てクリスちゃんは苺アラモードの前に立ち塞がる。


「クリスだってまだ一度しか食べた事がないのに…………この2つはクリスのなの!」(クリス)


半泣きで嫌々をするクリスちゃん。………仕方がない。おぼんでさらに増やして宥める。


「けんかはめっ!なの♪みんなでなかよくたべようなの♪」


「ごめんなさい……でも…ドナに上げるのは勿体なくない?」


その言葉にドナちゃんは首を落とししょんぼりとする。ドナドナのBGMが聴こえてく~る~よ♪


「めっ!なのクリスちゃん♪このねこにわのらくえんにまねいたからにはドナちゃんもおきゃくさまなの♪それにみんなでなかよくたべたほうがおいしいの♪はい、ドナちゃんの♪おくちにあうかわからないけどたべてみたいの?」


「もも~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪」(ドナ)


首をロックバンドの首振りが如く……ぬぉ!?…残像が残って首が2つに見えるよ……ドナちゃんは人語を理解するモンスターみたいだ。


「お兄ちゃん…………ドナって…………」(クリス)


流石にクリスちゃんも気がつき怪訝な顔でドナちゃんを眺める。


「ドナちゃんにききたいことがあるけど、いまはでざーとをたべようなの♪はなしはそれからでもできるの♪」


「も~♪」(ドナ)


「お待たせ致しました。こちらをどうぞ♪」(メイドF)


メイドさんからライターを受け取り準備万端の俺はドナちゃんの為にホォークで苺たんを刺して食べさせてあげる。


「ごくろうさまなの♪それじゃあ~ドナちゃん♪あ~~~んなの♪」


見た目と違いちっちゃっなお口を開けて苺の半分を食べたドナちゃんは歓喜にうち震えてポロポロと涙まで溢してこいる。


「おくちにあいますかなの?ふふふ♪そんなによろこんでくれるとクウちゃんうれしいの♪」


返事はしない代わりに首を縦に振る。良かった♪子牛たんとは言えども嬉しいものである。ドナちゃんは知能が高いみたいだ。

こちらの言葉は完全に理解しているし、人に対する警戒もあまりない。苺アラモードに舌鼓(したづつみ)をしているドナちゃんに俺はこっそりと鑑定をしてみる…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【名前】?

【年齢】?

【性別】?

【種族】?

【クラス】?


【レベル】?

【HP】?

【MP】?

【力】?

【技】?

【耐久】?

【敏捷】?

【魔力】?

【運】?

【魅力】?


【スキル】


【アビリティ】


【加護】


【契約】


【アイテム】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「(なっ!?…………なんだこれは………)」


一匹と一頭はデザートに夢中でこちらの動揺に気づいてなかったが、後ろに控えていたメイドさん達は俺の様子を察しドナちゃんに対する警戒を強めていた。俺の鑑定スキルはリディアちゃんから献上されたLV5の最高ランク……それでも詳細不明とくれば尋常でない。ドナちゃんはよく俺が言われている台詞を用いるなら…一体何者なんだ?と問い質したくなる……


「ツンツン♪」(ドナ)


余りの旨さに鳴き声を発する事の出来ないドナちゃんは「次の苺を食べさせて♪」とキラキラした瞳でおねだりをする。我に返った俺は平静を装いながらもやはり可愛い子牛たんを愛でる。


「………なの!?……ちょっとぼーとしちゃったの………あ~~~んなの♪」


「パクッ♪~~~~~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪」(ドナ)


あらま♪ニコニコした顔でこちらもハートを撒き散らした幻視が見える。…優しく撫でながらドナちゃんを見つめる。

俺の直感では危険はないと思う……ただ……どうも、このドナちゃんとの巡り会わせは何か意図………そう、思惑(おもわく)を感じる………あくまでも勘なのだが、みんなと相談して今後の事は考えよう。

それまでは俺はこの可愛いドナちゃんを愛でよう♪俺が小さいせいもあり、このサイズのドナちゃんは普通サイズの牛さんに見える。

しかし、本当に漫画に出てくるようなデホォルメされた子牛たんだな♪俺が愛でている間に最後の苺ジュースまで飲み終わり至福の表情で横たわるドナちゃん。

寝ると牛になるよと良く言うがまさにそれである。


「ふふふ♪しあわせなおかおなの♪………!………………ふふふ♪パクッ♪」


お腹にあるおっぱいに思わず俺は口に入れて見た。ドナちゃん汚くなかったし、そもそも動物っぽくなかった。


「!!!!!!!!!!!!もっ!?◆£〒▽★○◎〒〃°□£〒▲▲♀◎£」(ドナ)


なんと!!!!!美味しいじゃないか!!!うん!!いけるよ!これ!俺は一心不乱にしゃっぶりつく。チュウチュウと優しくだが俺はドナちゃんから溢れでるミルクを飲む。幸せだ~♪


「お兄ちゃん!!!なんかドナがピクピクしてるよ!!!って聞いてない………うわぁ~~♪やっぱりお兄ちゃんってそっちの才能もあるよ………糸を出す時だってホントは…………♪」(クリス)


「凄いうらやま…………んっんん♪……」(メイドF)


みんなこちらを赤らめながら見ているが俺は今それどころじゃない!もっとミルクを出す為に乳を揉みほぐしたり、さすりったりと必死にあれこれとやっていた。

特にドナちゃんが激しくピクピクするとミルクがたくさん出るので俺はその反応を手探りに試行錯誤していた。

そして、20分ほどで完全にミルクは出なくなり飲み足りない俺はしょんぼりとする………


「もうおわりなの………けぷっ♪……きめたの!ドナちゃんのミルクはクウちゃんせんようにするの♪おいしいものをこれからもいっぱいあげるからよろしくなの♪………ん?ドナちゃんだらしないおかおでねちゃっているの……そうなの!!ロジャーさんをしきゅうよんでなの!ドナちゃんせんようのおへやをつくるの♪」


「畏まりました♪」(メイドF)


一部始終を見てたクリスちゃんはドナちゃんに価値を見いだしていた。


「ドナ…………これからも頑張って……あなたのおっぱいはクリス達の将来へと繋がっているわ!…ごめんね…だから…貴方の犠牲は忘れないわ……ホロリ♪」(クリス)


だらしない顔で伸びているドナちゃんを見てほんの少しだけは食べようと思っていたクリスちゃんだが、ドナは俺への大事な存在になる為に食べるのはよそうと決めるのであった。









俺達の部屋の隣にドナちゃん専用のお部屋を用意してもらった俺は中へと入る。ちなみに今ここにいるのは俺とロジャーさんとドナちゃんの二人と一頭だ。

クリスちゃんはドナちゃんを見ていたらお肉が食べたくなったと物騒な事を言い残して食事に向かってしまった。


「御要望通りに全て牛専用の宿泊施設に整えました♪」(ロジャー)


「も~♪もっ!?もももも!!!!も~~♪」(ドナ)


「やりすぎかんがすごいの!でも、ドナちゃんはよろこんでいるみたいたからおっけ~なの♪」


俺はてっきりセイギフトでサウザンドスネークを狩る切っ掛けを作ってくれたルゥちゃんの契約モンスターのブルマちゃんが寝泊まりしてるような馬小屋のようなものを想像してたのだが…

目の前にあるのは牛専用の物ばかりでいくつか目を引くのがあった。まずは牛専用バスルーム。ドアが回転式になっており中に入ると自動で照明が付く。

浴槽はドナちゃんの背丈に合わせた深さで湯船に浸かり座ると丁度首の下に来る位なのだ。しかも、ちゃんと首を乗せられる台が作られており、ここでマッタリと出来そうである。

そして、車の自動洗車機のような牛洗浄機なる物まであった。更に!バスルームから出る時は回転式の扉で適温の温風が吹き付けてあっと言う間に乾かしてくれる。いたせりつくせりなお風呂である。

次に紹介するのはベッドだ。大きな円状に広がったベッドでドナちゃんがあと八頭はいても余裕のサイズである。俺のもふもふ魔法で生み出されたベッドでドナちゃんに快適な寝心地を与えてくれるだろう。

そして、これは大事な事だがトイレだ。こちらも回転式の扉から中に入りそこで用を足すのだが人の位置とは違う高さと角度のついた吸引機のような便座があり、ロジャーさんがあれこれと説明してくれる。


「いいですかドナさん。大きな方を出す場合にはこちらの便座に押し当てて下さいね。」(ロジャー)


「もっ♪も~~?」(ドナ)


「そうそう♪後はそのまま用を足せば自動で綺麗にして洗浄から乾燥までしてくれますので♪分かりましたか?」(ロジャー)


「も~♪」(ドナ)


「結構です♪小の方は…」(ロジャー)


漠然とだが思ってしまった。俺は何を見てるんだろうと……牛のトイレの使い方をレクチャーするイケメンにそれを真面目に聞いて首を振り仕切りに反応する牛を眺める一歳児………凄い絵面(えづら)である。


「!?…クウ様如何なされました?」(ロジャー)


「も~?」(ドナ)


「なっなんでもないの♪あはははなの♪」


世の中は広いと思った瞬間であった。最後に気を取り直し紹介する。なんと!シアタールームである。ドナちゃんはちゃんと人語を理解し感情がある。

ならと暇な時は俺の情報にあったドラマやバラエティー番組にアニメや映画等を大画面TVで見られるようにと用意したのだ。ちゃんと大きなタブレットが置いてあり、つつけば選択できる仕組みになっている。

しかも、部屋の隅には新鮮な野菜が置いてあるサラダバーにドリンクコーナーまで設置してある。ここまで来ると高級な漫画喫茶のように見える。なのでつい言葉に出してしまった。


「まんがきっさみたいなの………」


「500階にこれと同じ施設が御用意して御座います♪そちらにも近いうちに足を運ばれてはいかがでしょうか♪」(ロジャー)


マジっすか!!ボッチに漫画は必須アイテムなの!俺の場合だけどね。


「いくいくいくの!!!ぜったいなの♪♪♪」


「も~♪スリスリ♪」(ドナ)


良かったね♪と言った感じで一緒に喜んでくれるドナちゃん。改めて思うが可愛い♪しかも感情がしっかりと伝えてくるからより愛でてしまう。


「あっそうでしたドナさん………」(ロジャー)


「も?」(ドナ)


いつもの優しい笑みに陰りが見えるのは気のせいだろうか……少しだけ手に汗を握る。ドナちゃんも野性の勘だろうか?不穏な空気をかぎとる……


「ここは仮にも猫庭の楽園と呼ばれるホテルです♪なので宿泊料金にクウ様に直接献上するミルクで支払って頂きます♪無理にとは言いませんので♪ええ♪」(ロジャー)


「も~~~!!!!!!!……………………ガクッ♪しくしくしくしくしくしくしく♪」(ドナ)


怖い人だ……ここまでアメを与えておいてムチをここで……自発的に契約させる。だけど、このお部屋を借りるとしたら安すぎるのか?……なんかドナちゃんの涙を見てていたたまれなくなってきた…


「ちょっとかわいそうなの……ロジャーさん…ドナちゃんはクウちゃんのペットだし…」


俺の為なのは分かるよ?でも、これはいくらなんでも可哀想だ…それに俺がこれからドナちゃんのミルクを貰うのが出来なくなる。


「も~………」(ドナ)


ウルウルした瞳で何かを訴えるドナちゃん。


「まあ、そうなので御座いますが、それなら藁小屋に平野と池を用意しとけば問題ないかと♪」(ロジャー)


ペットだもんな………嫌々!俺がドナちゃんの立場ならダメだ!


「も~!!!!!!しくしくしく♪」(ドナ)


この世の終わりの様な陰を背負い始めるドナちゃん。いかん!もう限界だ!


「めっ!なのロジャーさん!クウちゃんがそんなのみとめないの!ドナちゃんもだいじなクウちゃんのおともだちなの!ぺっとはやめなの!これからはしつれいのないようにあつかうの!」


「畏まりました♪」(ロジャー)


「も~~~~~~~~~~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪♪スリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリスリ♪コロン♪」(ドナ)


ドナちゃんは仕切りに俺にスリスリをした後、自分から横になりおっぱいを差し出す……アメとムチを使い思考誘導に成功したロジャーさんはドナちゃんを上手く乗せて微笑んでいる………うぅ………でも、みんなこれで納得した形にまとまった事だし……俺は黙ってミルクを頂くのであった。けぷっ♪


ふつおたコーナー(MC:たまご丼)


ペンネーム「も~♪」さんより頂きました


Q:も~♪もも~♪ももも~♪。も♪もっももも~♪。


A:……………………また、このパターンか………………もっ!ももも!もっももっも~~♪これでいいか!も~♪帰る~~~~!


TV:みんなの童謡………あ~る~はれた~ひ~るさがり~…


ド:しくしくしく♪


ク:そのばんぐみはみちゃらめぇーーーーーーーー!よしよしなの……(えぐいの……みんなのどうよう…)


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