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おとこのこなの

「しくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしくしく♪」


この世界最強の父をここまで凹ます事の出来る存在は俺位な者だろう………


「おとうさん!そろそろなきやむの!」


「だってあんまりだぞクウヤよ!!!父はしばらく立ち直れん!!リディアさんにも謝るんだ!」


「アトラス様!!うぅ~~あの痛みを理解して下さいますか!」


「あぁ~同士よ!!いくらなんでも蟹はなかろう……」


二人でひしっと抱き合ってるし案外仲良しさんなのか♪


「ふふふ♪なかよしさんになってクウちゃんうれしいの♪」


「「かにはあんまりだ!!」」


やっぱり仲良しさんだ♪


「お義父様とハモッてる・・・」


「オヤジさんにリディアも傷は深そうだな……」


「被害者の会ね・・・」


「世界最強のかにでしたわね・・・」


「龍蟹?蟹龍?どっち言えばいいのかな?」


「あの~~ここです………到着致しました………」


森の奥にある岩穴の洞窟を利用したアジトのようだ。入り口には見張りが二人立っており、こちらに気付き怪訝な顔で見回してから仲間に問い質す。


「おい!何てめえら獲物に縄もしないで連れてきてんだ!」


「ボスも何やってんだ………たくよ~~またアジトに来る前に味見かよ♪おっ!?そっちのエルフは俺の女にするからとっとと…………オールラウンダーのアイナ様じゃねえか!!」


「とりあえず死になさい♪」


瞬時に距離を詰め二人の間に立ち、素手で男二人の頭を握り潰す。

そして、水魔術で綺麗に手を洗い流しハンカチで拭く。あっと言う間の出来事に目を奪われた。

凄い…アイナママは強い!どれ程修行を重ねればこの領域に辿り着けるのだろうか………


「ほう♪お見事ですなアイナさん♪早速、消費MPを抑えた魔闘気に見事な発勁はっけいですか♪腕を抜刀に見立てた居合い抜きも少々取り入れてますな…」


父の説明がなければ分からない事だらけだ。


「ひゅう~♪相変わらず姐さん技が冴えてますね♪」


「魔闘気か・・・セーラ!私達も覚えるわよ!」


「はい!お姉さま!」


「速い!我なら四手まではかわせるだろうが………」


「ひゃ~~流石はアイナ様だ!ぐっちゃっぐちゃだよ……おえっ……」


「おばかさんなの………このじょうきょうをすこしかんがえればわかりそうなものなの………」


震える山賊達。抵抗の意識の欠片も今は残っていないだろう。

余計な事を喋らない処か目線すら合わせようともしなかった。


「なかをねんのためにさくてきするの!えいっ!」


索敵スキルでざっと洞窟内を調べる。隠し扉等は1つもない…鎖に繋がれた女性が六人……小柄だな……猫人族か子供?

……この状態は……また外道がここにも……宝物庫が一つに食料庫も一つ……後は大広間で待機してる山賊が20人程度だな……他に目ぼしいものはない。

ああ……このどす黒い感情がまた……


「じょせいがろくにんくさりでつながれていて、おおひろまにおとこが20にんたいきしているの。」


それを聞いた山賊の一人が怯えながらも話す。


「仰る通りで…中をご案内します。」


山賊全員を先頭に歩かせそこそこ広い洞窟の道をゾロゾロと歩く。

すぐに大広間に辿り着き中の山賊達がこちらに気がつき怪訝な顔をしながら俺達を迎え入れる。


「ボスはどうした?………それに数が少ねえじゃねえか。」


父がゴミを見るような視線を向け淡々と男達に語り始める。


「ここにいる奴等以外は皆殺しにした。貴様らの処分は我が息子の一言で全て決まる故、心して待つように……一言だけ忠告しといてやる…貴様らのせいで我は非常に不愉快な目にあった………二度目は例え我が息子が止めようとも我は止まらぬ故に覚悟するが良い…………しくしくしくしく♪」


後半が締まりませんよ父!隅で体育座りをしていじけている父をレギュラーメンバーは苦笑いで見ている。


「何言ってんだ?この…」


続きに馬鹿とでも言おうとしたのだろう……だだその言葉は……


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「だまれええええええええ!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


「!!!!。………………」


額から大粒の汗を流しながら恐怖に怯えた表情を向け、必死に仲間の暴挙を止める山賊達。

それを見てやっと状況を察したのか口をつぐむ残りの山賊達。


「……皆殺しだ!俺らがここでこうやって生きているのはこの坊っちゃんのおかげだ。……聞いて腰を抜かすなよ!あの方は死の森の主!あの伝説の龍様だ!それにあっちのエルフはあのオールラウンダーのアイナ様だ!それに紅の牙のネイもいる…逆らうな!!!外の見張りのボイドとベールスは握り潰されて死んだ……俺らはついさっき見たばっかだ!…他の仲間は龍様に………あぁ~!!ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」


気が触れる一方手前だなこりゃ……自業自得だから構わんけど。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「・・・・・・・・・・・・・・」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


仲間の(おのの)く姿に絶句する残りの山賊達。仮にもこの生業で死線を何度も潜った事のある猛者ばかりと自負してた仲間のこの姿……言葉を失うわけである。


「それじゃあ、アイナママたちはくさりでつながれたおねえさんをたのむの。クウちゃんはここでこいつらをみはってるの!おとうさんはちょっといじけているけどだいじょうぶだからむかってなの。あっ!おまえたち!にげたらこうなのっ!!」


右足を強く地面に向かって踏み抜き軽くクレーターを作った。

洞窟全体が揺れ天井から少し土が落ちてくる。山賊はもちろんの事、何故かみんなまで驚いていた。


「……えぐいわね、クウちゃんの着ぐるみの効果は………」


「今度あたいもマシな奴を見繕って作ってもらおうかな………」


「セーラとアイシア。ミーナちゃんとお揃いでクウちゃんに頼も♪」


「いいですわねお姉さま♪クウちゃん宜しくね♪」


「賛成♪あたしはすでにたまうさだけどね♪」


「かに……………アストラ様…しくしくしく♪」


リディアちゃんは父の背中を見て呟いていた。


「じゃあ、りゅっくからひつようなのをもっていってなの。ここでまってるの。」


奥に向かって行ったアイナママ達を見送り、俺は目の前の一人の山賊に話しかける。


「そこのおまえ!なまえはなんていうの?」


「……………ミロだ。」


この山賊の中では一番若かった。種族は兎人族で歳は18位だろうか?身長は170位でそこそこ髪を短く揃えイケメン。

なんで山賊なんかやっているんだと思い思わず声をかけてしまった。


「なんでさんぞくをやっているの?」


「生きてく為だ。弱い者が強い者に虐げられ奪われるのがこの世界のルールだ。だから、俺は奪う側に回った………ただそれだけだ。」


冷たい目をしてる。淡々と話す言葉の一つ一つに後悔や懺悔と言った類いの想いがまるで込もっていない………


「おくにとらわれたひとたちにいうことはなにかないの?」


「別に無いな、弱かったせいで俺達に犯されて生かされてたんだ。それはそいつらの責任だ。」


「おいっ!!!止めろ!……それ以上煽るんじゃねえ!」


「うるせえな!どうせ殺されるなら言いたい事位言わせろ!」


見苦しい仲間内の口ケンカ等見たくもない……


「ミロいがいはとりあえずだまってるの。」


「へい………」


「つづけるの。なら、クウちゃんはミロよりつよいからなにをしてもかまわないことになるけどいいの?」


「…………いいも悪いもねえよ。それが俺達の世界のルールだ。それにどうせ死ぬ覚悟は出来てるさ♪あの伝説の邪龍皇とそのパーティーに殺されるなんて名誉な事じゃねえか♪」


その一言に父がこちらに振り向き立ち上がる。


「ほう……我の真の姿を見た後にそのような戯れ言を言えるとは………」


父がミロを少し変わった目で見ている。部分的に見処があるのかもしれない。だが俺には馬鹿にしてるとしか思えなかった……


「なげやりになったくらいでらくになれるとおもったらあまいの…」


ホントに甘すぎる。俺が索敵スキルで女性達の状態を把握してからキレている事にコイツは気がついてない。

違法奴隷商人の一件でも思い知ったのだが、人は大きな力を手にした瞬間に善悪の歯止めが効きにくくなる。

それは悪を裁く事に対しても躊躇なく罰する事を表している。

力を持たぬが故に以前は願うだけだったが……今は俺自身が軽く力を振るうだけで女性が受けた苦痛を少しでも晴らしてやる事が出来る。

もちろん、俺にそんな権利があるのかとか、何を持って善悪と判断するかと言う問題があるが基本、自分がやられて嫌だと思う事を相手にした時点で罪だというのが俺の中のルールで決まっている。

相手の価値基準でもそれを認めているんだから問題ない!なら、ミロくんにはその犯した罪により生まれ変わって罰を受けて頂こうじゃないか!!!!


「あははは!なんだよ?改心とかさせるつもりか?意味ないぜ!とっとと殺せよ♪」


開き直れば直るほどピエロだな♪俺の押さえていた想いが溢れ出す!


「………ふふ…ふふふ…ふっ…あははははははははははははははは♪」


狂ったように笑い出す俺。そして、洞窟の壁に写った俺の影が怪しく!そして禍々しく揺らぐ。


「…………何を考えているクウヤよ……」


「何がおかしい!」


馬鹿にされたと思ったのならハッキリと言おう!その通りだ!俺の狂気はもう止まらない……死ぬほど後悔しろ!!


「いや~さいこうなの♪よろこんでなの♪ミロくんはきょうからおとこのこになるの!」


「俺は元から男だ。何言ってるんだ………」


「ちがうの~~♪おとこのむすめとかいておとこのことよむの♪」


「だから……娘?………ますます意味がわかんねえよ……」


「クウヤよ。父も分からないのだが………」


キョトンとする二人を無視して俺の狂気に孕んだ計画は進行する。


「クウちゃんのせかいにはじょそうをさせておとこなのにむすめとしていきているとくしゅなじんしゅがいたの♪ミ~~~ロ~~~く~~~ん♪」


満面の笑みを浮かべながらゆっくりとミロくんへと歩みを進める。


「おい!………なんで近寄る!?それに娘って…………」


不穏な空気を感じ取ったのか、周りにいた山賊達がミロの周りから距離を取る。


「クウちゃんこうみえてもじつはいきかみさまなの。だから、ミロくんがはんせいしてたらこれをやるつもりなかったの………でも、ひとりくらいはまわりのやつらにおとうさんとはちがったきょうふをきざみこもうかと♪ふふふ♪ミロくんはきょうからミロちゃんにうまれかわるの♪ちょろっとかいぞうするの!おんなのこに♪」


「嘘だ!!出来るわけがねえ!!来るな!!おい!!止めろ!!止めてくれ!!」


ミロくんを掴むと狂ったように俺を殴るがサウザンドスネークの着ぐるみの前には痛くも痒くもなかった。むしろミロの方が拳を痛めていた。


「つかまえたの♪いくらあばれてもむだなの♪でもあばれられるとめんどうだから、ちょっとおとなしくするの!【にゃんこ】こうそくいっなの!」


隣で父がガクブルしてるが無視だ。ミロくんを拘束衣がしっかりと封じ込め身動きが一つもとれない状態になり地面に転がる。

本当は気絶させるか眠らせても良かったのだが罰を与える意味があって意識は落とさないで行う。その方が恐怖が増すだろう。


「生き神ってほんとか!?俺を女にして一体どうするつもりだ!!!」


「確かにその通りだクウヤよ。どうするつもりだ?」


刮目せよ!!!


「よ~~~くきくの!いろいろミロくんはいいわけしてたけどけっきょく、じぶんがやられたらいやなことをあいてにしたじてんでそれはもうつみなの。まだそれをじかくしてたのならクウちゃんはとどめをここでさしてあげたかもしれないけど………それすらうばうの。ふふふふふ♪あっ♪しつもんのこたえだけど、じょせいにしたことをミロくんにもするの♪クウちゃんね、みんなにまごをせがまれているけどそういうけいけんがないからこまってたの♪だけど♪………」


父も含めてコイツ何言っているんだ状態だが構わんのである。


「まさか!?俺を女にしてお前の愛人にするつもりか!!!」


「性別を変えるだと!!クウヤなら出来るか………罰としてはこれ以上ない位に恐ろしいな………男に女として抱かれる等、なんと恐ろしい事を考えるんだ!しかし、ふむ………ミロとやら、我に殺された方がマシだったかもしれんな。だが、クウヤの練習相手には丁度いいのかもしれん。貴様ならクウヤも思う存分無茶も出来るだろうし♪ついでに孕んだら我がちゃんと引き取ってやるわ♪よし!クウヤよ!どんどんやってしまえ♪なんなら後ろに控えてる奴等もやってしまえ♪父は今!他人の不幸が見たいのだ♪♪♪」


本音をぶっちゃげ過ぎです父………そんなに着ぐるみが嫌だったのか………俺なんて四六時中着てるのに………着ぐるみは着る人を選ぶとはいえ悲しくなる。


「おとうさんまかせてなの♪あっ!そうそう………ミロくんはおちゃめなの♪あいじん?ふざけたことをいっちゃっめっ!なの♪くさりでつながれたじょせいたちをあいじんのようにあつかったの?じぶんたちのよくぼうのはけぐちにしただけなの♪なら、クウちゃんがあいじんとおなじあつかいをするとおもっているならあまいの♪」


「へへへ!ハッタリだハッタリだ!!やれるもんなら女にしてみやがれ♪」


突飛過ぎた話だから現実逃避しやがったな………まあ、いいさ♪【神力】を発動する時がまた来た。後悔するがいい!

リュックを外し中からローズオットーのビンを取り出し香りを充満させる。

そして、その場で10分ほど仮眠を取る。それからミロくんの前に座って目を瞑りマナちゃんに語り掛ける。


「マナちゃん♪できればちからをかしてなの…………よし!!!!いくの!かみのちからをあまくみたことをこうかいするの!」


「しっかりとこの目で見定めようぞクウヤ♪」


明鏡止水で限界まで意識を集中!体を巡るマナちゃんの全て感じ取り集中させる。

【神力】を発動!!!消費MPは全開、ミロの全ての組織を女性へと変換!

その際に呪いを設定………寿命が尽き果てるまで18歳の容姿のまま決して老ける事がない体に………さらに俺に対しての絶対服従と自害を禁止にする事を魂に書き込み生涯隷属に!

容姿は黒髪のツインテールに幼さの残る可愛い小顔に甘いハニーボイス、身長150センチの胸のサイズをCカップに設定!

服装は俺の前世でよく見たJKの制服に決定!ここに完成!俺専用の奴隷!










何かが爆発した際に起こるような極光が周囲を覆い………そして、徐々に晴れる。


「つかれたの………ふふふ♪かんそうはどうぞなのミロちゃん♪」


「奇跡だ!…………」


「な!な!な!なんじゃこりゃ~~!?俺の声と胸にあそこまで変わってます!ハッ!?何で素直に受け答えを!?。!!!!!!!。ホントに女に!!!!……………………………」


爆誕♪新生ミロちゃん!その容姿は誰がどう見ても女性である。

俺好みにしたからちょっと趣味が入っている制服スタイルだけど。

あっ・・・今気がついたけどミロちゃんってミーナちゃんとキャラ被るな………気にしたら負けだ!!

当のミロちゃんは俺に問われ自分の胸やあそこを確認するとその現実に呆然としてる。

ちゃんと刻みこまれた絶対服従も効いてるようだ。


「ひぃぃぃぃぃぃ!…………」


「あわわわわわ………………」


「だから言ったんだ……煽るなと…………」


「次は俺らなのか…………ふっ震えてる……」


仲間であったミロが女へと性転換させられた事実に恐怖する山賊達。

次は自分達の番であり、拒否すれば死が待っている………見えない恐怖が山賊達を襲っていた。

自害すれば尊厳は守られるかも知れないがそんな殊勝な精神を持っている奴は一人も居ない。

そんな最中、鎖に繋がれてた女性達を引き連れアイナママ達が戻って来た。

さっきの光に俺の前に座るミロちゃんを見た一堂は事態を察し俺に問いかけてくる。


「何をしたのクウちゃん………それと誰?その子………この世の終わりみたいな顔しててるけど………」


「他にも囚われてた女性がいたのか?」


「見たことのない服ね~可愛い♪さっきの光と

関係してる?あれ!?その子…ミーナちゃんとキャラ被ってない?」


「間違いなくそうでしょうね………囚われてた人達は彼女達以外見つかりませんでしたし……」


「神力を発動されましたねクウ様………」


「えっ!?見たかったな………ずるいよクウちゃん!」


神力を使い疲れたせいでうとうとしてきた俺を父は拾い上げて抱っこをすると、俺はそのまま寝てしまった。


「説明は我がしよう。到底信じられる話ではないだろうがね…………」


この後、俺はみんなに責められる事を理解していなかった…………











ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!又はメラメラメラメラメラメラメラメラメラ!のどちらでもいいのだが、睡眠から目覚めた俺の目の前に髪を逆立てたアイナママ達六人がいた。


「話はお義父様から聞きました!絶対に反対よクウちゃん!!!!」


「確かにあたい達はクウに迫ったけどよ!!コイツじゃなくてもいいだろクウ!!納得出来ん!!」


「この子ってばミーナちゃんとそっくりじゃない!!なのにミーナちゃんを無視してなんでこの子とするの!!!プライドがズタズタよ!!!」


「私もこの件は納得行きませんわ・・・せめてお姉さま達なら許せるとしても…クウちゃん!この件は絶対に引きませんわ!!!」


「リディアは従者として失格ですか!!クウ様が命じて下されば喜んでこれの代わりに勤めましょう!!!!従者としてのプライドが許せません!!」


「いくら罰を与えるとは言え元男だよ!!クウちゃんそんな紛い物よりここにもっといい本物の女がいるでしょ!!!元男に寝とられるなんて私達立ち直れないよ!!!!!」


うわぁ~~激怒だ。みんなの気持ちを確かに無視してたな。俺も逆の立場なら嫌だよな。

だが、この話しに鎖で繋がれてた女性達が思わぬ形で口を挟んでくれた。


「お話の最中失礼します。助けていただきありがとうございます。その娘がミロって本当ですか?」


一部始終を見ていた父が代わりに答えてくれる。


「あぁ~間違いなく山賊であったミロと言う名の青年であったが我の息子の神の力により女へと生まれ変わり呪いもかけられている。」


ざわめく女性達だったが神の一言に目を見開き震える。


「生き神様であらせられるのですか!!!あぁ~~私達の想いを汲んで下さったのですね…………だから…うぅ~ありがとう………ありがとう………」


泣き崩れ地に伏す少女・・・よくよく見れば12~14歳位じゃないか?

同じ顔をした三つ子ちゃんまでいるし、目が完全に死んでる子も………中学生位にしか見えない子達ばかりじゃないか………可哀想に……確かにそういう意図もあってミロちゃんにした意味合いもある。

よく復讐は何も産み出さないとか、怨恨の繰り返しとか聞くがないない。よく考えようよ!罪の無い者がやられた事をやり返す事に周りは何とも思わんし、むしろやってしまえ位にしか思わない。

それにその方が世の中が正しく(ただ)されて俺はいいと思う位だ。被害を受けた人の気持ちも晴れるし切り替えが出来て、そこからより良い道を歩める切っ掛けが出来る。

そして、罪の大本を作った奴の為にまたやり返そうなんて奴はあまりいない。

だって、どっちに非があるか分かっているんだもん。そのままやりあえば最終的に損が出るのはどちらか分かりきっているから自然と手を引くし、そういう奴に限って引き際をちゃんと見極めてる。

だから、一番いいのは落とし前をきっちりと着けて一人も逃さない事。さて、そのミロちゃんは先程の父が言った呪いの一言に対して過敏に反応する。


「まっ!まさか!!!さっきのって………」


「そうなの♪クウちゃんのめいれいにぜったいふくじゅうなうえにしょうがいそのすがたのままでふけることがないの♪うしろのやつらもそのよていなの♪ためしにぶりっこであまいこえをだしながらじこしょうかいをかのじょにするの♪」


山賊達が悲鳴をあげる。哀れな末路である。そんな最中に場違いな空気を作りミロは明るい笑顔を作って喋る。


「は~い♪皆さんごきげんよう♪きゃは♪わたしミロよ♪本当に~~女の子になっちゃった18歳の元お・と・こ・の・こだぞ♪あたしのこと恨んでるだろうけどよろしくね♪きゃるるる~ん♪……………………うがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!」


我に返ったミロちゃんは羞恥心による追加ダメージと記憶を忘れたい為か叫びまくっていた。


「うるさいからしずかしてそこでおとなしくたっているの。」


「ああああああ。畏まりましたクウ様♪………………………………………………………………」


一度強制的に口を閉じると極上の笑顔を向けて微笑み会釈するミロちゃん。

それを見た一堂の反応は様々であったが囚われてた彼女達の想いは受けてきた苦痛の記憶と共に溢れ出した。

その瞳が放つ殺意と溢れ出る怨恨の想いは止まらない。


「……って………下さい!…………苦しめて…………苦しめてやってください!!!」


「そうよ!!!あんた達なんて地獄に落ちる位じゃ生温いのよ!!!」


「お願いです!!!神様!!コイツら全員に生き地獄を味あわせてやって下さい!」


「家族の見てる目の前で私は犯され………弟を!母を!父を!そ………その首を落とされ…………うぅ~………」


「みんなそれと同じか………グスン♪それ以上の事をされました。この子なんて自分の妹を…………それ以来壊れてしまいました。」


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


何、奥で震えてんだ!この外道が………自然と溢れ出すマナ。殺意の想いが自然と乗り、目の前の哀れな少女達を怯えさせないように必死に抑えるが逆に少女達に抱き締められた。


「神様ありがとう。どうか奴等に慈悲のない苦しみをお与え下さい!私達の家族の分も……………」


「わかったの。みんなのうらみをどこまではらせるかわからないけど、こいつらにしぬまでこうかいさせるからみんなはかぞくのぶんもしあわせにいきようねなの。」


啜り泣き、嗚咽を漏らしながら頷く少女達。この子達の面倒は俺が見よう。ミロちゃんの件は取り合えず保留にしてアイナママ達と話し合う。


「この残りの山賊共もやっぱりやるのねクウちゃん。」


「みんなとそうだんしてからきめようとおもってるの。ただ、こいつらにはいきじこくとしてくつじょくとくつうをあたえたいからおんなにしていっしょうこきつかってやりたいの。」


「分かったわ。死ぬ覚悟もないみたいだしいい様よ!…………でもクウちゃんが私達以外に手を出したらみんなママが始末するからいいわね!」


「ミロちゃんいがいはりょうかいなの。」


「そこは譲らないのね………いいわ!後でもう一度話し合いましょ!!」


「よし、次はあたいだな。ミロは引かないみたいだが、今は他の奴等をクウが抱かないならあたいはいい!なんなら娼婦のオーナーになっちゃえよクウ♪最高の屈辱だぜ!」


「それはかんがえてなかったの!さすがはネイちゃん。くつうもあたえて、なおかつこのこたちのおもいもはれるし、しゃかいにこうけんできるいっせきにちょうなの!」


「だろ♪あっ!ミロの件だが本当にあたいも納得してないからな!じゃあ、次はミーナだな。」


「聞いてたけどそれいいじゃない♪男に毎晩抱かれるなんて最高の屈辱じゃない♪ふふふ♪あと、ミーナちゃんもミロの件は納得してないからね!それにミロって私と似てるじゃない!それなのにそっちにいくなんて………」


ブツブツ呟いてる。たしかに指摘されてる点については仰るは通りです。

俺の好みってミーナちゃんの容姿にドストライクだったんだな。身近すぎて気がついてなかったのかな?


「たびをしながらだけどやつらにはかせがせるの。それと、むぅ~~ミロちゃんのけんはなんとかなっとくしてほしいの。これからのためにもクウちゃんはいきなりみんなとではふみこめないの…………」


「プライドが許せないのよ…………クウちゃんそっくりな子に私達が寝とられるの想像したらミーナちゃんの気持ちが分かるわよ!」


「うっ……………」


「分かってくれたみたいね。取り合えず私も後でこの件はみんなと話し合いすることで今はいいわ。じゃあセーラと交代♪」


「はい、お姉さま♪山賊達は愛する家族を奪った罪に乙女の純潔を汚した罪を生涯娼婦になって償うのが相応しいですわ!それについてなんだけどクウちゃん、孕まない体に変えてあげてね。生まれてくる赤ちゃんが可哀想だから。あと!!!!ミロちゃんの件は反対ですわ!!アイナ師匠やお姉さま達が先なら納得出来ますけど練習の為とはいえ…………やっぱり納得出来ません!」


「りょうかいなの。うみのくるしみをあたえるのもいっきょうとおもったけど、セーラちゃんのいうとおりなの………ただ、ミロちゃんにばつをあたえるいみでもなっとくしてほしいの。だからこそクウちゃんもふみだせているの。」


「私の一存では決めれないからお姉さま達と話し合いね。次はリディアさんね。どうぞ♪」


「クウ様!!!!ご無体ですよ!!!クウ様のペットにして欲しいと言って未だにその寵愛を受けていないのにパッと出の元男に先を越されるなんて!!!我らの尊厳はボロボロじゃないですか!!あと、他の人間達はクウ様のお好きに。リディアは先に寵愛を受けた後ならば他の者達をどうなされようが構いません!」


「あぅ~~そういわれるクウちゃんこまっちゃうの…………ミロちゃんはクウちゃんせんようでうみだしちゃったの………」


「だから!まずは我等六人からお試し下さい!それにミロ等に手を出さなくともこのリディアを好きにして下さいよクウ様!もしこの事が同族に知れたらリディアはもう表を歩けませんよ!!」


本気と書いてマジと読む。そして、リディアちゃんは本気(マジ)泣きをしていた。


「あわわわ!なかないでなの!!………とりあえずリディアちゃんもはなしあいにさんかなの!さいごはアイシアちゃんなのね!」


「最低だよクウちゃん!リディアさんよしよし♪よりにもよって元男に先を越され寝とられるなんて洒落にならないわよ!!!プライドズタズタよ!!そんなにあたし達魅力がない?大きいから嫌なの?この子達には悪いけど山賊の件なんてどうでもいいわ!なんならあたしが死ぬほどボコボコにしてクウちゃんの回復の繰り返しで精神を壊す位までやればこの子達だって納得するでしょ!あたしは断固反対だからね!!以上!!リディアさんいいこ~いいこ~♪」


取り尽くす島がない…………非のない正論で反論出来ない………


「アイシアちゃんもみんなもクウちゃんからみればたかねのはななの!!けっしてそんなことはないのをわかってほしいの!!はぁ~~ぜんとたなんなの。アイシアちゃんのきもちもよくわかるの…こまったの…………」


「クウヤよ。流石に皆の意見を聞くと我も彼女達の意見に納得する部分が多いにある。ミロの件はもう一度皆と話し合いが良い。とりあえず今は残りの山賊を変えてしまおう。父も手伝うからまとめてどんどんやってしまえ♪今度はミロに行った時の一割程度の力でやってみなさい…恐らくだがそれで十分にいけるはずだ♪」


力み過ぎだったのか!?流石は父♪その眼力一つとっても超一流である。


「わかったの♪よし!おまえらいちれつにならぶの!もしさからったらしぬいっぽまえまでみんなにぼこぼこにしてもらってからまたかいふくさせるからかくごするの♪」


「「「「「「「「「「「「「「「「「「「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!」」」」」」」」」」」」」」」」」」」」


逃げ場など端からない!覚悟しろ!一列に並ばないで逃げようとした者が一名出たので宣言通り実行したら大人しく言うことを聞いた。

バカな奴だ。大人しく罰を受ければいいのに。こうして一人、また一人と山賊達は16~20歳の見目麗しい美女に大変身を遂げた。

容姿の元は前世のアイドル等の有名人を元にして作ったから、もし俺のいた世界からここ異世界に飛ばされた奴がいたら気がつくだろう。

まあ、いないだろうが♪あっ!全員着てる服はミロちゃんと同じ制服であり、呪いも同じで違う点は孕まない事だ。

納得して貰えただろうか?そんな思いで少女達に近付く。


「みんなしょうふにかえたの。じがいもできないしこれからばんばんやつらにくつうをあわせるの。みんなのきもちがこれでかんぜんにはらせるとはおもわないけどつよくいきてなの!」


溢れ落ちる大粒の涙……それを見て小さな切っ掛けだけど少しでも前に歩んで欲しいと切に願う!


「ありがとう………ありがとう………」


頭を優しく撫でてあげる。髪がゴワゴワしてるが構いやしない!これからの為に色々聞かねば。


「みんなはどこからきたの?」


「私達はここから北に向かった森を抜けた小さな村に住んでいました…………今はコイツらに焼かれ皆も!!!」


キッと元山賊達を睨む。この歳の少女が出せる目の光ではない………それだけでもどれだけ過酷な環境であったか……


「辛いかったわね………」


アイナママが見かねて優しく抱き締める。枯れ果てる事のない涙………


「私達が保護するにしても一旦国を出ないと駄目だから……最寄りの町や村じゃ引き取ってくれるか………」


「王都に戻る時間もないしな………アトラスさんに飛ばしてもらうのも手だけど………」


「パニックになるわよネイちゃん………それにクウちゃんのにゃんこわーぷって言ったっけ?あれで飛んでもこの子達を受け入れてくれる手続きに時間が掛かるわ……」


「あと、状況説明するにしてもクウちゃんの今の状態だと王都に復讐しにやって来たと勘違いされることも………小数でしょうが面倒な事にも……」


「そういう下衆の勘繰りをする奴はいるだろうな……我もセーラと同意見だ。」


「ならどうするの?このまま置いていくわけにも行かないし…」


「その顔は答えが決まっているのだな♪そうであろうクウヤ?」


「なの♪いっしょにきたのくににいこうなの。じつはクウちゃん、おうとでいほうにひとをさらってきたどれいしょうにんときぞくとだいじんをころしたけんでくにをおいだされちゃったの………」


「補則はミーナちゃんがするわね。安心してね。クウちゃんがやった事は王都では支持する人達が大半だから。みんなを助けたようにクウちゃんちょっとキレて……その………審議会を食らっちゃったんだけど………」


その後の詳細もミーナちゃんが説明するうちに少女達の反応がある一点に集まる。


「そんなのおかしいよ!!!クウ様はただ助けてくれて!あいつらみたいな悪人を殺しただけなのに!!!間違ってる!!私はその人達の気持ちが分かる!」


ここにも理解者がいてくれた……ありがとう♪


「ありがとうなの♪でも、みんなをしんじていずれはもどってくるからいまはくにをでるの。そこでみんなにそうだんなの♪クウちゃんといっしょにきたのくににいこうなの♪」


俺は右手を前に出して待った……


「村が無くなったからもう行くとこがありません!それにご恩返しがしたいです!ついていきます!私エーコと言います!宜しくお願いします!」


俺の右手を取り握手をする♪


「エーコちゃんよろしくなの♪あと、おんをかえすとかそういうのはいいの♪きもちだけうけとっておくの♪」


「でも!私の気持ちはかわりません!よいしょ!うわぁ~~クウ様柔らかくて暖かい♪」


両手で俺を掴み胸元に寄せて抱きつかれてしまった。匂いが鼻についたが構わなかった。

逆にそれが俺の胸を締め付けていた……この程度で癒されるなら構わなかった。


「私もついて行きたいです!畑仕事しか出来ないけどいいですか!名前はシエナと言います!宜しくお願いします!」


「もちろんなの♪なにができるとかかんけいないの♪でも、クウちゃんのうぎょうすきるLV1をもってるからいろいろおしえてほしいの♪よろしくなのシエナちゃん♪」


エーコちゃんに抱っこされたまま正面に向けて両手を差し出し握手をする。


「私も抱っこしていいですか?その………」


「こんなクウちゃんでよければどうぞなの♪やさしくしてなの♪」


「はい♪♪♪」


エーコちゃんから俺を渡されると同じように抱き締めて温もりを感じているみたいだ。


「「「私達も行きます!」」」


「おお~はもったの!」


「私がリア、右隣がニア、左隣がレアです。同じ猫人族から生き神様がこうして助けに来て下さったの事に感謝してます!」


「お父さん!お母さん!ヨシュア!………みんなが神様を呼んで助けてくれたのね………」


「ごめんなさい………私達だけ生き残って……」


「ニア…レア……私達もクウ様についていくよ!」


「「うん!!」」


その流れた涙の分!俺が面倒を見る!!同じ猫同士、手を取り合おう!


「いまはねこかみだけど、もとおなじねこひとどうしよろしくなの♪」


「「「よろしくお願いします♪」」」


最後の一人の少女はずっと沈黙したままであった。瞳の色が物語っている………


「それでルカなんですが……あいつらのせいでもうずっとこうで…………でも!言うことは分かるんです!ちゃんと言えばその通りに動きます!私達がしっかり面倒を見ますのでどうかこの子も連れて行ってあげて下さい!」


必死に訴えるエーコちゃん。ここに置き去りにされないよう守ろうと必死に………


「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


一切の反応を示さないルカちゃん。俺はシエナちゃんの腕から離れ宙に浮き、ルカちゃんの右手を取り胸元の高さまであげると優しく両手で掴んで握手をする。


「あんしんしてなの♪めのまえのみじゅくなかみはけっしてみすてたりはしないの♪ばんのうじゃないからできることはかぎられているの。でも…おいしいごはんをだしたり♪あったかいおふろやおふとんくらいならまかせるの♪だから、あんしん………!?。!!!!!!!!!!!!」


息を飲むとはこの事だろう………絶望で曇った瞳から大粒の涙がこぼれ落ちる。

無意識にだが感じとってくれたのかも知れない。なら、心は完全に砕けたのではないのかもしれない!

例え一縷(いちる)の望みだとしても可能性があるのならそれをたぐり寄せるべきだ。なら、この子も俺が預かる。


「いっしょにいきたいの?りょうかいしたの♪いいこ~いいこ~なの♪はんかちでふきふきなの♪」


こうして新たな仲間と下僕を引き連れ旅立つ事になったが、今日はここで一泊してから明日の明朝に旅立つに決めた。

その日の夜は俺の力を使い少女達の傷を癒した。残酷である……その傷を見る度に山賊達にいい知れぬ怒りが沸いてくる。

そんな少女達の心身共に癒されるようにと願い、三種類の丼を用意する。

有無も言わずに貪るように口に入れる少女達。美味しかったのだろう……ハッキリと言ってしまえばガツガツと凄い勢いで食べ方も汚かった。

だけど、それは過酷な環境を生き抜いたんだから当たり前である。

ポロポロと涙を溢して食べる少女達を更に癒したくて、俺はローズオットーを効かせたお風呂をもふもふ魔法で作り出し、アイナママ達にお願いして一緒に入ってもらった。

そして、最後にもふもふ魔法で作ったお布団を用意してあげ、俺の出来る限りのもてなしをした。眠るのが怖いと言う少女達…目を閉じるとまた、この夢が終わって現実に戻ると疑う少女達を俺らは一人一人抱きしめてあげた。

少しでもこの傷が癒えますように…そう願わずにはいられなかった。


ふつおたコーナー(MC:たまご丼)


ペンネーム「ルカ」さんより頂きました


Q :・・・・・・・・・・・・・・・・。


A :………………………………………………………………………お願い!!!相談して!!!


ル:・・・・・・・・・・・・・・・・・・・♪


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