ほどほどになの
前世でもそうだったが、仕事が終わったら何がしたい?俺が思い付いた事は酒を飲む事だ!なので冒険者達が無事帰還したら酒を振る舞い労うつもりだ。
「噂には聞いていたがクウちゃんが遺跡の依頼主だったのか。」
「なんでそうしたかわからないの。だけど、みんなもそうしたかったとクウちゃんはおもうの・・・・・それにこうしないとむねのおくでずっとささやくの。それがききたくなくてただやったからクウちゃんのわがままなの。」
「なかなか出来る事じゃないよ。答えは自分で決めるしかないけど、君はずっとそのままでいてほしいな♪」
「ずっとこどもはいやなの!ゼンガーさんみたいにクウちゃんはなるの♪」
「あははは♪嬉しいことを言ってくれるじゃないか♪でも、逆に俺はクウちゃんになりたいよ♪」
「ゼンガーさんにいわれるとクウちゃんのほうこそうれしいの♪」
「「わははははは&なの♪」」
歳が近ければ酒を組交わし楽しかったろうな。ちょっとだけ、この体であることを残念に感じた。こうして雑談をしながら15分ほどで騎士団の行き着けの酒屋に到着した。
「らっしゃい♪おう!旦那~~奥さんにまた蹴られてやけ酒か?」
「違うわ!!と言うかそんな事は一度もないだろ!へんな事を言ってるとしょっぴくぞ!」
「うははは♪そりゃあ~こぇ~な~!がははは♪で、今日は子連れでどうした?」
「客を連れて来た。上客だ。感謝しろよ。クウちゃん、このよいどれは巨人族のバランだ。図体ばかりでかいがいい酒を作るし珍しい酒の仕入れもするから大抵の酒はあるぞ。」
「なんだ!?坊主が客か?ダメだダメだ!ガキに売る酒はねぇよ!帰んな!」
「はじめましてなの。クウちゃんいっさいなの。おさけはぼうけんしゃのひとたちにふるまうの。だから、クウちゃんはのまないからうってほしいの。」
「駄目だ!俺はガキには売らないと決めてるんだ。他所に行きな!・・・おい、ゼンガーよ。紹介するなら他のとこにしてやれ。」
とうとうこの手の人が出たか。いるんだよな、へんな信条を持っていて道理が通じない人。まあ、この手のタイプは・・・・
「おい!せっかく連れて来たのにそれはないだろ。この子が飲むわけでもないのに。」
「ゼンガーさんもういいの♪ここにはクウちゃんのもとめるおさけはなさそうみたいなの♪だから、クウちゃんはオコメからおさけをつくってふるまうからいいの♪」
「ん!?坊主、何だそのオコメってやつは!?」
「バランさんにはかんけいないの♪ゼンガーさんはにほんしゅをのんだことがあるの?」
「ニホン酒?初めて聞く名だけどないな。」
「おい!坊主、適当な事を言って俺の気をひこうとしても無駄だぞ!」
かかった!今だ!!
「あれ!?おさけのおみせなのににほんしゅをおいてないの!?これまたクウちゃんはびっくりなの!きたいはずれもいいとこなのゼンガーさん、やっぱりほかのみせにいくの。ここはもうしわけないけどはずれなの。はぁ~・・・」
「おいっ!カギ!!!てめぇ~そこまで言うのなら、そのニホン酒っての用意できるんだろうな!」
ふふふ♪操り安くて大変結構。ここからが交渉だ。
「よういしてもいいけどじょうけんがあるの。もし、クウちゃんのおさけになっとくしたらうってもらうの。にげるならいまのうちなの♪」
「ふふふ♪今日はなんて退屈しない日なんだ♪おいっバラン!まさか逃げないよな♪」
「・・・いいだろう。もし、この俺が納得したら好きな酒を好きなだけ持って行きやがれ!だがなっ!俺はありとあらゆる酒を飲んでいて舌が肥えているからな、ちょっとやそっとの酒じゃ納得なんてしないぞ!カギが後悔しても遅いからな!」
「もんくはクウちゃのつくったおさけをのんでからいうの♪さっそく、つくるからおみずをよういしてなの。」
「ああ!酒を作るならいい水も用意してやる。短時間で出来るわけないがそれを言い訳にさせねえぞ。」
「わかったの♪じゃあ、このびんにおみずをはんぶんいれてなの。」
「言い忘れてたがなバラン。この子はあのアイナ様と女王様が目をかけているアイナ様の再来とも言われてる子だ。分の悪い勝負かもな。」
「なに!?あのアイナ様のか!?・・・・・いや!酒作りなら話は別だ。」
「ちょっとしゅうちゅうするからすこししずかにしてほしいの。」
バランさんが水をいれたビンに米を適量いれる。お酒を作る米は本来食用で使う米じゃなかったと思うが俺はそれでもあの樹が産んでくれたこの米を使って酒を作ってみたかった。使うスキルは細菌シリーズ。醤油の時と同じ手順で工程をこなしMPを九割ちかく注ぎ込む。イメージは清らかでどこまでも澄んでいて、軽い炭酸がたち、その味は米から限界以上の旨味と甘い香りを引き出し、樽から搾った酒の中取りの一番うまい部分だけを凝縮した、まさに猫神である俺が心血そそいだ逸品の神酒。ここに完成した。
「俺は夢でも見てるのか・・・・・ゼンガー。この坊主は何もんだ。」
「さっき説明した通りだ。それに俺も知り合ったばかりだ。」
疲れて大の字で休む俺。そのテーブルの上にはビンの中で一際、清らかに佇む酒がその存在感を二人の五感に訴えていた。
「たいせつにのんでなの。オコメのひとつぶひとつぶときんが、がんばってうみだしてくれたの。おさけをあいするならわかってほしいの。」
「あぁ~~酒を愛するならか・・・・心得た!おいっ!ゼンガー、おまえもつきあえ!仕事中だから飲めないとか抜かしやがったら叩き潰すぞ。」
「言われなくとも、これを前にして我慢なんかできるか。」
ゆっくりと蓋をあけると甘く澄んだ香り。それはリディアちゃんが出す高貴な香りと似ていた。グラスに注いだその姿はどこまでも澄んでいて、日本刀の刃先を連想させるような鋭い光を連想させる。そして、グラスに口をつけ、喉に通した二人はその酒の味に酔いしれる。
「!!!!!!!!!!!!!!!」
「!!!!!!!!!!!!!!!」
「おあじはどうですかなの?」
五分ほど経った時点で俺の体調が少し楽になったので俺は起き上がって声をかけたが、酒に酔いしれ声が届いていないのが分かったので、二人が正気に戻るのを待った。
「おどれえた・・・・・まさか、この俺も知らないこんな酒があるなんて。今まで飲んできた酒はこれに比べるとなんだったんだ・・・・・」
「クウちゃん!!君は天才だ!!この酒は国宝クラスだ!この酒を飲めた幸運に俺は感謝だ♪」
俺をハグするゼンガーさん。作った物を誉められるのってうれしいよね。ライネスさんの言葉を借りるけど。その一言に勝るものないと言うのも分かる気がする。
「クウちゃんのおさけのかちなの♪」
「坊主!いや!クウ殿!!!俺を弟子にして下さい!!!!」
「いや、それより。クウちゃんとのやくそくでおさけはうってもらうの。」
「タダで構いません!だから!どうか!俺を弟子に!!」
「こまったの・・・クウちゃんこうみえてもおとうさんとのやくそくでしゅぎょうちゅうのみなの。だから、でしはとれないの。ごめんなさい。」
「そこをなんとか!俺が今まで飲んできた酒とは別次元のこの酒を!」
「おい!バラン。気持ちは分かるが押さえろ。クウちゃんにだって都合があるんだから。」
「ほんとうにごめんなさいなの。でも、バランさんがそこまでクウちゃんのおさけをあいしてくれてるのなら、バランさんがたのしむぶんくらいならつくってあげるの。いっぱいはむりだけど。あと、オコメもすこしあげるの。よかったらけんきゅうしてみてなの。」
「師匠がそこまで言うのなら我慢します。約束通り好きな酒を持っていってくだせえ。そして、この酒は大事に頂きます。俺もオコメでこの酒を目指して精進します。」
「ししょうって、でしはとらないの!!」
「クウ殿は俺の師匠です。」
「あはははは♪クウちゃん諦めた方がいいよ。酒に関してはバランは頑固だから、こうなったらてこでも動かんよ。」
「むぅ~・・・・とりあえず300にんぶんのおさけをかうの。クウちゃんじゃわからないからゼンガーさんとバランさんがえらんでほしいの。しはらいはしょうにんぎるどのこうざからおねがいなの。」
あぁ~~俺が作ったのに俺が飲めないなんて・・・夜中にこっそりと一口だけ飲もうかな・・・・・こうして俺の米とクウ菌の勝利で幕を閉じた。
ゼンガーさんに送ってもらい自宅に着いた俺は早速ウナギの蒲焼きを作ろうとして味醂がないのに気がついた。たしか、味醂はもち米から作るのだが、この米で果たして出来るか・・・・・できちゃいました♪クウ菌が俺の知っている世界の菌とは違い、やはりチートみたいだ。こうして、ついに俺はウナギ、醤油、味醂、お酒、砂糖の代わりに樹液で代用し、ウナ丼を完成させる為、アイナママ達が帰ってくる間に何度も試行錯誤を繰り返し、ついに!そう!ついにウナ丼を完成させたのだ。試作で失敗したウナ丼も出してしまったが、それも後でちゃんといただく予定だ。ちなみにウナ丼が完成したと同時にナビが出た。
*調理LV2を取得しました。
植物や菌シリーズのスキルはかなり使っているのにレベル5に上がらないのはリディアちゃんからスキルを借りている為か、最高レベルの為に中々上がらないかのどちらかだ。よく使用するスキルなのだからレベル5にしたい。
「まだかなの~?まだかなの~?みんながかえってくるのはなの~♪」
ソワァーの上でじっと丸まって待っているといつの間にか寝ていたようで、目が覚めたとき、俺はリディアちゃんのお膝の上で頭を撫でられていた。
「おはようございます♪クウ様♪美味しい匂いにリディアはくらくらです」
「クウちゃんおはよう♪よく眠ってたね。ねね♪クウちゃん何か作ってたでしょ?お部屋の中が凄いい臭いなの♪」
「クウおはよう♪あたいの鼻は誤魔化されんぞ!リュックに美味しいもの入れただろ!」
「クウちゃんおはよう♪何を作ってたの?学園でたくさん訓練したからお腹ペコペコでもう我慢できないよ♪」
「ただいま~♪何!?この食欲をそそる匂いは♪ははぁ~~~♪さてはクウちゃんね♪」
「みんなおかえりなの♪あのねあのね!きいてなの♪ついにかんせいしたの♪それでししょくしてほしいの!」
素人の俺が作ったものだから当然、粗末なものだが、みんなの為に一生懸命作ったのだ、俺はこの五人に完成したウナ丼を食べてもらいたかった。
「ママはクウちゃんが作ってくれた料理なら当然頂くわ♪」
「早く早く!!もう、ミーナちゃんペコペコなんだから♪」
「お姉さま落ち着いて!クウちゃん早く用意してあげて♪私もペコペコで楽しみ♪」
「あたいはそろそろ我慢が・・・・・」
「クウ様の至高の品をまた♪あぁ~生きてて良かった♪」
リュックから五つの丼と家でまた作った神酒を取りだしみんなの前へと置く。勿論、リュックの中に入れてたので出来立てのホカホカだ。俺とセーラちゃんはお茶を入れて席に座り直す。では!
「「「「「「「いただきます&なの!」」」」」」
うん・・・・うん・・・・・美味しい・・・ウナギのふわふわにこの甘いが香ばしいタレ。そして、美味しい身肉と白米が合わさる至高のハーモニー♪もう、何度目だろ。また、みんなの顔がよく見えないや♪みんな凄く美味しいと言って食べてくれる。あぁ~俺ってしあわせだ。
「凄く美味しい!!!!ママ感激だわ♪」
「あぁ~~もう完全に貧乏寮に戻れなくなった上にクウちゃんに胃袋を支配されたよ♪」
「ハグハグハグハグ♪旨!!♪ハグハグハグハグ♪」
「上品なのに野性味があると言うか♪やっぱりクウちゃんは凄い凄い凄い♪」
「森のみんなすまん♪あぁ~クウ様はまさに生き神様だ♪」
「おいしいの♪クウちゃんはみんなとこうしてずっとずっとごはんをたべたいの♪」
「ママはずっとクウちゃんから離れるつもりもないからね♪だから、ずっと一緒に食べましょ♪」
「もうミーナちゃんはクウちゃんなしの生活は考えられないから責任取ってね♪」
「あたいもクウなしじゃ生きてけねぇ~ハグハグハグハグ」
「姫は勇者様とセットだもん♪いつまでもおそばにいますわ♪」
「クウ様に一生リディアはお仕えいたします♪」
「うれしいの~♪おかわりいる人?」
「「「「「おかわり♪」」」」」
「ふふふ♪いっぱいあるから、たくさんめしあがれなの♪」
俺の中に満ちるこの暖かさに俺は満足した。
「あれ!?さっきのながれでここはクウちゃんひとりでおふろじゃないの!?」
「まさか!クウちゃんとのこの時間をママはどれだけ楽しみに待っていたことか♪あのウナドンを食べたら余計に力が溢れてきたし、逃がさないわよ♪」
ウナギさんなんて事を!しかも!神酒を結構召し上がったアイナママは少し目が据わって怖いのだ・・・・・
「さ~~て♪脱ぎ脱ぎしましょうね♪でへへへ♪」
やばやばっす!語尾にでへへへって言うエルフは中々いないと思うぞ。
「クウちゃんなんかよごされてるような・・・」
「気のせいよ♪きゃ~♪可愛いお尻♪クウちゃん~♪」
「いやんなの!おしりつんつんめっ!なの。」
「ふふふ♪じゃあ、ママも脱ぎ脱ぎしましょう♪」
「きゃ~~おめめふさぐの!!」
「さて、クウちゃんを抱っこするわよ♪えいっ♪」
わざとお胸の谷間へと俺を埋めるアイナママである。
「アイナママ!!クウちゃんいじめてたのしいの?」
「いじめなんてとんでもない♪これはとっても愛しい愛情表現よ♪」
「うわ~ん!ぜったいうそなの!」
「あら!?本当よ♪その証拠にえいっ♪もう放さないんだから♪私の赤ちゃん♪」
お胸祭りだ!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!わっしょい!あれ!?いつもならリミットオーバーでガクッと!仕事しよ!!俺のブレーカーさん!!
「はぅ!?クウちゃんのいしきがおちないの!?なんでなの!?」
「ふふふ♪ウナドンのせいよ♪あれって美味しいだけじゃなくて一時的だけど、かなり全体のステータスを上げてるのにクウちゃん気がつかなかったんだ♪」
「うなぎさんなんてことを!!アイナママのおむねがあわわ!」
「さて、ゆっくり浸かりましょうね。クウちゃん今日は学園どうだった?」
「そうぞうしてたよりおっきくてびっくりしたの。そういえば、アイナママもあそこのせいとさんしてたってきいたの。」
「懐かしいわね。・・・・・そうね。三十年ほど在席してたけど、あの頃はただひたすらに焦っていたんだっけ・・・」
何かを思い出すように遠い目をするアイナママ。お酒を沢山飲んだせいか、いつもより感情を隠しきれずに表してた。
「みんなね。ママをおいて行っちゃっうの。当時はそんな事は当たり前でバカな王や貴族がいっぱいで・・・」
「・・・・・・・」
アイナママにしてみれば思い出したくもない黒歴史なんだろうな。
「だから、そんなバカな王や貴族達を追い出したらいつの間にか祭り上げられ英雄になってたわ。彼等の顔は今でも覚えてるわ。」
「たいせつな、おともだちなの。」
「そうよ。都を歩けば、大抵、誰がどの子孫か分かるもの。だから、この都自体が仲間達の忘れ形見みたいなもので、もう、あいつらったら勝手に先に行って、面倒な事を全部ママに押し付けちゃうんだから・・・・」
「ママ♪いいこ~いいこ~なの♪」
「ふふふ♪クウちゃんのお酒が美味しくて、つい、飲みすぎちゃったわね。だから、クウちゃんはずっとママの赤ちゃんでいて頂戴♪」
「クウちゃんにへんなことしなければずっといてあげるの♪」
「例えばこんな事?」
「なっ!?ら!らめなの!?おみみあむあむあぁ~~」
これって俺がアイナママにしてあげたあれだよなつてらめええええええええ!!!!
「いつぞやのしかえしよ!あむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむあむ」
「はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~はぁ~♪ママ~~~それいじょうわ!?」
もう・・・・俺のHPはすでに・・・・・
「次は首にチュ♪ん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~」
「あぅっ!?★●▼◇□°°□⇒€○▼〒◆♀〒▽○$¢◎♀♀◆□♂♀♀◇◎〒♀〒▼●」
「あはは♪どうクウちゃん♪ママがクウちゃんにされた気持ち分かった?今日はここまでに・・クスッ・・・・やっぱりや・め・な・い♪今度はペロペロよ!ネイの見てずっとしたかったのよね。ふふふ♪今日はクウちゃんが堕ちないから、たっぷり付き合ってもらうわよ♪」
ウナギさんのお馬鹿!!人って堕ちるのは危険回避の為でもあるんだね。お風呂前には食べるのを禁止にせねば!あと、アイナママはお酒を飲むと甘えのキス魔になると心に刻みこんだ。
「このままじゃ!こわれちゃうのママ。いつものママにもどってなの。」
「だ~~め♪親猫が子猫の毛繕いをするのは当然でしょ?そう!愛情表現よ!健全なの!いくわよ♪」
アイナママが舌をペロリと舐めると・・・・・・・・・さすがのウナ丼パワーもこれ以上は持たなかった。堕ちてく意識にガッツポーズをした俺であった。
冒険者達が出発してから三日目の朝を迎えた。最短で帰って来れば今日到着の予定である。後は冒険者達を労う為の準備を俺は完了させねば。だが、昨日の調理で分かったが、アイナママの家でやるには少々狭い上に俺一人で仕込むとなると時間が掛かりすぎて間に合わない。出来れば今日の夜には完了させたいのだ。そこで俺は今朝から商人ギルドに寄ってお手伝いをしてくれる職人さんがいないか訪ねた。マホバさんが出てくるかと思いきやギルドマスター自らお会いになると聞き、俺は奥の部屋へと案内された。
「まぁまぁまぁまぁ~~♪いらっしゃっい♪君が噂のアイナの再来とかアイナの隠し子と言われてるクウちゃんね♪いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁラブリーーーーーーーーーーー!」
部屋に入るなり有無を言わせずにその胸に抱き寄せられハグされた。
「ぷはっ♪おじゃまいたしますなの。クウちゃんですの。おいそがしいところおじかんをいただきありがとうございますなの♪」
「いや~~ん♪もふもふしてて可愛いし♪お声もラブリーだし♪今日はもう仕事お休み♪」
ギルドマスターの後ろにキリッと背筋を伸ばし制服をパリッと着こなしたお姉さんがいた。その犬人族のお姉さんがいきなりギルドマスターの後頭部を叩いた。
「マスターふざけていると叩きますよ!」
「痛いじゃない!?叩いてから言わないでよ!」
「お客様の話も聞かずに遊び呆ければ、もう一発いきますよ?それにお客様の方から挨拶をされているのに自己紹介が済んでないじゃないですか。」
「うっ!?・・・分かったわよ。初めまして商人ギルドマスターのシャイラよ♪アイナと同じ里のエルフよ。よろしくね♪あぅ~♪ミレーヌが倒れるのも無理ないわ、こりわ♪おみみがおててがあんよがほつぺがあぁ~~~!!!可愛いよ~♪よんよんよん♪」
「クウ様申し訳ありません。こんなポンコツエルフですが普段は凄いしっかりとしてるのですよ・・・・・」
「アイナママをみてるからりかいしているの。とりあえず、おねえさんとおはなしをすすめたいけどいいですかなの?」
「シャイラがこんなですみません。代わりにわたくしミレイがお話をお聞きいたします。」
「マホバさんからきいてるとたすかるの。クウちゃんはいらいをだしたぼうけんしゃのみなさんにほうしゅうでごはんをこちそうするの。そのじゅんびをおてつだいしてくれるひとをさがしてるの。」
「なるほど。例の依頼なら264名の方々が向かい明日に戻られると思いますよ。うちの調査員もいますので簡単な情報は掴んでます。問題がなければこのまま帰還と、それと例の使用人は運がいい。たまたま遺跡に来てた別の冒険者に保護されていたようです。なので全員無事らしいですよ。そのパーティーの一人が王都に知らせにいく際にクウ殿が依頼した冒険者達と遭遇して、そのまま合流して向かったとか。良かったですね♪話を戻しますが先にどんな料理を作られるか教えていただけますか?選ぶ職人も変わりますので。」
「じゃあ。うなどんとぼあどんをだすの♪」
テーブルの上にホカホカの二種類の丼をおいて開いて見せた。
「ご飯食べたばかりだと言うのにお腹が・・・・!こら!?ミレイ!ヨダレ!!お客様の前でしょ!!」
犬人族のミレイさんには耐えられないだろうな。
「ミレイおねえさんすぷーんなの♪めしあがれなの♪」
「・・我慢・・・・我慢・・・・我慢・・もう無理!!!クウ殿すすすみません!!!いただきます!!!ハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグハグ♪」
犬まっしぐらである。ネイさんそっくりだ。俺はほうばりながら食べるミレイさんを見て、ニコニコしながらリュックからお茶を取り出し、ミレイさんに出してあげた。それを黙ってゆっくりと手の届く位置に置いてあげる。
「ミレイあんた!?まさか全部食べる気なの!?ちょ!?あたしの分もああっ!!一つ空に・・・・」
「もういっこだすからシャイラおねえさんいいこ~いいこ~なの♪おひるにしょくいんさんのぶんもつくるからおてつだいよろしくなの。ざいりょうはぬるぬるのおさかなとまじかるぼあなの。おこめっていうクウちゃんがつくったのがしたにはいってるまめなの。くわしいちょうりのしかたはやるときにおしえるの。」
うな丼をシャイラさんの前に置いてあげるとミレイさんから守るように食べ始めた。
「これがあのヌルヌルなんて信じられない!?クウちゃんを置いてごめんなさい!!でも、口が・・・・・・・・止められない♪」
「そちゃですの。あついからきをつけてなの♪」
ミレイさんはマジカルボアの照り焼き丼を食べ終わり大きなシッポをフリフリさせて俺をハグしてきた。あはは♪こうなるとおっきいワンコだ。
「ミレイおねえさんもいいこ~いいこ~なの♪おちついたらおしごとしようなの~♪」
・・・・・・・・・・・・十分後。顔を真っ赤にさせて顔をうつ向く二人がソワァーでいならび座っていた。
「お恥ずかしいとこをお見せいたしました。」
「普段から食べ物に卑しいわけじゃないのよ!!」
「きにしないでなの♪むしろ、クウちゃんのどんをおいしいといってたべてくれてほんとうにうれしいの。でないとしょくざいにもうしわけないの。」
「ミレイ。急いで市場から肉と魚を捌く仕分け人を出来るだけ呼んで。」
「わかりました・・・・・その・・・あの・・・・・・非常に言いにくいのですが・・・・」
「だいじょうぶなの♪みなまでいわなくてもわかっているの♪ちゃんとミレイさんようのおひるのぶんもにしゅるいよういするの♪」
真っ赤になってあら!?可愛い。普段キリッとしてるだけになかなか見せない顔なんだろう。
「プフ♪ミレイったら。太ってもしらないわよ♪」
「なっ!?気にしている事を・・・・・その分はギルドマスターを叩いて消費します。クウ様ありがとう~♪」
「けんかはめっ!なの。でも、たべすぎはよくないからほどほどなの。」
「助かったわ・・・ミレイは大きいだけで太ってないんだから気にしないでいいのに。」
「シャイラには分からないのよ!!犬人族や巨人族の服の値段が!!高いのよ!あなた達に比べれば・・・・可愛い服も種類があまりないし・・・大きいから可愛い服も着られないし・・・少しでも小さくなろうと日々苦労してるのに・・・・・・・」
「慰めてあげてクウちゃん。」
「あの~しょくにんさんよんでほしいの。とりあえずよしよしなの♪ミレイちゃんナデナデなの♪おねがいだからしごとしてなの。」
「シャイラが変な事を言うからよ!クウちゃんは優しいね。お姉さんクウちゃんみたいな弟ほしいな。さて、名残惜しいけど手配しに行ってくるからそこのヘッポコエルフとここに居てね♪」
「腹ペコわんちゃんいってらっしゃい♪」
「もう~けんかはめっ!なの。」
「うふふふ♪か~い~よ♪じゃあ、人が来るまでに依頼料の交渉をしましょ。あと、クウちゃんの報酬を払う場所や人員等予定してないと思うからお姉さんが手配してあげる♪」
「あぅ!?そう言えばそうなの。クウちゃんひとりじゃたしかにこんらんおきちゃうの。シャイラおねえさんありがとうなの♪」
会場の場所の確保。今回携わった人及び王族への招待状。会場の警備スタッフの人員。配給スタッフ。依頼を受けた冒険者のチェックリストの作成及び確認する人。会場への案内スタッフ。等々。指摘されてたくさん出てくること!俺の行き当たりバッタリをこうして無事まとめてくれるので非常に助かった。
ふつおたコーナー(MC:たまご丼)
ペンネーム「作ったのに飲めません!!」さんより頂きました
Q:俺は未成年です。だけど、目の前にはそんな俺を試すか如く誘う存在があります。俺はどうすればいいでしょうか?
A:安易に誘いにのっちゃダメダメ!誘惑とは大抵甘美と楽しいもの!でも大抵後で後悔もするが男なら冒険してなんぼでしょ!作ったのに飲めません!!さんならいけるいける!というわけでシーユー♪
ク:ムクリ♪みんなねたのね♪クウちゃんはこんやおとなになるの・・・・・こっそりといまのうちに・・・・・
ア:夜這いに行くとはクウちゃんいい度胸ね・・・ムニャムニャ♪Zzzz♪Zzzz♪
ク:・・・・・・・やっぱりまだこどもでいいの・・・おやすみなさい・・・




