第三回 『リンゴの凍果』
それでは第三回。
えー、今回もリンゴです。
こちらも『シャルパンティエの雑貨屋さん』発売記念企画、作中のガジェットを再現してみようシリーズのうちの一つになりますでしょうか。
第二巻のとある場面にて、ジネット達が作って食べます。書き下ろし部分ですので、お楽しみに!
前回は皮でしたが、今回は中身の方、『リンゴの凍果』……ぶっちゃけると、シャーベットのなんちゃって版です。氷果だと、とある有名作品にもろかぶりして印象が引っ張られるなあと、凍果という字を宛いました。
本来のシャーベットでは使われる甘味料軟化材その他の材料を使用しない簡易版ということで、市販のシャーベットには口当たりも味も負けますが、とても素朴な大昔のデザート、雰囲気はすごく出ましたよー。
手間と時間はちょっと掛かりますが、する・煮る・凍らせる・混ぜると、ものすごく簡単です。
じゃあ、いってみましょう。
もちろん、主役はリンゴです。
今回は銘柄覚えてました。世界一という種類です。
これを四等分に切り分けて、すり下ろします。
四つに分けた理由は、種を取るのとすり下ろしやすいからという理由ですので、八等分でもなんでも大丈夫です。
すったリンゴは半分(大体で大丈夫です)をお鍋に、半分を金属のバットに入れます。
半量は火に掛けますので、色止めは気にしなくていいかなと思います。
バットは冷凍庫に入る小さい物の方がいいですね。
お鍋に入れた方は、弱火に掛けてかき混ぜながら熱します。
この時、焦げないように注意して下さい。焦がしても焼きリンゴっぽくて美味しいかもしれませんが、今回は普通に行きましょう。
しばらく火を入れると、ベシャメルソースを作っているときのような、もったりとした感触になります。目安は茶色く色づいて甘くなったら……といういい加減さですので、味見をしながらのんびりとやりましょう。
また、甘い方がいいという方は全量を甘く煮ても、作り方その物はあまり変わりません。こちらもお好みでどうぞ。酸っぱいのが好きな方は、煮る量を減らして生を多めにして下さい。
火を通し終えたら、冷ましておきます。
冷ました煮リンゴと生のすり下ろしを混ぜ、バットに広げます。
ジネットなら『【魔力よ集え、冷気と為せ】』と、魔法でぽんと冷やせるのですが、私にはちょっと無理なので、ラップをかけて冷凍庫へ。
冷凍庫の能力にもよりますが、1時間程度『中途半端に』凍らせてから、砕いて混ぜ込みます。
カチカチにしてしまうとかなりの力仕事になりますので、フードプロセッサーをお持ちの方はそちらの方が綺麗に、そして楽に砕けるかなと思います。キッチンタイマーがあると便利かもしれません。
平らに均したら、もう一度冷凍庫に。
これを2回か3回繰り返すと、出来上がりです。
さあ、盛りつけてみましょう。
……めっちゃ固かったです。
スプーンが曲がるかと思いました。
しばらく室温で放置して、柔らかくしてからカレースプーンで丸めました。ぺたぺた。
作中ではジネットがお店の裏庭で育てているケアベル(チャービル、あるいはセルフィーユとも呼ばれます)を添えましたが、リンゴの皮をキッチンばさみでカットしてそれらしく置いてみます。
……が、なんだか寂しかったので、適当に市販の焼き菓子もおまけしました。
完成!
作中では、ここにワインを煮詰めたソースをたらしていますが、レモン汁を混ぜた蜂蜜などでも美味しいかなと思いました。酸っぱい系があいそうです。
味の方は、もちろんリンゴ味なのですが、しゃりしゃりとした中にまばらな繊維質があって、手作り風って感じが伝わってきます。……いや、手作りでした、これ。間違いなく。
それから好みもありますが、甘すぎないのがいいですね。夏向きのデザートですが、ストレートの紅茶によく合いました。
こちらは薄焼きのクッキーにのせたものです。
そのまま食べるより美味しかった!
というわけで、『リンゴの凍果』のお話&レシピでございました。
もうちょっとお皿や飾り付けが何とかなれば見栄えもいいのですが、あまりそっちのセンスがなくてつらいところです。今回はガラスの器にしましたが、現代的すぎてちょっと雰囲気出ていないかなと反省。和風の小鉢はあったんですが、違和感出そうな絵柄が入っていて取りやめました。
エッセイ用の小物、新たに買いに行こうかなと画策しておりますが、なかなか好みのもの且つ作品作風、予算に合うものがありません。難しいところです。
とりあえず、これまでは携帯で撮ってましたが、新しくカメラを買ってきましたので、次回からはもうちょっと見やすい画像をお届けできるかと思います。
次こそは、食べ物じゃないお話……と思いつつ、また何か考えてみます。
ではまた。