第2話
やっと、続きが…でも、まだまだ続きますのでよろしくお願いいたします!!
黒い上着を羽織る彼は、哀愁感が漂う。白いシャツに黒のパーカーを纏う。薄手の格好だが、天使も悪魔も寒さや暑さを感じない。いわゆる私達にとって服は、現世に紛れこむための道具である。
「おい、今日の飯…は?」私はビニール袋を彼に渡す。
「今日は2頭です。あと私は、澪木ですから…」ガサゴソとビニール袋を漁る。そして、朝露に濡れた頭蓋骨を取り出す。天界に生きる者は、光を主食している。しかし、堕天使となった今、彼にとって、光は害を与えるもの。しかし、天使として食べなければならない。そのため、光の弱い朝の太陽を浴びた頭蓋骨を食べるのだ。頭蓋骨が一番、光を吸収するので、彼は頭蓋骨をほうばる。
堕天した天使は、〈主〉である神によって片翼を引き裂かれる。天使にとって両翼は、神からの寵愛の証。そして、天使として存在するためにの力である。
彼の背中には稲妻のような傷がある。それは、翼を奪われた跡であった。翼のない彼は、不浄の象徴である頭蓋骨を口にする。再び、天使として天界で生きるために…。
「おい、死神。今日は、なんの仕事だ?」
「今日もいつも通りですよ。化け物じみた魂を狩るんです」
彼にそう伝えると、鋭く睨まれる。
「亡者にその言い方は、ねぇだろう」
ガムを吐き捨てるように言われる。さすが、元・天使である。
何万もの、亡者を扱う死神にとっては、亡者はただの仕事だ。気を遣うなんてしてたら、こちらの神経がやられてしまう。私は微笑し、
「今日は、結構、大きい獲物です。亡者に悪魔が憑いていて、現世の人々に害をなしています。
頑張ってくださいね、天の使いさん」
ピクリと眉を彼は、動かす。そして、私は、言葉を続ける。
「―――いや、死神終焉課の特別執行係さん?」
「っ!?てめぇ…」
ぐっと私の胸ぐらを掴みかかる。しかし、パッと、手を離した。
彼にとって、天使である自分が、死神まがいの仕事をしているのは、酷く屈辱的なはずなのに…。
「お前、オンナなのか…」
「!そうだが…」
彼は、背中を向けて「仕事に行く」と言い残して、部屋を去った。
私は、壁にもたれ掛かり、苛立ちを抑える。オンナだからという理由で手をださなっかった。アイツが、酷く、馬鹿らしい。
「クソが…」
私は、彼の後を追った。