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夏でもサンタクロースをする幼馴染と侵入を阻止したい無防備な自宅警備員

掲載日:2026/08/12

 サンタクロースをいつまで信じていたかなんていう話は、涼宮家のハルヒ様を見る前には知っているような、コウノトリな話だ。

 賢明な読者諸氏は、サンタクロースをすでに空想上の、架空の存在だと認めていると思う。しかし、元気でお世話好きでお隣さんな幼馴染の存在は、時空を超えてでも存在してほしいと願っているピエロだと信じている。


 死にたがりのピエロのように、僕は文章を書いている。

 僕の部屋をみれば、節穴じゃないホームズ以外のn倍のワトソンたちは、僕を本の虫、カッコつければ、蠧魚、いや気持ち悪いか、まぁいいや、僕のことを読書家だと勘違いするだろう。

 しかし、ホームズのような観察眼を持って、注意深く緋色の糸を探れば、より分けた先に、僕が実は読書する機械としての自動筆記人形だと悟るだろう。

 僕は、サンタクロースという悪魔に監禁されて、永遠の執筆運動をする機械なのだ。探偵はすでに死んでいる。


 読書は嫌いだ。人間強度が下がるから。共感って最悪だよね。

 僕は、読書を強要されている。読み続け、書き続ける。

 僕は、僕の幼馴染の血を書いている。血で書いたものしか信じない人よ、僕は書いたものを輸血しています。ニーチェ様、僕は超人になれますか?



 ファンタジックな世界よろしく、ハローワールド、イッツ・ア・トゥルーワールド、狂った世界にこんにちは。カロッサも草葉の陰で泣いているな。

 幼馴染は僕の書いた本に、牙を立てて、新鮮な文章から生き血を啜る。うん、本専門の吸血鬼です。

 彼女が、こんな得意体質になったのは、ある日のクリスマスの日だった。彼女は、その日、世界の真実を一つ知ってしまったのだ。クリスマスにセラフするのは当たり前。

 このクリスマスに発生する多数の奇病を、僕たちはクリスマスショック症候群と名付けた。

 クリスマスショック症候群にかかってしまうと、代償と能力を獲得する。

 たとえば、そう、こんなメルヘン。翼が欲しいです。


「チューチュー、つまらない味。ありきたりな文章だね」


 幼馴染は、僕の原稿を灰にしていた。ああ、さよなら、僕の3時間。造文がどれだけ大変だと思っているのか。大概の小説家より、僕、書いたよね。もうゴールしていいよね。しないけど。飛行機雲はまだ消えてないから。


「ねぇ。こんな生活いつまでしないといけないの」


 彼女は鴉の濡れ羽色の洋服をバサバサとマントのようにした。これは、きっとドラキュラもキュン死する。しかし、僕は人間だからセーフだ。可愛いは正義と思うぐらい。


「それは僕のセリフなんだけど。僕、絶賛、不登校で、文章を書き連ねている機械なんだぜ、僕のエヴァーノートがグリーン」


「いいじゃん、頭いーんだし。あと3年はできるよ」

 

「僕、作家デビューしちゃうよ。そんなにハコヅメにされると。ブタバコからシロバコまで」 


「クリスマスショック症候群は、どうすれば治るか分かっているよね」


「絶対に信じられるモノを見つける、だろ。そんなの、もうキリストに頼むしかないよ。ああ、神よ。神様が死んだ日って、いつだっけ」


「絶対信じる気ないよね。怪しい」


「俺を信じろ。俺は正しい。俺こそが、俺が神だ、ニカッ」


 ドンッ。空中ドンした。


「厨二病には、一年早い」


「絶賛、留年しそうだけどな」


「書きながら登校しなよ。二足のわらじで苦労を買おうよ」


「無理だ。今でも書くのに精一杯なんだ。なんでAIに書かせた文章から血を吸えないんですか。この無能吸血鬼」


「でも、お日様の光を超越している夜の禍いだよ。ニンニクも十字架も行けます。人間と共存できます」


「できないよ。僕の右手の腱鞘炎がそう叫びたがっている」


 僕は幼馴染と呑気な会話をしていた。されど学生は学校に通わないといけないリミットがタイムしている。幼馴染は今日も、イジメなんて絶対にないクラスにリノリウムの床のような綺麗な心で、僕の心を踏みつけて行くのだ。

 僕の頭脳は、夜勤疲れの看護婦のような看護師のような気分で、どっぷりと泥濘に沈む。トロントの住民が見たら、僕を次郎系ラーメンに沈めるだろう。




 幼馴染はクリスマスショック症候群という思春期症候群一歩手前の何かで、13歳の学校を楽しんでいる。僕はというと、クリスマスショックなんてないはずなのに、身体の異変で韋編三絶の勢いで読書をしている。読書は僕の副作用だ。僕は文字を読むことが代償としてある。

 幼馴染のような人間離れした力はないけど、僕は、おっと寝起きのベッドで散漫な思考をしていると、自宅警備員室に、妹が入ってきた。遠慮なく。

 妹は、まだサンタを信じているピュアな真なる姫ちゃんだ。煙突があれば、綺麗に掃除していただろう。


「お兄ちゃん、昼夜逆転はよくないよ。毎日朝ごはん食べて学校行くよ〜をしないと」


「兄は、抑えられない右手の封印を解放されないように、必死なんだ。この世界をバニッシュしないように」


「わたし、小学生。何言ってるのか、分かんない」


「危険が危険が大ピンチなんだ。逃げろ、兄が兄でいるうちに」


「はいはーい。晩御飯、置いておくからね。今日はわたしの手作りだよ」


 妹がコンビニの袋を掲げる。妹よ、温めます、と答えることは手料理ではない。


「オッケー。兄は、食事をしたら、すぐに文筆家になって、磨穿鉄硯するから」


「うん。頑張ってね」


 さて、将来ビックになるために、今日も読書と執筆だ。俺の一日、無意味すぎないか。ニートかよ、ニートだな。

 もっと、こうなんというか、俺たちの青春はこれからだ、が欲しいぜ。全く第四真祖にでもなりたいよ。幼馴染が吸血鬼はズルい。第7巻はまだか。


 僕は積読本を、崩して、読書する。薔薇の在り処も知らない僕が。スペースオペラを片手で回すように。

 僕の副作用の話はいいとして、僕の能力について、いい加減話そう。誰にって、アルパカマンさんにだよ。EVERのように、170°回転して話そう。ヒンメルならそう言うし。

 僕の能力はベクトル操作だったらよかったんだけど、サイコメトリなんだ。まぁ、とにかく、感じろ、という感じで、実際、モノから思念を読み取れる。勢いつければ、僕は本を閉じた状態でも読める。速読チャンピオンに、俺はなれる。袋とじも余裕。

 でも、このモノから情報を引き出すという微妙な能力、使い道はない。まず触れるのがめんどい。読み取ったところで興味ない。僕は殺人事件を追うホームズじゃないから。ルパンのようにパスワードは入手できるが。

 たとえば、僕は、ハンガーに掛けられたシャツから最近の一番早めの思念を取り出す。


「お兄ちゃんの彼シャツ。ダボダボ」


 と、このように無駄に可愛い致命傷な妹の思念が僕を襲うわけだ。妹って天使だ。僕は、このシャツを洗わない。

 まぁ、シスコンじゃないから、いずれ洗うけど。酸素系漂白剤で。


 僕は読書で大量の人の気持ちを受け入れるという苦行によって、サイコメトリに目覚めている一般人なんだ。

 吸血鬼とサイコメトリ。

 なんか食い合わせが悪そうだ。というか、僕たちには解決すべき問題がない。逆に、クリスマスショック症候群が一番の困ったちゃんだ。

 

 まぁ、しかし、目下、一番の問題があるっちゃある。僕はサイコメトリストだから、犯罪の香りに誘われる探偵のように鉢合わせできる。

 たとえば、僕はクラスのあの子のリコーダーのことやスクール水着や体操服について、連綿とした事情が分かる。知りたくなかった。友情の8割が飛んだ。

 思春期の男子は、変態。僕の心のノートにそう刻んだ。

 そうして、不登校は生まれる。

 実際、二足のわらじは、ともかく、人のプライバシーを侵害したくない。

 土足で踏み込んではいけない領域がある。境界の彼方へは触れてはいけません。不愉快ですから。


 でも、僕は、僕の仕事をしないといけない。

 夜は吸血鬼の時間から人間の時間になったのだから。





 僕は、廃工場にバイクで突っ込んだ。

 サイコメトリがあれば、こういう応用もできる。免許なんてなくても、ハイウェイで堕天できる。

 僕は、この日のために準備してきた。

 幼馴染のクリスマスショック症候群の原因。幼馴染が見てしまったモノを僕は、サイコメトリで読み取っている。

 知っているか、サンタは、リンゴのように人をつぶす。


 廃工場では、特殊な人間たちが闇闘技場を開いていた。クリスマスショック症候群があるぐらいだから、だいたいのファンタジーな嘘も真実だ。

 

「グッバイ、ガソリンはよく燃える」


 バールは忘れてきました。

 まぁ、芸術は爆発さ。

 ダレンさんのように丸焦げでも俺、きっと生きて帰ってこれるさ。


 周辺は、不審者の俺に発砲してきたり、意味不明な炎や雷が待っている。雪すらもヒラヒラと冬の蛍のように。

 超能力のバーゲンセールだ。

 俺もかっこいい目立つ力が欲しかった。

 バイクの車輪が地面の氷に取られる。夏って知ってるか。


 俺は回転しながらアクロバットに受け身をする。バイクは廃屋の壁にぶつかり爆音が響き、ガソリンの炎はさらに派手。


「わりぃ、俺、死んだわ」


 廃屋のラーメン構造がポキっといく。

 赤い鋼鉄が、ガラガラと崩れていく。


「アホーーーーーーーッ」


 少女の声がする。霧の中から、大きなコウモリのような。

 僕の手を引っ張ると、高速で廃屋を駆け抜けていく。

 そして、彼女は、月夜にまい、ぼくの血を吸っていく。


「本で見たような夜だ」


「もっと、ひどい夜になるよ」


 吸血鬼って、強いのか。

 僕を適当な場所に降ろした彼女は、渦中に突っ込んでいった。戦闘妖精のように。

 何だよ。あいつら。勝手に戦ってやがる。




 サンタさんだよ。

 吸血鬼じゃないもん。

 血染めのサンタが何か言っていた。

 とりあえず、サンタという不審者を拒否しよう。

 入れてよー、と壁を吹き飛ばす彼女。


「ミニスカじゃない。女サンタなんて知らない」


「私ね。血液美味しいって気づいたの」


 サンタさん、血液が欲しいです。

 てか、本である必要はないの。俺の腱鞘炎の意味は。


「だって、恥ずかしいじゃん」


「よし。今度から牛の血を準備しておくな」


「ううん。やっぱり、わたしは、サイコメトリの書架で我慢する。血って、気持ちよすぎて狂っちゃいそう」


「実はな。おれのサイコメトリには条件があるんだ」


「何?」


「可愛い子のおっぱいを揉まないと、真の能力がー」


「知ってる?サンタさんは悪い子にはーー」


 拝啓 サンタさん

 一年に一回でいいです。自称サンタを引き取ってください



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