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対決! メトシェラ!

テンマとソフィアはグリズラーとブラッドマンを倒した。

二人が合流した。

「ソフィアも無事だったようだな。相手は強かったか?」

「ええ、それなりにてこずる相手だったわ。テンマ君も大丈夫だったようね」

二人ともけが一つしていない。

この二人の実力ならあの程度の相手は軽い。

「へえ、やるものだネ。ぼくの配下を退けるとはネ」

「誰だ?」

「あなたは?」

「フフフフフ、ぼくはメトシェラ。アルコンテスの一人だヨ。ぼくは君たちを抹殺しに来たんダ」

「アルコンテス!」

メトシェラは強者特有のオーラを漂わせる。

この強さ、並の強さではない。

テンマは警戒心を跳ね上げた。

「そう警戒しないでもらいたいネ。ぼくは君たちに提案をしにきたんダ」

「提案?」

ソフィアがけげんな声を上げる。

提案だという。

一体どんな提案なのか?

もっともアルコンテス側の提案などというものは妖しいが。

「君たちほどの実力者を殺すのは惜しイ。そこでだ。ぼくたちの一員にならないかイ?」

「なんだと?」

「何ですって!?」

テンマもソフィアもおのれの耳を疑った。

メトシェラは(キュリオスを裏切って自分たちの側に立てという。

「ふざけているのか!」

テンマがはき捨てる。

テンマからすれば、味方を裏切って敵に走れなどとそんなことは決して認められない。

そんなことは吐き気がする。

「おや? ぼくは大真面目なんだけどねエ? 君はこういった勧誘は気に入らないかイ?」

「俺はアルコンテスの一員にはならない! 俺は天使だ! (キュリオスを裏切れなどとよくそんなことを言えるな!」

「どうやら君には火に油を注ぐようだねエ。そっちのお嬢さんはどうだイ? ぼくたちの方に来ないかイ? キュリオスのもとにいたって何があるというんだイ?」

ソフィアは毅然と立ち向かった。

「私はテンマ君の伴侶よ! 私の心は彼と共に在るわ!」

「そうかい、残念だねエ。この前追い払ったサキエルとかいう奴と合流される前に君たちを始末しようとするカ」

「サキエル? サキエルを知っているのか?」

メトシェラはニイッと笑った。

まるで聞かれたかったと言わんばかりに。

「この前彼と会ってね、その時彼と戦ったんだヨ。もちろん僕の勝利だったけどねエ。彼はビルから落ちて行ったヨ」

「おまえ! 絶対に許さない!」

「ははは! いいネ! じゃあ、ぼくと遊んでくれるかナ! エアスネイク!」

メトシェラは手を前に出すと、何やら直線的なものを出してきた。

テンマはそれを光の剣で受け止める。

「なんだ、この力は?」

テンマは疑問に思う。

明らかに風の力だったが、何かどこか生きているかのようにテンマには思えた。

「ふふふ、ぼくの力が分からなくて混乱しているのかイ? シェーシャ! ヴァースキ!」

メトシェラは風の二体の大型のコブラを作り出した。

「風の蛇!? これがおまえの能力か!」

「そうサ! 行くがいイ!」

「テンマ君! もう一体は任せて!」

「わかった! 分散して倒そう!」

テンマはシェーシャを向かいなおる。

シェーシャの力は未知数だ。

そのため、テンマは相手の攻撃をまずは対処することにした。

シェーシャの攻撃パターンを分析するのだ。

シェーシャは一瞬にして消えた。

テンマの目にはそう見えた。

テンマは本能的に動いていた。

そこにはシェーシャの頭があった。

危なかった。

もしテンマが動いていなかったら、テンマは一撃でかみ殺されていただろう。

シェーシャが目を細める。

どうやらただ本能で動いていいるだけではなく、原始的だが知性はあるようだ。

シェーシャの目には知性の彩があった。

シェーシャが動く。

シェーシャは再びテンマにくらいつこうとする。

それをまともに受けるほど愚鈍なテンマではない。

またしても、シェーシャの牙は空振りした。

「あの牙……危険だな」

テンマはシェーシャの口にある牙を見る。

それからは毒があるだろう。

今のテンマ……セラフィエルは物質をまとっている。

つまり、肉体を持っている。

気息に毒は効かないが、肉体には毒が効く。

「あっはっはっはっは! どうしたんだイ? シェーシャと戯れているだけかイ?」

「……嫌味な奴だ」

シェーシャは口に風を集めた。

ブレスだ!

シェーシャもブレスを使うことができるようだ。

テンマは剣を光輝かせる。

シェーシャがブレスをはいた。

テンマは光の剣でそれを受け止める。

風のブレスか!

すべてを吹き飛ばす風の息だった。

どうやら、これ以上の攻撃は出てきそうもなかった。

テンマは敢えて、シェーシャのかみつきを誘発する。

シェーシャはそれに乗ってきた。

テンマはジャンプしてそれをかわすと、シェーシャの頭を光剣エスペラントで貫いた。

シェーシャは霧散した。

一方、ソフィアはヴァースキと戦っていた。

ヴァースキはドクロの顔をした蛇だった。

「はっ!」

ソフィアが三又の槍トリアイナでヴァースキを突く。

だが、ヴァースキはしなやかに動いてかわし、ソフィアに巻き付いてきた。

「ああ!?」

ソフィアはヴァースキに巻き付かれた。

ヴァースキが闇の力でソフィアを苦しめる。

「くっ……このままじゃ……」

ソフィアは締め付けられて苦痛を感じる。

このままでは絞殺されるであろう。

何とか脱出をしなけれなならない。

ヴァースキは口を開いて牙を伸ばした。

このままかみ殺すつもりだ。

ヴァースキはそのままソフィアののどに牙を突き付けた。

ソフィアは死んだ、かに思われた。

「このくらいでやられると思わないでよ!」

ソフィアは生きていた。

ソフィアののど元には青い光があった。

青い光……気息の力だ。

ソフィアは気息の力を集中し、一気にはじけ飛ばせた。

「ギシャアアアアアア!?」

ヴァースキが吹き飛んだ。

ヴァースキは床の上でのたうち回る。

「これでとどめよ!」

ソフィアはトリアイナでヴァースキの頭を突き刺した。

ヴァースキは消滅した。

二人はシェーシャとヴァースキを倒した。

メトシェラの美しい顔が怒りで歪む。

「な、こんなことが……ぼくの蛇が倒されたって……!?」

「もうあきらめろ。後はおまえだけだ」

「私たちにケンカを売っておいて、ただで済むと思わないでよ!」

「くっ、ここは何としてでも撤退を……」

「見つけた! この前のお返しだ!」

「何!?」

そこに白い服の男性が現れる。

彼はサーベルを手にしていた。

彼はサーベルでメトシェラを斬りつけた。

「があっ!?」

さらにメトシェラに突きを入れる。

角度からわかるが、致命傷だ。

「まさか……このぼくが……」

メトシェラは粒子と化して消えていった。

その様子をテンマとソフィアは呆然と眺めていた。

その天使を二人は知っていた。

「よう、セラフィエル、ソフィエル。久しぶりだな」

「サキエル……」

「どうしてあなたがここにいるのよ?」

「まあ、こんなところじゃ落ち着いて話せないだろ? 場所を変えよう」

三人はこうしてショッピングモール『トリーノ』を後にした。

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