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第91話 妹の自立と焦る姉

「かえでの奴、最近生意気になってきやがったな……神前の野郎をアタシの許可なくべたべた触っていやらしい目で見ていやがる。誰が主人なのか身体に刻み込んでやろうか?」 


 苦々し気な笑みを浮かべてかなめがつぶやいた。カウラの端末からのデータ転送が終わったことを告げる画面を見ながら誠はラーナを見つめていた。いつまでも呆けたように立ち尽くす少女の面影の残る法術専門捜査官ラーナは上司に独り立ちを認められたのが嬉しいのか、心の底からの笑顔で突っ立っていた。


「さっさと今日取れた情報の整理をしましょうよ!」 


 アメリアの言葉で我に返ってラーナは腰を下ろした。そんなラーナの姿に誠達は疲れも忘れるような暖かい微笑が浮かんでくるのを感じていた。


「確かに最近のかえでちゃんの行動は目に余るわね……私の誠ちゃんにべたべた触りまくって……あの変態世界になんとしても誠ちゃんを引きずり込むつもりよ……。誠ちゃん今週のかえでちゃんからの動画を見た?」


 アメリアは端末を叩きながら誠にそう尋ねてきた。


「いえ、先週のが凄かったんで今週の例の動画はまだ……」


 かえでは誠とアメリアに自分の痴態を移した無修正動画を毎週送りつけていた。誠には愛を、アメリアにはアメリアが作るエロゲームの参考になればと言うことで送られてくるその動画にはかえでをはじめとするかえでの屋敷に住む6人の女達が裸で行為に及ぶ姿が映されていた。


「今回のはひたすら誠ちゃん向けよ。ひたすら誠ちゃんに自分の身体がいかに優れているのかを一人語りしちゃって……『僕の股間の花弁はこんなにもきれいなピンク色をしているんだよ、見てみるかい?』ですって!かえでちゃんは完全に誠ちゃんを落とす気満々よ」


 平然とした表情のままアメリアはそう言った。


「そんな内容なんですか……見たいような見たくないような……」


 そうつぶやく誠の耳に机をたたくかなめの右腕の音が響いた。


「かえでの奴!神前はアタシんだって言ってんのになんで分かんねえのかな?月に一回の調教を止めてやるぞ!そうすればアイツのマゾの本性が目覚めてアイツもアタシを求めて来るんだ。神前にこれ以上手を出したら承知しねえかんな!」


 怒りに震えるかなめをアメリアは冷ややかな目で見つめた。


「やっぱりかなめちゃんも誠ちゃんに気が有るんだ。まあ、私は誠ちゃんに気があるって公言してるからどうでも良いけど」


 アメリアはそう言ってかなめの怒りに火をつけた。


「誰が神前に気があるだ!オメエみたいな男日照りでアレがでかい神前に惹かれてるだけの色ボケの馬鹿と一緒にすんじゃねえ!」


 かなめがそこまで言ったところでカウラが突然立ち上がった。


「貴様等いい加減にしろ!ここは職場だ!恋愛談義をするところじゃ無いんだ!そんな当たり前のことも分からないのか!」


 突然キレたカウラにかなめもアメリアも静かに黙り込んだ。


「神前。日野少佐の色香に騙されるな。アレは魔性の女と言う奴だ。貴様を悪の道に染めたくない。だから今は静かに仕事をしていろ」


 カウラはそう言うと静かに椅子に座り直して仕事を再開した。


 誠はカウラの言うことももっともだと思いながらも例の今週のかえでの無修正動画の内容が気になって仕方が無かった。



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