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第12話 法術の一つ『演操術』

「演操術師の特定か……それならつじつまが合うな」 


 『演操術』。初めて聞く言葉に誠もカウラも目を茜に向けた。


「なんだか分からないけど面倒なことになりそうなのね」 


 アメリアがコーヒーを口に含んでその様子を眺めている。


「わたくし達が動く事件は大体が面倒なことなのではなくて?」 


 上品に答える茜にアメリアは手を広げて知らぬふりと言うような態度を示して見せた。


「確かに……今回も面倒なことになりそうだな」 


 カウラはそう言うと静かにコーヒーをすすった。そんな彼女の前で茜は大げさに直立不動の姿勢をとった。カウラも気づいて敬礼した。


「嵯峨茜警部、事件を引き継ぎます」


 茜はそう言うとカウラに敬礼を返した。


「よろしくお願いします」


 カウラはそう言って茜に敬礼を返した。その有様を相変わらずラーナの機械を弄りながらかなめが眺めた。アメリアはと言えば部屋の隅に置かれていた事務机にかけてあったコートに袖を通していた。


「アメリアさん……」


 誠が恐る恐る声をかける。その脇を安心したと言う表情のカウラが通り過ぎる。


「引継ぎは終わったわけだな……帰るか」


 かなめはラーナを虐めるのは飽きたと言うように機械から離れるとそのまま出口へと向かった。 


「いいんですか?事件はまだ……」 


 そこまで言いかけたところで茜が誠の肩を叩いた。


「初期消火とその後の対応お疲れ様。後は私達が引き継ぎますわ。正月休み、ごゆっくり」 


 どう見ても遼州人の嵯峨の娘には見えないドイツ系の整った顔立ちの茜が凛とした口調でそう言った。


「はあ……」 


 誠は自分と同じ年のエリート警察官の言葉に何も言い返せ無いことは分かっていた。そしてそのまま帰ろうとする三人の女上司の後を追って取調室を後にした。



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