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2年目の5日目~それ以降


 申し訳ございません。

 打ち切りです。




 2年目は成樹へと育ったこと以外特に挙げるようなことが無い代わり映えの無い日常を過ごした。

 恐らく定年退職後の伸び伸びとした日々のような1年を過ごせたように思う。

 あぁただ、ここではない何処かで激しい力の爆発のようなものを感じた。その爆発が治まって少しすると、まるで世界全体が何かから解放されたような、そんな解放感を覚えたことを何年経っても忘れられそうに無い。そう強く確信するような感覚的なことが在った。何が起きたのか理解は出来ないが、本体がソレを本能で理解して喜んでいたため、恐らくこの解放感は良い意味の解放感なんだろう。


 3年目からは本格的にブラファー達がこの地に住み始めた。おかげで彼等が亡くならない限りもう2度とこの地上を散歩出来なくなったというのは悲しいものが有ったが、海抜1000メートルを越えた今の本体を思えば些末なことに思えた為、呼び掛けてくる声を拾うまでは彼等の存在も忘れてしまいそうだった。


 4年目も言うことは無い。代わり映えの無い日常を過ごした。


 5年目以降は特に挙げるようなことは起きず、ただ永遠にこの場に在る樹としての生を過ごした。

 あぁ、ブラファー達が亡くなった頃に入れ換わるように他の生物達がこの地に住み始めたことを知覚したが、害を及ぼそうとした奴を悉く光魔法で消して行ったら、何処までが許容範囲なのかを住み始めた奴等は学習して、ある一定の範囲からは入って来なくなった。その範囲というのがブラファー達が住んでいた辺りの外だというのだから、生まれ変わって何年経とうとも自分の心というものは把握出来ないらしい。


 だいたい100年が経った頃、いやもしかしたら100年以下かむしろヘタしたら200年とか経ってたかもしれないが、体感100年が経った頃。その頃にようやく進化した。種族は聖樹だった。ブラファー達の信仰とブラファー達の後に住み始めた奴等の畏怖の年が宗教的な信仰になって、それが俺達の力になったからの聖樹らしい。

 ステータス画面の備考欄曰く、やはりこの聖樹へ到ったのは早かったようで、本来は老樹を経由して聖樹へ到るらしい。自然信仰の僧が修行の果てに仙人になるのが通常の筈が、何故か成人して少しほどの若者が仙人に到ってしまった。みたいな感じなのだろう。少なくとも俺はそう解釈した。


 200年が経った頃、ブラファー達の時以上の死を感じた。彼等から教わっていたサース某の友人が来たらしい。

 ソイツを見た瞬間、ソイツの存在を感じた瞬間、俺と本体は両方が何も出来ず固まることしか出来なかった。それ以外には何も許されなかったというのが正しいか。

 ソイツが本体の幹に触れこちらへ魔法力に似た何かを流して来ると、何やら満足そうに「君達に寿命の概念は無いから、好きなだけ生きて好きなだけこの世界に在り続けて。終わりたくなったら終わりたくなった方だけ俺が消してあげる」そう言うとブラファー達のように消えた。

 俺達は奴に2度と会わないことを切に願うしかなかった。


 500年目頃にまた進化した。今度は神聖樹。聖樹の上位互換のようだった。

 500年も経てばこの大陸も大きく変わり、俺達の周りも大きく変わった。

 まず俺達の周りは木で覆われた森となった。俺達の在る場所を最奥とするなら、その手前までの深層とでも言える場所までにはゲームで見たような深く大きい森に居そうなモンスターが沢山居た。そんなモンスター達に隠れるように、中層とでも言える辺りに耳が長い人間達が暮らしている。そこから先の浅層とでも言える辺りや更にこの先は異世界系のRPGゲームのような世界が拡がっている。

 国も在れば、国とも呼べないような小さなコミュニティーも在る。

 この大陸は500年も経てば国が出来るまでに発展する力が有ったらしい。


 あの危ない奴の言葉を聞く訳じゃないけど、俺達は俺達で自由に過ごす。

 結局俺達の意識を統合するなんてことは、完全には出来なかった。いつかの備考欄に書いてあった男女の幼馴染みのようとは違うが、その例えのように俺達の意識はそれぞれ男性寄りであり女性寄りだ。だから1番近い例えは男女の双子のような感じだろうか。俺達の意識は限りなく近いが、そこに男女の違いのようなものが生じる。最終的に俺達はそこに落ち着いた。


 言葉を重ねるが、あの危ない奴の言葉じゃないが、俺達は俺達の理由で自由に過ごす。そこに誰かの思惑が絡むのならどんな思惑だと思わなくはないが、俺達は変わらない日常こそを愛する。


 神聖樹とまで呼ばれるまでに育った俺達は、たった500年とはいえそこへと落ち着いた。




 と、いうわけで、ドリアードは育ちたい、完結です。


 長ったらしい言い訳という名の後書きは活動報告で書きますので、ご興味が有ればそちらをご覧ください。


 短い間でしたがここまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。

 またいずれ何処かで。       by荒木空



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