278日目~321日目
278日目~279日目。278日目の朝、ブラファー達が次の物を建てて設置した。
今度は納屋のようで、社に納めた物を保管しておく為に建てたと思われる。ただ剪定した枝が納屋が建てれるほどの量だった気がしないのだが、それは明らかな異臭に似た感覚によって何故建てられたか理解した。
どうやら足りない分は別の木材で継ぎ足したらしい。そしてそれは本体的に嫌悪感が凄まじいことだったようで、今すぐ破壊してしまいたい欲に駆られてしまった。
しまったというか、破壊した。一部の本体の木材で組まれた部分と他の木材で組まれた部分と本体の木材と他の木材の両方で組まれた部分を残し、他は完全に本体による光魔法で破壊した。
翌朝その在り様となった納屋を見て固まるブラファー達の前にドリアード体で姿を見せた俺は、まず残しておいた本体の木材で組まれた物と他の木材で組まれた物を指差して許すと伝える。次に本体の木材と他の木材で組まれた物を指差し、光魔法で炭も残さず破壊。許さないとだけ伝えてドリアード体を消した。
それだけで意図は伝わったようで、本体から見たブラファー達は何処かへ姿を消したかと思うと、数時間後には大量の木材を抱えて何度も消えて現れてを繰り返した。そしてその度抱えられていた木材が積み重なっていき、夕暮れ頃には1軒分ほどの木材が確保されていた。
280日目~309日目。ブラファー達の建築が始まった。人間では考えられない速度で組まれ出来上がっていく建物の骨組みを眺めるのは圧巻で、見ていて楽しいものだった。前世で俺も自分で家を建てたがそれは独学で家と呼ぶにはお粗末な物だっただけに、明らかに慣れている2人の作業を見てその事を思い出し、少し自分が情けなくなった。
建物という物は上へ行けば上へ行くほど建てるのが大変になっていく物だ。しかし彼等はその背中にある翼を使って行き来をするため、足場を組むということをしなくて良い。
建物がみるみる内に出来上がっていく。その様子を、どうやら本体はとても楽しんでいるようだった。
310日目~321日目。遂に出来上がる。家自体は314日目時点で出来上がっていたようだが、その後の7日間ほどで家具を作っていたらしい。明るい内は外に出て新たに剪定してシレッと社の近くに置いておいた枝を使ってベッドの枠組みや机の枠組みなんかを作っていた。
例え照明が有っても建物の中は晴天の空の下と比べれば暗いものだ。だから彼等が外で作業するのは納得だったんだが、本体はそうではない。ここ1ヶ月ほどは日向ぼっこをしたい俺の欲に反して本体の見たい欲の方が強いらしく、ずっと彼等の作業を眺める日々だった。