11日目その2
正午ちょうどに書き上がりましたので、過ぎましたがそのまま更新です。
スキルが増えたことで出来ることが増えた。
だからまずは、スキルの確認から行うことにした。
増えたのは植物魔法、魔法力回復速度上昇、生命力回復速度上昇の3つ。
回復速度上昇系の内、生命力回復速度上昇の方は確認のしようが無いし、確認の為に身を削ったとしてもこのスキルを習得前の回復速度を把握していないため、その効果を実感することが出来ない。その為このスキルに関しては今後も外敵が現れない限り体感と実感をすることは無いだろう。だからこのスキルについては今後も出番が無いことを願う。
魔法力回復速度上昇スキルはこれからの魔法の訓練で好きなだけ体感することになる。このスキルについてもスキルの確認なんかは別に要らないと言える。
となれば確認するスキルというのは1つに絞られるわけだが、この植物魔法は正に前日までに考えていたことが出来る魔法だった。
植物魔法に出来ることは主に3つ。成長と変化と維持だ。
成長はそのまま、対象の植物を自分の都合の良い大きさまで成長させることが出来る。しかも普通の植物の成長に対して、一種の溜めが出来ることがわかった。
この溜めは俺が見れるステータス画面の潜在能力の値に関係しているようで、要するにその植物の未来への成長という可能性を前借り出来るという認識が1番近そうだった。
試しに本体から落ちた葉を対象にこの成長を使ってみたが、葉の茎部分から根のような物が生え、その根のような物が触手のような物となって訓練用に産み出した土人形に絡み付いたのを見た時は、正直そのおぞましさに似た気持ち悪さに引いた。
その葉は役目を終えたあと、何事も無かったかのように跡形もなく消えたため、使い方次第で化けそうな特徴たと思った。
変化は前述の根のような物が触手のような物となったというのが正にそれだ。
根を産み出すのはまだ植物として不思議ではない。十分物凄くおかしいが、100歩譲って言葉は呑み込める。別たれた部分が新しい生命として地に根を張ろうと踠いた結果と聞けば、納得は出来なくともなるほどと一言ギリギリ漏らせる。しかしその根が触手のようになって、あまつさえ何かを拘束出来るまで自在にその在り様を変え操るというのは、あまりにも冒涜的ではないだろうか?試した自分が言うのもなんだが、別の生き物のように見えて正直気持ち悪かった。
ただこの変化を用いた拘束というのは、成長前に考えていた本体の根を使っての奇襲及び拘束を行う上ではこの上無く有効的な活用法方だとは思った。だから切羽詰まった時の切り札の1つとしては良さそうだった。
そして最後の維持だが、言ってしまえば先の2つの特徴を維持させているのがこの維持という特徴だと結論付けた。スキルの特徴と呼べるほどに、この維持という特徴は植物魔法の根幹を担っている。
人間や植物含め、そもそも万物は生まれ落ちた後から奇形になることはまず無い。ほぼ無い。成長に伴って形成される在り方で固定されるものだ。その森羅万象のルールを歪めているのが成長と変化で、その歪めたルールを魔法力を消費することで維持しているのがこの維持という特徴だ。
試しにこの維持という特徴を排すると意識して成長や変化の特徴で植物魔法を使ってみた。確かに最初は成長も変化もしたが、数秒後には葉が跡形もなく消えた。
この事から、植物魔法は対象の植物の未来を歪めて潜在能力を使い切って、その使い切るまでの間に思うように植物を操る魔法だと俺は判断した。つまり維持とは、余命僅かの老人に栄養剤と抗生物質や痛み止めを点滴で流し込む、その点滴の液だと言える。その液は俺の魔法力だ。
植物魔法。聞こえはとても親しみが有るし、奥が深そうな魔法だが、その実態はおぞましく冒涜的なもののようだ。落ちた葉を用いた拘束ぐらいでしか使わないよう深く胸に刻み込む。
この魔法は、人間の俺が使うのならとても有用な魔法だが、植物となった今の俺には使えない危険な魔法だ。




