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ジョアンナ・ヴァン・ヘルシング ――The Vampire Queen  作者: 青い水


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29/30

アルテミス・ムーンの悲劇

大変なことになってしまいました。この連載、続けられるのでしょうか?

 ケンジントン、クイーンの館。


「ワイルドが消えた?眷属の絆が消えている...エイダ!」

「は、ジョアンナ様。」

「ワイルドが消滅しました。おそらくあの巫女に倒されたのでしょう。愚かな!無謀な戦いを挑むなど...。エイダ、こちらの戦力は減る一方です。何としても敵の戦力を少しでも減らさなければジリ貧です。敵の戦力はどうなっていますか?」

「ヴァン・ヘルシングの指導の下、ゴダルミング家の当主アーサー、ハーカー家の寡婦ミナ、クインシー・モリスの妹エミリー、日本の巫女御巫翡翠です。」

「5名ですか。こちらは私を含めて6名。拮抗してますね。せめて1人は減らしたい。」

「ならばアーサーはどうでしょう?ドロレスを餌にすれば出て来るかもしれません。」

「なるほど、可能性はありそうですね。」

「家の外におびき出さなければなりませんが、前にジョナサン・ハーカーを殺したあの店はどうでしょう?公道や公園だと敵が支援のために潜む場所がありますが、狭い店内なら出入り口は1つです。」

「良いでしょう。計画を実行しなさい。」



 ゴダルミング家の館。

「旦那様、郵便です。」執事が封書をアーサーに渡す。中身を確認したアーサーの顔が青ざめる。「ドロレス!」周囲の一同がざわめく。

「何があったの、アーサー?」ミナが尋ねた。

「いや、何でもないんだ。ドロレスからの手紙で、会いたいと。」

「罠ですよね。」お茶を運んできた翡翠が冷静に判断した。

「罠だろう。」アーサーは努めて冷静なふりをした。


 3時間後、ピカデリーのミュージックホール「アルテミス・ムーン」。


「ドロレス!」暗い店内でアーサーは呼びかけた。

「お兄ちゃん、来てくれたのね。」ドロレスは1人でカウンターの椅子に腰掛けている。

「ああ、もう帰れるのか?」アーサーが近づくと、ドロレスが立ち上がってアーサーの手を取る。「ええ、もう離れないわ。」


その瞬間、店の扉が開き、エミリーが叫んだ。「アーサー、離れろっ!」


しかしアーサーはドロレスの細い腕に絡め取られていた。「お兄ちゃん、お兄ちゃんも死の向こう側に来て!」ドロレスの細い牙がアーサーの喉に突き立てられる。鮮血が吹き出した。「あ、お兄ちゃん!え?私、私、失敗したの?」


「このおっ!」エミリーのピースメーカーが火を噴いた。だがドロレスをかばったカロリーヌのマントに弾かれた。


「おっと,お嬢さん、良い場面じゃないか、こんな店の中でピースメーカーをぶっ放すなんてな。」店の奥からタバコをくわえたビリーが現れた。


「待って、ビリー!」カロリーヌがビリーを押しのけて前に出た。「この女、フランツを殺したこの女、私が殺す!」


挿絵(By みてみん)


「そこまでにしなさい!」店の奥からジョアンナが現れた。「1人は潰したわ。ドロレス、怪我の功名よ。吸血に失敗して殺してしまったのね。」


「ジョアンナ様、この女を私に!」カロリーヌが懇願するようにジョアンナを見た。


「死ねっ!」エミリーのピースメーカー2丁が連続で火を噴いた。が、すべてジョアンナのマントで無効化され銀の弾丸は床に落ちた。その瞬間、カロリーヌがエミリーに飛びかかって組み伏せた。


「汚らわしいおまえは噛む価値もない。兄と同じように惨めに血を流して死ねっ!」カロリーヌは隠し持っていたダガーでエミリーの脇腹を刺した。刺して抉った。鮮血が店の床に広がった。「フランツ...仇は取ったよ...」


「あら、想定外でしたけど、2人も潰れてしまったわ。」この光景を見ていたジョアンナは満足そうに笑った。「さあ帰りましょう。最終決戦が近いわ。」



 翌日、ゴダルミング家に2つの棺が運び込まれた。新聞には「アルテミス・ムーンの惨劇!」という大見出しが載った。


 ○月○日、ピカデリーのミュージック・ホール「アルテミス・ムーン」でゴダルミング家の当主アーサー・ホルムウッド・ゴダルミング氏とテキサスからの来客エミリー・モリス氏が何者かに殺害された。ホルムウッド氏は咬傷により失血死、モリス氏は刺創により、同じく失血死。なお刺創には深く抉られた跡があり、強い殺意のもとでの犯行だったと推定される。


「もうだめかもしれない。」ヘルシングは暗い顔で言った。「こうなったらもうだめかもしれない。われわれは全滅するだろう。私とミナさんと翡翠さん、もう3人しか残っていない。勝ち目はない。」ヘルシングは頭を抱えた。「撤退しよう。使用人も避難させなければ。執事を呼んでくれたまえ。」ミナが執事を連れてきた。


「知っての通り、この館の当主は亡くなられた。急ぎ顧問弁護士と連絡を取って、ゴダルミング家の解散手続きを取ってくれたまえ。弁護士は相続関係者も把握しているだろう。君たちの処遇も、弁護士の指示に従ってくれたまえ。急な話で申し訳ないが、こうなったからには仕方がない。われわれも早急にここを出て行こう。」


「悔しいです。」いつもは冷静な翡翠の唇が震えている。

「ジョナサンが殺されたあの店でアーサーまで殺されるなんて。」ミナの目は涙で真っ赤だ。




自分で書いておいてなんですが、このまま行くとヘルシング側が負けてしまいそうです。ヴァンパイア勢の勝利で最終回を迎えたら、読者の皆さんには「胸くそ読後感」しか残らないかもしれません。どうしましょう?今、何の解決案も浮かびません。行き当たりばったりで執筆しているとこんなことになるんですね。はっはっは。いや、笑っている場合じゃないんです。AIに訊いても、「ここからの逆転劇は難しいと思います」と言われちゃったし。ともかく、次回が最終回です。長い間お付き合い頂きありがとうございました。

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