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なぞなぞ

作者: 芋姫

家に帰る途中、5歳の弟と一緒になぞなぞをすることになった。


弟が問題を出したいと言うので姉のわたしはそれに従うこととなった。


さっそく問題を出される。


「じゃあ、問題でーす、黒くて~大きくて~歯がたくさんあるのはな~んだ?」


わたしはにやりと笑う。簡単ね。 すかさず答える。


「ピアノでしょ」 ・・・しかし。


「ぶっぶ~」 と得意げな弟。 「え?ちがうの」わたしが聞き返すと弟はにっと笑ってこう言った。


「正解はぁ~『黒ムツ』でした~。」 それでもわたしにはピンとこなかった。 「・・・くろ、」


手にしていたスマホで検索してみる。 すると、ピラニアにそっくりの可愛くない魚の画像が出てきた。


「・・魚なんだ」 「うん!は~い、じゃあ次の問題で~す」 早々に次の問題が出される。


「赤くって~丸くって~いつもキラキラしててぇ、みんなを明るい気持ちにさせてくれるものってな~んだ?!」


ああ、これはもう間違いないね。簡単すぎる。 私は迷わず答える。


「太陽!」 「ちがーーーう!」 ちがうのかい。弟はしょうがないお姉さんですねぇ、とでも言いたげな、可愛くもあり、どこか小憎らしいようなしたり顔を作った。


「正解はぁ~『メンダコ』でぇ~す!」 ・・・深海魚か。


「キラキラしてないし」「僕にとっては明るい気持ちにさせてくれるから、太陽と一緒だもん!!」


弟はむっとした様子で言い返してきた。「じゃあ、次の問題で~す」「へいへい、もう何でもこいや」


「白くてぇ~、頭が三角のものってなぁ~んだ??」 


どうやら次こそ正解できそうだ。この流れからすると・・・。


「・・・イカだよね?」わたしは大人げなくほくそ笑んだ。いえ、まだ未成年ではありますけど。


しかし・・・・・・・。


「ぶぅーーーーーーーーっ」今までいちばんでかい声で弟が言う。


ちがうのぉ!? もぉ~、なんなんだ、このなぞなぞ、正解できねえ!!!


「・・・・・・。」黙ってしまった私に、弟は可愛らしく首をかしげながらなおも言う。


「今まででいちばん簡単にしたんだけどなぁ、わかんない?」「・・・・降参でござる」


すると、弟はにっこりと笑い、こう言った。


「しょうがありませんね。正解はぁ・・・・」どこぞのクイズ番組のように10秒ほど焦らされたのち、弟は言った。


「お向かいに住んでいる山田さん家の『お子さんのいたずらでリーゼントヘアにされてしまった、プードルのミキちゃん』でした!!!!以上です!!!!」


「・・・・・・・。」


ああ、たしかになんか、わかる気がする。・・・・・しかし。


「・・・そこは『イカ』って言わないと」 わたしはこうつぶやくのがやっとだった。


たった今、わたしたちは家の前に着いた。


そして、弟が正解を言ったタイミングで、夕方の散歩に行く準備をしている向かいのおじさんとミキちゃんがいる事に気が付いたのだ。























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― 新着の感想 ―
弟くんが出題するなぞなぞはマイナー過ぎて、逆に天才的ですね。きっと相手からどんなに難解ななぞなぞを出されても、涼しい顔で答えそうな気がします。最後のアンサーがご近所のペット、ミキちゃんなのが最高でした…
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