『もう用無し』と言われて追放されたS級の《暗黒魔術師》、なのでおっとりと暮らしていたら超有名クランなどからオファーが殺到!~困ったから戻ってきてほしいなんて言われてもお断りします~
「アラン、お前は『サターン』には必要ない。よって追放する」
俺はアラン、転生者である。
パーティーから大事な話があると言われて、屋敷の会議室に行き、のんびりとくつろいで待っていた。
俺を呼び出したのはパーティーのリーダーであるフレッドだ。
フレッドは剣士としてそこそこの実力を持っており、口は悪いが気さくな男だ。
しかし今はいつもの明るい表情はなく、俺を睨んでいた。
真面目なトーンで追放なんて言うから何かと思ったが……。
俺は頭をかいて答える。
「冗談はやめてくれよフレッド、追放だなんてさ。なあ?」
「いや、本当だ。お前はもう『用済み』だ」
フレッドは呆れたように言う。
冗談きついぜ、今まで冒険者としてパーティーを組んできてそれはないだろう。
俺はきちんと暗黒魔法を使って援護はしてるし、手柄だって立ててきた。
「それはリーダーの決定か? 他の皆は納得してるのか?」
俺は落ち着いて確認する。
現にパーティーは優秀なメンバーで構成されてるし、追放なんてされる理由がない。
するとフレッドは鼻で笑った後、俺を馬鹿にするように見下した。
その態度に少しイラッとするが俺は冷静にエドを見つめる。
するとフレッドがニヤニヤ笑いながら言った。
「お前ら、入ってこい」
フレッドの言葉と同時に魔法使いのロベリアと白魔道士のセレーヌが入ってくる。
こいつらは……俺を馬鹿にするように笑っている。
その様子を見て俺は察してしまった。
俺が使っている暗黒魔法を嫌ったか、もしくは補助役としてもういらなくなったのか。
どちらにせよもう用済みなので追放すると言っているのだ。
「あんたはもう要らないんだってさ、かわいそー」
ロベリアが俺の隣を通り抜けてドカッとソファーに座る。
俺を馬鹿にするようにヘラヘラ笑っている。
ちなみにこの2人は結構美人だ。
魔法使いであるロベリアと、回復魔法を使う白魔導士のセレーヌ。
男なら心が満たされるだろうが、俺は暗黒魔法使いなのでそういう考えはあまりなかった。
「2人とも、理由を聞いても良いか?」
そうだ、ここは冷静に対応しなければいけない。
追放となるとどこに行くかは分からないので、荷物を根こそぎ奪われるのは避けたい所だ。
荷物は取り返すとして、このパーティーを離れるとなると、どこか身を固めて住む場所を見つけたいのだが……。
まずは理由を聞かねばなるまい。
案外くだらなかったら追放して嫌がらせとかをして来るかも知れないからな。
「そんなの決まってるでしょ、あんたがこのパーティーで一番足手まといなのよ。ねえセレーヌ?」
「そうなのよね~、正直要らないわ~」
ロベリアとセレーヌが堂々と俺に言い放つ。
その言葉に俺は驚いた。
呆れと同時に、もう仲間ではないと言うその態度に俺は嫌悪感を抱いた。
俺の職業は暗黒魔術師、距離を取って戦う職であり、後方から援護するタイプなのだ。
しかしそれにしてもだ。
ここまで不必要とまで言われるとはな。
ロベリアは直接的すぎて女とは思えないほど言葉が刺さる。
セレーヌは優しいお姉さんタイプだが、その言葉一つ一つに毒が入っている。
「本当に良いのか? 後悔するぞ」
「馬鹿言うんじゃねえよ。これはもう決まった事だ、分かったなら早く出ていけ」
「りょーかい」
俺はそう言ってソファーから立ち上がり、部屋を出た。
俺はS級の冒険者としてギルドのライセンスに登録されている。
もちろん仲間の協力あってだが、それ相応の功績もあるし、食ってはいけるだろう。
すると扉の隙間からあいつらの声と笑い声が聞こえる。
「よし! それじゃあ俺らはこれからS級を超えて国家直属の冒険者になるぞ!」
「そうだねフレッド! アランもいなくなったし、これで私達もトップになれるね!」
「3人で頑張りましょ~」
なるほどな、と俺は察した。
そういえば最近、王国の陛下が国家直属の冒険者を決める試験をするとか言っていたな。
それで俺が足手まといだと、フレッドに判断されて追放されたのか。
そもそもS級を超えるって俺の支援抜きじゃ無理だから。
結構地味に思われてたかもしれないが、俺は冒険も戦略的にうまく計算して動いてたし、貢献してたんだがな。
まあ……仕方ない。
その後、俺は必要最低限の荷物を持ち、この屋敷から出るのであった。
「さて、これからギルドに脱退の手続きをしてもらわないとな」
俺は王国の西部にある冒険者ギルド支部に顔を出す。
いつも通り冒険者ギルドは盛り上がっているようだ、大勢の冒険者で溢れかえっており賑やかなのは変わらない。
だが俺が入った瞬間空気がピリッとして俺の顔を見ると元に戻る。
ちなみに王国にある支部の中でここは一番規模が小さい方だ。
しかしこの絶妙な小ささが俺の冒険者としての活動にはちょうど良いので気に入っているのだ。
そんで俺は受付嬢が座っているカウンターに立ち声をかける。
女性の中ではダントツな巨乳を持った女性で黒髪の真面目そうな女。
俺はこう見えて人見知りなのであまり受付嬢に対して喋ったことがない。
だけどこの子とは何回も面識があるので楽だ。
それはそうと彼女はなぜ毎回俺に驚く様子を見せるが何故だろうか?
そう思っていると受付嬢が俺に気付く。
俺は口元を緩め、何かと話題に事欠かない魔法袋から冒険者カードを取り出した。
正直胸ばかりを見てたなんて思われてたら嫌だな……。
俺はそう思いながらカウンターに冒険者カードを置く、すると受付嬢がハッとしたような表情を見せながらゴクリと息を呑んだ。
「ア、アラン様……何か御用でしょうか」
それを見た周りの冒険者たちがガヤガヤと騒ぎ始める。
まあ相手が相手だけに仕方ない部分もあるか、一応これでも俺はS級で冒険者最強とも謳われているのだ。
ただパーティーを追放されたばかりだから個人の冒険者としては最強かどうかはまだ分からないけどな。
「俺さ、『サターン』のパーティーを追放されたんだけど……。脱退の手続きと、新しい依頼を探している所なんだ。そういう手続きをお願いして良いか?」
「つ、追放!? アラン様が!?」
受付嬢は急に立ち上がりながら大声で叫ぶ。
他の冒険者達もまだ騒がしい。
何か言われるのは分かっていたが、これは何か目立ちすぎている気がするな。
まあ明日から個人として駆け上がっていくだろうしな……多少目立っても大丈夫だろう。
俺は受付嬢に驚かれながらも冒険者カードを更新してもらい、手続きを完了させたのであった。
「更新ありがとうございます、それと依頼とかありますか?」
「それでしたら……先ほど入ってきたんですがこちらの依頼はいかがでしょうか?」
そう言って受付嬢は俺に1枚の紙を渡す。
そこに書かれていたのはB級の魔物であるオークの討伐だ。
これなら目立つ依頼でもないし、お金も稼げる。
俺はその依頼に承諾したのであった。
そして受付嬢が依頼を受理してくれたので俺は依頼内容を細かく確認し、ギルド支部から出たのだった。
さてと、久しぶりに新しい依頼だ。
張り切って行こうか。
俺は重い荷物を持ちながら歩いて行くのであった。
なんとか金を稼がないと野宿するしかなくなるしな。
パーティーで貯めた貯金は少しもくれるはずがなかった。
まあ追放するって言ってきてる時点であいつらが俺に金をくれるはずがないんだがな。
とりあえず俺は依頼をこなすために王都の外に出る。
そして歩いて1時間ほどすると森にたどり着いた。
この森は魔物が多く出没しており、そこそこの冒険者じゃないと入れない。
俺は森の中を歩き、オークを探す。
オークは豚のような顔を持つ魔物で、2足歩行で歩くのが特徴だ。
力は強く、武器や防具を使う知能もあるため、初心者には少し難しい相手であると言えよう。
しかし俺はS級冒険者だ、オークなんて何匹も倒してきた。
だから俺は余裕の表情で森の中を歩く。
すると早速1匹目のオークが俺の前に立ちはだかる。
この森にはオークが2種類いて、片方は普通のオークでもう片方はハイオークと呼ばれる上位種のオークだ。
ハイオークは普通のよりも一回り大きく、力も強い。
今回俺の前に現れたのは普通のオークだ。
俺は詠唱の準備をしているとオークが棍棒を持って俺に襲いかかってきた。
俺はそれをひらりと躱し、オークの頭に軽く中級の魔法弾を発射する。
するとオークの頭部は破裂し、辺りに血が飛び散った。
俺はそれを見て少し気分が落ちてしまった。
「あんまし強くねえし、暗黒魔法を使うまでもないな」
俺はそう呟いてオークの死体から出てくる魔石を回収する。
魔石を回収した後はオークの死体を放置しといた。
そして俺は森の中で他のオークを探していると誰かの話し声が聞こえてきた。
冒険者か? とりあえず会ってみるか、話をしてみれば何か分かるかも知れないし……。
俺はそう思ったので声が聞こえる場所に近づいてみた。
するとそこにはハイオークと一人の冒険者が戦っており、苦戦を強いられている様子だった。
これは……助けないといけないか?
しかもそこにいるのは女だ、俺はパーティー内でしか女とコミュニケーションを取ったことしかないので少し緊張してしまう。
しかしハイオークに襲われてる、とあらば助けないといけないだろう。
「おい大丈夫か? そこにいるハイオークは任せろ」
「い、いえ! 私一人でやれますのです! だから……!!」
そう言って女は剣を構える。
だが俺が見るにその剣は全く切れておらず、必死に戦おうとしているのは伝わって来るが震えで足腰が機能せずまるで走れそうにない。
これはキツいな……。
何か戦わなきゃいけない事情がこの女にはあるのだろうか。
まあそれは帰ってから聞くとしよう。
俺は女の前に立ってハイオークと対峙する。
「ちょ、だから私一人で!」
「黙ってろ、今詠唱を始める」
そして俺は詠唱を始めた。
暗き闇の世界へと我が身を堕とし、悲鳴さえもその空間に飲み込まん。
暗黒魔法を発動した俺は唱え終わった後、ハイオークの足元から闇の魔法陣が出現する。
その闇はハイオークの動きを封じていき、みるみるうちに弱体化させる。
《ダークネス》
闇属性の中でも上級魔法であり、B級レベルなどの魔物に使うとこんな簡単に無力化する。
そして俺の闇魔法は少しずつハイオークを侵食していき、やがてハイオークは闇に包まれていった。
先ほどいたハイオークの姿はもうなく、魔石が落ちているだけであった。
俺はそれを拾って女の方に振り向くと驚いている表情をしており、開いた口が塞がらないと言った感じで呆然としている。
ちなみに女を助けた後どうするかまでは考えていなかった。
なので俺はとりあえず思いついたセリフを吐いていくことにした。
「大丈夫か? ここは一人ではいるような場所じゃない、気を付けないと」
まあ俺はさっき追放されたから一人だけどな。
すると女は我に返ったのか顔がキリッとして頭を下げた。
「助けて下さりありがとうございますのです! 私、どうしても実績が欲しくて……」
「実績? 何でまた」
俺の疑問に女は少し黙りこんでしまった。
なんというか、掴み所が無さすぎてちょっとめんどくさいな……。
俺はその微妙な空気から抜け出すために話を変えるように話すことにした。
「とりあえずギルド支部に報告に行くぞ。そこで依頼達成の報告をしたら良い、俺はもう帰る」
「ええ!? 私はハイオークを討伐していないのですよ! ど、どうして?」
「別にハイオークなんてたいしたことはない、俺はただのオークを討伐しただけだ」
俺はそう言って女に背を向けて歩き始める。
しかし俺の服の裾が引っ張られており、振り返ると女が裾を掴んでいるのが分かった。
女は少し恥ずかしそうにしながら言う。
「私の名前はティナなのです! あなたの名前は?」
「俺はアランだ」
こうして俺はティナという名前の少女と知り合うことになったのであった。
俺はオークも倒した事だし、仕事を終わらせれたので帰路につくことにした。
だが女は俺の隣を歩いておりニコニコしている。
そんな女に俺はめんどくさそうにしていた。
「なんでティナはあそこにいたんだ?」
正直俺はこのティナという少女に少し興味があった。
なぜこんな場所に一人でいたのか、どうしてハイオークを討伐しようとしたのか。
「それは……私の姉が冒険者でして! だから妹である私も強くなろうと思いまして」
「なるほどな、てことはティナの姉も剣士なのか?」
ティナの装備を見ていると明らかに剣士だ。
だがティナは俺の反応を見て笑った。
「姉は剣士ではなく白魔導士なのです、パーティーで一番重要な役職なのですよ!」
「白魔導士だったのか、てっきりティナが剣士だから姉もそうなのかと思ったよ」
姉想いの奴なんだな、俺はティナの姉を想像する。
きっと優しくて良い奴なんだろうな……。
そうして歩いている内に俺達はギルド支部にたどり着いたので中に入って依頼達成の報告をする事にした。
「オークの討伐終わりましたよ、これ魔石です」
そして俺達はカウンターで受付嬢に魔石を提出する。
するとティナの討伐依頼の欄を見ていた受付嬢が驚いた表情をして言った。
「ティナ様、ハイオークを討伐したのですか!?」
「い、いや私じゃなくて横にいるアランさんだよ!」
そう言ってティナは俺に指を差す。
俺はめんどくさかったので目線を逸らした。
すると受付嬢は『そういうことでしたか』と納得するとニコリと微笑み、報酬金を渡してくれる。
まあ多少のお金があればあとは宿屋とかで生きて行けるしな……。
俺はそう思って宿屋に行く為に歩き出すとするとティナが俺の腕に抱きついてきた。
なっ!? え? なに!? 胸が当たってるんだけど!? 俺は突然の事で頭が混乱してしまう。
しかしそんな俺に構わずにティナは上目遣いで俺を見る。
「アランさん、良かったら私の姉と会ってくれませんか?」
その顔はあまりにも可愛くて俺はドキッとしてしまう。
惚れた訳じゃないからな!!
まあでも、こんな可愛い子が上目遣いで言ってきたら断れないだろ……。
だが俺はS級冒険者だし、ここは一人になった方が良いかもな。
でもまあ依頼終わりは酒を飲むのも良いな。
ティナを見るとニコニコして楽しそうにしているのが分かったので断れなそうだ。
仕方ない、少しだけならな。
俺はそう決断しようと思ったその時だった。
突然、ギルドの扉から入ってきた女が俺を見ると指差して叫んだのだ。
「私の妹、ティナから離れなさい!」
「い、妹?」
ティナの妹……? もしかして?
そう思ってティナの方を見ると気まずそうに頭をかいている。
そう、今俺の前に立ちはだかっているのがまさにこの子の姉だったのだ。
俺は姉の顔を見ると薄く青い瞳に青い髪のロングヘアー、身長は高くて胸も大きい。
なんとか誤解を解こうとするが……。
「ティナ! その男から離れなさい! いやらしい事でもするきでしょ!!」
「ちょ、お姉ちゃん! この人は私の命の恩人だよ!」
ティナはそういうが姉は俺の元にまで走って来て俺を睨みつける。
俺は必死に弁解しようと試みるが聞く耳を持ってくれない。
「リアン様、ここで騒ぎを起こすのはよろしく無いですよ。だからどうか落ち着いてください」
「そ、それもそうね」
俺に突っかかって来た女はリアンというようだ。
まあそれはそうと一つ気になっているんだが、ギルド内の冒険者は俺に対しての目線が痛い。
そして少し小声が耳に入ってくる。
「S級冒険者、リアン様の妹に手を出そうとしたあの男は死んだな」
「ああ、運がねえなあ」
そういうことだったのか、俺が今いる場所は王国西部にある冒険者ギルド支部だ。
てことは西部を代表するS級冒険者じゃないか。
俺のいたパーティーは東部を代表するS級冒険者だった。
だから俺は西部にはあまり行ったことがなく知らなかったのだ。
そして俺はリアンの怒りが収まるのを待つことにした。
俺とティナはギルド内のテーブル席に座ってリアンが落ち着くまで待っている。
するとリアンは落ち着いたのか俺達の向かい側の席に座ると口を開いた。
「まさかあなたがティナの命を救ってくれていたなんて……本当にごめんさい」
「いえいえ、あの状況を見たら仕方ないですよ」
どうやら誤解は解けてくれたらしい。
まあ俺がS級冒険者だと分かったらすぐに納得してくれたしな。
そして俺達は自己紹介をすることになった。
まず最初に自己紹介したのはティナだ、彼女は姉とは違って少し大人しい口調で自分の名前と職業を言った。
「私は剣士でC級冒険者なのです、それでこちらが私の姉の」
「ええ、私はこの西部を代表するS級冒険者、リアンよ」
リアンは先ほどとは違い自慢げに椅子から立ち上がると自分の名前と職業を言った。
なんかカッコつけてるな……いや見栄張ってるのだろうか?
まあどちらにせよ胸を張って言っているあたり俺にカッコつけてるんだろう。
そしてリアンは自己紹介を終えると俺の目をじっと見始めた。
俺はその目線に少しドキッとするがすぐに平静を取り戻し口を開く。
「俺は東部を代表するS級冒険者、アランだ。よろしく」
「ええええ!?」
何か2人揃って驚いているな、そんなに俺が東部出身ってのに驚いたのか?
まあ突然S級冒険者が現れるわけがないだろうからな。
それにしてもこの2人、行動がハモるあたり姉妹だなと実感する。
まあ今の俺はソロだが、前までは4人パーティーで東部を代表するS級冒険者として活動していたのだ。
その頃と比べると少し物寂しいな……。
あの頃はまだ楽しかったし仲も良かったのかもしれない。
まあ過去の事だからな……感傷に浸る必要はないだろう。
「あなたS級だったの!? なぜここに?」
「それは……」
まるで悪事をした疑いのかけられるような表情で俺の顔をまじまじと見るリアン。
だからそんな顔で見られると照れるだろうが。
まあ俺が悪いんだが、もう少し気を遣ってもいいんではないだろうか?
まあ隠しても仕方ないと俺は思い話すことにした。
「俺は数日前にS級パーティーを追放になったんだ、だから今はソロで冒険者をしている」
俺は少し自虐的に言う。
まあS級パーティーの冒険者がソロで冒険者やってるってのも珍しいからな、2人共驚いてるんだろう。
そしてリアンは何か考えるような素振りをした後、口を開いた。
「だったら私のパーティーに入らない?」
「お、俺を入れてくれるのか?」
信じられない、まさかパーティーに誘われるなんて。
確かに俺はS級冒険者で実力は申し分ない、だが俺はパーティーを追放されたのだ。
そんな俺をパーティーに誘ってくれるとは……。
「ええもちろん、私の妹を救ってくれたし、皆も喜んでくれるわ」
「本当に良いのか? 俺は追放された身だ、そんな俺がお前らとパーティーを組んでも良いのか?」
パーティーに加わるってのは重大な事だ、俺も今までパーティーで冒険してきたがそれに関しての苦労だってたくさんあった。
不安な面も多いだろう、なのに俺を誘ってくれるなんて。
するとリアンはニコリとしてこう言った。
「大丈夫、皆あなたを歓迎してくれるわ!」
「そうなのです! だから大丈夫なのですよ!」
2人にそう言われて俺はとても嬉しくなった。
久しぶりに感じるこの嬉しさはあのパーティーに入ったとき以来だ、それを思い出させてくれたのだ。
そして俺の心は決まる。
「ありがとうございます。では、俺をリアンさんのパーティーに入れてください!」
俺はそう言って頭を下げた。
すると2人は嬉しそうに笑って俺を受け入れてくれた。
そして俺はこの日からリアンの率いるパーティーに入る事になり、これからも頑張って行こうと思うのであった。
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