表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ロスト~異能バトルや戦争でタロットカードは何を見る?~  作者: 柏崎カナタ
2.小樽市、ラバーズ討伐編
15/26

2-1.アルカナ教会-3人での朝ごはん-

声が聞こえる。

何かを知る声、思い出さなけばいけない声、私が愛していたはずの声、

その声が聞こえる。この声はどんな声だろう。

歓声?笑い声?甘い声?切実な声?鳴き声?叫び声?

わからない。ただ、それが愛した人間の声なのはわかる。

多分これは夢だろう。

私が何回も見た夢、何回も見た夢、

ただ今日は最後だけ、本当に最後の一言だけ

「加奈、お前は、最強の正義の味方(へいき)になるんだ。」

その声だけがはっきりと聞こえた。

_______________________

...いつも通り私は目を覚ましました。

「ん、んー!!」

私は朝、窓をあけて背伸びをします。

セロトニンが出るとか言われていますが、私はただ気持ちがいいから背伸びをします。

その後は顔を洗って、歯を磨いたりして、朝の支度を整えます。

その後は部屋から出て、朝食を食べに行きます。

いつもは教会にある食堂や庭で新さん達と一緒に食事をとるんですが、今日...毎週の金曜日だけ、

同じチームの美波と一緒に食事をとります。

美波の部屋の反対の棟にあるので、いくのに5分くらいかかります。

アルカナ教会は、もともとは団地があったところに建てられています。

小さいアパートが6つ、道路を挟んだ所に大きいマンションが2つあり、その間に教会が立っています。

私達は少しマンションに私達チームが住んでいて、小さいマンションは今最上町に住んでる住民の家になっています。任務が始まるときに会ったり色々世間話してます。

大きいマンションA棟、B棟と言われていて、私はA棟、美波はB棟に住んでいるという感じです。

と言っている間に美波の部屋につきました。

大きいマンションは5階建てなんですが、美波は五階の一番出口から離れた場所に住んでいます。

理由を聞いたら、『あまり人に会いたくないから』と言ってました。まあそんな人もいますからね。

私はドアを開け、美波の部屋に入ります。ノックはしません。拒否られるので

「美波ー朝ごはんつく、り....」

「ん、ああ、加奈おはよう」

「ん?美波、いつも一人で食べてるんじゃないのか?」

なんということでしょう。美波がロストさんと朝食を食べてます。

そりゃあ、美波だって私と同じ18歳でまだお年頃な時期ですけど、ロストさんとは出会ってまだ1週間もたってません。手が早すぎます。

「毎回加奈が1週間に一回勝手に入ってきて朝ごはん作ってくれる日があってね」

「ああ、だから今日は3人分作ってたのか」

「そんな日じゃないとあんたに手伝わさせないわよ」

なんと、一緒に料理も作ってるらしいです。まるで夫婦みたいです。

「どうしたの加奈?」

「座らないのか?」

...いや、えっと

「逆に聞きますけど...座っていいの?」

少し変になってしまった私の言葉を聞いて、二人は首を傾げました。


..........................................................

結局私は美波の隣に座りました。

いつもは向かい側に座ってるんですけど、そこはロストさんが座っています。

少し悔しいです。

「3人が揃ったってことは今日の予定が立てられるな」

「と言ってもしばらくは町の中をパトロールするんだけどね」

そんなナチュラルに話をされても困るんですけど...

冷静に考えればロストが目を覚ましてから3日しか経ってません。

それでこんな感じになるんですか?

「で、具体的にどんな事をするんだ?」

「言った通り、町の中をぶらぶら歩くだけ、町の端っこにいる人には注意喚起をするの、あの子みたいな町を出る人がでないようにね」

あの子、二人が助けたという子供は、教会ですぐ保護されました。

教会で10分くらい泣いて事情を話してくれた後、すぐ親が教会にやってきて連れて行ったらしいです。

今度お礼に来ると言っていました。

「具体的に何時までパトロールするんだ?」

「私も知らない。加奈は知ってる?」

「今日は昼の13時までですね、それ以降は好きにしていいらしいです」

なんで私は普通に答えてるんでしょう。感覚が麻痺してきたのでしょうか。

「ならちょうどいい、二人とも今日は空いてるか?」

「私は空いてるけど、加奈は?」

「一応空いてますけど...私いります?」

こういう休暇の時って二人でのデートがあったりするんじゃないんでしたっけ。

本当にデートだったら、一緒に同行してる私凄い場違いな気がするんですけど、

「何言ってる。3人の役割を決めておきたいだけだ。よく考えれば、美波のパラメータ?も知らないし、加奈の機械の事も知らない。これでは外でのパトロールが再開した時に支障が出る」

「それは確かにそうですね。むしろ、今まで私達がロストの能力を一方的に把握していたのもおかしいことでした。私が使えるものに関しては、緑町のパトロール中に説明しようと思ってましたが、色々あって断念しましたし、一度、じっくり話し合うのがいいと思います」

「なら、15時にテストをやったグラウンド...って言っても加奈はわからないわよね、『竹枝中学校』に集合で、それまでに私のステータス表を準備しとくわ...ごちそうさまでした」

「じゃあ私は持ってるドローンや機械の表を準備しときますね。ごちそうさまでした」

「俺もステータス表は持ってく。その時に今後の役割やどう行動するかを決めよう。ごちそうさまでした」

三人同時に食べ終わる。ただ、まずは

「パトロールを終わらせないとですね、ご飯も食べましたし、さっそく出発しますか?」

そういうと、ロストが驚いたような顔をしました。

「ええっと...何か間違ったことは言いましたか?」

「ご飯を食べたらまずは皿洗いじゃないのか?」

...なんというか、この人は天然みたいです。

「なにいってんのよ」

美波が呆れた顔をしています。いいです。もっと言ってやってください。

「それも含めて朝ごはんなのよ、さっさとお皿洗ってパトロール行くわよ」

「そうか、わかった」

...もう好きにしてください。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ