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金持ちの遊び

作者: monmon
掲載日:2023/01/14

男「...」


髭面にニット帽。

男があるベンチの周りをうろついていた。

といっても、少し離れた場所だが。


男「(持ち主らしきやつは現れないな...)」


男がうろつき始めてから、1時間はたつ。

ベンチに座る者達に、最初の面々はいない。


それを確認して、意を決したのか、

ベンチまで歩みを進める。


おそるおそるベンチに腰掛け、

上着のポケットから缶コーヒーを取り出した。


プシュッと音をたて栓を開けると、軽く一口流し込む。

「ふぅ...」と一息ついた男の口からは、白い息がこぼれた。


男「(もう何度目のクリスマスだっけな)」

男「(ほんとつまんねぇ人生送ってるよな...)」

焦りと諦めの感情がいりまざり、

胸の奥から熱いものがこみあげてくる。


周りを見渡せば、幸せにあふれた面々が、

嫌でも視界に入ってくる。


男「(一瞬でもこんな輝かしい場面、俺にもあったけな)」

男「(あんまし記憶にねえな...)」


悲壮感を漂わせた男は、

缶コーヒーをくいっと飲み干す。


おおげさに缶コーヒーを飲み干すと、

男は空の缶コーヒーを握ったまま立ち上がる。


男「(さて、いくか)」

バッグを片手に、男はベンチを立ち去った――





――――――




どこぞの探偵事務所の男が、

いかにも高そうなソファーに腰掛けていた。


ソファーがある部屋には、いかにもな絵画や壺。

パチパチと音を立て炎を揺らす暖炉に、男は意識を奪われていた。

特に意味はない。


それから数分。

パタパタとスリッパの音が男の部屋に近づいてくる。


長い黒髪を左右に揺らしながら、

長身の女が部屋に入ってきた。


探偵「いつもご贔屓にしていただきありがとうございます。」

そういって、男は深々と頭を下げる。


セレブといえば肥えたイメージがあるが、

細身の女性の顔に浮かぶ笑みは、異質な何かを感じさせる。


女「単にあなたの能力をかってのことです。」


男は女が向かいのソファーに座るのを確認してから、腰を下ろす。


女「今回はどんな素性の犯罪者だったのかしら。」


女王の言葉が相応しい佇まい。

口調は穏やかだが、見えない圧を感じさせる。


男「(さすがにこの雰囲気にも慣れてきたが、相変わらずのオーラだな...)」

男は咳ばらいの選択肢を取らず、

音を立てないよう息をのみ、発声の準備を行う。


男「ご報告させていただきます。今回のターゲットは...」



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