適性検査
「んー…可愛い」
「お褒めにあずかり恐縮です」
ツートンカラーの猫は胸を張ってこたえる。
「ねぇねぇ!この子にもあの水晶触らせてみる?」
モアがどこから取り出したのかわからないがそこそこ大き目の水晶を取り出した。
「あー…本来はお金を取るんだが、モアの友達だし今回は無料にしてあげよう」
そう言うと猫は希の目の前に直径15センチの水晶を何もない空間から出した。
「さて希くんよ、この水晶に触れてみるがいい」
希はおそるおそる水晶に触れてみる…と
「おぉ?希の属性は…炎だね!」
希が触れた水晶は綺麗な赤色に光っている。淀みのない綺麗な赤だ。
「ここまできれいな色をした赤は初めてだよ…っということは魔力が澄んでいて練りやすいということだね」
「魔力?練りやすい?」
希がポカンとした顔で聞く。
「えっとね、魔力には属性があるのね。赤が炎、青が水、緑が風、黄色が土、となってるの」
「水晶に触れたときにその色が澄んでいればいるほど魔力の体内循環がやりやすいってこと」
「なるほど、まぁWi-Fiみたいな感じね」
希は指をパチン!と鳴らし、理解した。
「Wi-Fi?って何かわからないけど…まぁ理解出来たらよしか」
モアはそう言いながら部屋の奥のドアから一着の赤いローブを持ってきた。
「その恰好だと周りから変な目で見られかねないしとりあえず着替えましょうか」