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絶対来るの早いでしょ
「あっ…えっと…っすー…ナニカゴヨウデショウカ?」
滅茶苦茶カチコチになりながら希は答える。
「そんなにカチコチにならなくても大丈夫ですよ。どうやら困ってらっしゃるご様子でしたので声をかけさせていただいたのですが…」
猫耳パーカーのお姉さんはずいっと顔を希の顔に近づけ、目をのぞき込む。
「模様なし…ってことは亜人種ではなさそうだね」
「あ、亜人種?なんですかそれは?」
希は首を傾げる
「えっ?!知らないの?…これはとんでもない人に声をかけちゃったなぁ」
猫耳お姉さんは、うーん…と考えると
「とりあえず、場所を移そうか…私の家に案内するよ」
「いきなり家ですか?それはちょt「ほら早く!」あっ!やめてぇ!乱暴しないでぇ!」
猫耳パーカーお姉さんは希さんの手を掴むと、住宅街の向こうに走って行ってしまった。そしてついた場所は…
「じゃじゃーん!ここが私の住んでるところだよ!」
「…確認するけどここは?」
厳つい木で出来た両開きの扉、扉越しに聞こえる笑い声と何かがぶつかるような音、石で出来た壁…そう、ここは
「私の家!その名を冒険者ギルド!」