そして心は狂い始める
「…」
嗚呼…寂しい…虚しい
あれから何ヶ月も過ぎた…
やることは狩りをして日々を食い繋ぐだけ…
そしてその狩りもただ追って殺して食べるだけ、何も面白みもない
ガリア…なんでこんなことになったんだろうな…エリナ…こんな風に君と別れるなんて…
あぁ…やり残した事もたくさんだ…
悲しさが胸に沁みる…あの時の忌々しい古傷の片方を押さえる…
狩りでもして気を紛らわそう…あの時の記憶は思い出の底にしまっておこう…
◇
僕は森を住処に選んだ。理由は誰も人が来ないから、その分此処らの魔物は凶暴だが、僕の前ではただの獲物
見つけた…
目標はインペリアルエレファント、
グシャ
僕は獲物の首を掴む、掴んだ手は目標に深く抉り込み血が滲む
「これで終わり」
グシャァ
僕は爪を獲物の目玉に打ち込む、この感触…脳みそまで達したな…
あとは食える所を食い潰すだけ…そんなことを毎日続けてる…
僕は殺生は好きじゃないし、すぐに食べないと腐るし、そもそも美味しくない、草を抜いて食んでいるような気分だ…
かと言ってほかに何をするかなんて僕には思い浮かばない
あの時、僕はガリアの剣を真に受けて…僕の全てを終わらせていれば…
そろそろ移動しよう、ここで狩り尽くせば生態系が破壊される、そんな事になれば調査に来る人が出てくる
「な…なんだお…」
バズンッ!
本能で反射的にその人の首を掴み地面へ叩きつける
「がっ…あがっ…!」
その人はもがくがウィックスの怪力の前では意味をなさない…
まずい…とうとう人にバレた…どうする…
冷静に考えろ…此処で放せば何人をもの人を敵に回して何人も人を殺し最終的に何人も殺した挙句僕も殺される…!
「そうなるくらいなら…この手で!」
グシャァ…
僕はその人の頭を拳で粉々に砕いた…いとも簡単に殺めてしまった
血みどろになって震える手のひらを凝視してしまう…
殺ってしまった
「あっ…悪魔だ…怪物だ…!仇打ちだ!囲め!」
木陰からさらに人が一人…
嘘だ…見つかった…
もう…僕はモンスターだ…もう…戻れない…
数々の魔法が僕を目掛けて放たれる…
…本当は僕は此処で死ぬべきなのだろう、報いを受けるべきなのだろう、殺されるべきなのだろう…だけど僕は…
「僕はまだ…!死にタク無イィィィィ!」
何もない生活でも、僕の精神は無性に生へとしがみつく
「エントロピックマウ!」
僕の手のひらから空間の窪みが生まれそこから魔法を全て吸い尽くす
「これが僕が!俺が!私が!生き残るタメの足掻きダァァァァ!カオスボルトォォォ!」
ズバババッ!
そして僕の周囲へ混沌魔法の魔弾が八つ裂き早に発された
周りは真っ赤な更地と化した。
「あは…アハハハッ…」
僕はなんでモンスターなんだ?…なんでこんな目に僕を遭うんだ?どうしてこんなに…理不尽なんだ?
僕の中からドス黒い何かが込み上げる…
「何もカモを食イ潰す…世界を…ヒトもモノモ…」
僕の頭を支配するのは狂気、そして理不尽に対する怒りと力が込み上げてくる…
俺は人だったモノたちをガリアを掴んだ時のスライム状の腕で包み込み…消化…骨一本残さず食い潰す…
「力…チカラヲもっと…セカイを食い潰すためのチカラを…もっとモット食い潰す…!」
パッシブスキル獲得…デボレーター
登場人物
ウィックス(突然変異)
体力・・・異常に高い
力・・・非常に高い
防御・・・ほぼゼロ
機動性・・・ほぼ確実に先制を取る速さで1ターン3回行動できる。さらに回避率高
魔力・・・異常に高い
混沌魔法を躊躇なく連打出来る程のバカ高い体力と魔力、そして反則レベルの機動性を獲得。代償に防御力が無くなったシャア仕様のウィックス。
多分ボス戦になったら余程レベリングをしない限り1ターン目に一人か二人は確実に消し飛ぶか、全員瀕死、最悪全滅する。その強さは裏ボス級。
そんで物理で殴っても強い。こんな(元)魔法使いいてたまるか。
あと一人称が安定しない。
解説
エントロピックマウ
特殊な空間の裂け目を作り魔法を吸収する、防御向けの魔法。しかし自分の魔力が回復するわけではない。あと今更だが混沌魔法は次元への干渉を可能にする。
カオスボルト
混沌魔力を固めて銃弾のように打ち出す、ポ○モンのサイコショックのように物理でダメージ計算する。大量に作ってばら撒くことも可能。
デボレーター
個体を捕食した時に被捕食者に関連するスキルを獲得し、ステータスも増加する。とにかく食えば食うほど戦法が広がり際限なく強くなる。選ばれたもの(主人公)のみが使うことを許された公式チートスキル。