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第17話 風呂は命の洗濯です

さあ!今日は仕事を忘れてバカンスだ!

というわけで二人は大江戸温泉にきています。

久しぶりの下界は楽しいなぁ!

湯舟に浸かる二人。お盆に日本酒を載せて温泉で酒を飲む。


「プハーッ、いいねえ。温泉にお酒。サイコーだよ」

「今日はずいぶん空いてるもんね。自由にできていいわぁ」


ぐびぐび飲む明日香。こんなテンポで飲んで大丈夫だろうかと楓は心配になる。


「課長はなにかあるとすーぐ、私のことよぶんだからさぁ。たまには私がいることの大切さを思い知れーっつーの!」


悪酔いし始めた。


「悪酔い?しませんよーっだ!こんな、下界ごときの酒なんて、水ですよ!水!いくらでも飲めますよ~」

「はいはい、明日香ちゃん、いったんお風呂からでてお部屋にいきましょうね~」

「あ~い!」




部屋に戻ると、明日香の携帯電話の着信が鳴った。

「あ、楓くん?如月くんいる?」

「今、伸びて寝てますよ。」


グースカと寝息?を立てて大の字になっている。


「あ~、そうなの?困ったなあ」

「何かあったんですか?」

「うん~。いやね、如月くんがね、送った山崎さんね、どうやら送った先の世界、ゲームの中みたいなんだよね」

「ええ?噂には聞いてましたけど、異世界だけじゃなくてゲームの世界にも送れちゃうんですか?」

「理論上は可能なんだよね~。」

「というわけで、楓くん。如月くんに伝えといて。『Secret Library~秘められた恋と魔法~』っていう世界に送った山崎さん27歳女性が、無事そのゲームに転生されたよって」

「いいんですか?転生させちゃって。」

「できちゃったもんは仕方ないよね。記憶も引き継いだけど、スキルはつけられなかったみたい。で、しかもモブキャラに転生したみたいよって言っといて」

「え~。可哀そうに。幸せに暮らしていけますかね?」

「如月くんもこの異世界名でおかしいことに気づかなかったんだから、問題だよ」

「ええ、疲れてたんでしょうかねえ…」


「じゃあ、バカンス楽しんで」


ポチ。


むくりと起き上がる明日香。


「あれ?ここどこ?」

「あんた、飲みすぎよ?ここは泊まった部屋よ」

「う~ん、頭いたい」

「今、課長から電話があったわよ?」

「う、え~、なんだって~?」

「『Secret Library~秘められた恋と魔法~』って世界に転生させた山崎さん、覚えてる…?」

「う~ん。覚えてない。」

「だよね。課長がバカンス楽しんでねってさ」

「は~?言われなくても楽しんでますよ~うへへ」


酔っ払いに聞いても、マトモな回答を期待するもんじゃないよね。

明日の昼にでも改めて聞いてみよう。




翌日、その話を聞いて顔面蒼白になった明日香であった。



続く


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