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第四十七話「発着場」

「うわ! すっげえ!!」


「これは壮観だな」


 ケビンとジャックは目の前の光景に感嘆の声を漏らしていた。彼らの前に広がるのは各地から離着陸する航空艇だった。様々にカスタマイズされた航空艇を前に二人とも興奮が隠せないようだった。


「航空艇なんて珍しいものじゃないでしょ?」


 フェリスが男どもの反応に呆れたように言う。それに対してケビンが反論した。


「俺たちはあまり他の地方に行ったことがなかったからな。ウェルカ市に行くのがほとんどだ。だからこんな数の航空艇なんて見たことないんだよ」


「だからってそんなはしゃがなくてもいいとおもうけど......」


 ねえ?と言わんばかりにエレンに同意を求める。エレンもくすくすと笑っていた。


「まあ、よいのではないか? 確かにこの光景は圧巻だ。帝国でもこの数の航空艇を見ることはめったにない。流石は風の都と呼ばれるだけあるな」


 そんなものかとフェリスが肩をすくめる。そういえばとケビンがフェリスの方を向いた。


「どうして、風の都の近くに炎魔塔なんだ? 風の塔でもよさそうなのに」


「ああ、それは元々ここは火の都って呼ばれてたのよ」


「そうなのか? それがどうして風の都に?」


「元々、この一帯は活火山地域で噴火が絶えなかったらしいんだけどね。二百年前から火山活動が休止したらしいわ。それで今度は気温がぐっと寒くなって山風が吹くようになったから風の都と。火の都は別の意味を持つようになったしね......」


「別の意味って?」


「......まあそのうち分かるわよ」


「?」


 フェリスはちらりとエレンを見て言い淀んだ。なぜ言葉に詰まったのか、ケビンは訝しんだが、それ以上は聞かなかった。


「お~い! そろそろ責任者に会いに行こうぜ!」


 振り返ると航空艇を一通り堪能した、ジャックが手を振っていた。ケビンたちは顔を見合わせてくすりと笑ってジャックの方へと歩み寄っていった。


☆☆☆

 幸い責任者はすぐに見つかった。航空艇乗りに聞いたらすぐに場所が分かったのだ。その男は一番大きな航空艇の近くで一般職員に交じって整備作業をしていた。


「すみませ~ん。こんにちは~」


 ケビンたちが声を掛けると彼はすすけた顔でくるりとこちらを向いた。大きな男である。身長はジャックと同じくらいか。だが雰囲気はウェルカ市のラルバ市長に似ていて快活な印象を受けた。


 彼はケビンたちの守護士のバッチを見てニッと笑った。


「はっはっはっ! お前たちがバネガさんの言っていた新米守護士か! 俺の名はウェルキン! 今回はよろしく頼むよ!」


 それからずいっと握手を求める手を差し出した。その手は整備と用の油で汚れており、ごつごつとしていた。まさに職人の手である。


 ケビンたちも次々にその手を取って自己紹介をした。一通り挨拶がすむと、ジャックが依頼の話を切り出す。


「それで、荷物の運搬の護衛って聞いてるけど、何をどこまで護衛すればいいんだ?」


「ああ、それなんだがな、ちょっとこっちに来てくれ」


 そう言ってウェルキンは神妙な面持ちになり、ケビンたちを手招きして貨物置場の奥の方まで連れて行った。そしてある木箱の前で止まった。


「これを見てくれるか?」


 そう言ってウェルキンは木箱の中身をケビンたちに見せた。ケビンたちは箱の中身を覗き込み、そして驚愕した。箱の中身は大量の火薬だったのだ。

短編の評価が一瞬で長編の評価を超えてしまいました...複雑な気分です( ゜Д゜)

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