第三十六話「四天の集い」
暗い空間の中で、くっきりと蝋燭の火が一本浮かび上がる。一本点いたと思ったら、もう一本、次々と火がともされていく。蝋燭の火が広がるとともに部屋の様子もうかがえるようになった。
部屋の中央に椅子が四つ、一席を除いて三人の人間が座っていた。
「”大天使”殿は今日もいらっしゃらないのか?」
その中でも筋肉質な男が空いている席をちらりと見やりながら不満気に言った。
「どうやら帝国がまた各方面に動きを見せているようで......彼の人は表でも特に立場がありますからね」
それに知的な雰囲気の声の男が呼応する。ハイネン村でケビンたちを見下ろしていた二人であった。
「そうかもしれんが最近あまりにもこちらの方に顔を出さなすぎる。我らの本懐を忘れたのか?」
「まさか? 彼の者に限ってそれはないでしょう。私たちの中でもっとも業の深い方ですから」
「だといいがな?」
「おしゃべりはもういいかしら?」
最後に残った一人が口をはさんだ。女性の声であった。
「それで? どうして私たちを招集したのかしら?」
女性は知的な男に聞いた。
「おお! そうでしたそうでした。皆様に伝えなければいけないことがありまして」
「伝えなければいけないことだと?」
「ええ、実はラミエル殿がレイカー王国軍に捕らえられました」
「「なんだと!?」」
その場にいた二人は驚愕した。彼らはラミエルの実力をよく知っていたのだ。王国軍程度につかまる男ではなかったはずだった。
筋肉質の男がある可能性に気付いてはっとした。
「まさか、フィル・ブライアンが出てきたのか?」
「いいえ、彼を打ち破ったのはその息子たちのようです」
「何!? あのハイネン村の!?」
「ええ」
「驚いたわね。息子たちも父親並みに強いということ?」
「まさか。流石にそこまでではないでしょう。ただ力を合わせればラミエル殿を打倒する実力はあるようで」
「むう......そこまでか......少々侮っていたな」
「ええ、同感です。これは私の落ちでもあります」
「それで、どうする? ラミエルを救出に行くのか?」
「いえ、彼ならば自力でどうにかするでしょう。問題は彼らほどの人材が果たして私たちの脅威となりえるのか......それとも同志にとして迎えることが出来るのかという事です」
「同志? その息子たちにも素質があるというの?」
「ああ、全裸で楽しそうに猿を追いかけまわしていた」
「なるほど......相当な逸材のようね」
女性がごくりと喉を鳴らした。ケビンたちがこの場にいたら誤解だと声を大にして抗議していただろう。しかしその場に止めるものはいなかった。
「それで? どうやってその子たちの素質を見分けるの?」
「実は既に人を向かわせました」
「ほう? 流石だな。それで誰を?」
「オフィーリア殿です」
その名を聞いた瞬間、二人とも笑った。
「それはまた......その子たちもお気の毒に......」
「あれもまた普通の業ではないからな。素質を見極める前に気に入られでもしたら......」
「それはないでしょう? 私のプロファイリングによれば、彼女の趣味と彼らは一致しないですから」
「それならば構わないが......あれはどうにも不安定な所がある」
「まあそれならばそれで、所詮我らに付いてこれる能力がなかったという事で」
「ふふっ、相も変わらず趣味の悪い人」
「あなたには言われたくありませんよ?」
彼らは何が可笑しいのかお互いに笑いあった。そして少しずつ声が小さくなり、話し合いはそれで一旦お開きとなった。部屋が明るくなった時と同様、明かりが徐々に消えて行き、後には燃尽きた蝋燭のみが残されていた。
桃鉄発売されましたね。もうカードの効果とか忘れてしまったな......




