解体のお勉強
続き・・・ます・・・です。
「おはよう、ナオト君」
「おはようございます、サラシャさん」
こちらの世界での自宅の朝、最初の挨拶を、ウキウキ気分で食事を用意してくれているサラシャさんと交わしていると、聞きなれた質問が。
「新人冒険者さん、今日のご予定は?」
「えっと、自分の地元で評判が良かったので、北門先の広場でお肉調達系の魔物狩りをしようかと。その後早めに終わったら、ギルドに戻って来て、エドガーさんに解体の仕方を教わろうかと思ってます」
「じゃあ、私はギルドに出社して、ナオト君が来るのを待つ事にするわ」
「はい。一頭あたり取れる量が結構あるので、今回帰省から次回帰省までに必要分と考えたら、そんなに狩らなくても大丈夫と思いますので、なるべく早く戻りますね」
「はい、じゃあ、待ってるわね」
「では、行ってきます」
「いってらっしゃい」
一人ぼっちで、家から出掛けていた今までと違い、声を掛けてくれる人が居る家は、それだけでなんか温かく感じ、いいもんだな~、などとホンワカした感じで北門へと向かう。北門の門番さんとはそう会話した事は無いが、それでも何度か通っているのでフリーパスだ。
街の外に出ると、索敵を利用し、魔物を見つけると、短剣を装備し油断しない様心掛けながら、素早く接近し倒していく。数頭の猪を仕留めただけでもかなりの量だ、それでも多めにこしたことはないと、ある程度を狩り、
<ケイさん、今から解体を教えてもらうけど、その前にスキルを持っておきたいんで、いいかな?>
<はい、いい事だと思います。所持した状態で熟練者に教えて頂ければ、それだけ理解が深まると思いますので。>
<では、解体スキルをお願いします。>
<了解しました。解体スキルを獲得しました。>
<ありがとう、ケイさん。>
倒した魔物を収納に収めて、冒険者ギルドへと戻って行った。朝が終わり夕方の混雑との丁度中間の時間である今は、ギルド内も閑散としていた。なので何時もの如く、
「ナオト君、こっち、こっち。おいで、おいで」
「もう他所の受付には行きませんから大声で呼ばないで下さい。恥ずかしいですから」
「いえいえ、こうしないと期待の新人さんには他の受付嬢からもお呼びがかかるかも知れませんから」
お道化た表情でそう語るサラシャさんに、悪気が無いのは良く判っているので、そう強くも言い返せず黙って聞く事に。で、エドガーさんの事を訊ねると、今朝会話で出ていたので、既に頼んであるという事で、一言サラシャさんにもお礼を言ってから裏の解体場へと向かった。
「おう、ナオト。解体の勉強をしたいという事だったが、俺に頼むんじゃダメなのか?」
「いえいえ、こちらで倒してこちらで売る分は今まで通り、腕のいいエドガーさんに頼みますが、せっかく狩りの腕をこちらで鍛えたので、地元でも狩りをしてみたくて。で、地元のものまで持ってくるのはあんまりにも荷物になりますから、向こうの獲物位解体できるようになろうかと」
「そういうことか。ならば喜んで教えてやろう。どうせ魔物を狩ってきたのだろう、解体をしながら教えてやるから、さっさと出すんだな」
「はい、判りました。宜しくお願いします」
そう言って、持ってきた魔物を数頭解体しながら丁寧に教えてもらった。スキルのおかげか手順が判ると、刃物を入れる場所や動かし方が自然と判りスムーズに手を動かす事が出来た。なので、
「お~、ナオトは狩りだけでなく、解体も才能が有りそうだな。どうだ、いずれは儂とこの解体場で働かんか?儂が引退した後はお前になら任されそうだからな」
そんな熱烈な言葉に、
「いえいえ、まだ地元では学生の身分で色んな事を学んでいる最中ですので、将来の事はまだ決めていませんので」
と答えると、
「なんと、学生とな。じゃあ学校に通っているという事か?それならば、やはりお主は貴族か王族の一員か?」
「とんでもないですよ、エドガーさん。自分の国は遠い所に有るのですが、6~7歳の頃から最低9年、それから3年の高等教育までが殆ど皆が、それから更に4年ほど専門的に学ぶところには行く人だけですが全国民の子供が通いますので」
「な、なんと?そんな夢の様な国があるのか?ナオトの言葉遣いから教育を受けてるのは察していたが、それが全国民とは、とんでもない国だな」
「魔物自体が居ない国で、気性が荒い動物程度しかいないので、安全だからですかね」
「それでも、素晴らしいとこだな。そうか、それで酒だけでもあれ程の物が、生産加工できるのだな」
「そうですね、こと製造に関しては諸外国に負けないと先人たちが自負している国みたいですから」
「そうだろうな。では今度、そちらの土産話でも皆に聞かせてくれるか?」
「はい、またお土産持参で帰ってきますので、その時にお話ししましょう」
「おう、今から楽しみだな」
解体を教わり他の話も楽しく盛り上がり、時間が過ぎた時、入口から、
「ナオト君遅い、いつまで解体場に居るの。戻ってらっしゃい」
と、呼び出しの声が、
「おう、嬢ちゃんを待たせすぎたみたいで、怒らせちまったな。行ってやれ。解体はま~合格点だ」
肩を叩きながら前に押し出されたので、
「ありがとう御座いました、エドガーさん」
お礼の言葉を述べて、サラシャさんの元へと向かうのだった。
よろしくですです。




