商業ギルド
品物配達
異世界転移を発動し、向こうの世界へ。今回は狩り目的ではない為、森ではなく街から少し離れた場所へと転移した。二週間ぶり位になるけど、かなり懐かしい感じがする。現実世界でも友達が初めてできた為、凄く濃い時間を過ごしたと思う。
さっそく街へと向かうと、入口に見知った顔が見える。歩いて近寄り声を掛ける。
「ダイクさん、お久しぶりです。ただいま、かな?」
「おう、ナオトお帰り。また一人で歩きで来たのか?」
「はい。ま~自分のペースで行き来してるので、一人が気楽で」
「でも、道中物騒な所もあるかもしれないんだ、用心しろよ」
「はい、ありがとう御座います。それとお土産に珍しいお酒を持ってきたので、仕事終わったら、双樹の憩い亭に」
「お~喜んで行かせてもらうよ。どんな酒か今から楽しみだ」
「では、あとで」
「おう、じゃあな」
挨拶を交わすとフリーパスでの出入り。流石顔見知りしかいないティーダの街である。で、取り敢えず此方にも持ち家があるので、宿の手配は必要はないので、待たせている商業ギルドの方に顔を出しに行ってみる。久しぶりの街並みを眺めながら、テクテクと歩いて行くと、街の中央、行きつけの両ギルドのある場所へと到着する。荷物を捌く為、商業ギルドに入ると、受付のルイさんの処へと向かう。
「こんにちは、ルイさん。時間ありますか?」
「お、お久しぶりです、ナオトさん。マスターが首を長くして待っておりました。さ、さ、どうぞ奥へ」
「ゲイリーさんも、忙しい方ですから、時間をとって頂けるか、確認してからの方がいいのでは?」
「いえ、来たらいつでも通す様にと言い遣っておりますので、大丈夫ですよ」
「そうですか。それでしたら、お願いします」
「はい、では、どうぞ此方に」
前回もお世話になった執務室の前まで辿り着くと、いつものノックと声かけをルイさんがおこなう。
「マスター、お待ちかねのナオトさんがお見えです」
「す、すぐ中にお通ししろ」
「はい、判りました。ナオトさん、さあどうぞ」
そう言ってドアを開き中へと通してくれると、いつもの様に一礼して持ち場へと戻って行った。そして正面には、待ってましたと言わんばかりの笑顔のゲイリーさんが凄い笑顔で待機していた。
「さ、さ、ナオト君、どうぞこちらへ」
「ありがとう御座います、ゲイリーさん」
「早速ですが、ナオト君、例の物は?」
「はい、大量に仕入れて来ましたよ」
「どの位を?」
「取り敢えずで、300本程」
「お、お~~、そんなに?素晴らしい。しかし、困ったことが・・・」
「どうかなさいましたか?」
「前回おろして頂いた、セット。それプラス、マヨネーズを見本に出してみた所、やはり未知の調味料という事で引く手あまたで、かなりの金額に・・・ここで300本おろして頂いて前回の商品も出して頂いた日には・・・」
「何か問題が?」
「家の売却金額が一回で終わってしまいそうなんです」
「そ、それは、さすがに、・・・そんな高額の取引になったんですか?」
「はい。テイスティングとはいえ、物が少なかった物で、カットした野菜一口ずつで、確かめてもらったのですが、後を引くというか、まだ食べ足りない処でやめさせられた感が、かえって高額に結びついたようでして」
「それは大変でしたね~。では、今回も新商品を一応お持ちしたのですが、次回に回した方が・・・」
「ナ、ナオト君、それはどんな商品だい?」
「殆どのお肉に合う、味付け用の調味料です。お肉を焼きながら直にかけてもいいし、皿にとって置いて、薄く切った焼いた肉をつけて食べても美味しいという優れもので、これは、野菜にも利用できます」
「な、なんと、そんな物が。見せてもらえるかね?」
「ええ、ゲイリーさんにサンプルとしてお渡ししておきますので、お渡しする分は自由に使ってみてください」
「それも、売れ筋に加わる様なら、お渡しする金額が・・・」
「ゲイリーさん、前回も言ったように、建物の料金が済んだ後は、売却後に売り上げの一部を貰うだけで大丈夫ですよ。今はそれ程お金に困っていませんから」
「申し訳ない。そうして頂けると、こちらとしても助かります」
「では、そういう事でお願いします。これが、その焼き肉のたれ、というものです。それと・・・」
「はい、なんでしょう?ナオト君」
「この後、夜に時間がありましたら、双樹の憩い亭に来て頂いたら、故郷から持ってきた珍しいお酒を振る舞いますので、是非どうぞ」
「お、お酒まで・・・ナオト君。もしやそれも気に入れば仕入れ可能なのかい?」
「はい、もちろん大丈夫ですが?」
「では、後程是非伺わせてもらうよ」
「では、後程お待ちしております」
会話を終え、品物は受付のルイさんに声を掛け、倉庫にという事で、倉庫に卸しに行き、全てお出し終わると、ルイさんが呆れた顔で、
「たぶん今回で家の代金終わりましたね・・・」
そう呟いていた。これで商業ギルドでの用事も終わりと、目の前の建物へと向かうのだった。
よろしくですです。




