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不良の頼み?

平和のアクセントに?

 机から顔を上げて授業を受けても、誰からも何も言われない、平和な一日を終えたつもりで、道具を抱え帰ろうとすると、二人から声が掛かる。


 「ナオト君、帰りましょう」


 「ナオト、さあ帰ろう」


 「あ~二人とも、毎日自分に付き合ってくれてるけど、大丈夫なん?」


 「「なにが?」」


 「いや、男女分け隔てなく人気あるんで、他の友達とも出掛けたりせんでいいのかな、と?」


 「あ~、大丈夫。周りが落ち着くまで、ナオトに付き合う事皆に言ってるから」


 「それに、急ぎでなんかあれば、一緒に出掛ければいいんです。ナオト君も一人二人帰る人数が増えたって大丈夫でしょ?」


 「まぁ~余程集団に囲まれない限りは、何とか大丈夫、かな?」


 「「なら、大丈夫、です」」


 「そこまで言ってくれるんなら、問題ないかな?」


 「「ないない」」


 「じゃあ、帰りますか」


 と、軽く会話を交わし教室を出て帰ろうとしたところに、最近近寄ってこなかった人物達が、慌てた様子で近寄って来た。その人物を見るなり、警戒心全開で、


 「城野君、ナオト君になにか御用ですか?用事がないなら、通して欲しいんですけど」


 「あんた達、最近大人しかったけど、ナオトにまだ何か用?」


 そんな言葉を掛けられた城野本人達は、


 「違う、そんなんじゃないんだ。絡みに来たとかじゃなく・・・」


 言い難そうに口ごもる。なので、さらに追及の言葉を二人が掛ける。


 「じゃあ、何なの?あんた達がナオトに話し掛けるの、それ以外に見た事がないんだけど?」


 「先生呼んできましょうか?」


 「まっ、待ってくれ。頼む」


 「じゃあ、何なのか早く言いなさいよ」


 学校の二大美女と有名な不良たちのやり取りに、下校しようとしていた生徒たちも注目しだして集まって来た。そんな中、城野達はいきなり土下座を決め込み、


 「すまん、神出。こんな事頼めた義理じゃないのは、良く判ってる。けど、こんな事頼めそうなのは、もうお前しか心当たりがないんだ」


 必死に頼んでくる面々に、理由が判らず首を傾げていると、


 「うちのチームのリーダーが連れて行かれたんだ。助けたいけど俺たちじゃ・・・、頼む神出、力を貸してくれ」


 「あんたたち何言ってるの。不良は不良同士で終わらせればいいでしょ。今までさんざん虐めてきたナオトを頼ろうなんて、恥ずかしくないの?」


 「そうですよ、いままでさんざん威張って来たのに」


 「それは判ってる。けど今度の相手は俺たちじゃ~無理なんだよ」


 「どういうこと?説明して」


 「学校で神出にやられた後、チームの皆を集めてボコろうとして、失敗したよな~、その後も街でその二人を助ける為、矢田さん黙らせたんだろ?それがチームのOBにばれて・・・」


 頬に指を斜めに滑らせ、続けて、


 「こっちもんの、OBが自分たちの作ったチームに泥を塗ったのが許せないんで、その相手、つまりお前をやってこいって言われたんだ。でも、矢田さん、チームの皆を庇ったうえ、お前とも手出ししないと約束したと、突っぱねたんだ。そしたらすぐに車で連れてかれちまって。連れがバイクでつけて場所は判ったんだけど、俺らじゃ・・・」


 「はぁ~、あんたたち、そんな相手にナオト連れてこうとしてるの?バカじゃない」


 「そうですよ。ナオト君こんな大人しいのに。無理に決まってます」


 「いや、そいつ化け物みたいに強いから」


 「「「はぁ?」」」


 「矢田さんも多分、そいつ相手するよりOB相手の方が怖くなかったんだろう」


 「ヤクザ屋さん相手するより?」


 「そうだよ。だから、すまん神出。力を貸してくれ」


 「ナオト、こんな人たちの頼みなんか聞く必要はありません」


 「そうそう、いままで、ナオト君が止めてくれと頼んだところで、頼みを聞いた事なんてないんですから。そんな最低限の頼みすら断ってるのに虫が良すぎます」


 二人の女子から痛い所を付かれ、周りの視線も浴びまくり、さりとてどうしようもなく唇をかむ事しかできない不良達に、


 「城野達の友達の矢田って人を一緒に迎えに行けばいいんでしょ?ゴメンお二人さん、自分のカバンを持ってうちの家に届けといてくれるかな?家の鍵これだから。多分すぐ戻れるんで心配なら待ってていいから」


 「え、行くの?ナオト」


 「行かなくてもいいのでは?ナオト君」


 「いや、もし城野達が言う様に自分に助ける力があるのに助けなかったら、いじめられてた自分は助けてもらえなかったことが、誰にも手を貸してもらえなかったことが当たり前と、自分の中で正しい事になってしまうから。そんな事にはしたくないからちょい、行ってくるよ」


 「ナオト君、ホントに大丈夫?」


 「無理してない?ナオト。父に連絡とろうか?」


 「あ~多分大丈夫だから。もし危なそうなら、連絡するよ」


 「絶対ですよ。家で待ってますからね、なっつんと」


 「うん、待ってるから、しぃ~ちゃんと」


 「了解、なるべく早く終わらせるよ。じゃあ、案内して」


 「行ってくれるのか、神出。スマン恩にきる」


 「女性陣が早くをご所望なので急いで済まそうね」


 「わかった。皆急ぐぞ」


 「「「お~」」」


 何故か不良の一団と家じゃなく別の場所へと向かう事になったのでした。

よろしくですです。

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