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一振り終了

卓球も・・・わからない・・・です

 「さあ、最後の目的地に行ってみよう」


 「今度のは、ダブルスもあるにはあるんですが、経験者じゃないと息が合わないとかで、普通の生徒はシングルスに出るみたいですね」


 「経験者って~うちのクラスに卓球部いたっけ?」


 「何故かいませんね」


 「いや、自分的には納得できる気がしてます」


 「「え、どうしてですか?理由は?」」


 <貴方達も含め、華やかなメンバーばかりのうちのクラスには、卓球というイメージ地味な競技にうちこむような人材が見当たりません、とは言えないよね。>


 <卓球とは地味なのですか?>


 <いや、ちょっと前からよくテレビでも映る様になったから最近はそうでもないみたいだけど、うちの父母時代は地味の代名詞だったみたい。自分に小さい時卓球行くかと父が言ってたら、母に無茶苦茶止められてた記憶があるから。なんか地味でいや~って叫んでたよ。>


 <楽しそうな思い出ですね。>


 <うん。あ、返事忘れそう。>


 「いや~うちのクラス、美男美女多いから、華やかなスポーツのイメージが強くって」


 「「いや~~ん、そんな~~」」


 そんなクラスの中でも目立つ二人は、何故か身もだえていた。校庭の端、部室棟の傍にある卓球場へと到着すると、


 「こんにちわ~~」


 「今日は、宜しくお願いします」


 と言う二大美女の言葉に全員が固まってしまっていた。他の部活と違い、彼女達への免疫がないようだ。そんな中、他のクラスではあるが同学年のマネージャらしき女の子が、一人の男子生徒を引きずって来た。


 「棗さん、柊さん、おひさ~、一年の時同じクラスだった時以来だね~。今日は、こいつに頼んどいたから何でも言ってね」


 「うん、ありがとう。でもいいの?」


 「あ~幼馴染だからという理由で私にマネージャー頼んできた手前、こいつに私からの頼みを断る権利はありません」


 「「そうなんだ」」


 「なんか近親感がわく場面ですね。ここんとこ毎日、自分がさらされている様な」


 「「何か言った」」


 「いいえ、何でも御座いません。お嬢様方」


 「「執事言葉はやめて~~、似合いそうだから」」


 「棗さん、柊さん、漫才に来たの?彼と一緒に」


 「「ちがいます~~」」


 「あ、今日は卓球をした事がないんで、経験させてもらおうかと思ってたら、優しい二人が気を利かして頼んでくれたみたいで。そんなわけでよろしくお願いします」


 「じゃあ、取り敢えず、部の備品のラケットを貸すよ。慣れるまでは対人ではなく、自分のペースで壁打ちしてみて」


 そういって、引きずられていた状態から復活を果たした男子生徒が、ラケットを手渡しながら、テーブル半分を壁につけてある状態の場所へと案内してくれた。そして、


 「じゃあ、自由に使ってくれて構わないから、判らない事があったら言ってね」


 と、元の場所へと戻って行った。初めての真面な対応に、


 「この学校にもまともな対応が出来る男子生徒もいたんだね」


 しみじみそんなことを言うと、

 

 「「当たり前でしょ、前の人達が酷すぎただけなの」」


 と、すぐに言葉を返して来た。今回も前回同様ま~やってみるかとラケットを握り、ピンポン玉を見よう見まねで構えると、勢いよく振りかぶってみた。


 「パァーーーーン」


 という音が室内中に響き渡ると、皆の視線がこちらへ。見ると壁に破裂したピンポン玉の残骸らしきものがへばりついていた。なので一言、


 「これは・・・無理かもしれない」


 無言でうなずく二人に、すまなさそうにしながらも、


 「あと何球壊したら手加減できるか判らないし、手を抜きすぎれば練習にならないし、卓球部の備品を壊し続けるのも悪いし、一球だけだったけど、おいとましよっか?」


 「そ、そうだね。他の皆の練習の邪魔をし続けるのも何だしね」


 「じゃあ、そ、そういうことで、いこうか、ナオト君」


 マネージャーに壊したピンポン玉の事を詫びながら、そそくさと三人でその場を退場すると、出た瞬間、


 「も~、恥ずかしかったよ、ナオト君。注目浴びすぎ」


 「もう少し、手加減できなかったの、ナオト」


 「手加減も何も、初めてラケット振ったから、力加減がわかりませんでした。すいませんです、はい」


 「「たった一球の体験入部なんて前代未聞だよ」」


 「ですよね~~、申し訳ないです」


 「でも、まあ、目的の球技大会の種目の体験は出来た事だし、今日はもう帰ろっか」


 「ですね。明日またクラスの女子とも相談して、出場する競技は決めていきましょう」


 「出場は、決定事項なん?」


 「「はい、絶対です」」


 「ナオト君の雄姿を見たいじゃないですか」


 「いや、そんな大したもんじゃないとおもうけどな~」


 「そんな事ない。今日だけでも結構いいものを見せて貰えたしね」


 「そう言ってくれるなら、初の友達の為、少しは頑張りますか、ね」


 「「張り切り過ぎないように、ね」」


 「はい・・・」


 そんな会話を交わしながら、彼女達を家まで送り届けた後、自分の家へと戻るのだった。

よろしくですです。

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