友達できた、かな?
ちぐはぐです、まだ。
唖然としたのはその場にいる女子達も同じだった。
「なになに、いきなり男子全員が土下座~」
「それによく見ると、かなり身長高くな~い?」
「手足も長いし・・・」
「あれ、ホントに神出~?」
「体育の時の動きも凄かったし別人なんじゃ~」
気にする様子もなく人の陰口を言いまくる女生徒たちを確認すると、我に返り、もうここにいる必要はないな、と帰ろうとすると、
「あ~神出・・・君?」
「それって疑問なの、人?呼び方?」
「まぁ~、両方なんだけど・・・」
「両方なんだ」
「え~い、話が続かない。途中途中で茶々入れない」
「で、なに、棗さん」
「昨日も言ったでしょ、お礼を言いたかったの、しぃ~ちゃんと一緒に」
「うん、なっつんと考えたお礼をするよ」
「昨日も聞いたよ。それでもういいんだって。それよりも本当にお礼なんだったら構わないでくれると助かるんだけど」
「あんた何言ってるの、この二人に此処まで言われて」
外野で話を聞いていた他の女子達が声を荒げてそう言ってくる。なので、
「でも、今回の絡んできた男子達も実際昨日の放課後、人払いをして話し掛けたのが変に広がった結果だと思うし。この二人はもちろん、何故かクラスの他の女子達も、この学校内で見れば異常なほど美少女揃いなのは否定できないから、自分とは不釣り合いすぎて、羨望と嫉妬なんかで尚更いじめられても困るんだよね」
「それは、そうだろうけど、言い方が他にないの?」
何故か皆の表情から、怒りは消えたみたいだが会話は続くらしい。なので昨日より増えた女子軍団に何を言われるか戦々恐々としてると、棗さんと柊さんがまとめに入るみたいだ。
「今から見せる物を、見れば納得してもらえるだろうけど、明日から私達の教室に校内の女生徒が多数押しかけてくる可能性があるから、壁役をお願いしたいの」
「今から、なっつんとお礼を兼ねて整えてくれば、絶対にそうなるから、昨日見たメンバーは判るだろうけど、我がクラスの女子専有にする為にも協力お願い」
「「「話が見えないんだけど」」」
「ちょっと待ってて、神出くん、ちょっとこっち来て」
「何かかなり怪しいんだけど、なに?」
「いいから、早くこっち来て」
「え~」
「いいから」
「わかりました。ここでいい?」
「じゃあ、他の女子達の方向いて」
「こう?」
他の女子達の方へと体を向けると、後ろ側に立った棗さんが思いっきり前髪を搔き揚げた。その瞬間固まる女子達、数瞬後訪れる絶叫。昨日の再現に、
「え~と、昨日も言ったけど、こうなることわかってて、何でこんなことするのかな~、皆嫌がって放心してるじゃん。結果は判ってても、自分もあんま気持ちいいもんじゃないし」
結構不機嫌そうにそう告げるも、昨日と違い今日はちょっと余裕があるのか、
「ず~と、いじめられてたあんたに正直にいまの状況を言っても、納得も信じる事も出来ないでしょうから放っとくとして」
「え、放置なの?」
「茶々入れない」
「はい」
「で、なっつんと私で今からお礼するから、一ヶ所帰りに付き合って」
「あ~~、強制?断る権利は?」
「「ありません」」
「さよですか。じゃあ、付き合うけど、いいの?自分と居ると他の人達がなんか言ってくるかもしれないよ。あんなのと付き合うな、それなら自分と帰りましょう、とか」
「否定できない事だけど、大丈夫。明日からそんな事言われないから」
「え、普通にあると思うけど?」
「いいから、付き合いなさい。それと、皆、何時まで呆けてるの。いまから、しぃ~ちゃんとこいつのイメチェンはかってくるから、さっき言った事明日からよろしくね」
「「「納得。これは酷いわ、落差が」」」
「やっぱ、自分の顔、酷い?」
「だまらっしゃい。大人しく私達について来る」
棗さんと柊さんが両横に立ち、これがイケメンの主人公ならば両手に花のシーンだろうが、自分なら連行される囚人と言った所かな、などと考えながら、渋々歩き出すと、残された女子達から、
「あれは、やばいよ」
「あの二人が横に立ってるのに、霞まないどころか、存在感ますなんて・・・」
「あれ絶対背景に華背負ってるって」
「私の知ってるモデルやタレントより凄いかも」
「「「明日、学校大変そう」」」
などという訳の分からない絶叫がまたも響いてきた。
「他の女子達、時間差ダメージ?」
「あ~ほっといていいよ。明日になればなおるから?なおるかな?」
「酷くなるかも、なっつん」
「そうかもね、しぃ~ちゃん」
こちらでも自分が判らない謎会話が。
「で、どこ行くの?」
「私達二人の行きつけだから、変な所じゃないから安心して」
「なっつんと私に任せて」
「えっと、今の状況がすでに安心できない状況なんですが」
「「なんで?」」
お互い噛み合わない意見を話しながらも街の方へと進んで行く。これは自分には危険地帯かと警戒を厳重にしようかと思案すると、
「なんか、話してみると結構面白い奴ね、あんた」
「それ、私も思った。いじめられて捻くれてる暗い子かと思ってた」
「十分ネクラさんだと思うけど?それにオタクだし」
「オタクなの~?」
「そ、仕方ないでしょ。友達なんかいないんだから、一人でラノベにはまる位しか出来なかったの」
正直に、今までの心境を話すと、突然ふき出した二人が、響く笑い声を上げながら、
「あ~、男の子と一緒だと思って少し緊張してたのが馬鹿みたい」
「そだね~こんだけ警戒心いらない男子は初めてかもね、なっつん」
「「という事で、友達になりましょう」」
「へ?」
「「だから、私達と友達になりましょうってこと」」
「友達っていう言葉には、人生初めての響きにすご~く魅かれるんだけど、相手が二人だと・・・」
「私達に不満があるとでも?」
「なっつん、凄いいい子だよ」
「いや、二人が凄いのは男女分け隔てなく人気がある事で良く判ってるって、問題は・・・」
「「うん、問題は?」」
「自分では釣り合わない事かな」
「あ、無問題だね」
「そだね」
「あれ?」
軽く会話を交わされて、首を傾げてしまう。
「多分、皆、明日からはそんな事言わないから、友達になろ」
「ね、私達と」
「人生初の誘惑に抗えないんで、二人が迷惑じゃないなら、いいか」
「「OK,じゃあ決定ね」」
「取り敢えず、この後の行動に拒否権はありませんので、素直に従う事」
「多分、今までを変える事だと思うから抵抗はあると思うけど、私達を信じて」
「あ~、どんな事かは判らないけど・・・取り敢えず、この後の予定というものに付き合ってみるよ」
「「ありがとう」」
人生初の友達との会話というものをしながら、目的地へと向かうのでした。
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