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良い人達

服屋と食料品やがまだ・・・(ボソ)

 <結構、どの店も近いね。>


 <そうですね、冒険者に必要な物なので、ギルドの近くに集中しているみたいですね。>


 行きたいと思う店は何処も歩いて数分圏内にある。なので、


 「道具屋さん、到ちゃ~く」


 ここでも戸惑わず入って行く。


 「いらっしゃい。見ない顔だな~、うちの店にようこそ。普通の道具もちょっとした魔道具も色々取り揃えてるんで、飽きるまで見て行ってくれ」


 「はい、飽きるまで見させてもらいます」


 「いや~、そう素直に答えられると、冷やかしはお断りとも言えんな~」


 「あ、何かは買いたいと思うので、多分?冷やかしだけにはならないと思います」


 「そうかい、じゃあゆっくり見て行きな」


 チラチラ、コソコソ伺う様な視線ではなく、デンッと真正面のこちらに向かい、愛想よく話し掛けてくれる店主に、(この店の人もいい人そうやん、この街あたりの人多すぎじゃない?)というまた謎のテンションを発揮しつつ、所狭しと並んでいる商品の数々を見て行く。


 <これから先、他のダンジョン行くとしたら、野営も考慮に入れないと駄目かな?>


 <いえ、直人さんの場合は転移がありますので、翌日その場所を思い浮かべられれば、必ずしも必要とはいえません。さりとて、周りに他の人が居る場合なども考慮すれば、収納もある事ですし無駄にはならないかとも思います。>


 <じゃあ、見て見るかな。>


 野営で使う調理器具セットや何に使うか判らないが、取り敢えず定番のロープ、火を付けられる着火の魔道具などを目を輝かせながら見て行くと、大物になるテントのコーナーに差し掛かる。


 「あの~、すいません。これってテントですよね。たたんで置いてあるんで大きさが判らないんですが、どの位の大きさですか?」


 「あ~それか。手前から小型、中型、大型とあるが大体、小型で1~2人、中型で2~3人、大型で4~6人、と言うとこだな。普通パーティを組んでる冒険者は大型一つで荷物を増やさない様にするが、女性混合だと、中型二つというとこかな。あんまりソロって奴は遠出では聞かないんで、小型は中々売れないな」


 「値段は幾ら位ですか?」


 「あ~うちのはどれも、水を弾く良い皮を使ってるんで、金貨で1,3,5という順かな」


 「じゃあ、今まで見た調理器具のセットとロープと着火の魔道具と小型のテントで幾らになりますか?」


 「お~、結構買ってくれるんだな。じゃあ全部で金貨3枚と大銀貨5枚と言いたいところだが、新人だろ?お金もそんな無いだろうし、金貨3枚に負けてやら~」


 「いいんですか?そんな大金負けて頂いて」


 「う~ん、素直な良い坊主だ。よしその値段で水筒もつけてやろう、どうせ持ってないんだろ」


 「ありがとう御座います。でも本当にいいんですか?」


 「な~に、さっき言ったように小型のテントは需要があんまねえし、気に入った奴への先行投資だ。これからもこの店を使てくれるんだろ?」


 「もちろんです」


 「なら、金貨3枚、それでいい」


 「ありがとう御座います。はい金貨3枚です。この前この街で冒険者登録をしたばかりのナオトといいます。これからも宜しくお願いします」


 「おおっと、俺は道具屋の店主で、ロランだ。よろしくな」


 「はい、じゃあまた来ます」


 「おう」


 店を出るとさっそく道具を収納へ。余り多くはないそうだけど収納道具やスキル持ちは要るそうなので、邪魔にならない様、ホイホイと入れておく。


 <それにしても、良い人だったね。用心のため交渉術入れてたのが馬鹿みたいに、真っ青のまんまなんだもん、びっくりしたよ。>


 <そうですね。稀に商売人にも拘らず、儲け度外視で真摯に商売をされる方もいらっしゃいます。ですが、そんな方の店程、人を集め儲かってらっしゃることもあるので不思議ですね。>


 <巡り合わせと薄利多売が噛み合うのって、なんかすごいよね。>


 <ええ、めったにない事と思います。>


 <そうだよね。>


 なんて話してると、防具屋へ到着。なので入ってみる。


 「こんにちは~」


 「よう、いらっしゃい」


 「初心者用の軽装を見たいんですが、いいですか」


 「おう、それは構わね~が、皮鎧のサイズなんか素人じゃ判らんだろ。お前のサイズで見繕ってやろうか?」


 「お金次第では買えないかもしれませんが、それでも?」


 「ああ構わないさ。気に入ったなら取って置いてもいいしな」


 「そこまでしてもらっていいんですか?」


 「な~に、小さい街だ。新人用の防具がそうバンバン売れる訳でもないし、ここに来てくれた奴が装備のせいで死んだなんて聞かされりゃ、目覚めも悪いしな。但し新人用だけだぞ、駆け出し卒業して稼ぎだしたら、良い品を高く買ってくれ」


 「判りました。そうなれる様に努力します」


 「おう、いい返事だ。でこの辺だなお前に合うのは。うちで軽装だと、見たとこその靴も丈夫そうなの履いているから脛当ては要りそうにないし、小手はな~慣れないと手首が使いにくいんだ、なんでしない方が良いだろうし、服の上からつける胸当て位だがそれでいいか?」


 「はい、それと武器を素手だと怖いんで、滑らない様、グローブありますか?」


 「革製のが有るぞ。指はそれぞれ長さが違うんで~中ほどまでしかカバーされてないがそれでいいか?」


 <ゆ、指ぬきグローブ。>


 「は、はい。それが良いです」


 「おう、何かやたらいい返事だな。ま~気に入ってくれたんならいいが」


 <気に入るでしょう。指ぬき、指ぬきですよ、中二推薦の。>


 「じゃあ、その二つを買うとお幾らですか?」


 「金貨1枚と大銀貨5枚、鎧が金貨1枚と大銀貨2枚でグローブが大銀貨3枚って振り分けなんだが、あんま儲けもないし金貨1枚と大銀貨4枚で如何だ?」


 「前のまんまの代金でも」


 「いや初めてなんでな、気持ちだけでもサービスだ」


 「ありがとう御座います。じゃあ金貨1枚と大銀貨4枚です」


 「おう、ありがとな」


 「はい、新人のナオトです。宜しくお願いします」


 「キースだ、またなナオト」


 <いい街だな~、全部が良い人じゃないけど、悪い人が少なすぎ。住みやすそうで良い街だ。向こうがこんな世界だったら、幸せだったかな?まぁケイさんや神様たちにも知り合えてそれから変わり始めてるんだ、これから頑張ればかわるさ。>


 <はい、もう変わり始めてると思いますよ。>


 <じゃあ、これからも頑張るから、よろしくケイさん。>


 <はい、宜しくお願いします。直人さん。>


 次の場所を目指し歩いて行きながら、少し先の将来を思い浮かべるのでした。

よろしくですです。

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